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日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」報道発表会実施

2020年1月15日(水)~3月8日(日)、当館平成館にて
日本書紀成立1300年   特別展「出雲と大和」を開催いたします。

6月4日(火)に本展の報道発表会を行いました。



はじめに、主催者である当館副館長の井上洋一、島根県知事の丸山達也、奈良県知事の荒井正吾よりご挨拶いたしました。


当館副館長 井上洋一


島根県知事 丸山達也


奈良県知事 荒井正吾

令和2年(2020)は、我が国最古の正史『日本書紀』が編纂された養老4年(720)から1300年という
記念すべき年です。『日本書紀』の冒頭に記された国譲り神話によると、出雲大社に鎮座する
オオクニヌシは「幽(ゆう)」、すなわち人間の能力を超えた世界、いわば神々や祭祀の世界を司ると
されています。
一方で、天皇は大和の地において「顕(けん)」、すなわち目に見える現実世界、政治の世界を司ると
されています。つまり、古代において出雲と大和はそれぞれ「幽」と「顕」を象徴する場所として、
重要な役割を担っていたのです。


重要文化財 日本書紀 巻第二(部分)
南北朝時代・永和1~3年(1375~1377)愛知・熱田神宮蔵

展示期間:2月11日(火・祝)~3月8日(日)

「幽」と「顕」を象徴する地、島根県と奈良県が当館と共同で展覧会を開催し、出雲と大和の名品を
一堂に集めて、古代日本の成立やその特質に迫ります。

本展の見どころについて担当研究員の品川欣也より解説いたしました。

【みどころ1】
出雲大社のご神宝、東京へ

出雲大社に古くから伝わる手箱や甲冑などのご神宝をはじめ、社殿を飾っていた絵画、
境内から出土した巨大柱など、出雲大社の歴史を物語る作品を一堂にご覧いただけます。


重要文化財 宇豆柱
島根県出雲市 出雲大社境内遺跡出土
鎌倉時代・宝治2年(1248)島根・出雲大社蔵

【みどころ2】
大量の出土青銅器

国宝・荒神谷遺跡出土青銅器(銅剣・銅鐸・銅矛)から計189点、
国宝・加茂岩倉遺跡出土銅鐸のうち30個を展示します。
これだけの数が東京でまとまって出品されるのは、およそ20年ぶりです。


国宝 銅剣・銅鐸・銅矛(部分) 
島根県出雲市 荒神谷遺跡出土 弥生時代・前2~前1世紀
文化庁蔵(島根県立古代出雲歴史博物館保管) 

【みどころ3】
出土数最多の三角縁神獣鏡

黒塚古墳の被葬者を護り鎮めた33面の三角縁神獣鏡は、
1つの古墳から出土した数としては全国最多です。
その全点を出品します。


重要文化財 画文体神獣鏡・三角縁神獣鏡(部分)
奈良県天理市 黒塚古墳出土 古墳時代・3世紀
文化庁蔵(奈良県立橿原考古学研究所保管)


【みどころ4】
門外不出の仏像、初公開

1300年の間、大和の地でひっそりと守り伝えられた最古級の石仏が寺外初公開されます。
鋭い彫り口や、わずかに残る彩色などの細部にも要注目です。


重要文化財 浮彫伝薬師三尊像 
飛鳥~奈良時代・7~8世紀 奈良・石位寺蔵

その他、風化せず美しい姿のまま残された勾玉や高さ約2.5メートルの世界最大の円筒埴輪なども見られる
貴重な機会です。
2020年の幕開けを飾る、特別展「出雲と大和」、ご期待ください!

【おまけ】
期間限定早割チケット(税込1,200円)を10月5日(土)から11月4日(月・休)まで販売します。
1枚1,200円(税込)とお得です!

詳しくは本展公式サイトをご覧ください。

 

カテゴリ:2019年度の特別展

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posted by 長谷川 悠(広報室) at 2019年06月06日 (木)

 

特別展「国宝 東寺」40万人達成!

