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トーハク×アイデアソン 最優秀賞は「あとから博」に決定!

3月11日(土)、12日(日)にトーハク初のアイデアソンが開催されました。
未来のトーハクで実現したいアイデアを創出する熱い2日間の報告です!

今回のアイデアソンのテーマは、海外からのお客様がますます増えることが予想されるトーハクの未来を見すえて
「訪日外国人の記憶に残る日本文化体験-ICTは博物館で何ができるか?-」でした。
日本の文化に初めて接する海外からのお客様のニーズを探りつつ、彼らが日本文化を理解し、とっておきの思い出を持ち帰るためのアイデアの創出を目指しました。

参加いただいたのは、64名のエントリーから選抜された29名。プランナー、エンジニア、デザイナー、学生、そして日本の文化が大好きな外国人など、実にさまざまな方が集まりました。


◇ 初日はオリエンとグループワーク
土曜日の午前中は、トーハクの現状や課題、今回のアイデアソンのコンセプトなどを理解いただくために、オリエンテーションと本館のツアーを行いました。座学のオリエンはなるべくコンパクトに、館内ツアーはできるだけゆっくり楽しんで、を心掛けながら、トーハクの今を知っていただきます。

まずはオリエンテーション 研究員による本館ツアー     
左:まずはオリエンテーション  右:研究員による本館ツアー

午後からは、いよいよグループワーク。「等伯」、「永徳」、「光琳」、「乾山」、「大雅」の5つのチームに分かれてアイデアを創りました。初めて顔を合わせたメンバーなのに、15分後にはどのチームも熱を帯びた議論が始まっていました。それぞれのチームに用意されたホワイトボードはあっという間に、色とりどりの付箋で埋まりました。ファシリテーターの佐藤尚之(さとなお)さんのアドバイスを参考に、そこで生まれたアイデアの種をチームで一つの企画へと成長させていきます。

アイデアを出す ファシリテーターの佐藤尚之さんも加わって議論   
左:アイデアを出す 右:ファシリテーターの佐藤尚之さんも加わって議論

途中の議論や、付箋に書かれたメモにもおいしい種がたくさん落ちていそうで、私たちトーハク職員も会場にくぎ付け。そっと議論に耳を傾け、キーワードは自分の手帳にしっかりメモします。
土曜のディスカッションは夕方6時まで続き、いったん解散しました。が、プレゼン資料の締め切りは日曜の正午です。解散後もラインやメールのやり取りが続いた模様です。

お子様を連れて参加したメンバーも   
お子様を連れて参加したメンバーも


◇ 2日目はプレゼンと審査
日曜も、開館と同時にメンバーが続々と集まってきました。
ところが、会場はとても静かです。昨日の熱い議論から打って変わって、多くのメンバーが黙々と作業に入っています。どうやら大半のチームが、昨晩のうちに方向性をまとめ、プレゼン資料の作成分担も済ませている様子です。
約束通り正午にスタッフが各チームをまわり、プレゼン資料データを回収していきます。
さあ、いよいよプレゼンの舞台、平成館の大講堂に移動です!


◇ 最優秀賞は逆転の発想!?

平成館の大講堂には、一般のお客様も多数集まりました。審査員は、サッシャ氏(ラジオDJ、フリーアナウンサー)、橋本麻里氏(ライター、エディター、永青文庫副館長)、暦本純一氏(東京大学情報学環教授)、松本伸之(東京国立博物館副館長)の4名。最前列で、真剣にプレゼンに耳を傾けます。
どのチームも、かわいいイラストによる図解あり、メンバーによる寸劇ありの楽しく、かつ真剣なプレゼンでした。

審査員による最優秀賞に輝いたのは、「等伯」チームでした。

最優秀賞の「トーハク」チームによるプレゼンテーション 最優秀賞の「トーハク」チームによるプレゼンテーション  
最優秀賞の「トーハク」チームによるプレゼンテーション

ほかの4チームが、展示室にMR(複合現実)、AR(拡張現実)、プロジェクションマッピングなどのICTを持ち込んだのに対して、等伯チームはICTのにおいを消した企画で勝負。作品を「見るときは集中し、感じて」ほしいという思いをかたちにしたユニークな企画でした。「自分の直感で惹かれた作品について、あとから深堀りできたらいいのでは」ということで、タイトルは「あとから博」。
鑑賞者は、スマートフォン端末をポケットに入れて展示室を歩くだけ。展示ケースに設置されたビーコンとスマホの通信記録により、「思わず心掴まれた・・・惹かれて立ち止まってしまった」作品が記録されます。つまり、鑑賞の軌跡がヒートマップとしてスマホに生成される仕組みです。「今日見た作品についてもっと知りたいな」と思ったら、「あとから」解説や画像をスマホで確認することができます。結果として、鑑賞体験が「心にも、記憶にも、記録にも残る」というコンセプトです。さらに、気になる有名人の軌跡をネット上でたどることも可能。
多くの来館者の鑑賞の軌跡を蓄積すれば、よりよい展示の開発にもつながるという、博物館にとってもオイシイ企画です。

そして、会場のみなさんの投票による特別賞は、光琳チームによる「EDO ―Education Driven from Original Japan」に決定しました。
洛中洛外図屛風(舟木本)のプロジェクションマッピングの中に自分の顔の登場人物が現れます。鑑賞者は、作品に描かれた時代や社会、文化に興味をもち、そこから鑑賞体験が深まります。「見る」事しかできなかった博物館を、「作品になれる博物館」に進化させようという企画です。

最優秀賞と会場投票による特別賞の表彰 最優秀賞と会場投票による特別賞の表彰  
最優秀賞と会場投票による特別賞の表彰

5つのチームの企画はいずれも、実現するためにはクリアしなければいけない課題がありました。が、どの企画にも、今までのトーハクにはなかった新しい視点がありました。
表彰のあとは、ファシリテーターと4人の審査員が未来のトーハクの展示と鑑賞体験をどうデザインしていくのかを語るトークショーを開催しました。

表彰のあとも、トーハクの未来について熱いトークが繰り広げられました  
表彰のあとも、トーハクの未来について熱いトークが繰り広げられました

今回のアイデアがどのように生かされるのか、今後のトーハクにぜひご注目ください。
そして、多くのみなさんと一緒に、トーハクの未来について考える機会をぜひまた持ちたいと思います。

参加いただいた29名のみなさまに 
あらためて心から御礼を申し上げます。

参加者全員で記念撮影   
参加者全員で記念撮影


※ トーハク×アイデアソンの詳細記録は、改めてウェブサイトで公開する予定です。

カテゴリ:news教育普及催し物

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posted by 小林 牧(博物館教育課長) at 2017年03月17日 (金)

 

 

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