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特別展「工藝2020-自然と美のかたち-」が開幕したほ!

9月21日(月・祝)から特別展「工藝2020-自然と美のかたち-」が開幕しました!
トーハクくんとユリノキちゃんが会場の様子を簡単に紹介します。


表慶館の雰囲気とバナーの雰囲気がマッチしているほ!


ほほーい、ぼくトーハクくん! 今から特別展「工藝2020-自然と美のかたち-」を見にいくほ! ユリノキちゃん、これはどんな展覧会だったほ?
前、ブログで紹介したの忘れたの? このブログで予習してから行こうね。
ほほーい、読んだほ! じゃーさっそく見にいくほ!
待ってトーハクくん。事前予約はしたかな? 展覧会公式サイトからチケットページにいって、予約しようね。
予約してきたほ!
会場は表慶館よ。
なんか久しぶりに表慶館に入った気がするほ。
展覧会やイベントが開催していないときは、閉館しているから、この機会に表慶館そのものもよーく見ておこうね。


エントランスに入ったら、上も見てみてね。
光が差し込むドーム天井がとてもきれいよ。


それでは展示会場に入るほ!
4章構成の最初、第1章「金は永遠に光り輝き、銀は高貴さに輝く」から始まるわ。


第1章「金は永遠に光り輝き、銀は高貴さに輝く」展示風景

作品がとても近くで見れるほ!
でも、作品にうっかり触らないよう、足元の目印の外側で見てね。
それに展示台がとてもおしゃれだほ。
そうよ、トーハクくん。自然と工芸との関係をコンセプトに構成された展示空間そのものも要注目ね。


象嵌朧銀花器「 チェックと市松」 中川衛作 令和2年(2020) 個人蔵


これは金属でできているほ?
そうよ。金、銀、赤銅などの金属が使われているの。模様もよく見てね。

次にいくほ!
次は第2章「黒はすべての色を内に吸収し、白はすべての光を撥する」だよ。


第2章「黒はすべての色を内に吸収し、白はすべての光を撥する」展示風景


さっきの場所と違って、白い作品、黒い作品が多いからなんだか落ち着いた雰囲気だほ。
白磁の陰影や漆の艶やかな黒、礼式の衣裳の黒と白、様々な場面に登場する黒と白の対比を味わってほしいね。


森只中 中井貞次作 平成24年(2012) 染・清流館蔵

これは絵画作品ほ? 
これは染織作品よ。森の中の生命力やエネルギーが絵画的にも表現されているわね。

次の章はなんだほ。
第3章「生命の赤、自然の気」よ。


第3章「生命の赤、自然の気」展示風景


赤い作品が多いほ! なんだかエネルギッシュだほ!
そうだね、太陽と大地に育てられる生命の赤は、自然に溢れるエネルギーそのものだね!


赤富士 伊藤裕司作 平成27年(2015) 個人蔵 


富士山だほ!
富士山以外もよく見てね。月と雲・霞を金箔、白金粉、金粉で表現されているわ。

次で最後ほ?
そうよ。第4章「水の青は時空を超え、樹々と山々の緑は生命を息吹く」。


第4章「水の青は時空を超え、樹々と山々の緑は生命を息吹く」展示風景

さっきとは変わって、なんだか静かな印象をうけるほ。
小川が近くで流れる森の中にいるみたいね。水や空の青、森の緑からは自然の気配を感じるわ。


硝子絹糸紋鉢「夕陽」 安達征良作 令和元年(2019) 個人蔵

きれいなガラスの器だほ。
照明でどんな表情が見られるか、会場でぜひご覧くださいね。

ユリノキちゃん、最後に皆様へひとことお願いだほ!
82件の全作品を通期で展示しています。いつ来ても、全部見れるので、事前予約の上ぜひご来館ください!

カテゴリ:トーハクくん&ユリノキちゃん2020年度の特別展

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posted by トーハクくん&ユリノキちゃん at 2020年09月29日 (火)

 

インドの英雄クリシュナ

現在、東洋館では「博物館でアジアの旅 アジアのレジェンド」[9月8日(火)~10月11日(日)]を開催中です。レジェンドにまつわるアジア各地の作品を展示している本企画。館内の看板などには、インドの英雄クリシュナが登場しています。


