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特別展「茶の湯」20万人達成!

特別展「茶の湯」(4月11日[火]~6月4日[日])は、5月26日(金)に20万人目のお客様をお迎えしました。
ご来館いただきました多くのお客様に、心より御礼申し上げます。

20万人目のお客様は、茨城県ひたちなか市よりお越しの小野瀬きよみさん。
小野瀬さんには、当館館長の銭谷眞美より、記念品として展覧会図録とトートバッグを贈呈しました。


特別展「茶の湯」20万人セレモニー
左:小野瀬きよみさん、右:館長の銭谷眞美
5月26日(金)平成館エントランスにて。
トーハクくんとユリノキちゃんもお祝いに駆けつけました

10万人目のお客様に続き、20万人目の小野瀬さんもお着物でご来館くださいました。
何と小野瀬さん、お茶の先生をなさっていらっしゃるとか!
本日もお茶のお稽古帰りに、お友達とご一緒にお立ち寄りくださったそうです。
ちなみに、お友達もお茶を習っていらっしゃるそうで、やはりお着物でお越しくださいました。
まさに本展の20万人目にぴったりのお客様です!

小野瀬さんは「仕事柄、お茶のお道具には興味があります。今日は、お稽古用とは違う、本物のお道具が見られるのが楽しみです」とお話しくださいました。
特に三井記念美術館所蔵の国宝「志野茶碗 銘 卯花墻」が気になるそう。
小野瀬さんだったら、卯花墻でどんなお茶を立てられるのでしょうね。

特別展「茶の湯」は6月4日(日)まで。
そろそろ閉幕の足音が聞こえてきました。
次にこれだけの名品が勢揃いするのは、果たしていつになることか…という、奇跡の展覧会です。
どうぞお見逃しのないように!
 
 

カテゴリ:news2017年度の特別展

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posted by 高桑那々美(広報室) at 2017年05月27日 (土)

 

「フランス人間国宝展」報道発表!

東京国立博物館では、9月12日(火)~11月26日(日)、表慶館にて「フランス人間国宝展」を開催します。



日本には重要無形文化財に指定されている伝統工芸の最高の技術者に与えられる称号として、通称「人間国宝」というものがありますが、フランスの文化・通信省では、これにならい1994年、フランスの伝統技術の継承者に対し、人間国宝(メートル・ダール〈Maître d’Art〉)という制度を創設しました。
その「メートル・ダール」の認定を受けた13名の作家と、メートル・ダールにまだ認定はされていないものの、それにふさわしい創作活動をしている作家2名の、合計15名の工芸作家による革、鼈甲、羽細工、傘、扇、壁紙など珠玉の作品、およそ 200件を紹介する海外初の展覧会です。


日傘 イシス  ミシェル・ウルトー 2013年 個人蔵  
©Greg GONZALES



扇 ホワイト・ウェディング シルヴァン・ル・グエン 2008年 個人蔵
©Stephen Jackson


5月17日(水)、開催に先立ちご後援いただいているフランス大使館の大使公邸にて、報道発表会を行ないました。


フランス大使公邸の報道発表会場。たくさんのメディアの方にお集まりいただきました。

当日は、駐日フランス特命全権大使 ティエリー・ダナ閣下、また主催者を代表して井上洋一 東京国立博物館副館長からの挨拶のあと、本展を監修いただいたキュレーターのエレーヌ・ケルマシュテール氏から見どころについてご紹介いただきました。


ティエリー・ダナ駐日フランス大使


井上洋一 東京国立博物館副館長


映像を使いながら見どころを解説するエレーヌ・ケルマシュテール氏


報道発表会では、本展に出品される世界的に著名な陶芸作家、ジャン・ジレル氏の作品のフォトセッションも行われました。

展示会場は明治末期の洋風建築を代表する建物として重要文化財にも指定されている表慶館。展示空間をデザインするのは世界的にも注目されている建築家、リナ・ゴットメ氏。どんな展示空間となるのかも見どころです。

フランス伝統工芸という至福の芸術世界を堪能できる「フランス人間国宝展」、皆様どうぞお楽しみに!

カテゴリ:news2017年度の特別展

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posted by 武田卓(広報室) at 2017年05月19日 (金)

 

特別展「茶の湯」10万人達成!

特別展「茶の湯」(4月11日[火]~6月4日[日])は、5月2日(火)に10万人目のお客様をお迎えしました。
多くのお客様にご来館いただきましたこと、心より御礼申し上げます。

10万人目のお客様は、千葉県市川市よりお越しの伊田理絵さん。
この日は、着付け教室の先生と生徒さんの4人でご来館くださいました。
さすが、皆様、お着物がよく似合っていらっしゃいます。


特別展「茶の湯」10万人セレモニー
5月2日(火)平成館エントランスにて

伊田さん(写真右から3番目)には、当館館長の銭谷眞美(写真右から2番目)より、記念品として展覧会図録と本展オリジナルTシャツを贈呈しました。

着物には、天目の斑紋のような文様を表現した「天目染め」という技法があるそうで、「天目の茶碗を見てみましょう、という先生のご発案で来ました」とのこと。
「茶の湯のお道具を扱った展覧会は初めてで、興味があります」とお話しくださいました。
それもそのはず、茶の湯をテーマにした大規模な展覧会は実に37年ぶり!
20代の伊田さんが初めてとおっしゃるのも当然のことなのです。

それほどに貴重な機会である特別展「茶の湯」
どうぞお見逃しのないように!

