こんにちは。ユリノキちゃんです。
11月になって上野はちょっと寒くなってきましたが、昨日(1日)から東洋館では私が楽しみにしていた特集が始まったの。
「生誕百年記念 小林斗盦(とあん) 篆刻(てんこく)の軌跡 ―印の世界と中国書画コレクション― 」
とあん先生は、おじい様の代から印をつくるお家に生まれて、10歳の時から印(はんこ)を彫る篆刻(てんこく)を習い始めたんですって。
今回の展示はとあん先生が生まれてから100年たった記念の展示で、生涯につくった篆刻の作品や、作品をつくるために勉強した中国の書や絵画など、期間中に250件くらいが出品されます。
私は書が大好きだけど、篆刻をじっくりみたことはなかったわ。
10月31日(月)に行われた開会式にはたくさんのお客さまが来てくれました。
開会式テープカット
東洋館のエントランスにあるモニターでは、展覧会にあわせてつくったとあん先生の映像が流れているの。(~12月23日)
皆さん熱心にみているわね。
作品は、だいたい3センチくらいの正方形のものが多いけど、もっと大きいのや、石の色がきれいなもの、つまみがかわいいのもあります。
こんな小さな中にむずかしい漢字がうまく入っているのですね。すごいなあ。
こちらはとあん先生が使っていた印を彫る道具など。
あら、これは!
元野球選手の桑田真澄さんの印!とあん先生はいろんな人の印を作っているのねー。
桑田さんってお習字することもあったのかしら。 *この印は11月27日(日)まで展示。
とあん先生は篆刻のために、中国の書や絵を一生懸命勉強したんですって。
斗盦が収集した書画展示 *この展示は11月27日(日)までで展示替えとなります。
これは篆刻の掛け軸、なんだか現代アートみたい
書や絵画におされている印ですが、捺し方や篆刻の雰囲気に書いた人のセンスが表れるみたい。
私もいつか上手に書けたらステキな印をおしてみたいな。
この特集は、12月23日(金・祝)まで。
*前期(~11月27日)と後期(11月29日~12月23日)で大幅な展示替えがあります。
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posted by ユリノキちゃん at 2016年11月02日 (水)
ほほーい! ぼく、トーハクくん!
前回に引き続き、特別展「平安の秘仏―滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」の仏像について、担当研究員の西木さんとお話しするんだほ。
「大観音の顔」
櫟野寺(らくやじ)のご本尊は、穏やかなお顔だほ。
衣や体だけではなく、この表情も10世紀の仏像らしい表現だよ。
お客様も「いいお顔の仏様ねぇ」って言っていたほ。
美術的にも良い仏像だと思うよ。とても洗練された作風で、都にあってもおかしくない出来映えだね。
さすが、仏像ワンダーランドの滋賀だほ!
前回、「ご本尊は延暦寺に関係のある工房でつくられたのかもしれない」と言ったけど、出来の良さも考えると、やっぱりこういったきちんとした技術のあるところでつくられたんじゃないかな。
なるほー。そうすると、櫟野寺にある他の仏像もみんな同じところでつくられたんだほ? なんとなくご本尊に似ている仏像もあるんだほ。
みんな同じ工房というわけではないんだ。でも、いい目のつけどころだね。
ふふん♪
じゃあ、じっくり仏像を見比べてみましょう。
「本尊に似てる? 似てない?」
左:重要文化財 十一面観音菩薩坐像(本尊、No.1) 平安時代・10世紀
右:重要文化財 観音菩薩立像(No.10) 平安時代・10世紀
ほーほー、似てるほ。目がキュッとつりあがっているほ。
特にNo.10の観音像は、ご本尊と似ているよね。ぷっくりとした下膨れの顔に太い鼻、厚い唇。
お、親子?!
そうだね。No.10はご本尊をお手本に作られた像だし、親子と言えるかもしれないね。
左:重要文化財 十一面観音菩薩立像(No.8) 平安時代・10~11世紀
右:重要文化財 観音菩薩立像(No.7) 平安時代・10~11世紀
この2体は立ち姿がソックリだほ!
そうそう。そしてどことなく顔もご本尊に似ているでしょ?
つりあがった目が似ているほ!!
No.10より後の時代につくられた像だけど、この2体もやっぱり本尊をお手本にしているってわかるよね。
でも、No.10ほどはご本尊に似ていないんだほ。
ご本尊をお手本としつつも、時代を経てだいぶ独自性というかローカル色が強く出ているんだ。こういったご本尊の特徴を引き継いだつくりを「甲賀様式」と研究者は呼んでいるよ。
ウェブ投票でご本尊は一番人気! No.7の観音さまも5位だし、トーハクのお客様は「甲賀様式」が好きなんだほ。
でも、No.10はイマイチ票が伸びなかったんだよね。一番本尊に似ているんだけど・・・玄人好みなのかなぁ。
甲賀様式ならなんでも好きってわけじゃないのか・・・。ぼくは、はにわクッキーならなんでも好きなんだけど・・・ふしぎだほ。
重要文化財 薬師如来坐像(No.9)
平安時代・12世紀
さて、ご本尊についで大きいのが、こちらの薬師さんです。髪の毛の生え際までの高さが約1.9m、これは古代中国で用いられた尺度で一丈六尺にあたるから、これも丈六仏だよ。
仏像の理想のサイズだほ!