東洋館の入口にも、クリシュナがずらり。

クリシュナはヒンドゥー教の神です。聖典にはクリシュナが無敵を誇る様子と人間臭い姿がともに描かれています。それゆえインドにおいて、クリシュナは、至高の神でありながら、人々から大変愛される英雄でもありました。
クリシュナという名は、本来、「黒い」「暗い」「濃い青の」「皆を引きつける」を意味するサンスクリット語の「クルシュナ」に由来します。またヒンドゥー教ではクリシュナを神ヴィシュヌの化身(アヴァターラ)と考えてきました。そのため、クリシュナの肌の色はしばしば黒や青に塗られてきたのです。

今回のブログではクリシュナを主題として描いた細密画3点から、クリシュナの誕生から青年へと成長するまでを読み解いていきたいと思います。


東洋館13室「インドの細密画」

クリシュナが生誕した場所は、インド北部のマトゥラーという都市です。実はマトゥラーはガンダーラと並んで仏像誕生の地としても知られています。当時、マトゥラーは小国家で、ヤーダヴァという部族が統治していました。

クリシュナの父はヴァスデーヴァ、母はデーヴァキーといいました。デーヴァキーはマトゥラー国の王であったカンサの妹です。
カンサは悪行を重ねていました。それを見かねた神々は、ヴィシュヌがデーヴァキーの胎内に宿り、クリシュナとして誕生するように定めたのでした。
しかしカンサもまたデーヴァキーの子供に殺されるというお告げを聞きます。そこでカンサはデーヴァキーの子供たちを皆殺しにするように企むのでした。

クリシュナが生まれると、ヴァスデーヴァはひそかに赤ん坊のクリシュナを抱いてヤムナー川を渡り、同じ年頃の赤ん坊と交換します。こうしてクリシュナはカンサの魔の手からひとまず逃げ落ちることができました。
クリシュナは、マトゥラー近くに住んでいたナンダとその妻ヤショーダの手によって育てられました。


幼少期のクリシュナにまつわるエピソードをひとつご紹介しましょう。
クリシュナがバターを盗み食いするお話です。「バターを盗もうとするクリシュナ(バーガヴァタ・プラーナ)」という細密画を見てみましょう。


バターを盗もうとするクリシュナ(バーガヴァタ・プラーナ) カンパニー派 インド 19世紀中頃 東京国立博物館蔵 東洋館13室にて通期展示

幼少期のクリシュナは普通の子どもと同じように腕白でした。牛飼いの家を訪ねては大好物のバターを盗み食いしていたのです。この絵の中でもクリシュナは召使いを踏み台にして、天井から吊した壺の中からバターを盗み食いしようとしています。


続いては青年期のクリシュナにまつわるエピソードをご紹介しましょう。クリシュナが山を持ち上げて、牛飼いたちを雨から守るお話です。「ゴーヴァルダナ山を持ち上げるクリシュナ」という細密画を見てみましょう。


ゴーヴァルダナ山を持ち上げるクリシュナ(部分) ビーカーネール派 インド 18世紀後半 東京国立博物館蔵 東洋館13室にて通期展示

牛飼いたちがインドラの祭祀を準備していると、クリシュナが現れて替わりに家畜や山岳を祭ることを牛飼いたちに勧めます。インドラはこれに怒って大雨を降らせますが、クリシュナはゴーヴァルダナ山を持ち上げると、指1本で軽々と山を支え、牛飼いたちを雨から守りました。


そして最後に「蓮の上に坐るクリシュナ」を見てみましょう。


蓮の上に坐るクリシュナ(部分) ビーカーネール派 インド 18世紀前半 東京国立博物館蔵 東洋館13室にて通期展示

精悍な青年へと成長したクリシュナが、右手にバーンスリーと呼ばれる横笛をもって蓮の花の上に坐っています。あたかも仏陀が蓮の上で化生しているかのようです。
しかもこの蓮の花はかつてクリシュナの父ヴァスデーヴァがカンサの魔の手から赤ん坊のクリシュナを守るために抱いて渡ったヤムナー川のほとりに咲いているのです。


クリシュナの誕生の秘密は、世界の秩序を維持するヴィシュヌが化身したものでした。幼少期のクリシュナはヴィシュヌの神性が覚醒する前の段階のようで、まだまだ人間の子供と変わりません。しかし青年期に至ると、その片鱗が見えてきます。

今回「博物館でアジアの旅 アジアのレジェンド」に展示されているインドの細密画からは、クリシュナがレジェンドへ成長する前段階をうかがい知ることができるのです。
 

カテゴリ:研究員のイチオシ博物館でアジアの旅絵画

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posted by 勝木言一郎(東洋室長) at 2020年09月17日 (木)

 

「博物館でアジアの旅」が開幕!今年のテーマは「レジェンド」



ほほーい、ぼくトーハクくん! 今日のぼくは、ひと味ちがうんだほ。ユリノキちゃん見て見て!

