わたしたちの使命は、東京国立博物館が所蔵するおよそ11万件の文化財の保存と公開です。保存と公開の両立を図るためには、包括的な保存が必要となります。それは、長期的な見通しの下で予防と修理を的確に実践することです。
わたしたちは、これまでの経験と最新の研究成果を用いた臨床保存の実践を通じて、文化財に生じた劣化・損傷の診断と修理、保存環境の把握と改善など、診 断・予防・修理に日々取り組みながら、包括的保存の実現を目指しています。
さまざまな日ごろのケア
|
調査の充実
修理や調査のときには必ずカルテを作成し、作品の状態を詳細に記録します。この10年間で、カルテを作成した作品は6000件になりました。すべての作品の調査が完了するまでには、今のペースでは後200年ちかくかかります。
|
||||||
収蔵庫の状況
地道な取り組みによって、文化財の保存環境が良くなってきました。
|
10年間の実績
スタッフの充実に より、博物館の中で大部分の対症修理ができるようになりました(保存修復管理官就任 1994~2000年、保存修復課設立2001年~)。対症修理の件数は、年間約800件になります。環境改善と日ごろのケアを行うことにより、本格的な 修理を遅らせたり避けることが可能になりました。
|
報告書
本格修理した文化財すべてについて、毎年報告書を刊行しています。
|
|||||
文化財保存修理事業寄附について
東京国立博物館では、国費に加え、皆様からのご厚志により文化財を修理しております。
ここでは、特に文化財の修理を目的として顕著なご厚志をいただいた方を顕彰しております。 |