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円空にちかづく 木の音、森の声

特別展「飛騨の円空-千光寺とその周辺の足跡-」(~4月7日(日)、本館特別5室)、ご覧いただきましたか?

100体の円空仏が飛騨の森にいるかのような会場に、私はいつも癒されます。
「円空の仏像は仏像としてみるというよりそのかたちをみて楽しめるのでしょうね」
展覧会を担当した研究員の言葉通り、円空の仏像の前に立っても難しいことを考えたり、勉強しているという気分になったりはしません。
むしろ円空その人への関心がわいてきます。

全国をまわり、出会った人々のために仏像を作った円空。木という素材を大切にした円空。
円空にちかづくために、円空が感じ魅せられた木の力をテーマにイベントが開催されます。
それは3月9日(土)11時30分から平成館ラウンジで行われる「芸大生の打楽器コンサート 木の音、森の声」(申込不要)。

円空が歩いた飛騨の山にはどんな音があったと思いますか。その音に円空は何を感じたのでしょうか。
風で木がゆれる音、キツツキが木をつつく音、きこりが木を打つ音・・・
あるいは円空が仏像を造るときには木を割り、叩き、彫る音がしたはずです。
響く円空をとりまく木の音は、どれも円空仏のように素朴で温かい音のような気がします。
その音を聴いた円空は、それを木霊の響きのように感じたのかもしれません。

今回お聴きいただく打楽器の調べも同じように温かみを感じさせてくれます。
たとえば今回演奏する《木片のための音楽》ではクラベスという拍子木のような木の棒を5人の奏者が打ち鳴らします。
皆さんにはどのように聞こえるでしょうか。


ただいま練習中。ご期待ください。

なお、円空と同時代に活躍したバッハやダカンの曲も演奏します。
皆さんも、上野の山で木の音、森の声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

カテゴリ:教育普及催し物2013年度の特別展

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posted by 川岸瀬里(教育普及室) at 2013年03月08日 (金)