本当だ、トーハクくん、今日はおめかししてるのね。

インドの細密画にたくさん描かれているヒンドゥー教の神様、クリシュナ風のコスプレだほ! そう言うユリノキちゃんも、いつもと服が違うほ?


私のはクリシュナのパートナー、ラーダーの衣装がモチーフなのよ。ところでトーハクくん、私たちがお着替えした理由、覚えてる?

も、もちろんだほ?!

もう、しっかりして! 今週開幕した「博物館でアジアの旅」[9月8日(火)~10月11日(日)] を皆様にご案内するためじゃない。

(そうだったほ!)大丈夫だほ、秋のトーハクといえば「アジアの旅」ほ! 今年で7回目になる恒例企画だほ。

そうそう、東洋の美術・工芸・考古遺物を展示している「東洋館」を舞台に、毎年違うテーマでアジア各地の名品をご紹介しているのよね。今年のテーマは「アジアのレジェンド」なの。

埴輪界のレジェンドを目指すぼくとしても、見逃せないテーマだほー。

ただ、去年までと違って、今年はご来館前に日時指定券の事前予約をお願いしているの。それに「博物館でアジアの旅」と言えば研究員が添乗員に扮して展示室をご案内する「スペシャルツアー」が定番だったけれど、新型コロナウイルス感染拡大予防のため、残念ながら今年は見合わせることになったんですって。

がーん!!! ぼく一人じゃ、あの大きな東洋館をどう回ったらいいかわからないほ……。

安心してトーハクくん、館内で無料配布中の「博物館でアジアの旅 2020 PASSPORT」があるわ! ここには「アジアのレジェンド」の主な関連作品を見つけるためのヒントが載っているのよ。パスポートの答えは、同じく館内で配布しているオリジナル・シールを見ればわかるんだって。展示室を回った後にシールを受け取って、答え合わせしてみてね。


パスポートおよびオリジナル・シールは、10月11日(日)までの間、東洋館インフォメーションでお配りしています。※数に限りがございます。

それに、ガイドブックに見立てた図録では、主な関連作品について詳しく解説されているの。これを読めば「アジアのレジェンド」への理解が深まること間違いなしよ!


ガイドブックは、本館・東洋館のミュージアムショップで販売中です。

さすがユリノキちゃん! 安心したほー。それじゃあ早速この2冊をお供に、「レジェンドを探す旅」へ出発だほー!

「博物館でアジアの旅」は関連作品が館内のあちらこちらに散りばめられているから、テーマにちなんだ作品を探しつつ、各展示室をぶらぶら散策するのが楽しいよね。

うんうん。これまで気づかなかった面白い作品を発見できることもあるから、わくわくするほ!

ところでトーハクくん、「レジェンド」ってどういう意味か知ってる?

改まって聞かれると困るほ……なんかすごい人のことだほ!

ちょっと惜しいかも。「レジェンド」はもともと「伝説」を意味する言葉なの。そこから今トーハクくんが言ったような「偉人」などといった意味が派生したんですって。最近は「殿堂入り」を果たしたスポーツ選手や芸能人もレジェンドと呼ばれたりするわよね。

ほほー、なるほどー。一言で「レジェンド」と言ってもいろいろだほ。

まさにそうなの。だから今回は、そうした意味の広がりを踏まえながら、レジェンドにまつわるいろいろな作品をご紹介しているのよ。「博物館でアジアの旅」の関連作品は、そばにオレンジ色の札が付いているから、それを目印に探しましょう。


この札があるものは「博物館でアジアの旅 アジアのレジェンド」関連作品です。

あ、クリシュナがいたほ!




ゴーヴァルダナ山を持ち上げるクリシュナ(部分) ビーカーネール派 インド 18世紀後半 東京国立博物館蔵 東洋館13室にて通期展示

トーハクくんの衣装のモデルになった絵ね。クリシュナはインド神話の英雄で、指一本で山を持ち上げて、牛飼いたちを雨から守ったんですって。

すごい力だほー!ぼくもそんなパワーがほしいほ。



粉彩牡丹文大瓶 中国・景徳鎮窯「大清雍正年製」銘 清時代・雍正年間(1723~35) 横河民輔氏寄贈 東京国立博物館蔵 東洋館5室にて通期展示

こっちは大きな瓶だほー。お花の絵がとってもきれいだほ。でも、これはどこが「レジェンド」なんだほ?

