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“いやし”と“パワー”の特集陳列

”いやし”と”パワー”の特集陳列「南太平洋の暮らしと祈り」

南太平洋の人々が使っていた伝統的な生活や信仰にかかわる作品を集めた特集陳列(本館2階の特別2室)が、今週日曜24日に最終日を迎えます。

素朴な造形が見るものをなごませたり、生命力あふれる宗教彫刻からパワーを感じたりと、作品によってさまざまな魅力をお楽しみいただけます。

ここでは、そのなかでもとくに注目の作品をご紹介します。 

まず、木をくりぬいて作ったココナッツジュース容器。

 

前足、後足を広げたトカゲの像がふたにへばりついています。愛らしい表情の顔には、貝殻を削って作った目をはめこんでいます。赤茶色に塗られた容器全体にも、トカゲの目と同じ種類の貝殻で作った飾りをちりばめています。

 

ワニの木彫は迫真の出来栄えです。大きな口からのぞいた牙や、見開いた目は、静かに獲物を狙い定めているようです。それでいてどこか愛嬌が漂うのは、全身のウロコを赤や黄色でカラフルに彩色しているためでしょうか。ワニを祖先として崇拝するニューギニア島の部族が、神聖な建物のなかに安置していたものと考えられます。

 

高さ2メートル40センチを超える大型の木彫は、展示ケースの天井に着きそうなほどです。中心の円盤状部分をはさんで黒い鳥が向き合い、その下には白を基調にした女性像、上には黒を基調にした男性像を配置しています。本作は葬儀のときに祈祷所に立てた飾りで、男女の像はそれぞれ先祖あるいは死者の姿を表したものと考えられます。透かし彫りを随所に施しており、その技巧の細かさには驚かされます。

  

特集陳列「南太平洋の暮らしと祈り」の会期は今週末の4月24日(日)まで。

この機会をぜひお見逃しなく。

リーフレットの表紙

会場では無料でリーフレットを配布しています。

カテゴリ:研究員のイチオシnews

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posted by 川村佳男(学芸研究部保存修復課) at 2011年04月22日 (金)

 

おすすめコンテンツ 第1回『季節を感じるポストカード』

リニューアルした当館ウェブサイトには、今までには無かった新しいコンテンツが満載です。
今回から、連続シリーズで皆様に新しいコンテンツのご紹介をいたします。

今回のおすすめコンテンツは『ポストカード』
東京国立博物館のコレクションをデザインしたオリジナルポストカードの画像がダウンロードできます。
春夏秋冬に各2枚、それぞれの季節にふさわしいカードを期間限定でリリースする予定です。
「ポストカード上の当館所蔵の名品を見て季節を感じてもらえたら・・・。」そんな思いで、このコンテンツを作りました。

 

今ならこちらのポストカードの画像がダウンロードできます。

 

今の季節は春。
お皿の上に満開の桜が咲き誇る『色絵桜樹図皿』や、春夏秋冬の草花と鳥を描いた巻物『四季花鳥図巻』の中から春のシーンを抜き出してモチーフにしたポストカードです。
ポストカードを送る人も受け取る人も、春のような暖かい気持ちになるのではないでしょうか。
どうぞご利用ください。

TOPポストカードでご覧いただけます。

カテゴリ:newsウェブおすすめコンテンツ

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posted by 広報室Web担当 at 2011年04月21日 (木)

 

手塚治虫のブッダ展 作品リスト公開

手塚治虫の描いた漫画「ブッダ」のさまざまな場面と、ほんものの仏像を見くらべながら
ブッダの生涯をたどる新しい試みの展覧会「手塚治虫のブッダ」展(4月26日~6月26日)。

