特別展「京都―洛中洛外図と障壁画の美」 開会式が行われました
本日10月7日(月)、特別展「京都―洛中洛外図と障壁画の美」の報道内覧会と開会式が行われました。
開会式には1300人を超えるお客様にお越しいただきました
歴史、文化、景観、食。どれをとっても魅力的な京都。
特に秋は特別公開の寺院も多く、毎年必ず訪れるという人も少なくないはず。
そんな、京都ラブな方も、修学旅行以来京都にはご無沙汰という方も、この秋はトーハクの「京都」に遊びにきませんか?
トーハクの「京都」でご覧いただくのは、京都では見られない400年前の「京都」です。
私たちを400年前へといざなうのは、国宝・重文に指定されている7件の洛中洛外図屏風。
いにしえの京の風景と人々の営みを今に伝えます。(ただし、会期中展示替えがあります)
もっとも注目していただきたいのは、いきいきとした人物描写が魅力の舟木本です。
重要文化財 洛中洛外図屏風(舟木本)(部分) 岩佐又兵衛筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵
展覧会場では最初のコーナーで、舟木本の超高精細画像を超拡大して4×4mの巨大スクリーンに投影。
「洛中洛外図屏風 舟木本」の高精細映像
実物展示では、見過ごしがちな細部の描写をしっかりとご覧いただきます。
祭りの喧騒、花見客のおお騒ぎ、店先の会話、お城のお裁きの様子まで、400年前の京都の人びとの営みがリアルに迫ってくるよう。
映像を見てから実物に向き合うと、細かいところまでよーく見えてくるから不思議です。
今までの展覧会では味わったことのない、うきうきわくわくするような鑑賞体験をお約束します。
洛中洛外図屏風のあとは、その屏風のなかに描かれていた、京都を象徴する3つの場所
京都御所、かの有名な石庭の龍安寺、そして二条城の内部へと入っていきます。
3つの建物の内部を飾っていた華麗な障壁画で、京都ならではの美の空間を体感していただこうというもくろみです。
二条城の空間を再現した迫力ある展示
ん? 誰かと思ったらトーハクくん!?
いつの間にか、この展覧会の共催者、日本テレビのキャラクター、ダベアと意気投合したみたいです。
二条城の松鷹図に圧倒されているよう。
あれれ? ユリノキちゃんは、ショッピングに夢中!?
女子の心をがっちりつかむグッズ満載。これも京都ならでは。
あわせて平成館1階では、明日から始まる特集陳列「清時代の書―碑学派―」の報道内覧も行われました。
こちらは、今年で11回目になる台東区立書道博物館との連携企画。
両展ともに、明日9時30分にいよいよ一般公開です!
投票「洛中洛外図 舟木本」あなたがいちばん見たいシーンは? にあなたの1票を!
特集陳列「清時代の書―碑学派―」関連ワークショップ
「清時代の書に挑戦!」 参加者募集中!