この作品は、東洋陶磁収集のレジェンドとされる、建築家の横河民輔氏が集めたコレクションのひとつなの。今回は「レジェンドが集めたもの」として、横河コレクションの優品がたくさん展示してあるのよ。



顔氏家廟碑 顔真卿筆 中国 唐時代・建中元年(780) 東京国立博物館蔵 9月22日(火・祝)まで東洋館8室にて展示

こっちも大きい作品だほ! 迫力満点だほー。

こちらは書の世界のレジェンド的存在、顔真卿(がんしんけい)の代表作と評される作品よ。こんなふうに「レジェンドが作ったもの」もご紹介しているの。でも、こちらの作品をはじめ、一部の作品は「博物館でアジアの旅」の期間途中で展示が終了するので、お目当ての作品がある方はご来館前に作品リストで展示期間をお確かめくださいね。

わ、レジェンドな作品がいっぱいあるほ! ぼくの旅はまだまだこれからだほー!

博物館でアジアの旅 アジアのレジェンド」は10月11日(日)までです。ぜひ皆様も異国情緒たっぷりの東洋館で、「レジェンドを探す旅」をお楽しみください。


カテゴリ:考古中国の絵画・書跡博物館でアジアの旅絵画工芸

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posted by トーハクくん&ユリノキちゃん at 2020年09月10日 (木)

 

特別展「桃山―天下人の100年」今秋開催!

2020年10月6日(火)~11月29日(日)、平成館にて特別展「桃山―天下人の100年」が開催されます。
日本美術史上最も豪壮で華麗な「桃山美術」を中心に、室町時代末から江戸時代初期にかけて移り変わる美意識を、数々の名品によってご覧いただける展覧会です。
開幕に先立ち、主な見どころをご紹介します。

唐獅子図屛風(からじしずびょうぶ)
唐獅子図屛風(からじしずびょうぶ)
狩野永徳筆 安土桃山時代・16世紀 東京・宮内庁三の丸尚蔵館蔵

後期展示(11月3日(火・祝)~11月29日(日))のみ
 

【見どころ1】
豪華絢爛!華麗なる桃山美術の世界

黄金輝く障屏画、豪壮な水墨画など、天下人が夢を追い求めた時代の華々しい美術を堪能いただけます。
また、室町末から江戸初期まで約100年間の美術作品を通して、「桃山美術」が何を受け継いで誕生し、後世にどのような影響を与えたのかを感じていただける展示構成です。
織田信長や豊臣秀吉、徳川家康をはじめ、教科書で見覚えのある戦国武将や茶人、文化人ゆかりの名品が並びます!

国宝 檜図屛風(ひのきずびょうぶ)
国宝 檜図屛風(ひのきずびょうぶ)
狩野永徳筆 安土桃山時代・天正18年(1590) 東京国立博物館蔵
前期展示(10月6日(火)~11月1日(日))

 

【見どころ2】
戦国ファン必見!戦国武将ゆかりの作品

安土桃山時代は、常に戦闘があった時代でした。そのため、生死を決する刀剣や甲冑は新たな展開を見せ、これまでにない武器や武具が流行しました。武将たちの「生死をかけた装い」をご覧ください。

重要文化財 銀伊予札白糸威胴丸具足(ぎんいよざねしろいとおどしどうまるぐそく)重要文化財 刀 無銘 伝元重 朱漆打刀(かたな むめい でんもとしげ しゅうるしのうちがたな)

【左】重要文化財 銀伊予札白糸威胴丸具足(ぎんいよざねしろいとおどしどうまるぐそく)
  安土桃山時代・16世紀 宮城・仙台市博物館蔵
  前期展示(10月6日(火)~11月1日(日))
【右】重要文化財 刀 無銘 伝元重 朱漆打刀(かたな むめい でんもとしげ しゅうるしのうちがたな)

(刀身)前元重 南北朝時代・14世紀  
  (刀装)
安土桃山~江戸時代・16~17世紀 東京国立博物館蔵


【見どころ3】
絵画、武具甲冑から、茶道具、高台寺蒔絵、南蛮美術まで!あらゆる分野の名品約230件が集う

華麗な障屏画や戦国武将の武具甲冑のみならず、意匠性優れた桃山茶陶や、世界へと視野を広げた南蛮美術も桃山美術の特徴です。その様々な分野から、優品を集めています。
まず絵画では、狩野元信から孫の永徳、その孫の探幽の作品をはじめ、永徳のライバル長谷川等伯や海北友松、雲谷等顔による障屛画や、江戸時代初期の風俗画も展示。
そして上杉謙信や豊臣秀吉、伊達政宗など戦国武将ゆかりの武具甲冑、千利休や古田織部ゆかりの茶道具のほか、中世から近世にかけて、激動の時代に生まれた名品の数々、約230件!
全国を駆け回らないと見ることのできない作品が、一堂に会します。