特別展「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」(3月26日(火)~6月2日(日))は、5月28日(火)午後、来場者40万人を突破しました。多くのお客様にお運びいただきましたこと、心より御礼申し上げます。

記念すべき40万人目のお客様は、埼玉県越谷市からお越しの本橋悠子さんと翔子さんのお2人。本橋さんには記念品として、海洋堂製フィギュア「帝釈天騎象像」を贈呈しました。


特別展「国宝 東寺」40万人セレモニー
右から、
トーハクくん当館副館長の井上洋一、本橋悠子さん、翔子さん、ユリノキちゃん

本橋さん親子は、仏像や絵画などの日本美術が大好きで、よく一緒に展覧会を見に行かれるとのこと。翔子さんは刀剣にもご興味をお持ちで、年に何度もトーハクにいらしてくださっているそうです。
悠子さんは「東寺には行ったことがあるのですが、この展覧会でお寺ではなかなか見られない仏像の後ろ側を見られるのを、とても楽しみにしています」とお話しくださいました。

会期が遂に残り1週間を切り、多くのお客様にご来場いただいております。ご入場までの待ち時間は公式Twitterでご案内中です。

また、本展の来場者数が5月17日に30万人、そして本日40万人を突破したことを記念して、ご来場いただいた皆様を対象に、抽選で海洋堂製フィギュア「帝釈天騎象像」をプレゼントします。当選者の数は、東寺展開催期間中に、本展ご入場者が1万人を超えた日数です。(5月28日現在5名様)。すでにご来場いただいた方、これからご来場予定の方、 皆様からのご応募をお待ちしております。

カテゴリ:2019年度の特別展

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posted by 小島佳(広報室) at 2019年05月28日 (火)

 

今秋、正倉院宝物がトーハクへ

毎年秋に奈良国立博物館で開催している「正倉院展」をご存知ですか? 
とても貴重な正倉院宝物を一目見ようと、毎年大勢のお客様で賑わう展覧会です。正倉院宝物を見に、奈良国立博物館へ行くのを楽しみにしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

朗報です!
今秋、正倉院宝物がトーハクにやってきます。

しかも、正倉院宝物を代表するような作品が来ます!

なぜかと言いますと、御即位記念特別展「正倉院の世界-皇室がまもり伝えた美-」をトーハクで開催するからです。会期は2019年10月14日(月・祝)~11月24日(日)です。

本展の報道発表会を5月17日(金)に行いましたので、その模様とあわせて本展をご紹介いたします。


展覧会概要の説明者は本展担当研究員である猪熊特別展室長



本展は天皇陛下の御即位を記念して、正倉院宝物を中心に、トーハクが所蔵する法隆寺献納宝物などをあわせて展示し、古代の日本の国際色豊かな文化を紹介するものです。

まず、この展覧会の骨子である、「正倉院宝物」、「法隆寺献納宝物」についてご説明します。


正倉院宝物とは?



正倉院宝物は、光明皇后が聖武天皇の御遺愛品をはじめとした品々を東大寺大仏に捧げられたことに由来します。およそ1260年にわたり人から人の手で守り伝えられてきた、世界的にも比類のない文化財です。また、日本で製作された美術工芸品や文書類のほか、海外から伝来した国際色豊かな品々があります。また、古代の技術や人々の交流を示すものでもあります。

法隆寺献納宝物とは?



