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1089ブログ

2013年もありがほー!

ユリノキちゃん2013年もあとわずか。
今年もトーハクの一年を振り返ってみましょう。


トーハクくん新年も1月2日から開館したほ!
東洋館リニューアルオープンもこの日だったほ。


ユリノキちゃんビジュアルイメージキャラクターの井浦新さんを迎え、東洋館リニューアル開館記念式典が行われました。
洗練された展示空間が多くのお客様でにぎわいました。
お正月恒例の獅子舞や和太鼓に加え、華麗なアジアの舞も披露されたわね。
 

トーハクくん東洋館プロモーションビデオのひろしとユリの物語。
キュンときたんだほ~。

 

ユリノキちゃんあ、私もあれ、ダーイ好き!
井浦さんにご登場いただいた広告ビジュアルが、第80回毎日広告デザイン賞 準部門賞をいただいたことも忘れられない思い出ね。



トーハクくん1月は特別展「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡―」、「書聖 王羲之」も始まったほ。
円空仏が立ち並ぶ、森のような空間が心地よかったほ~。
王羲之展では、蘭亭図巻がアニメのように動く映像が楽しかったほ~。


ユリノキちゃん春は恒例の「博物館でお花見を」。庭園の桜、作品に咲く桜をお楽しみいただきました。
4月からは特別展「国宝 大神社展」も始まりました。普段、なかなか拝見できない神像をたくさん見ることができました。


トーハクくん国宝「七支刀」(奈良・石上神宮蔵)がかっこよかったほ!
「七支刀」は大人気で展示期間が延長されたんだほー。


ユリノキちゃん夏の特別展はわたしも大好きな書の展覧会、「和様の書」でした。
この1089ブログでも、書の楽しみ方やワークショップの模様など盛りだくさんでした。
トーハクWEBでは投票「美文字選手権」も実施。やっぱり三跡が上位独占でしたね。


トーハクくん7月1日からは、トーハク広報室公式のTwitter、facebookを開始したほ!
ぼくもアイコンに登場しているので、ぜひぜひみてほしいんだほ!


ユリノキちゃんそして秋は、「秋の特別公開」、9月28日(土)には「スペシャルイベントデー」を開催。
酒井抱一の「夏秋草図屏風」と「四季花鳥図巻」の美しさにうっとり。
特別夜間開館では、インドネシアのジャワガムランと舞踊、アジアンビアガーデンで秋の夜長を満喫いただけたのでは?
9月は、黒田記念館別館に上島珈琲店がオープンしました。


トーハクくんちょうどこの時期、人気ドラマ「半沢直樹」でトーハク本館の大階段が登場。ロケ地めぐりで話題になったほ!



本館階段


ユリノキちゃん(トーハクくんったら、いつの間に…)
10月からは、特別展「上海博物館 中国絵画の至宝」、「京都―洛中洛外図と障壁画の美」が開催されました。
東洋館リニューアルオープン記念の上海博物館展では、まさに中国絵画の至宝が一堂に会し、小規模ながらも充実した内容の展覧会でした。

トーハクくん京都展は、国宝・重要文化財に指定されている7件の「洛中洛外図屏風」を見比べて楽しめたほ。
4K映像や二条城の空間を再現した斬新な展示にも圧倒されたほ~!


ユリノキちゃん龍安寺の4K映像は、テレビ業界で権威あるATP賞の特別賞を受賞しました!
プロジェクションマッピングも盛り上がったわね。
さて、トーハクくん、来年は…?


トーハクくん本館、正門のリニューアルがあるほ!
特別展も魅力的なラインナップだほ~!おいしそうな白菜も(じゅるる)…。


ユリノキちゃんもう、トーハクくんは食べることばかり…。
お正月は1月2日(木)から開館します。
博物館に初もうで」でお楽しみください。「新春特別公開」では、人気の国宝「松林図屏風」も展示されますよ。



トーハクくんユリノキちゃん今年も一年、お世話になりました。
2014年も、トーハクをよろしくお願いいたします!

カテゴリ:news

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posted by トーハクくん&ユリノキちゃん at 2013年12月30日 (月)

 

「博物館に初もうで-午年によせて-」見どころ紹介

2014年は午年(うまどし)ですね。
馬を描いたり、デザインに使ったりするのって、実は結構難しいのではないでしょうか。作者の力量が如実に現われるような気がします。恒例の干支の展示「博物館に初もうで─午年によせて─」(2014年1月2日(木)~26日(日)、本館特別1・2室)は名品揃いで、その競演をお楽しみいただけます。
ここではこの展示のもう一つの見どころ、「馬具」について、ご紹介したいと思います。

