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海外展「日本美術の粋―東京・九州国立博物館名品展」の舞台裏(1)

こんにちは、特別展室の金井です。
東京国立博物館は、年間、いくつの展覧会を行っているかご存知でしょうか。今年だけでも「黒田清輝」「黄金のアフガニスタン」「ほほえみの御仏」「古代ギリシャ」、最近では「」「平安の秘仏」など、これを読んでくださっている方々は、すぐにいろいろな展覧会名を思い出されることと思います。

実は、東京国立博物館が行っている展覧会は、博物館の敷地内だけではありません。当館の収蔵するコレクションなどを、当館のスタッフが、海外の博物館でご紹介することもあります。いわゆる「海外展」です。
今回は、今月12月10日(土)に台湾の國立故宮博物院南院で開幕した海外展「日本美術の粋―東京・九州国立博物館名品展」(「日本美術之最―東京・九州国立博物館精品展」)について、展示の様子などを数回に分けてご紹介いたします。

國立故宮博物院南院区

展覧会名 : 「日本美術の粋―東京・九州国立博物館名品展
会  期 : 2016年12月10日(土)~2017年3月5日(日)
会  場 : 國立故宮博物院南部院區
主  催 : 國立故宮博物院南部院區、東京国立博物館、九州国立博物館

「台湾の國立故宮博物院」とお聞きの方は、2年前に当館と九州国立博物館が開催した特別展「台北 國立故宮博物院-神品至宝-」がご記憶に新しいかと思います。今回の海外展は、いわばその返礼として、日本を代表する名作の数々を台湾の皆様にご紹介する展覧会として、2年前から企画を進めてきたものです。東京と九州の国立博物館から、国宝18件、重要文化財44件を含む計151件を展示します(※展示替有)。

会場となるのは、台中と台南のあいだにある嘉義市に昨年新しくオープンした「國立故宮博物院南部院区」、通称「南院」という博物館です。

國立故宮博物院南院区 外観
國立故宮博物院南部院区 外観(画像提供:國立故宮博物院)

台中、台南の文化的中心となるべく、広くアジア圏の文化を紹介することを目的に設立され、常設展・特別展併せて10件ほどのテーマが展開されています。

最新鋭の設備の整った素晴らしい博物館施設ですが、日本美術を、これだけまとまった形で展示するのは初めてのことです。また、掛幅ひとつとっても、当館と南院では展示方法が少しずつ異なります。いかに安全に輸送し、展示し、作品にとって理想的な展示環境を維持するかを、台湾側、日本側のスタッフが2年間かけて綿密に相談し続けました。

次回からは、開幕までの準備の様子についてご紹介したいと思います。

 

カテゴリ:研究員のイチオシnews

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posted by 金井裕子(特別展室主任研究員) at 2016年12月22日 (木)

 

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