明治11年(1878)に法隆寺から皇室に献納され、昭和22年(1947)に国へ移管された宝物300件を指し、現在はトーハクが所蔵しています。正倉院宝物が8世紀の作品が中心であるのに対して、それよりも一時代古い7世紀の宝物が数多く含まれていることが大きな特色で、正倉院宝物と双璧をなす文化財として高い評価を受けています。

両宝物は同じ用途に製作された作品でも、時代や素材により造形美が異なります。それぞれの特色を間近でご覧いただけるように展示する作品もございます。


(右)漆胡瓶[しっこへい] 唐または奈良時代・8世紀 正倉院宝物
(左)国宝 竜首水瓶[りゅうしゅすいびょう] 飛鳥時代・7世紀 東京国立博物館(法隆寺献納宝物)
展示期間:11月6日(水)~24日(日)

どちらも異国風の水差しですが、形や文様の違いを見比べてください。


(右)伎楽面 酔胡王[ぎがくめん すいこおう] 奈良時代・宝亀9年(778) 正倉院宝物
(左)重要文化財 伎楽面 酔胡王 東京国立博物館(法隆寺献納宝物)
展示期間:10月14日(月・祝)~11月4日(月・休)


伎楽は、中国南部(呉)に由来するセリフを伴わない音楽劇です。これは、酔っぱらった胡の国(ペルシア等の西アジア)の王様が従者を従えて舞い踊る演目に用いられた面です。

両宝物の夢の共演をぜひご堪能ください。


そしてこのほかにも、正倉院宝物の代表作を公開!


螺鈿紫檀五絃琵琶[らでんしたんのごげんびわ] 唐時代・8世紀 正倉院宝物 
展示期間:10月14日(月・祝)~11月4日(月・休)


螺鈿の装飾は圧巻です。会場では背面の装飾もぜひご覧ください。


紫檀木画槽琵琶[したんもくがのそうのびわ] 唐または奈良時代・8世紀 正倉院宝物 
展示期間:11月6日(水)~24日(日)


撥[ばち]が当たる部分には馬に乗って狩猟を行う人物や山中での酒宴の様子が描かれています。


「法隆寺献納宝物とあわせて展示することはわかったが、奈良国立博物館で開催する『正倉院展』と何が違うのか」と疑問に感じる方はいらっしゃるかもしれません。サブタイトルの「皇室がまもり伝えた美」にご注目ください。本展では、正倉院宝物の保存の歴史や、今なお行われる保存の取り組みについても、正倉院宝物以外の資料もお見せしながらご紹介します。宝物が時の皇室による保護のもと、人から人へと守り伝えられてきたことをぜひ実感してください。


さらに「トーハクで正倉院宝物を展示するのなら、毎年秋に開催している奈良国立博物館の『正倉院展』はどうなるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

安心してください。奈良国立博物館も秋に「正倉院展」を開催します。
実は、今回の報道発表会はトーハクと奈良国立博物館の合同報道発表会でして、正倉院宝物が見られる両展をご紹介する場でもありました。


「正倉院展」概要の説明者は奈良国立博物館内藤学芸部長


東京でも奈良でも正倉院宝物を見ることのできる今年の秋。皆様今からわくわくしてきませんか。ぜひ両展どちらもご覧ください!

カテゴリ:2019年度の特別展

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posted by 柳澤想(広報室) at 2019年05月23日 (木)

 

【美を紡ぐ 日本美術の名品展】6月2日まで開催中!

世間を賑わした大型連休が終わりましたが、連休まっただなかの5月3日に開幕した特別展「美を紡ぐ 日本美術の名品―雪舟、永徳から光琳、北斎まで―」は、6月2日まで当館本館で開催中です。


本館エントランス

令和の幕開けを記念する本展では、教科書でもおなじみの日本美術の名品を公開するとともに、
脆弱[ぜいじゃく]な材質で作られているこの国の美術品を未来に伝えていくための文化財修理の取り組みについてもご紹介しています。

さっそく本展の見どころをご案内しましょう。


1.唐獅子[からじし]が、そろい踏み!!


