♪ハア~ あの日リオデジャネイロでながめた月が~
今年2016年は、オリンピックイヤー。4年後はいよいよ東京!
ということで、いろんなところで2020年に向けての準備が進んでいますが、
この夏、トーハクには聖火に先駆けてギリシャから貴重な文化財がやってきます。
3月14日(月)、東京国立博物館にて、特別展「古代ギリシャ―時空をこえた旅―」(2016年6月21日(火)~9月19日(月・祝))の報道発表会が行われました。
先行チラシは両A面。強いキャッチとエーゲ海を思わせるブルーが印象的。
当日は、本展覧会担当研究員・白井克也より展覧会趣旨について説明、
また、本展監修者である東北大学准教授・芳賀京子氏よりみどころと作品解説がありました。
当館 白井研究員
東北大学准教授・芳賀京子氏
西洋文明の源である古代ギリシャ文明。その黎明から最盛期に至る歴史の流れを総合的に紹介する本展。
ギリシャ国内40ヶ所以上の国立博物館等から、300件をこえる作品が出展されるかつてない規模の展覧会です。
その件数もさることながら、驚くべきはその多様性。
キュクラデス偶像、幾何学様式の壷絵からマケドニアの美しい金製品、等身大のヘレニズムの神像まで。
たとえ、ギリシャを旅したとしても、これほどの作品を見て回るのは大変!
時代により、地域により異なった文化が花開いた古代ギリシャ世界を通観するまたとない機会といえます。
スペドス型女性像
初期キュクラデスⅡ期、シュロス期 (前2800~前2300年)
キュクラデス博物館蔵
©Nicholas and Dolly Goulandris Foundation–Museum of Cycladic Art, Athens, Greece
牛頭形リュトン
新宮殿時代後期(前1450年頃)
イラクリオン考古学博物館蔵
漁夫のフレスコ画
前17世紀
テラ先史博物館蔵
アレクサンドロス頭部
前340~前330年
アクロポリス博物館蔵
アルテミス像
前100年頃
アテネ国立考古学博物館蔵
また、本年は最初の近代オリンピックが開催されて120年にもあたり、発祥の地・ギリシャからオリンピックゆかりの作品も数多く展示されます。
赤像式パナテイア 小型アンフォラ ボクシング
前500年頃
アテネ国立考古学博物館蔵
サブタイトル「時空をこえた旅」そのままの、文字通り「時間」と「空間」をこえる贅沢な旅を、展覧会会場でお楽しみください。
特別展「古代ギリシャ―時空をこえた旅―」、どうぞお楽しみに。
※特に記載のあるものを除き、画像はすべて
©The Hellenic Ministry of Culture and Sports-Archaeological Receipts Fund
カテゴリ:news、2016年度の特別展
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posted by 田村淳朗(広報室) at 2016年03月29日 (火)
特別展「生誕150年 黒田清輝─日本近代絵画の巨匠」 開幕!
特別展「生誕150年 黒田清輝─日本近代絵画の巨匠」が、桜の開花とともに3月23日(水)に開幕しました!
特別展会場の窓から見える桜です
開幕に先立ち、3月22日(火)には開会式・内覧会を行い、多くのお客様にご出席いただきました。
まず、第1章「フランスで画家になる―画業修学の時代」では、フランス留学時代の作品を展示。師匠のラファエル・コランら、黒田が学んだ同時代のフランス近代絵画も合わせてご覧いただけます。
会場を移り、第2章「日本洋画の模索―白馬会の時代」の入口では「舞妓」がお出迎え。この章では、代表作「湖畔」のほか、論争の的となった裸体画の作品なども展示されています。
(左)重要文化財 舞妓 黒田清輝 1893年(明治26) 東京国立博物館蔵
続いて、第3章「日本洋画のアカデミズム形成―文展・帝展の時代」の展示室は、華やかな桜色の空間になっています。日本にアカデミズムを確立しようと奮闘した黒田の、晩年までの作品をご覧いただけます。
このほかにも、黒田をとりまく近代洋画や、戦災で失われた「昔語り」の下絵やデッサンなど、充実の内容となっています。そして、最後に皆さまをお迎えするのは...せひ、その目で確かめてください!
日本美術の近代化に尽力した黒田の軌跡をたどる本展、会期は3月23日(水)~5月15日(日)です。
今後、黒田展の見どころを、このブログでご紹介していきます。
どうぞ、ご期待ください!
カテゴリ:絵画、2016年度の特別展
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posted by 宮尾美奈子(広報室) at 2016年03月24日 (木)
仏像ファンの皆様、お待たせいたしました。
東京国立博物館では、今秋、特別展「平安の秘仏―滋賀・櫟野寺(らくやじ)の大観音とみほとけたち」(9月13日(火)~12月11日(日)、本館特別5室)を開催します。
滋賀県にある櫟野寺(らくやじ)は、重要文化財に指定される20体もの平安時代の仏像がいらっしゃるお寺です。
ご本尊は、像高3mを超すという大きな大きな十一面観音菩薩坐像。
滋賀県は十一面観音の優品が多く、櫟野寺の観音様も仏像ファンの方にはお馴染みかもしれませんね。
この大きな大きな観音様が、お厨子を出て、お寺を出て、トーハクにお出ましになるというのです!
2月15日(月)には、本展の報道発表会を行いました。
本展主催者を代表して、当館副館長の松本伸之(左)と櫟野寺住職の三浦密照(右)よりご挨拶を申し上げました
本展の最大の注目ポイントは、もちろん本尊である重要文化財「十一面観音菩薩坐像」の出陳です。
像高3.12m、台座・光背も含めると総高5.m以上という大きさ!
