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文化財を守る―保存と修理―

文化財を守り、伝えるために

本館

わたしたちの使命は、東京国立博物館が所蔵するおよそ11万件の文化財の保存と公開です。保存と公開の両立を図るためには、包括的な保存が必要となります。それは、長期的な見通しの下で予防と修理を的確に実践することです。

わたしたちは、これまでの経験と最新の研究成果を用いた臨床保存の実践を通じて、文化財に生じた劣化・損傷の診断と修理、保存環境の把握と改善など、診 断・予防・修理に日々取り組みながら、包括的保存の実現を目指しています。

 

全体の流れ

時と共に傷んでいく文化財
文化財の健康診断
予防
修理
東京国立博物館保存の歩み
時と共に傷んでいく文化財 → 文化財の健康診断 →  予防 →  修理 →  東京国立博物館保存の歩み

 

東京国立博物館保存の歩み

東京国立博物館の 保存事業は、数多くの専門家によるきめ細かいサポートによって行われています。必要なすべての修理を行うためには、莫大な費用と時間がかかります。これま でにも文化財保存のために民間の方々からの寄付により修理を行っています。ぜひ、当館の文化財の保存にご理解をいただき、ご協力いただければ幸いです。
 
さまざまな日ごろのケア
さまざまな日ごろのケア1
酸性の台紙に接触している浮世絵を外して中性の台紙に貼り込む
さまざまな日ごろのケア2
定期的な手入れでサビを防ぐ
調査の充実
修理や調査のときには必ずカルテを作成し、作品の状態を詳細に記録します。この10年間で、カルテを作成した作品は6000件になりました。すべての作品の調査が完了するまでには、今のペースでは後200年ちかくかかります。
10年間の実績
収蔵庫の状況
地道な取り組みによって、文化財の保存環境が良くなってきました。
収蔵庫の状況
10年間の実績
スタッフの充実に より、博物館の中で大部分の対症修理ができるようになりました(保存修復管理官就任 1994~2000年、保存修復課設立2001年~)。対症修理の件数は、年間約800件になります。環境改善と日ごろのケアを行うことにより、本格的な 修理を遅らせたり避けることが可能になりました。
報告書
報告書
本格修理した文化財すべてについて、毎年報告書を刊行しています。
文化財保存修理事業寄附について
東京国立博物館では、国費に加え、皆様からのご厚志により文化財を修理しております。
ここでは、特に文化財の修理を目的として顕著なご厚志をいただいた方を顕彰しております。