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「円空」展 おすすめ期間限定メニュー

特別展「飛騨の円空-千光寺とその周辺の足跡-」(本館特別5室、4月7日(日)まで)では、
多彩な円空仏をお楽しみいただけます。

でも、お楽しみいただけるのは展示だけはありません!

レストランゆりの木(東洋館1階)では円空展特別メニューを大変豊富にご用意しています。
今回はその特別メニューをご紹介します。

円空展を記念した期間限定特別メニューはこちら。


鶏ちゃん丼(味噌椀 香の物付)1400円(税込)

「けいちゃん」と読み、鶏肉を使った岐阜の郷土料理のことをいいます。
こちらはゆりの木ふうにアレンジしています。


すっぽん雑煮風(小鉢 香の物付)2200円(税込)

奥飛騨郷の源泉かけ流しで育てたすっぽんを使用しています。
あっさりしてとても食べやすいです。
美と健康に優れた食材のすっぽんはいかがでしょうか。

  
左:飛騨御膳(岩魚塩焼き 飛騨野菜の天婦羅 味噌椀 香の物付)2000円(税込)
右:騨野菜の天婦羅に使用されている「宿儺かぼちゃ

奥飛騨の清涼で育てられた岩魚と飛騨直送の野菜を使用しています。
このかぼちゃの天婦羅は飛騨高山でとれる「宿儺かぼちゃ」を使用しています。


飛騨高山産 奥美濃古地鶏の香草焼き(パンまたはライス デザート コーヒーまたは紅茶付)2200円(税込)

ボリュームたっぷりですが、しつこくなく、ハーブの香りがとても効いています。

このほかにも、「奥美濃古地鶏のチキンカレー(コーヒー付)1500円(税込)」、
「飛騨サーモン親子丼(味噌椀 香の物付)1600円(税込)」、
「飛騨牛 肉うどん又はそば(いなり寿司付)1800円(税込)」をご用意しています。

お酒を飲みたいという方には・・・


飛騨ホワイトビール 850円(税込)

飛騨白川郷で育ったお米のビールです。軽い口あたりでさっぱりしていて飲みやすいです。

このほかにも、「林檎lala850円(税込)」、「純米吟醸 久寿玉850円(税込)」、
「本醸造 熟成古酒 天恩800円(税込)」もご用意しています。

あわせておつまみもいかがでしょうか?


飛騨高山産モッツァレラのカプレーゼ(パン付)950円(税込)

とてもまろやかなモッツァレラチーズでビールにもあいます。
パンはチーズとトマトの2種です。

このほかにも、「飛騨のサーモンのスモーク 飛騨野菜とともに(パン付)1100円(税込)、
「奥美濃古地鶏のソーセージ800円(税込)」もあります。

食後またはご休憩のお茶のおともにデザートもいかがでしょうか。


飛騨の円空展限定デザート ヘーゼルナッツと洋梨のムース(コーヒーまたは紅茶付)850円(税込)

ヘーゼルナッツと洋梨の二層のムースとケーキのまわりには木目をつけたビスキュイで包んでいます。
甘さひかえめでお食事のあとでも食べられてしまいます。
こちらの商品は人気ですのでお早めにどうぞ。

このほかにも、飛騨市にある天空牧場の「ジャージージェラート」もおすすめです。
ピュアミルク、完熟イチゴ、プレミアムバニラ、抹茶と4種類(各400円・税込)。
なめらかな舌触りです。

円空展のご観覧とともに、レストランゆりの木 特別メニューもぜひお楽しみください!

カテゴリ:2013年度の特別展

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posted by 江原 香(広報室) at 2013年03月14日 (木)

 

書を楽しむ 第33回「松花堂昭乗「長恨歌」」

書を見るのは楽しいです。

より多くのみなさんに書を見る楽しさを知ってもらいたい、という願いを込めて、この「書を楽しむ」シリーズ、第33回です。


松花堂昭乗(しょうかどう・しょうじょう、1584~1639)。

江戸時代初期の能書(のうしょ、書の上手い人)で、
「松花堂弁当」の器の語源となっている人です。
松花堂昭乗の絵具入れ(パレット)のかたちを
参照して作ったのが、松花堂弁当です。

その松花堂昭乗の「長恨歌」(ちょうごんか)を
現在、本館8室に展示しています。

長恨歌(巻頭)
長恨歌(巻頭) 松花堂昭乗筆 江戸時代・17世紀 (本館8室にて4月7日(日)まで展示)

「長恨歌」は、
中国・唐時代に白楽天(はくらくてん、または白居易)が作った詩です。
楊貴妃(ようきひ)と死別した玄宗皇帝(げんそうこうてい)を題材にしています。

このブログ「書を楽しむ」第9回でも触れましたが、
平安時代に白楽天の詩集『白氏文集』を書写することが流行しました。
白楽天の詩は、江戸時代にも好まれたようですね。