重要文化財の坐像としては日本最大の十一面観音菩薩です。
重要文化財 十一面観音菩薩坐像
平安時代・10世紀
滋賀・櫟野寺蔵
そんな大きな仏様が果たして会場でどのように展示されるのか、皆様ご期待ください。
しかもこちらのご本尊、普段は公開していない秘仏です。
ご本尊がお寺を離れて公開されるのは、今回が初めて。
ますます期待がふくらみます!
報道発表会では、本展担当研究員・丸山士郎が展覧会の見どころを説明しました。
「展覧会では、ご本尊を横からもご覧いただけます」
※普段は厨子に納められているため、横からのお姿はご覧になれません。
櫟野寺には、ご本尊の他に19体の重要文化財の仏像が伝わります。
像高2mを超える薬師如来坐像をはじめとする平安彫刻の傑作を、一時にご覧いただけることも本展の注目ポイントです。
ちなみに丸山研究員の”推しブツ”は、毘沙門天立像。
重要文化財 毘沙門天立像
平安時代・10~11世紀
滋賀・櫟野寺蔵
目をつり上げ、口をへの字に歪めた表情に親しみを覚えるのだそうで、お気に入りのアングルは横顔なのだとか。
開幕まで半年以上ありますが、会場で横顔チェックをお忘れなく!
報道発表会の出席者には、「櫟野寺オリジナル金の測量野帳」と「手裏剣ティーバッグ」をお持ち帰りいただきました。
櫟野寺オリジナル金の測量野帳(コクヨ株式会社様ご提供)と手裏剣ティーバッグ(一般社団法人 滋賀県茶業会議所様ご提供)
金の測量野帳は展覧会特設ショップで販売する予定なので、ぜひチェックしてください。
また、櫟野寺のある滋賀県甲賀(こうか)市は、県内の生産量の95%以上を占めるお茶の名産地(ショップでの販売は未定)。
お寺の所在地についても知っておくと、仏像の理解も深まるはずです。
展覧会公式サイトでは櫟野寺の紹介動画も公開中。こちらもぜひご覧ください。
今から楽しみな特別展「平安の秘仏―滋賀・櫟野寺(らくやじ)の大観音とみほとけたち」。
20体の仏様のお出ましを、仏像ファン一同、期待してお待ちいたしましょう!
カテゴリ:news、2016年度の特別展
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posted by 高桑那々美(広報室) at 2016年02月18日 (木)
特別展「生誕150年 黒田清輝─日本近代絵画の巨匠」報道発表会
来春、トーハクでは、特別展「生誕150年 黒田清輝─日本近代絵画の巨匠」(2016年3月23日(水)~5月15日(日))を開催します!
開催に先立ち、11月17日(火)に報道発表会を行いました。
本展覧会担当研究員・松嶋雅人より「展覧会趣旨」の説明を、東京文化財研究所・山梨絵美子より「黒田清輝、その人と作品について」解説いたしました。
(左)当館 松嶋研究員、(右)東京文化財研究所 山梨企画情報部部長
皆さんは「黒田清輝」と聞いて、どの作品を思い浮かべますか?
やはり有名な「湖畔」でしょうか。
重要文化財 湖畔 黒田清輝 1897年(明治30) 東京国立博物館蔵
切手や教科書で親しまれています
日本近代洋画の巨匠と呼ばれており、日本の美術界に偉大な功績を残した黒田ですが、その人生は意外にも葛藤に満ちています。封建的な明治の日本社会で、世界に認められる洋画を目指すことは、並大抵のことではありませんでした。
今回の総作品数は約240件(黒田作品200件以上)!
当館の所蔵品に加え、国内外27箇所の機関および個人の方からご出品いただく作品が、トーハクに集まります。
黒田清輝の初期から晩年までの作品を通して、黒田が歩んだ苦闘の道のりを感じていただけることでしょう。
(左)木かげ 黒田清輝 1898年(明治31) 公益財団法人ウッドワン美術館蔵
(右)野辺 黒田清輝 1907年(明治40) ポーラ美術館蔵
さて、本展の見どころはそれだけではありません!
黒田が学んだ同時代のフランス絵画を展示。黒田作品のルーツをたどります。
羊飼いの少女 ジャン=フランソワ・ミレー 1863年頃 オルセー美術館蔵
©RMN-Grand Palais (musée d'Orsay)/Michel Urtado/distributed by AMF
オルセー美術館より特別出品!
フロレアル(花月) ラファエル・コラン 1886年 オルセー美術館蔵(アラス美術館寄託)
©RMN-Grand Palais (musée d'Orsay)/Hervé Lewandowski/distributed by AMF
黒田の師、コランの代表作
報道発表会では、本展ゲストキュレーター東京大学・三浦篤教授に説明していただきました。
東京大学 三浦教授
三浦教授の「日本における黒田ではなく、世界における黒田を見直す良い機会」という言葉が印象的でした。
他にも、日本の近代洋画の展示など、まさに黒田清輝生誕150年にふさわしい展覧会です!
観終わった後、あなたの黒田清輝像が変わるかも・・・。
黒田清輝ポートレート
特別展「生誕150年 黒田清輝─日本近代絵画の巨匠」、どうぞお楽しみに!
カテゴリ:絵画、2016年度の特別展
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posted by 宮尾美奈子(広報室) at 2015年11月24日 (火)