本館 16室
2013年10月22日(火) ~ 2013年12月23日(月・祝)
本陳列は、建築図や古文書・古写真などで、徳川幕府の居城江戸城の構造や普請の様子を紹介するものです。
中世に築城が遡る江戸城は、家康(いえやす)・秀忠(ひでただ)・家光(いえみつ)の徳川三代にわたる天下普請(てんかぶしん)によって、空前絶後の規模をもつ城郭となります。広大な武家地や町地を内に含む外郭は総延長14kmに達し、内郭のみで全国の諸城郭を凌ぎました。そして内郭の内側に多くの建築物が建ち並び、これを城内といい10万坪におよびます。
城内には、大奥をはじめ、将軍や世子・大御所の居館、また幕府の政庁などの建物に常時数千人の人々が暮らしていました。
江戸城は何度も火災によって焼失しますが、天守閣を除き、そのたびに元の通りに再建されます。こうした建物は壮麗な外観を呈し、また内部も贅を尽した意匠が凝らされていました。
その様子は今回陳列した絵図や古文書から一端が知られますが、近年の発掘調査によっても、その実態が次第に明らかになってきました。本陳列では当館所蔵の資料に加え、東京都教育委員会・千代田区教育委員会・東京都立中央図書館・東京都江戸東京博物館の資料をまじえ、巨大城郭江戸城の一端を紹介します。
担当研究員の一言
当館の収蔵品に加えて、都立図書館や日比谷図書文化館からも出品されます。またこの展示は東京都文化財ウィークにも参加しており、秋の日の一日を散策してもらえれば楽しめます。/冨坂 賢