さすがトーハクくん、そのとおり!
この薬師さんは、なんだか眠そうなお顔だほ。
笑。今まで見てきたような厳しくつりあがった目とは、だいぶ表現が異なるね。
ご本尊とは似ていないほ。
じゃあ、次はこの薬師さんをテーマに話しましょう。
ほー!
~【平安の秘仏】トーハクくん×研究員の仏像トーク(その3)に続く~
※作品はすべて滋賀・櫟野寺蔵
※No.は会場内での番号。展覧会カタログの番号とは異なります
カテゴリ:研究員のイチオシ、2016年度の特別展
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posted by トーハクくん at 2016年11月01日 (火)
「禅の美術かぁ、わかりにくそうだなあ」と思っている方、いらっしゃいませんか?
そういう方には、第2会場からご覧になることをご提案いたします。
この特別展は、第2会場に、「第3章 戦国武将と近世の高僧」「第4章 禅の仏たち」「第5章 禅文化の広がり」 と題して、予備知識なしで楽しんでいただけるような作品をそろえています。
第3章では、まず織田信長や豊臣秀吉といった戦国武将とその活躍を陰で支えた禅僧たちの関係をその肖像画や遺品を通してご紹介します。
(左) 織田信長像 (部分) 狩野永徳筆 安土桃山時代・天正12年(1584) 京都・大徳寺蔵
展示期間:~11月6日(日)
(右) 重要文化財 豊臣秀吉像 西笑承兌賛 狩野光信筆 安土桃山時代・慶長4年(1599) 愛媛・宇和島伊達文化保存会蔵
展示期間:11月8日(火)~11月27日(日)
そのあと近世禅画を代表する白隠・僊厓の作品を見ていただきます。
戦国武将や歴史に関心のある方、また白隠・僊厓の禅画を楽しみたい方は、まずこちらへどうぞ。
第4章では独特の姿や表現を示す禅宗寺院の仏像や仏画をご紹介いたします。
重要文化財 伽藍神像 鎌倉時代・13世紀 神奈川・建長寺蔵
(左) 重要文化財 宝冠釈迦如来坐像 院吉・院広・院遵作 南北朝時代・観応3年(1352) 静岡・方広寺蔵
(右) 重要文化財 十八羅漢坐像のうち 羅怙羅尊者 范道生作 狩野光信筆 江戸時代・寛文4年(1664) 京都・萬福寺蔵
重要文化財 達磨・蝦蟇・鉄拐図 吉山明兆筆 室町時代・15世紀 京都・東福寺蔵
展示期間:11月8日(火)~11月27日(日)
第5章は(1)唐物、(2)茶の湯、(3)水墨画、(4)障壁画という4つのコーナーからなります。
(1)中国からもたらされた豪華な工芸品
重要文化財 椿尾長鳥堆朱盆 中国 元時代・14世紀 京都・興臨院蔵
展示期間:~11月6日(日)
(2)茶碗や茶入などの茶の湯の名器
(左) 国宝 油滴天目 建窯 中国 南宋時代・12~13世紀 大阪市立東洋陶磁美術館蔵
(右) 唐物文琳茶入 銘「玉垣文琳」 中国 南宋時代・12~13世紀 埼玉・遠山記念館蔵
展示期間:11月8日(火)~11月27日(日)
(3)中国と日本の水墨画の至宝
重要文化財 龍虎図 伝牧谿筆 中国 南宋時代・咸淳5年(1269) 京都・大徳寺蔵
展示期間:11月8日(火)~11月27日(日)
国宝 瓢鮎図 大岳周崇等三十一僧賛 大巧如拙筆 室町時代・15世紀 京都・退蔵院蔵
展示期間:11月8日(火)~11月27日(日)
国宝 秋冬山水図 雪舟等楊筆 室町時代・15世紀末~16世紀初 東京国立博物館蔵
展示期間:~11月6日(日)
(4)禅宗寺院の襖絵や屛風の絶品をご覧いただきます。
重要文化財 竹林猿猴図屛風 (部分) 長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀 京都・相国寺蔵
展示期間:11月8日(火)~11月27日(日)
重要文化財 南禅寺本坊小方丈障壁画のうち 群虎図 (部分) 狩野探幽筆 江戸時代・17世紀 京都・南禅寺蔵
場面替あり
禅宗寺院で育まれた美の広がりをご堪能ください。
そして、名宝でたどる禅の歴史の第1会場へ。
こんな見方をするのも、展覧会の楽しみ方のひとつかもしれません。
特別展「禅―心をかたちに―」は、11月27日(日)まで開催中です。(※会期中、展示替があります)
カテゴリ:研究員のイチオシ、2016年度の特別展
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posted by 救仁郷秀明(列品管理課長) at 2016年10月31日 (月)
TNM & TOPPAN ミュージアムシアターが10万人目のお客様をお迎えしました!