狩野永徳・狩野常信筆「唐獅子図屛風」宮内庁三の丸尚蔵館

右側は、桃山美術を象徴する作品として知られる、狩野永徳(1543~90)の唐獅子[からじし]図。永徳は織田信長や豊臣秀吉に重用された絵師でした。

ところで、この作品は、単独で本やテレビで紹介されることがほとんどですが、もう一つの屛風とペアになっています。
それが、左側にある、永徳のひ孫で、幕府御用絵師のうちもっとも高い格式をもつ奥絵師をつとめた狩野常信[つねのぶ](1636~1713)の唐獅子図です。

近年、永徳の屛風が17世紀前半に毛利家の萩[はぎ]城から江戸へ送られたのではないかと指摘されており、常信は、永徳の約100年後に、曾祖父と対になる左隻の制作を任されたことになります。

改めてこの作品を眺めますと…永徳の獅子は本当に頭が大きい!!
飲み込まれてしまいそうな迫力です。
永徳と常信の唐獅子が並んで展示される機会はあまり多くないので、この機にぜひご覧ください。


2.実は、永徳[えいとく]もそろい踏み!


左から「唐獅子図屛風」、伝狩野永徳筆「四季草花図屛風」(部分)宮内庁三の丸尚蔵館、国宝 狩野永徳筆「檜図屛風」(部分)東京国立博物館

唐獅子図から次へ進むと、同じく永徳一門が描いたという2つの作品が見えてきます。
秀吉が正親町[おおぎまち]天皇の孫・智仁[としひと」親王のために造営した八条宮家御殿の旧襖絵[ふすまえ]です。

金地に力強い筆線と鮮やかな絵具で、被写体をどアップに描いたこれらの障壁画に囲まれて、豪壮な桃山文化の息吹を感じてください。


重要文化財 芦穂蒔絵鞍鐙 東京国立博物館

実は、大画面ばかりではないのです。
秀吉が所用し、永徳が下絵を描いたという伝承のある芦穂蒔絵鞍鐙[あしほまきえくらあぶみ]も展示しています!
限られたモチーフによる大胆なデザインは、障壁画にも通じるような気がしますね!
 

3.皆さんご存知のお祝いの歌


伝藤原公任筆「古今和歌集 賀歌三首」(大色紙) 宮内庁三の丸尚蔵館

胡粉[ごふん]と雲母[きら]で表された、白い文様が美しい料紙に、お祝いの和歌3首が、流れるような書体で書写されています。
最初の和歌は、
「我君[わがきみ」は千[ち」よにましませ
さゝれいしのいはほと
なりてこけの
むすまて」
とあります。

『古今和歌集』巻7に収められた、読み人知らずの和歌です。
初めの句がのちに「君が代は」となって伝えられ、日本の国歌となりました。
新しい時代の門出にふさわしい作品です。

展覧会最終日の6月2日まで、残り2週間をきりました。

どうぞお見逃しなきよう、上野までお越しください!

カテゴリ:2019年度の特別展

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posted by 鷲頭桂 at 2019年05月21日 (火)

 

特別展「国宝 東寺」30万人達成!

特別展「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」(3月26日(火)~6月2日(日))は、5月16日(木)午前、来場者30万人を突破しました。多くのお客様にお運びいただきましたこと、心より御礼申し上げます。

記念すべき30万人目のお客様は、千葉県千葉市からお越しの川本紘子さん。川本さんには記念品として、本展図録とトートバッグ、クリアファイルなど、本展オリジナルグッズを贈呈しました。


特別展「国宝 東寺」30万人セレモニー
右から、当館館長の銭谷眞美、川本さん、そしてトーハクくんもお祝いに駆けつけました!


川本さんは日本史がお好きで、日本美術の展覧会をよく見に行かれるとのこと。
「3月末に東寺に行こうと思っていたのですが、ちょうど東京で展覧会が開かれることを知りました。この展覧会で、仏像曼荼羅を見るのがとても楽しみです」とお話しくださいました。

沖松研究員のブログにも書かれていた重要文化財 両界曼荼羅図(元禄本)胎蔵界は、5月19日(日) まで展示中です。5月21日(火)から6月2日(日)までは金剛界が展示されます。どうぞお見逃しなく!

カテゴリ:news2019年度の特別展

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posted by 小島佳(広報室) at 2019年05月16日 (木)