カテゴリ:2013年度の特別展
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posted by 小林牧(広報室長) at 2013年10月07日 (月)
文化の日(11月3日)を中心とし、東京都内全域の文化財の公開や文化財に関わる様々な企画を行う「東京文化財ウィーク2013」が開催されます。
特別公開期間は10月26日(土)~11月4日(月・休)の10日間。
講演会などさまざまなイベントが開催されるのは、10月1日(火)~11月30日(土)の2ヶ月間です。
(参加施設によって多少期間の幅があります。)
今年は、トーハクも初めて参加。
東京都指定有形文化財に指定された「虫豸帖(ちゅうちじょう)」 の公開(本館8室にて10月1日(火)~11月10日(日)まで展示)、
東京文化財ウィークの企画「旧江戸城を歩いてみませんか」に関連し、特集陳列「江戸城」(本館16室、10月22日(火)~12月23日(月・祝))が対象となっています。
「虫豸帖(ちゅうちじょう)」 は、伊勢長島藩第六代藩主、増山雪斎(ましやませっさい、1745-1819)の描いた博物図譜です。
雪斎は詩や絵を得意とし、木村蒹葭堂(きむらけんかどう)、太田南畝(おおたなんぼ)など文人たちとの交流でも知られています。
この精緻な写生図に描かれている虫のほとんどは巣鴨にあった下屋敷で採集されたもので、19世紀初頭の江戸の昆虫などの生息状況を知ることができる、貴重な資料です。
東京都指定有形文化財 虫豸帖(部分) 増山雪斎筆 江戸時代・19世紀 東京国立博物館蔵
トーハクの近くにある、寛永寺境内には、雪斎の写生の様子などが刻まれた「虫塚」があります。
写生した昆虫を供養したいという雪斎の遺志により、1821(文政4)年に建てられました。
こちらもあわせて足を運んでみてはいかがでしょうか。
寛永寺境内の虫塚
特集陳列「江戸城」は、家康・秀忠・家光の徳川三代にわたる普請によって築かれた壮大な江戸城の往時の姿を、最新の発掘成果も交え、御殿内の装飾下絵や建築指図、古写真などで振り返るものです。
忠臣蔵でおなじみの松の廊下にはこんな障壁画が描かれていたのですね。
江戸城障壁画 本丸松廊下 伺下絵(部分) 狩野探淵・住吉弘貫筆 江戸時代・弘化2年(1845) 東京国立博物館蔵
松の廊下跡は現在、皇居東御苑内に石碑が残っていますので、展示とあわせて、往時の江戸城に思いを馳せながら散策するのもよいのでは?
また、通年公開の文化財として、旧東京帝室博物館本館(現在の本館)、表慶館、
旧因州池田屋敷表門(黒門)、旧十輪院宝蔵の4つの建築物もエントリーしています(いずれも重要文化財)。
平成館ラウンジ自販機前のカウンターにガイドブックを用意していますのでご利用ください。
(数に限りがあります。無くなり次第配布終了となります。)
10月26日(土)~11月4日(月・休)はエントリーした建築や「虫豸帖(ちゅうちじょう)」 の解説カードもインフォメーションなどで配布します。
都内各所の文化財を訪ねてカードを集める方もおられるとか。
文化の秋。連休の行楽はトーハクで文化財に触れてみませんか?
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posted by 奥田 緑(広報室) at 2013年10月06日 (日)
こんにちは。展覧会担当研究員の塚本です。今日は特別展「上海博物館 中国絵画の至宝」にようこそお越しくださいました。
いや~中国絵画って、ほんとうにいいですね!作品をずっと見ていると、理想の世界に引き込まれてしまって、現実に戻ってくるのを忘れてしまいそうになります。
えっ、良さがいまいち分からないって?そ、そんな…(泣)!
でもたしかに少しとっつきにくいかも知れません。
それでは、中国絵画をもっと楽しんでいただけるように、読み解くキーワードとなる「七つ道具」をご紹介します。
展覧会を10倍(くらい)楽しめること間違いなしです!