2013年1月に東洋館でリニューアルオープンしましたTNM & TOPPAN ミュージアムシアターが10月21日(金)の16時の回を持ちまして、リニューアルオープンから10万人目のお客様をお迎えしました!
10万人目をお迎えした作品は「安土城から檜図、そして二条城へ」
VR作品 「安土城から檜図、そして二条城へ」を鑑賞に来ていただいたお客様に上演後この回でご来場10万人達成したことをご報告し記念セレモニーがスタート!
東京国立博物館・銭谷眞美館長によるお礼のご挨拶と凸版印刷株式会社・中村直靖文化事業推進本部長からの記念品の贈呈についてお知らせすると、大きな歓声が沸き起こりました!
左:銭谷眞美東京国立博物館長、右:中村直靖凸版印刷株式会社 文化事業推進本部長
銭谷館長から、会場の皆様を代表して東京都・府中市からお越しの迫田さんに記念品を贈呈いたしました。
迫田さんは、資料館時代からミュージアムシアターに足を運んでくださっているそうで、来館後真っ先にシアターに来てくださったとのことでした。シアター鑑賞後は禅展を観覧するそうです。
VR作品「安土城から檜図、そして二条城へ」の感想をお聞きしたところ、「シアターでは見どころを映像とナビゲートでじっくり鑑賞することができ、とても勉強になります。これから京都に行く予定があるので実物を見るのが楽しみです。」とお話くださいました。
迫田さんには銭谷館長より記念品の「洛中洛外図屛風(舟木本)」(当館所蔵)の
四分の一サイズの複製リーフレット(10万人記念シール付)を贈呈
VR作品 「安土城から檜図、そして二条城へ」は天下泰平の世を目指しその礎を築いた織田信長、豊臣秀吉、そして徳川将軍家ゆかりの金壁障壁画をめぐるツアーに参加することで、「安土城」・「檜図」・「二条城」の見所と金壁障壁画に投影された彼らの理想や夢を体感していただけます。詳細に作りこまれた映像をお楽しみいただくため、単眼鏡や双眼鏡などをお持ちの方は是非ともご利用ください。
VR上演後にはスクリーンに原寸大に作成した「二条城四の間」を映し、内部を自由に見ていただける操作体験に参加することが出来ます。実際に訪れても見ることが難しい高い位置の壁画や天井、欄間の様子まで克明に観ることができます。
VR作品 「安土城から檜図、そして二条城へ」の上演は12月23日(金・祝)までです!
ミュージアムシアターは水・木・金は12:00、13:00、14:00、15:00、16:00、土・日・祝・休日は11:00、12:00、13:00、14:00、15:00、16:00に上演しています。
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posted by 松本菜月(総務課) at 2016年10月27日 (木)
ほほーい、ぼくトーハクくん!
10月21日(金)、京都国立博物館からトラりんが特別展「禅-心をかたちに-」のPRもかねて遊びに来てくれたんだほ!
「禅」展 会場の平成館前でのスリーショット!
ぼくは今年の5月に初出張でトラりんに会いに行って以来の再会。ユリノキちゃんは初対面だったんだけど、2人はすぐに仲良くなったんだほ!
早速3人で展覧会会場の平成館玄関、ラウンジの写真コーナーや会場入口に登場したんだほ!
「禅」展 撮影コーナー(平成館ラウンジ)にて
トラりん人気はトーハクでもすごくって、本当にここはぼくのホーム?って思ったほ…。
トラりんの前にはたくさんの人が!
そうそう、トラりんから京都土産のお菓子(京都と言えば、というやつ)をもらったんだほ。早速食べたけどはにわクッキー並みにおいしくってびっくりしたほ。京都ってやっぱりすごいほ!トラりん、ありがほー!
トラりんからお土産をもらったほ!
トラりん、初めてのトーハクをとっても楽しんでくれたみたいでうれしかったほ。
トラりんもエスカレーターに乗って「禅」展会場入口へ
特別展「禅-心をかたちに-」は11月27日(日)までの開催だほ!国宝22件・重要文化財102件、禅の名宝がトーハクにいっぱい集まった見どころ満載の展覧会、たくさんの人に来てほしいんだほ!
さて、実は次にトラりんと会えるのはもうすぐなんだほ!11月5日(土)・6日(日)に愛媛県松山市で開催される「ゆるキャラ®グランプリin愛顔のえひめ」に3人で出場するんだほ!体調万全で思いっきり楽しんでくるほ!
カテゴリ:news、トーハクくん&ユリノキちゃん、2016年度の特別展
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posted by トーハクくん at 2016年10月26日 (水)