単に馬具(人が馬に乗るための道具類)というと、あまり高級なイメージが沸かないかもしれませんが、古今東西、馬具は権力を誇示する格好のアイテムだったようで、趣向を凝らした美術工芸品をたくさん見いだすことができます。
現代的な例をあげるとすれば、世界的に有名なフランスの高級ファッションブランド、エルメスは、馬具工房として創業したのだとか。馬具も服飾品のように、使う人の個性や趣味を発信するのに最適の品物なのでしょう。

日本でも馬具には、工芸技術の粋を集めた作例が数多く見受けられます。特に鞍と鐙は、乗馬用具の根幹をなすものです。
武器や武具の多くは防水性のために漆が用いられていますが、鞍は特に、高度な漆芸技術によって美しく飾られた作品が、数多く残されています。
今回展示する作品から、いくつかご覧いただきましょう。


重要文化財 獅子螺鈿鞍 平安~鎌倉時代・12~13世紀    嘉納治五郎氏寄贈
重要文化財 獅子螺鈿鞍 平安~鎌倉時代・12~13世紀 嘉納治五郎氏寄贈

螺鈿という、貝殻の内側を平らに加工し、文様の形に切り抜いて貼り付ける装飾技法によって、様々なポーズの獅子が表わされています。その周りには金粉をふんだんに蒔き付けており、黄金色の中に螺鈿の獅子がきらきらと輝いています。
また貝の表面には線刻で、獅子の毛並みやそれぞれに個性的な表情が描かれています。獅子たちはいずれも、勇壮というよりは、ちょっとかわいい感じです。
講道館柔道の創始者として有名な、嘉納治五郎氏の寄贈品です。



菊螺鈿鞍    鎌倉時代・13~14世紀
菊螺鈿鞍 鎌倉時代・13~14世紀

現在まで伝えられた鎌倉時代の鞍は大変希少ですが、そのほとんどが、螺鈿の技法できらびやかに装飾されています。黒漆塗の地に夜光貝が白く煌くさまが、当時の武将の好みに合っていたのかもしれません。
これらは中世螺鈿鞍と総称されていますが、いずれも大変な高級品であり、戦場で実際に使われたというよりは、儀式や神前への奉納といった場面で用いられたと推測されています。また鎌倉時代には貝片を切り抜き、切り透かす技術の精度が最高潮に達しましたが、中世螺鈿鞍にはまさに、日本の螺鈿技術の頂点を見ることができます。
ここにみる螺鈿の精細さと言ったら、まさに超絶技巧です!



蕪平文鞍    室町時代・16世紀    沼田鎌次氏寄贈
蕪平文鞍 室町時代・16世紀 沼田鎌次氏寄贈

いわゆる戦国時代には、実戦用の鞍の形にも、大きな変革がもたらされました。部材は分厚く、幅広になっており、いかにも頑丈で力強い姿をしています。またこの形式の鞍の装飾には、厚い金属板を鋲で留めるなど、豪放で斬新な傾向がみられます。
この鞍でも厚い金銅板を切り抜いて、蕪と雪輪の文様を表わしています。蕪は音が頭(かぶ)に通じ、多くの人々の頭たらんとする武家の間で縁起物とされたといいます。また蕪は土に通ずるところから槌に繋がり、打つ(討つ)縁起をかつぐという説もあります。
いかにも戦国武将らしい、アゲアゲな鞍(?)かも…



重要文化財  芦穂蒔絵鞍鐙    安土桃山時代・16世紀    久松定法氏寄贈
重要文化財  芦穂蒔絵鞍鐙 安土桃山時代・16世紀 久松定法氏寄贈

戦国の世を勝ち抜き、天下統一をなしとげた、豊臣秀吉が使ったという鞍と鐙のセット。芦穂文様の下絵が付属しており、そこに秀吉の書付があるため、これらは秀吉所用で、下絵は狩野永徳が描いたものと伝えられたのです。
立体的に盛り上げた高蒔絵と金の厚い板を用いて、一本の芦穂を堂々と表わしています。
こうした派手で目立つことを志向する文様構成や、芦の茎や葉脈、穂のように黄金の輝きを強調した表現は、桃山期の工芸品ならではの特徴です。
覇者の美意識を体現したかのようなこの鞍鐙は、桃山文化期の工芸の代表となっています。

鞍は、戦野を疾駆する武将達の必需品でした。
しかし、高度な漆芸技術によって装飾された馬の鞍は、まさに美術品といっても過言ではありません。
馬具の名品を見る時、人間にとって馬に乗るということが、いかに重要なことであったのか、感じとっていただけることでしょう。
 

カテゴリ:研究員のイチオシ博物館に初もうで

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posted by 竹内奈美子(工芸室長) at 2013年12月29日 (日)

 

北斎の宝船で縁起のよい初夢を!