展示ではそこまで開いてませんが、
巻末の写真をご紹介します。

長恨歌(巻末)
長恨歌(巻末)

巻末の奥書(おくがき)に、
近衞信尋(このえ・のぶひろ、1599~1649)に頼まれて書いたとあります。
五摂家の筆頭である近衞家とは、
松花堂昭乗は親しく交流していたそうです。


ほかに、こんな写真も。

国宝竹生島経_巻末
国宝 法華経 方便品 (竹生島経)巻末 平安時代・11世紀(特別展「和様の書」(2013年7月13日(土)~9月8日(日))で展示予定)

当館で所蔵する国宝「竹生島経」の巻末です。
違う紙を継ぎ足して、松花堂昭乗が跋文を書いています。
この竹生島経の筆者が、源俊房であると、
松花堂昭乗は述べています。

松花堂昭乗は、平安時代などの古い書を
よく勉強していました。
だから、鑑定のようなこともできたのでしょう。

「長恨歌」を書いたのも、
平安時代に好まれた白楽天の詩だから、かもしれません。

いろいろと連想しながら、
「長恨歌」を、お楽しみください。
 

カテゴリ:研究員のイチオシ書跡

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posted by 恵美千鶴子(書跡・歴史室) at 2013年03月13日 (水)

 

ワークショップ「円空にちかづく」を開催しました!

特別展「飛騨の円空-千光寺とその周辺の足跡-」(~4月7日(日)、本館特別5室)もにぎわう暖かな日曜日、ワークショップ「円空にちかづく」をこども向け、おとな向けの計2回開催しました。

円空仏には、その前に立つ者を微笑ませる独特の雰囲気がある一方、彫るときのスピード感、力強さも感じられます。これをつくった円空への興味は尽きません。
円空と同じ体験をすれば、円空にちかづき、展覧会をより深く楽しんでいただけるはず。
円空と同じ体験… それは木を割ることです。

はじめて見る鑿(のみ)に興味深々
はじめて見る鑿(のみ)に興味深々

仏師・明珍素也さんのお話を聞き、デモンストレーションを見ていると、なんだかできそうな気がしてきたようです。早速挑戦!
直径12cm、高さ20cmほどの杉の材を、鑿(のみ)、楔(くさび)、かなづちで割ります。
慣れない手つきで鑿とかなづちを手に取り、木を打つ音が響きます。
でもすぐに、「あれっ」「できない!」という声がして木を打つ音が止まってしまいました。
一瞬心配しましたが大丈夫。明珍さんのアドバイスの声のあと、木を打つ音が聞こえてきました。

木を割る体験。おとなも子どもも真剣そのもの
木を割る体験。おとなも子どもも真剣そのもの

気づくと初対面の参加者同士が協力し合い、笑い声まで聞こえてきます。
「割れた!」という明るい声、「あと少し!」という励ましの声が増え、木を打つ音が完全に消えたとき、自然と拍手がおこりました。

割れた断面。そっくりな部分を円空仏に発見!
割れた断面。そっくりな部分を円空仏に発見!
右:三十三観音立像(部分)  円空作 江戸時代・17世紀 岐阜・千光寺蔵

続いて円空仏のかたちにした小さな材に顔を彫ってみます。
こちらも簡単にはいかなかったようですが、できた仏像の笑顔と同じくらい、参加者の皆さんもいい笑顔でした。


みんなが小刀で彫った顔。つくった人の性格があらわれているような…

割った木の断面や彫った顔を見せ合いながら、「コツをつかむまでは円空も大変だったでしょうね」「年をとっても円空は自分で割ったのかな」「これだけ思い切りよく鑿をいれられる円空は細かいことにはこだわらない性格だったのかも」「できたての円空仏ってきっといい木の香りがしたんでしょうね」などと会話がはずみます。

こどもの回はお天気がよかったので、木を見に庭園へいきました。
「台風などで枝が折れてしまうと傷ができるよね。その傷を治そうとしてできるかさぶたが、この丸いところなんだよ」という説明に「大きい円空の背中!」という声が。
そう、展示されている仁王像にもこうした跡がありましたよね。


庭園の木と仁王像の背中
右:金剛力士(仁王)立像 吽形 円空作 江戸時代・17世紀 岐阜・千光寺蔵

いろいろな木を見たあと、庭園で解散。みなさんもう一度、円空仏を見にいくと本館へ向かいました。

円空や円空仏にまつわる想像が膨らんだり、会話がはずんだりするのは、円空のすがた、見たもの、感じたものに一歩ちかづいた証拠。
きっと今までよりも円空仏を楽しんでいただけますよね。
もう少しすると、庭園には桜が咲き誇ります。
季節の移ろいを感じれば、また違う感覚で円空仏を見てもらえるのかもしれません。
ワークショップで感じたことが、円空にちかづき、仏像を楽しむきっかけになりますように。願いをこめて見送りました。