詳細ページ作品リストをアップしました。

手塚治虫の原画は、単行本の表紙を飾ったカラー作品を含む52件を展示します。
対する仏像は、重要文化財6件を含む20件です。

一昨日、そのうちのひとつ、重要文化財の伝釈迦仏倚像を東京・調布市の深大寺からお預かりしてきました。

早朝、まだ人気のない境内にはしだれ桜が咲いていました。

両脚をおろして椅子に腰かける、大変珍しい姿の仏像で、時代は飛鳥時代・7世紀、白鳳期にまでさかのぼります。

この時代特有のふっくらとした優しいお顔立ちにうっとり。
見ていると優しい笑みがこちらにうつって、思わずにっこりしてしまいます。

彫刻担当の研究員が丁寧に調書をとり

薄葉紙(うすようし)という和紙で保護をします。

仏像が安置されていたお厨子も丁寧に運びます。

厨子は昭和7年(1932)に当時工芸界の第一人者だった吉田包春が制作したもの。

この仏像が厨子と一緒にお寺の外で公開されるのは始めてだそうです。

釈迦仏が安置されていたお堂には、展覧会のポスターを貼っていただいていました。

美しい釈迦仏は、会場の中央に展示されます。

カテゴリ:news2011年度の特別展

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posted by 小林牧(広報室長) at 2011年04月20日 (水)

 

役者は揃った! 特別展「写楽」作品リスト公開

特別展「写楽」は、震災の影響による諸事情により、会期を変更しての開催となりました。また、当初予定されていた作品が展示されない場合がある旨、本ウェブサイト等でもお知らせしております。
しかし本日、晴れて現段階での出品予定が判明いたしましたので、いち早く皆様にご報告申し上げます。

出品作品リストはこちら

「震災の影響による諸事情」というのは、具体的に申し上げますと2点ありました。ひとつは計画停電の影響等で、搬入、展示作業に遅れが出たこと。そしてもうひとつは海外所蔵作品の出品について、とりやめになるおそれがあった、ということです。しかし、現時点では調整中の5点を除いて、予定されていた作品が全て展示されることが決定いたしました!所蔵先のみなさま、有難うございます!

まさに「役者は揃った」、いや「揃うか」?!

特別展「写楽」、まさに特別な展覧会となりそうです。

 

>4月19日(火)13:50
いま!いま正に!調整中だったホノルル美術館から、出品OKの連絡が入りました!!
リストを更新いたしましたのでご覧ください。

出品作品リストはこちら

所蔵先のみなさまへの感謝の気持ちでいっぱいです!空前絶後の展覧会、絶対にお見逃しなく!

カテゴリ:news2011年度の特別展

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posted by 小島佳(広報室) at 2011年04月19日 (火)

 

博物館でお花見を 17日(日)まで!

国宝に咲くさくらと、庭園に咲くさくら。
トーハクは、ふたつのさくらを楽しめる、世界でひとつのお花見スポットです。
今年の「博物館でお花見を」はいよいよ今週末までとなりました。

国宝「花下遊楽図屏風」(かかゆうらくずびょうぶ)をはじめとする、さくらやお花見をテーマにした作品を公開中。
本館エントランス、平成館ラウンジ、庭園内の3か所にポストを設け、投句形式の句会「花見で一句」も開催しています。
さくらの作品をめぐるスタンプラリーでは、さくらのバッヂをプレゼントします。

さて、気になる桜の開花状況です。
庭園内のオオシマザクラはまだまだ見ごろ。
黒門脇のイチヨウザクラが満開です。

そしてこのあと法隆寺宝物館周辺の八重桜がどんどん咲いてくる頃です。
気温によっては一気に満開になりそうです。

春の花は桜だけではありません。


最近珍しくなったという、カントウタンポポが構内のあちこちで花を咲かせています。



さらに、本館北側の庭園の片隅では、ニリンソウの小さな群落がそろそろ見ごろを迎えます。

日本の美術にはこんな足元に咲く可憐な草花もたくさん描かれています。

おすすめは鍋島焼のタンポポのお皿。


本館8室暮らしの調度で展示中

 

乾山(けんざん)の絵の中にも、
ほら、こんなかわいい春の花があふれていますよ。


本館8室「書画の展開」で展示中

 

 

カテゴリ:博物館でお花見を

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posted by 小林牧(広報室長) at 2011年04月15日 (金)