なお、本展に着物でご来館された方は、当日料金の100円引きとなる「きもの割」を実施しています。
着物の似合う展覧会、しかも暑すぎず寒すぎず、良い季節です。
お着物をお持ちの方、ぜひ本展にお出かけになりませんか?

カテゴリ:news2017年度の特別展

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posted by 高桑那々美(広報室) at 2017年05月03日 (水)

 

今秋開幕! 史上最大の「運慶」展

この秋、史上最大の運慶展を開催します!



お耳の早い仏像ファンの間では既に話題となっていましたが、興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」をトーハクで開催します(9月26日〔火〕~11月26日〔日〕)。
4月20日(木)には報道発表会を開催し、今までベールに包まれていた展覧会の詳細をご紹介しました。


興福寺は運慶とゆかりの深いお寺。
報道発表会では興福寺の多川貫首よりご挨拶をいただきました



「この展覧会で運慶のすばらしさを伝えたい」と語る浅見研究員

本展は興福寺中金堂再建記念事業として企画したもので、同寺所蔵作品をはじめ、京都、和歌山、愛知、静岡、神奈川など、各地から運慶の作品が出陳されることが、報道発表会で明らかに。

国宝 毘沙門天立像
運慶作 鎌倉時代・文治2年(1186)
静岡・願成就院蔵
写真:六田知弘



重文 聖観音菩薩立像
運慶・湛慶作 鎌倉時代・正治3年(1201)頃
愛知・瀧山寺蔵
写真:六田知弘


「写実性」「姿の美しさ」「いきいきとした表情」とは、本展担当の浅見研究員が語る運慶作品の魅力。
特別展「運慶」は、その圧倒的な造形を余すことなくご覧いただける展覧会です。

さらに、運慶の父・康慶(こうけい)、息子・湛慶(たんけい)と康弁(こうべん)の作品もあわせて展示することで、運慶の登場前夜から次世代への継承までもがたどれるという、スケールの大きさ!
まさに、史上最大の運慶展です。


国宝 天燈鬼立像(右)・龍燈鬼立像(左)
康弁作 鎌倉時代・建保3年(1215)
奈良・興福寺蔵
写真:六田知弘


こうして本展の見どころを知れば知るほど期待が高まりますが、開幕は約5ヵ月先のこと。
それまで「仏欲」が抑えきれない! という人、あるいはこの期間を利用して予習をしたい! という人、「運慶学園」に入学しませんか?


報道発表会の行われた4月20日に「運慶学園」も開校!
手芸部部長の篠原ともえさんも意気込み十分です


「運慶学園」は、豪華講師陣が授業、部活を通してさまざまな視点から運慶の魅力をお伝えする運慶ファンクラブサイトです。
運慶について知りたい人は授業から、もっと身近に運慶の魅力を感じたい人は部活から。
それぞれの興味にあわせて、学園生活をスタートできます。

運慶に関する知識レベルをチェックするため、入学試験も設けられています。
早速、トーハクくんとユリノキちゃんが入試に挑戦しました。
結果は…


ユリノキちゃんは余裕の「特待生」。さすがですね。

手芸部でアクセサリー作りに挑戦してみたいです。

一方のトーハクくんは「もっとがんばりましょう」。


いろんな授業を受けて、開幕までにユリノキちゃんを追いこしてみせるほ!

入学試験の受験者には、壁紙としてお使いいただけるWEB学生証をプレゼントしています。

また、本展覧会ではさまざまな特別前売券をご用意しています。
グッズ付き、レクチャー付きなど、特典いろいろの前売券。
早いものは発売間近。今のうちにチェックして、どうぞお買い逃しのないように!