その1
「山水・花鳥・人物」
→中国絵画はだいたいこの三つの分野に分かれます。見ている作品が、そのうちのどれに当たるか分類してみてください。
その2
「文人の画(え)」
→中国絵画では上手い絵よりも、高い人格を持った文人(素人)が描いた絵が尊重されます。絵画は人格の表現と考えられたからです。
一級文物 青卞隠居図軸(せいべんいんきょずじく)
王蒙(おうもう)筆 元時代・1366年 上海博物館蔵
展示期間:10月29日(火)~11月24日(日)
その3
「職業画家の画」
→でも、やっぱり絵は上手いほうがいいよね。そんなあなたのために、超絶技巧の作品もあります。
滕王閣図頁(とうおうかくずけつ)(部分)
夏永(かえい)筆 元時代・14世紀 上海博物館蔵
展示期間:10月1日(火)~10月27日(日)
この部分で、縦が5センチほどの小ささ。絵が描かれている絹地の糸目と同じくらい細く緻密な線が描かれています。
その4
「詩書画一致(ししょがいっち)」
→画のなかに、作者や鑑賞した人の詩や感想が書き込まれます。それらを読んで、味わうのも、醍醐味の一つです。
一級文物 浮玉山居図巻(ふぎょくさんきょずかん)(部分)
銭選(せんせん)筆 元時代・13世紀 上海博物館蔵
展示期間:10月1日(火)~10月27日(日)
「この山水に暮らせば、世に出ることはないのだ」
元朝に仕えることを拒否した銭選の自己表明とも受け取れる詩が、右上に書かれています。
その5
清(せい)と雅(が)
→俗世間を離れた文人たちが追い求めた境地のこと。これです、私の追い求めるものは。
一級文物 石湖清勝図巻(せっこせいしょうずかん)
文徴明(ぶんちょうめい)筆 明時代・1532年 上海博物館蔵
なんて素晴らしい景色だろう。
その6
奇(き)と狂(きょう)
→でも、清いだけじゃつまらないですよね。個性を爆発させるタイプの画家の作品はこう呼ばれます。
山陰道上図巻(部分)
呉彬(ごひん)筆 明時代・万暦36年(1608) 上海博物館蔵
目がまわりそうになります。
その7
筆墨の美(ひつぼくのび)
→中国絵画では「形(似ていること)」を重視しません。
いや、正確にいえば、元時代以降、「似ていること」が悪いことになりました。
では何を描いているのでしょうか?
一級文物 漁荘秋霽図軸(ぎょそうしゅうせいずじく)
倪瓚(げいさん)筆 元時代・1355年 上海博物館蔵
展示期間:10月1日(火)~10月27日(日)
それは「筆墨」です。筆墨とは、毛筆で描いた時のかすれやこすれのことです。
人によってそれぞれ書く字が違うのは、書いた字の線も違うからです。中国人は、この線によって、無限の感情表現ができることに気が付きました。
一級文物 漁荘秋霽図軸(ぎょそうしゅうせいずじく)(左下部分)
カミソリで削ぎ落としたような、孤高を感じる筆墨。ときめきます。
一級文物 青卞隠居図軸(せいべんいんきょずじく)(中央部分)
わだかまるような複雑な感情を表す筆墨。たまらない。
このように、多種多様な「筆墨の美」にご注目ください。
どうですか?この「七つ道具」をもっていけば、もっと展覧会を楽しめそうでしょう?
西洋画とも日本画ともちょっと違う中国絵画の世界。
名品でめぐる贅沢な中国絵画の旅へ、行ってらっしゃい!
カテゴリ:研究員のイチオシ、2013年度の特別展、展示環境・たてもの
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posted by 塚本麿充(東洋室) at 2013年10月04日 (金)
本日、特別展「上海博物館 中国絵画の至宝」が開幕しました!
一級文物(日本でいう国宝)が18件、全40件もの作品が、ついに日本まで来てくれました!