今年は、師走に入り急に寒い日が続くようになりました。最近は、天候が不順な年が多いようですが、本来日本は、四季のはっきりした気候を特徴としていました。
暦をめくるように、季節ごとに様々な行事が行われ、自然と人事の流れを感じたものでした。

12月といえば歳末。新しい年の準備におわれる時期でもあったはずですが、近年は新しい年を迎えるよりも前に、年に一度の大イベント「クリスマス」があります。街はイルミネーションで飾られ一年で一番華やかな様相を見せています。江戸時代にはクリスマスなどなく、新年を迎える気分と、年の瀬のあわただしさがあったことでしょう。25日までのイルミネーションが片付けられると、急ぎ足で新年の準備になります。

江戸時代の絵画では、毎月の行事を描いた月次絵には、新年を迎える準備が歳末行事として描かれています。
正月になると初夢で一年を占いました。元日の夜(あるいは2日の夜)に見るのが初夢とされ、良い夢を見るために、宝船売りが縁起のよい宝船の絵を売り歩きました。これを枕の下に入れて、吉夢を呼び込むのです。

今回、葛飾北斎が「勝川春朗」と名乗っていた30歳前後の時期に描かれた「宝船図」を展示します(2014年1月2日(木)~26日(日)、本館10室)。七福神が龍頭の船に乗っています。恵比須が鯛を釣り上げ、千年長寿の鶴が飛び、万年長寿の蓑亀が船に乗り込もうとしています。

宝船図
宝船の七福神  葛飾北斎筆  江戸時代・19世紀 東京国立博物館蔵


枕に敷く宝船図には、回文が添えられていたそうです。この図にも「なかきよの とをのねふりの ミなめさめ なミのりふねの をとのよきかな(長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め 波乗り船の 音の良きかな)」とあります。
一年を占ういかにも縁起のよい夢が見られそうな作品です。

最近は、宝船売りの姿は見られなくなりましたが、今年は12月27日(金)の読売新聞夕刊、12月28日(土)の朝日新聞、毎日新聞夕刊広告にこの宝船の図が切り抜き用で掲載される予定です。
これを敷いてよい一年を占ったら、本物も見たくなるはず。
商売繁盛で、景気も上向き! といきますでしょうか? 

 

カテゴリ:研究員のイチオシnews博物館に初もうで

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posted by 田沢裕賀(絵画・彫刻室長) at 2013年12月27日 (金)

 

お正月はトーハクうま三昧!

トーハクにはたくさんの作品があります。
いろんな時代に作られたもの、いろんな素材のもの、いろんな地域で作られたもの。
お客様からはよく、「どの順番で見たらいいですか?」と聞かれます。
2014年、午年のお正月にトーハクにいらっしゃる皆様に同じ質問をされたとしたら、私は「うま」めぐりをおすすめします!
干支にちなんだ特集陳列「博物館に初もうで-午年によせて-」はもちろん、他の展示室にもうまを表した作品が展示されています。
うまの造形を楽しんでいただくために、ワークシート「クイズラリー トーハクうま三昧」をつくりました。


ワークシート「クイズラリー トーハクうま三昧」
ワークシートをヒントに作品を鑑賞し、クイズに挑戦しながら、「うま」をテーマにトーハクをめぐってみませんか?
展示室の順番に鑑賞することが多い方は、時代、ジャンル、地域ごとに作品を鑑賞をなさってきたと思います。
モチーフをテーマにトーハクをまわれば、これまで見過ごしていた作品、意外な造形にも出会えるはず。
ワークシートではうま以外の、お正月らしいものもご紹介しています。
 

カレンダー

ワークシートの裏面は長谷川等伯筆「牧馬図屏風」をもとにデザインされたカレンダー。
牧馬図屏風は、野生の馬、調教中の馬、子馬など様ざまな馬が描かれた屏風です。
松林図屏風とはまた雰囲気のちがう等伯の屏風と一年お過ごしいただければと思います。

ワークシートは1月2日(木)、3日(金)の11時~16時、先着3000名の皆様限定でお配りします。
配布とクイズの答え合せは東洋館エントランスで行います。是非いらしてください!

さて、私のイチオシのうまがこちら!