こういったお楽しみ企画も充実していますが、もちろん展覧会自体も充実した内容となるよう、日々準備を進めています。
どうぞご期待ください。

カテゴリ:news彫刻2017年度の特別展

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posted by 高桑那々美(広報室) at 2017年04月28日 (金)

 

平成29年 新指定 国宝・重要文化財─トーハクの所蔵品も国宝・重文に!─

今年も「新指定展」の季節がやってきました。
開催前からお問合せも多く、皆さんの関心の高さがうかがえます。

平成29(2017)年は、新たに彫刻から3件、書跡・典籍から2件、古文書と考古資料からそれぞれ1件ずつの7件が国宝に、絵画7件、彫刻4件、工芸5件、書跡・典籍3件、古文書4件、考古資料と歴史資料がそれぞれ7件が重要文化財に指定されることとなりました。
特集「平成29年 新指定 国宝・重要文化財」(2017年4月18日(火)~5月7日(日) 本館8室・11室)では、追加指定の2件も合わせた46件(写真パネルのみの展示含む)の作品を展示します。

ここでは代表選手として、国宝に指定された彫刻1件を紹介します。

銅造釈迦如来倚像(東京・深大寺蔵)は、2011年にトーハクで開催された「手塚治虫のブッダ展」 にも登場したので、見覚えのある方もいるかもしれません。

 銅造釈迦如来倚像
国宝 銅造釈迦如来倚像 飛鳥時代・7世紀 東京・深大寺蔵

明るい表情の少年のような顔立ち、流麗な衣文の表現など、白鳳仏の傑作といわれています。
近年、飛鳥時代後期の美術において、大陸文化の受容のありさまや材質技法の特色などの研究が進展したことをふまえ、この時代の代表作の一つとして、国宝に指定されました。




そして、トーハク所蔵品も一挙5件、指定を受けました(国宝1件、重要文化財4件)。

国宝に指定されたのは、奈良県東大寺山古墳出土品(一括)です。


東大寺山古墳出土品
国宝 金錯銘花形飾環頭大刀  古墳時代・4世紀 (刀身=中国製・2世紀)  奈良県天理市 東大寺山古墳出土

東大寺山古墳出土品
金錯銘花形飾環頭大刀「中平」年銘部分

東大寺山古墳出土品
花形飾環頭(左)、家飾環頭(中、右) 奈良県東大寺山古墳出土品より

奈良県天理市にある東大寺山古墳は、古墳時代前期後半に築造された前方後円墳です。
出土品のなかでも、「中平」年銘のある金錯銘花形飾環頭大刀は、古墳時代における金石文(きんせきぶん)の最古かつ代表的遺品として知られています。
また、他に例を見ない花形飾環頭大刀、家形飾環頭大刀をはじめ、鍬形石や車輪石、銅鏃など、多種多量の副葬品があり、この時代を代表する資料群として大変貴重なものです。
近年、再調査や保存修理が行われ、総括報告書が刊行されるなど、再評価が進んでいることにより、国宝に指定されました。



続いて、重要文化財に指定された絵画2件。

特別展「鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─」(2015年)での出品も記憶に新しい、紙本墨画鳥獣人物戯画甲巻断簡は、京都・高山寺に伝来する国宝「鳥獣人物戯画」四巻のうち、甲巻の第十六紙の前につながる部分です。国宝四巻の解体修理にともなう調査で、もともとは一連のものであったことが明らかになったことにより、重要文化財に指定されました。

紙本墨画鳥獣人物戯画甲巻断簡
重要文化財 紙本墨画鳥獣人物戯画甲巻断簡 平安時代・12世紀 東京国立博物館蔵


紙本金地著色松図は、トーハクの今年の年間スケジュールパンフレットの表紙にもなったタイミングでの重要文化財指定でした。
中世にさかのぼるやまと絵屏風の代表的作例です。空も土も全て金箔を押す総金地屏風の現存最古の例として注目されています。

紙本金地著色松図
重要文化財 紙本金地著色松図 室町時代・16世紀 東京国立博物館蔵

工芸品からは1件。

白磁蝶牡丹浮文大瓶
重要文化財 白磁蝶牡丹浮文大瓶  三代清風與平作     明治25年(1892)東京国立博物館蔵

明治26年(1893)に開催されたシカゴ・コロンブス万国博覧会の出品作、白磁蝶牡丹浮文大瓶です。作者の三代清風與平は、京焼の近代を代表する名工で、博覧会での高評価により、陶芸家として最初の帝室技芸員となった人物です。欧米輸出用の産業品とは一線を画す作風は、明治20年代の陶芸が目指した方向性が明確に打ち出されている点が貴重です。


最後に、考古資料より1件。

東京都野毛大塚古墳出土品
重要文化財 東京都野毛大塚古墳出土品 古墳時代中期 東京国立博物館蔵

東京都世田谷区にある野毛大塚古墳から出土した、東京都野毛大塚古墳出土品(一括)です。
この時代に特徴的な石製模造品が中心ですが、特に、導水祭祀施設の一部を表現したと見られる「槽(そう)」は、国内に例がなく、奈良県明日香村にある酒船石にも形状が似ていることが知られています。古墳時代における、水を介した祭祀を考える上で重要な資料です。



このように、国宝や重要文化財に指定された文化財(作品)には、それぞれが持つ歴史や希少性が、日々の研究で明らかになって評価されたものばかりです。

わたしたち国民の新たな宝を、ぜひ、間近にご覧ください。

カテゴリ:news特集・特別公開

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posted by 奥田 緑(広報室) at 2017年04月17日 (月)