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「愛」を探して、博物館でアジアの旅!

朝晩はひんやりとした風が心地よく、虫の声が秋の訪れを感じさせる今日この頃。
トーハクでは、秋の恒例企画「博物館でアジアの旅」を絶賛開催中です。皆様、もうお越しいただけましたか?



会場はトーハクの東洋館。ここではアジア各地の美術品や考古遺物を展示しています。
東洋美術ファンはもちろん、「いつも特別展を見るだけで手一杯」、「そもそも『東洋館』ってどこにあるの…?」という方にも、ぜひこの機会に足をお運びいただきたい場所です。


正門から入り、本館を前にして、右手に見えるこの建物が「東洋館」です。

「博物館でアジアの旅」では、毎年さまざまなテーマのもと、アジアの名品をご紹介してきました。
今年のテーマは「愛」! 「LOVE♡アジア(ラブラブアジア)」というタイトルのとおり、愛を題材にした多彩な作品を展示しています。


東洋館の入口でも、韓国語の「サラン」やギリシャ語の「エロス」など、「愛」を表す言葉が皆様をお出迎え。


東洋館の中はこんな感じ! フロアが複雑に入り組んでいます。

館内に足を踏み入れて、「『LOVE♡アジア』の展示室はどこだろう?」と戸惑う方がいらっしゃるかもしれません。
実は、作品が特定のスペースに集合しておらず、館内のあちらこちらに点在しているのが、「博物館でアジアの旅」の醍醐味。
まさにアジア諸国を旅するような気分で、東洋館の各フロアをのんびり散策しながら楽しんでいただきたい企画なのです。
「愛」にちなんだ作品全39件を探して館内をめぐるうち、思いもよらないところで、新たなお気に入りの一品に出会えるかも?


このピンクの札が、「LOVE♡アジア」関連作品の目印です。

どんな作品が皆様をお待ちしているか、少しだけお見せしましょう。


花鳥図屛風 朝鮮 朝鮮時代・19世紀 小倉コレクション保存会寄贈

最上階の10室に展示しているのが、こちらの屛風。
可愛い鳥たちとともに、石榴(ざくろ)や牡丹(ぼたん)などの植物が表されています。
目にもラブラブなつがいの鳥は、夫婦円満の象徴。
さらにこれらの植物は、富貴や長生きなど、おめでたい意味を持つのだとか。



「屛風」と聞くと絵画を連想するかもしれませんが、この作品は刺繡で表現されているのも見どころです。
繊細な仕上がりは、思わずため息が出そうなほど。
こうした華やかな屛風は、朝鮮時代、新婚の高貴な女性に贈られたものと考えられています。


草葉文鏡 中国 前漢時代・前2世紀

対してこちらの鏡は、ぱっと見た限りではラブラブ感が皆無……。
けれど実は、「見日之光長毋相忘(日の光あらわる。長く相忘るることなかれ)」という、君主と臣下、あるいは男女が互いを末永く大切に想うことを願う銘文が施されています。
言い回しは難しいけれど、私たち現代人も共感できるメッセージに、少し親近感が湧いてきませんか?

そして、「LOVE♡アジア」関連作品をより深く知ることができるイベントもお見逃しなく!
明日28日(土)は、月例講演会「アジア美術に見える愛の表現」を開催。
また、ボランティアによるさまざまなガイドツアーも実施しています。
*ガイドツアーの日程はこちらをご参照ください。

さらに、研究員が「愛」をキーワードにご案内するスペシャルツアー「愛を探す旅 ―添乗員はトーハク研究員―」もおすすめです。
開幕初日に行われた第1回「工芸に表現された愛」では、たくさんの方にご参加いただきました。


展示の見どころを熱くお伝えする三笠主任研究員(左)と小野塚研究員(右)


TNM&TOPPANミュージアムシアターでワヤン・クリについて解説した猪熊特別展室長。シャツの柄にもご注目を!

スペシャルツアー第2回「絵画に表現された愛」は10月8日(火)に開催します。
事前のお申込みは不要! 当日ふらっと参加できるので、お気軽にお立ち寄りください。

博物館でアジアの旅 LOVE♡アジア」は、10月14日(月・祝)まで。
いろいろな愛のかたちを探しに、この秋はぜひトーハク東洋館へ!

カテゴリ:催し物博物館でアジアの旅

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posted by 新井千尋(広報室) at 2019年09月27日 (金)

 

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