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日タイ修好130周年記念特別展「タイ~仏の国の輝き~」記者発表会

2017年は、日本とタイが外交関係を樹立してから130周年を迎えます。この節目の年に、トーハクでは、日タイ修好130周年記念特別展「タイ~仏の国の輝き~」(2017年7月4日(火)~8月27日(日) 平成館)を開催します。 開催に先立ち、2月22日(水)にタイ王国大使館で記者発表会を行いました。

まずは、バンサーン・ブンナーク大使より、ご挨拶をいただきました。


タイ王国大使館 駐日タイ王国特命全権大使 バンサーン・ブンナーク閣下

続いて、本展覧会担当研究員・猪熊兼樹より、展覧会の見どころについて解説しました。


猪熊兼樹研究員

タイは、国民95%が仏教を篤く信仰する仏教国です。長い歴史のなかで多様な仏教文化が花開き、そこから独特の造形が生まれました。本展では、タイ族以前の時代から現王朝のラタナコーシン朝まで、タイ仏教美術の全貌を仏教美術の名品で辿ります。


例えばこちらの作品をご覧ください。


仏陀遊行像 スコータイ時代 14 ~15世紀 サワンカウォーラナーヨック国立博物館蔵

「ウォーキングブッダ」の名の通り、右足のかかとをすっと上げて、軽やかに歩みを進めています。この姿は、天に昇ったブッダが、地上へ降りてくる場面を表していると考えられています。お顔には優しい微笑み。眺めているとこちらまで穏やかな気分になります。


他にも気になる出品作品の一部をご紹介します。

  
(左)ナーガ上の仏陀坐像 シュリーヴィジャヤ様式 12世紀末 ~13世紀 バンコク国立博物館蔵
(右)本展のポスターにも使われています。撮影は写真家の三好和義氏

端正な顔立ちに思わず引き込まれてしまいますが、後ろにも注目! 


(部分)

強そうな蛇が仏陀を守っています。東南アジアでは、水と関係する蛇の神ナーガをとても大切にしており、このテーマの像もたいへん好まれたそうです。
 

  
金象 アユタヤー時代 15世紀初 チャオサームプラヤー国立博物館蔵 
(右)ゾウの後ろ姿の部分。猪熊研究員いわく「尻尾まできれい」

タイといえばゾウ! 本展では、ゾウをモチーフにした作品や、ゾウに乗る時に使う巨大な鞍(くら)なども出品されます。


また、日タイ修好130周年記念にふさわしい、日本とタイの交流を示す作品もあります。


金板装拵刀 ラタナコーシン時代 19世紀 バンコク国立博物館蔵

まばゆい金の板で仕上げたのこの日本刀、じつはタイで作られたものです。日本とタイを結び付けていた朱印船貿易が終わり、タイへの日本刀の輸入が途絶えた結果、日本刀を模した刀剣がタイで作られるようになったのです。

作品総数約140件! ご紹介した「仏陀遊行像」「ナーガ上の仏陀坐像」など、日本初公開の作品に加え、タイ王国門外不出の名宝も出品します。


記者発表の最後には、タイ仏像大使のみうらじゅんさん、いとうせいこうさんが登場。就任式が行われました。


バンサーン・ブンナーク大使、みうらさん、いとうさんのスリーショット

おふたりは、タイ仏像大使として、本展のグッズ監修や音声ガイドを担当します。みうらさんは「微笑みの国のピースフルな仏像を見てほしい」とおっしゃっていました。仏像大使の活動は随時展覧会情報サイトで更新します。お楽しみに。


この夏、微笑みの国の名宝が上野へやってきます。トーハクでは、じつに30年ぶりとなるタイ展、どうぞご期待ください!

カテゴリ:2017年度の特別展

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posted by 宮尾美奈子(広報室) at 2017年02月24日 (金)

 

特別展「茶の湯」、名碗オールスターズ勢ぞろい

名碗オールスターズ!

たとえば、絢爛豪華な唐物天目の「油滴天目(ゆてきてんもく)」、天下一の高麗茶碗ともうたわれる「大井戸茶碗 銘 喜左衛門(きざえもん)」、国焼の最高峰と名高い「志野茶碗 銘 卯花墻(うのはながき)」など国宝の茶碗。
  
左:国宝 油滴天目(大阪市立東洋陶磁美術館蔵)
中央:国宝 大井戸茶碗 銘 喜左衛門(京都・孤篷庵蔵)展示期間・・・2017年4月28日(金)~6月4日(日)
右:国宝 志野茶碗 銘 卯花墻(東京・三井記念美術館蔵)


たとえば、室町幕府8代将軍・足利義政が愛した「青磁輪花茶碗 銘 馬蝗絆(ばこうはん」、織田信長から贈られたという柴田勝家所持の「青井戸茶碗 銘 柴田」など、歴史上の著名人にゆかりある茶碗。
 
左:重要文化財 青磁輪花茶碗 銘 馬蝗絆(東京国立博物館蔵)
右:重要文化財 青井戸茶碗 銘 柴田(東京・根津美術館蔵)


たとえば、楽焼の始祖と伝わる長次郎が作った、千利休好みの「赤楽茶碗 銘 無一物(むいちもつ)」、江戸時代初期を代表する目利き、本阿弥光悦作の「黒楽茶碗 銘 時雨」など、茶の湯の歴史を作ってきた茶碗。
 
左:重要文化財 赤楽茶碗 銘 無一物(兵庫・頴川美術館蔵)展示期間・・・2017年4月11日(火)~5月7日(日)
右:重要文化財 黒楽茶碗 銘 時雨(名古屋市博物館蔵)


天下の名碗がずらり!
名碗オールスターズが奇跡の集結!
それが、来春開催の特別展「茶の湯」(2017年4月11日(火)~6月4日(日))です。


10月6日(木)に報道発表会を行い、本展の概要と見どころを紹介しました

展示作品は、茶碗だけにとどまらず、茶壺や茶入、花生、書画など、茶の湯に関わる名品の数々。
おもに室町時代から近代まで、茶の湯の美術の変遷を大規模に展観します。
「『茶の湯』を象徴するような作品が勢ぞろいします。これだけの規模でこれだけの名品が揃うのは、トーハクだからこそです!」というのは、展覧会を担当する三笠研究員のコメント。
大変貴重な機会です。

特別展「茶の湯」は、来春、2017年4月11日(火)~6月4日(日)の開催。
日ごろから茶の湯に親しんでいる方はもちろんのこと、茶の湯ビギナーさんには名品を通じて「茶の湯とは?」を知っていただける展覧会です。
どうぞご期待ください。

カテゴリ:news2017年度の特別展

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posted by 高桑那々美(広報室) at 2016年10月13日 (木)

 

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