土偶 馬
土偶 馬 朝鮮 三国時代(新羅)・5~6世紀 東京国立博物館蔵
(東洋館10室にて、2014年4月6日(日)まで展示)


決してかっこいいとは言えませんが、茶筒のようなからだに頭、尻尾、脚をつけた素朴な雰囲気と表情に癒されます。
近くには同じように作られた「牛」も。
ちょっとした違いで「馬」と「牛」を作り分けていたんですね。
東洋館10室に展示されていますので探してみてください。

博物館に初もうで
年のはじめ、たくさんのイベントとともにうまをテーマに古今東西の文化を思う存分、お楽しみください。
 

 

カテゴリ:教育普及催し物博物館に初もうで

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posted by 川岸瀬里(教育普及室) at 2013年12月25日 (水)

 

クリーブランド美術館展-名画でたどる日本の美 予告

すでにお知らせしている通り、2014年の1月、トーハクでは2つの個性的な展覧会が同時に幕を開けます。
そのうちのひとつ「人間国宝展」については、トーハクくんとユリノキちゃんが「なるほー!人間こくほー!展」で紹介してくれました。
残るひとつ「クリーブランド美術館展―名画でたどる日本の美」については、わたくし広報室の小林が紹介いたします。

そもそもクリーブランドってどこ?
正直言って、日本人にはあまりなじみのない街かもしれません。
クリーブランドは、五大湖のひとつ、エリー湖の南岸に位置するオハイオ州第2の都市です。
音楽が好きな方ならば、アメリカ5大オーケストラのひとつとされるクリーブランド管弦楽団の名前はご存知でしょう。村上春樹の大ベストセラー「1Q84」の冒頭、主人公がタクシーの中で耳にしたのが、ジョージ・セル指揮、クリーブランド管弦楽団による『バルトーク:管弦楽のための協奏曲/ヤナーチェク : シンフォニエッタ』でした。
そのクリーブランドに1913年に開設されたのがクリーブランド美術館。
中世ヨーロッパの美術や東洋美術、そして印象派などの近代美術から現代美術まで、約4万5000点のコレクションを誇る全米でも有数の規模の総合美術館です。


水と緑の風景が美しい、クリーブランド美術館 

なぜ日本美術のコレクション?
それにしても、なぜクリーブランドにこれほどの日本美術のコレクションがあるのでしょうか? 実は、GHQの美術顧問を勤め、東洋美術研究者として名高いシャーマン・リー(1918-2008)が1952年にクリーブランド美術館に赴任し、1958年から館長を勤めているのです。彼が、ジャンルも時代もバランスよく体系的に日本美術を収集したことが、いまの日本美術コレクションの土台になりました。

なぜいま、クリーブランド美術館展を開催するの?
2013年6月、クリーブランド美術館に新しく日本ギャラリーが開室されました。それを記念して、2014年2月16日~5月11日には、東京国立博物館所蔵の日本美術の名品による特別展「伝統の再生-日本近代美術」が開催されることになっています。当館におけるクリーブランド美術館展はその交換展。東京国立博物館とクリーブランド美術館の交流から生まれた展覧会なのです。 

どんな展覧会なの?
みなさま、展覧会のサブタイトルにご注目ください。

「名画でたどる日本の美」

そう、先ほど、シャーマン・リーのコレクションは体系的である、と書きました。
今回の展覧会はまさにその点に着目した構成になっています。
平安時代から明治時代まで、日本の絵画の流れを概観しようという壮大な試みです。
展覧会は、人と自然との関わりをテーマに、(1)神仏を描く作品や肖像画などの人体表現、(2)咲き誇る花や鳥を描く花鳥画、(3)名所や理想の景色を描いた山水画、(4)人と自然が融けあうように表わされる物語絵画と、四つの章で構成されています。
出品作品42件のラインナップには、雪村、蕭白、盧舟、始興に暁斎と人気の絵師も勢ぞろい。

さらに、テーマにあわせて、クリーブランド美術館の所蔵品からピカソ、モネ、ルソーなど西洋絵画と中国絵画の名品も展示。
古今東西の絵の中に遊ぶ贅沢な時間をお約束します。

<主な作品>

雷神図屏風 (らいじんずびょうぶ) 「伊年」印 江戸時代・17世紀
よく知られた「風神雷神図」のうち「雷神」の姿を描いた絵


会場では、有機ELパネルを用いて、当時この絵が鑑賞された環境に近い光を再現する今までにない照明を計画中。
本来の日本絵画のもっていたパワーを実感していただきます。
詳しくは、担当研究員が本ブログでご紹介する予定です。どうぞお楽しみに!


龍虎図屏風(りゅうこずびょうぶ) 雪村周継(生没年不詳)筆 室町時代・16世紀
雨を呼ぶ龍と風を呼ぶ虎。ちょっとユーモラスな表現は、雪村ならでは


燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ) 渡辺始興筆(1683-1755) 江戸時代・18世紀  
尾形光琳を慕った始興の代表作。燕子花の配置が生み出す、心地良いリズムを楽しんでください

「クリーブランド美術館展─名画でたどる日本の美」
2014年1月15日(水) ~ 2014年2月23日(日) 平成館 特別展示室第1・2室  

カテゴリ:2013年度の特別展

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posted by 小林牧(広報室長) at 2013年12月18日 (水)