カテゴリ:教育普及2013年度の特別展

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posted by 川岸瀬里(教育普及室) at 2013年03月12日 (火)

 

私のイチオシ! 円空仏 「柿本人麿坐像」

特別展「飛騨の円空-千光寺とその周辺の足跡-」(2013年1月12日(土)~4月7日(日)本館特別5室)は会期終了まで残すところ1ヶ月をきりました。
これまでお越しいただきました皆様、誠にありがとうございます。
100体ご覧いただきますと、心に残った円空仏があるのではないでしょうか。

このブログでは、「私のイチオシ!円空仏」と題し、円空展担当者によるイチオシの円空仏をリレー形式でご紹介します。

私のイチオシは「柿本人麿坐像(かきのもとのひとまろざぞう)」です。


柿本人麿坐像 円空作 江戸時代・17世紀 総高50.2cm 岐阜・東山神明神社蔵

この像は会場の右奥に展示しています。

展覧会に向けてプレスリリース、チラシを作成時している時からずっと気になっており、早く実物を見たいと思っていました。
いざ展示されると、会場内の雰囲気と照明によって陰影がはっきりし、さらに引き込まれました。

私がこの像を見るときは、まず正面に立ち全体を見ます。
柿本人麿は左肘を脇息にもたれた姿勢で表現されることが中世には定型となっていました。
この像も少し姿勢をくずしているせいか、見るこちら側の緊張をとり安堵感を与えてくれます。
全体を見た後は、像の視線と同じ高さになるよう少し中腰になり真正面から顔を見ます。



この柔和な表情は見れば見るほど心が穏やかになり優しい気持ちになります。
また、まるで私にほほえみかけてくれているような気持ちにさえなってしまいます。

表情も見どころですが、横からもご覧ください。



正面から見ただけでは想像できないぐらい薄く、また平たいことがわかります。
円空は木を鉈で割り仏像を彫りました。
背面はこのように割ったままのものが多く、木を大事に使ったからか、薄い材を用いていることも多いです。

衣の表現も見てください。



このように薄い材でもしっかり彫りこんでいるので見応えたっぷりです。

お越しの際は、「柿本人麿坐像」の表情とともに、造形力に満ち溢れているところもご覧いただければと思います。

円空仏を見ていると「円空はどんな人だっただろうか?どんな思いで彫っていたのだろうか?」といろいろな思いがめぐります。
円空に関わる資料がほとんどないため、まだわかっていないこともたくさんありますが、
円空仏は見るものに様々なことを想像させ、訴えかける力を持っているのだと思います。
それが円空その人自身、そして円空仏の魅力的なところでもあると思います。

皆様のイチオシはどの円空仏でしょうか?

次回は特別展室高木よりご紹介します。どうぞお楽しみに。

カテゴリ:研究員のイチオシ彫刻2013年度の特別展

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posted by 江原 香(広報室) at 2013年03月11日 (月)

 

円空にちかづく 木の音、森の声

特別展「飛騨の円空-千光寺とその周辺の足跡-」(~4月7日(日)、本館特別5室)、ご覧いただきましたか?

100体の円空仏が飛騨の森にいるかのような会場に、私はいつも癒されます。
「円空の仏像は仏像としてみるというよりそのかたちをみて楽しめるのでしょうね」
展覧会を担当した研究員の言葉通り、円空の仏像の前に立っても難しいことを考えたり、勉強しているという気分になったりはしません。
むしろ円空その人への関心がわいてきます。

全国をまわり、出会った人々のために仏像を作った円空。木という素材を大切にした円空。
円空にちかづくために、円空が感じ魅せられた木の力をテーマにイベントが開催されます。
それは3月9日(土)11時30分から平成館ラウンジで行われる「芸大生の打楽器コンサート 木の音、森の声」(申込不要)。

円空が歩いた飛騨の山にはどんな音があったと思いますか。その音に円空は何を感じたのでしょうか。
風で木がゆれる音、キツツキが木をつつく音、きこりが木を打つ音・・・
あるいは円空が仏像を造るときには木を割り、叩き、彫る音がしたはずです。
響く円空をとりまく木の音は、どれも円空仏のように素朴で温かい音のような気がします。
その音を聴いた円空は、それを木霊の響きのように感じたのかもしれません。

今回お聴きいただく打楽器の調べも同じように温かみを感じさせてくれます。
たとえば今回演奏する《木片のための音楽》ではクラベスという拍子木のような木の棒を5人の奏者が打ち鳴らします。
皆さんにはどのように聞こえるでしょうか。


ただいま練習中。ご期待ください。

なお、円空と同時代に活躍したバッハやダカンの曲も演奏します。
皆さんも、上野の山で木の音、森の声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

カテゴリ:教育普及催し物2013年度の特別展

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posted by 川岸瀬里(教育普及室) at 2013年03月08日 (金)