上海博物館とトーハクの深い交流があって実現した展覧会。こんなにたくさんの一級文物を貸し出してくださって、関係者一同感無量です。
ご尽力いただいた皆様に心から感謝いたします。
本日の開幕に先立ち、昨日は報道関係者向けの内覧会が行われました。
展示室に入ると、そこは中国文人の世界。じっと向き合っていると、その深い精神性がしみじみと伝わってきます。
報道の皆様も食い入るようにみていらっしゃいました。
真剣に見ていらっしゃいますね。どの作品かというと…
一級文物 煙江畳嶂図巻 (えんこうじょうしょうずかん)
王詵(おうしん)筆 北宋時代・11~12世紀 上海博物館蔵 展示期間:10月1日(火)~10月27日(日)
美しい水の流れと山々がとおく霞の向こうにひろがり、よく見るとその中に小さく4人の人物が描かれています。
どこにいるのでしょうか?本当に細かく、ふんわりと幻想的に描かれているので、見逃さないでくださいね。
さて、こちらの方々がご覧になっているのは…
一級文物 琴高乗鯉図軸
李在筆 明時代・15世紀 上海博物館蔵
国宝 秋冬山水図 雪舟等楊筆 室町時代・15世紀末~16世紀初 東京国立博物館蔵(2014年1月28日(火)~2月23日(日)まで本館2室にて展示予定)の作者、雪舟が師事した李在の名品。
名品が生まれるルーツは、中国にあったのですね。
また、展覧会担当の塚本研究員による熱いギャラリートークも行われました。
ギャラリートークの様子。 マイクをもっているのが塚本研究員。
ちなみに塚本研究員のトークは、10月12日(土)の講演会、11月8日(金)のリレートークだけでなく、音声ガイドでもお聞きいただけます。
担当者ならではの深い愛情が伝わってくる、分かりやすい音声ガイドです。ぜひ聞いてみてください。
このあと開会式・内覧会も行われ、上海博物館の皆様をはじめ、多くのご来賓やお客様が来館されました。
手前から3番目に上海博物館副館長 李仲謀氏、その隣に東京国立博物館長 銭谷眞美。
江戸時代の日本の文人たちも憧れた中国文人画。
当時の日本には、その正統派とされる作品が存在しなかったため、彼らは本物を見ることが出来ませんでした。切ない…
しかしいま、その名品中の名品がトーハクに来ています。日本人が憧れ続け、日本絵画のルーツともなった中国絵画を、ぜひその目で確かめてみてください。
今後、当ブログにて特別展「上海博物館 中国絵画の至宝」の見どころについて研究員がご紹介してまいります。
どうぞおたのしみに!
カテゴリ:news、2013年度の特別展、展示環境・たてもの
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posted by 小島佳(広報室) at 2013年10月01日 (火)
9月28日(土)は夜8時まで開館し、さまざまなイベントを開催します!
9月28日(土)は、「秋の特別公開」の終盤を飾る、スペシャルイベントデーです。講演会やコンサートなどのイベントが目白押し! 秋の一日を博物館でのんびり過ごしてみませんか。
まずは、トーハク収蔵品のなかでも特に人気の高い、酒井抱一筆の夏秋草図屏風をじっくり鑑賞。驟雨(しゅうう)に打たれる夏草と、野分に吹き流される秋草を描いた抱一の最高傑作です(9月29日(日)まで本館7室に展示)。
15時からは平成館大講堂にて講演会「酒井抱一筆『夏秋草図屏風』の魅力」(講師:当館研究員 本田光子)も開催します(当日先着380名)。奮ってご参加ください。
関連グッズも本館ミュージアムショップ特設コーナーに多数取り揃えました!
芸術の秋にちなんだ音楽イベントも続々開催します。
Music Weeks in TOKYO 2013 まちなかコンサートをトーハクで開催!フルートとハープのコンサートを、表慶館エントランスホールで11:00~、13:30~の2回開催します(フルート:上野由恵、ハープ:平野花子、各回先着100名)。
クラシックの優雅な調べをお楽しみください。
夕方からは、東洋館リニューアルオープンを記念して、ジャワガムラングループ ランバンサリによるガムランと舞踊(小島夕季)のコンサートを、平成館ラウンジで16:30~、18:30~の2回開催します(各回先着200名)。
青銅製の打楽器が奏でる、インドの伝統音楽 ガムランの調べとともに、幻想的なアジアの夜をお過ごしください。公演後は、ガムランの演奏体験もできます。
参考イメージ(写真:古屋均)
東洋館エントランス前では、アジアンビアガーデンを開催! インドネシアビールをはじめ、上海ヤキソバやエビチリ春巻きなど、アジアンテイストのメニューも揃えて、皆様のご来店をお待ちしています。大人気の「一番搾り フローズン<生>」もあります!
ソフトドリンクもご用意しておりますので、ご家族でお楽しみいただけます。
※ビアガーデンは15時開店、ラストオーダー 19:20 (雨天中止)
作品を鑑賞し、音楽に触れ、アジアンビールに酔う秋の一日。
皆様のお越しをお待ちしております!
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posted by 長澤由美子(総務課) at 2013年09月26日 (木)