東京国立博物館・東博コレクション展の最新情報をご紹介します。
(注)一部継続展示のものが含まれます。
『医心方』は、日本に現存する最古の医学書です。平安時代・永観2 年(984) に、朝廷の医師であった丹波康頼(912 ~ 995)が、中国の様々な医書から引用して、病気の原因や治療法を述べたもので、全30 巻からなります。出典のなかにはすでに失われた書物も多く、『医心方』は東洋医学の歴史において極めて貴重な著作と言えます。
この写本は、『医心方』の写本のなかで最も古く、全巻がそろっていることからも貴重です。27 巻分は平安時代に、1 巻は鎌倉時代に書写され、2 巻と1 冊は江戸時代に補われました。室町時代に正親町天皇が典薬頭の半井光成に授けたと伝えられ、「半井家本」とも呼ばれています。もとは宮中に秘蔵され、半井家に移ってからも門外不出として大切に受け継がれてきました。
展示中の「巻第一 治病大体部」は、『医心方』全体の総論にあたり、医(病を治すこと)の心得や薬の服用・調合の仕方、薬の和名など、基本となる重要事項について記されています。
仏教美術は日本美術を代表するジャンルの一つです。その内容は多岐にわたり、各時代ごとに特色ある作品が生み出されました。
絵画は阿弥陀如来が描かれた仏画を展示します。彫刻は2歳のときの姿を表わした聖徳太子立像を展示します。書跡は、故人の供養のためにその消息を写経料紙とした消息経などを展示します。工芸は、釈尊の遺骨とされる舎利を納める舎利容器や、中世日本の密教において舎利と同体と認識された宝珠を表す作例を展示します。
平安から室町時代の美術にはそもそも宮廷貴族が強く関与し、その好尚を反映したものが多く、日本美術史に果たした貴族の役割はきわめて大きいものがありました。宮廷貴族の手によってつちかわれたやまと絵や書の作品、そして宮廷貴族の調度品として用いられた工芸品は後代まで強い影響力をもち、日本美術の重要な位置を占めています。
ここでは、平安から室町までの宮廷に源を発する美術の世界をご覧ください。今回は、室町時代の京都の姿を描いた洛中洛外図の模本とともに、『後撰和歌集』を書写した古筆を紹介します。
鎌倉時代からはじまる禅宗の本格的な導入にともない、絵画では中国宋・元の絵画の影響を受けて水墨画が成立しました。また書の分野でも、中国禅僧の書の影響を受けて、日本禅僧による個性ゆたかで気魄に満ちた作風を示す墨蹟が生まれました。ここでは鎌倉時代から室町時代の水墨画、墨蹟等を展示します。
絵画・書跡とも、禅林で水墨画のモチーフや漢詩の題材として取り上げられた梅にちなんだ作品を中心に紹介します。
南北に長く連なる日本列島は多様な自然環境のもと、さまざまな文化を育んできました。ここでは北の文化の代表として、アイヌの人びとの祈りをテーマとして展示します。アイヌの人びとがまつりの際に身に着けた首飾りなどの装身具に加え、イクパスイ(儀礼用の箆) をはじめとする様々なまつりの道具をご紹介します。
あわせて南の文化の代表として、中国や日本そして朝鮮半島や東南アジアと交易を行うなかで独特な文化をつくりあげた琉球王国の楽器と染織をご紹介します。
法隆寺献納宝物のうち、桂昌院によって寄進された宝物収納箱や、仙洞御所より奉納された人形・花瓶など、近世の工芸品を展示します。