東京国立博物館・東博コレクション展では毎週のように展示替えを行っています。こちらのページでは最新の展示替え情報をご紹介します。
※一部継続展示のものが含まれます。
令和6年度に新たに収蔵品に加わった文化財のうち、寄贈分、購入分より主だった作品を公開します。新収品を通じ、当館のもっとも重要な事業のひとつに位置づけられる「文化財の収集」について、その成果と意義を紹介します。
●担当研究員:村瀬可奈・玉城真紀子
アイヌ文化は13世紀以降サハリン・千島・北海道・北東北のアイヌの人びとが狩猟や漁撈、植物採集に加え、アムール川下流域や沿海州そして本州の和人と交易をもちつつ育んできた独自の文化です。当館のアイヌ資料は、明治6年(1873)に開催されたウィーン万国博覧会の事務局から引き継いだ資料や寄贈をうけた個人コレクションからなっており、さまざまな生活用具や衣服そして武具や祭祀具など膨大な数にのぼります。
ここではアイヌと関わりのあった沿海州や樺太、アラスカに居住していた北方諸民族の物質文化を中心に紹介します。
「中国書画精華」は、毎年秋に東洋館の8室で企画している中国の書跡と絵画の名品展です。
今年は、日本に古くから伝わり、現在に至るまで古典として珍重され愛好されてきた、宋(そう)時代(960~1279)と元(げん)時代(1271~1368)の書画の名品をご覧いただきます。
宋元の書画は、主に、皇帝を中心とした宮廷、科挙(かきょ)に合格して仕官した士大夫(したいふ)や在野(ざいや)の文人によって形成された社交界、さらにそれらと密接に関わり親しい交流のあった禅宗(ぜんしゅう)寺院の三箇所を舞台に発展していきました。士大夫・文人と禅僧が手がけた個性豊かな書跡や、宮廷画家が主導した、洗練された筆墨と緻密な彩色による山水画・人物画・花鳥画などの魅力と、後世への影響を紹介します。日本でも愛されてきた中国書画の豊穣(ほうじょう)な美の世界をお楽しみください。
インドでは、インド神話や、シヴァ神、ヴィシュヌ神などのヒンドゥー教の神々、王の肖像や歴史的なエピソード、男女の恋愛などさまざまなテーマを緻密なタッチと鮮やかな色彩で描いた、細密画とよばれる絵画のジャンルが発達しました。
今回は、アジアの民族文化のケースまで拡大し、クリシュナの生涯を描いた物語『バーガヴァタ・プラーナ』および古代インドの叙事詩『マハーバーラタ』をテーマに展示します。