国宝 楓図壁貼付(かえでずかべはりつけ)
国宝 楓図壁貼付(かえでずかべはりつけ)
長谷川等伯筆 安土桃山時代・文禄元年(1592)頃 京都・智積院蔵

重要文化財 黄瀬戸立鼓花入 銘 旅枕(きせとりゅうごはないれ めい たびまくら)重要文化財 花鳥蒔絵螺鈿聖龕(かちょうまきえらでんせいがん)
【左】重要文化財 黄瀬戸立鼓花入 銘 旅枕(きせとりゅうごはないれ めい たびまくら)
  美濃 安土桃山時代・16世紀 大阪・和泉市久保惣記念美術館蔵  
  展示期間:10月27日(火)~11月29日(日)
【右】重要文化財 花鳥蒔絵螺鈿聖龕(かちょうまきえらでんせいがん)
  安土桃山時代・16世紀 九州国立博物館蔵
  前期展示(10月6日(火)~11月1日(日))

 

戦国武将が争う下剋上の時代から、江戸幕府による平和な治世へと移り変わった時代。
政治だけでなく美術においても変革の時代に花開いた「桃山美術」の輝きを、ぜひ特別展「桃山―天下人の100年」でご覧ください!

※本展は、インターネットでの事前予約(日時指定券)制となっております。
詳しくは展覧会公式サイトをご確認ください。

カテゴリ:2020年度の特別展

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posted by 苅米紀子(広報室) at 2020年08月28日 (金)

 

特別展「工藝2020-自然と美のかたち-」を紹介するほ!


表慶館で9月21日(月・祝)から開催される特別展「工藝2020-自然と美のかたち-」について、トーハクくんとユリノキちゃんが紹介します。

うーん暑い暑いほ。暑いときは家でネットサーフィンに限るほ。さーて、井上副館長のオンラインギャラリーツアーも見たし、次は何をみるほ?
トーハクくん、9月21日(月・祝)からはじまる特別展「工藝2020-自然と美のかたち-」のウェブページはみたかな。
みてないほ。お、ここにあったほ。ふむふむ。これは現代の工芸作品を展示する展覧会ほ?
そうよ。重要無形文化財保持者(人間国宝)や日本藝術員会員の中堅、時代を担う若手の作家など82人の作品を1件づつ展示するのよ。
ほー、ということは82件も見れるんだほ、すごいほ! ユリノキちゃん、サブタイトル「-自然と美のかたち-」についても説明してほしいんだほ。
うん。日本の文化や工芸には、ありのままの自然が美しくて、調和しているととらえる芸術思想があるの。今回はそれを踏まえて、自然と工芸の関係性をテーマに展示するのよ。
ふーんだほ。でも、なんかまだピンとこないほ。
えーと、これならどうかしら。この展覧会は、第1章「金は永遠に光り輝き、銀は高貴さに輝く」、第2章「黒はすべての色を内に吸収し、白はすべての光を撥する」、第3章「生命の赤、自然の気」、第4章「水の青は時空を超え、樹々と山々の緑は生命を息吹く」と4つのニュアンスで構成されているわ。
色に注目しているほ?
そうね、工芸素材の色合いや自然を彩っているこれら4つのニュアンスを、生命の象徴のようなものと考えているのよ。
なるほどだほ。赤は燃えている色、生命が頑張っているようなイメージを感じるほ!
そう。会場では、工芸作品から生命のオーラのようなものを感じられるかもしれないわね。
どんな気持ちで見ればいいかはわかってきたけど、実際にはどんな作品が展示されるほ?
じゃ少しだけど、二人で一緒に見てみよう!


柏葉蒔絵螺鈿六角合子 室瀬和美作 平成26年(2014) 個人蔵

ほー、金と銀の輝きが綺麗だほ。
金粉とかを蒔いて漆を塗り、乾いたら表面を磨いて、下の蒔絵の層を出す。研ぎ出し蒔絵っていう技法が使われているのよ。


白瓷面取壷 前田昭博作 平成29年(2017) 個人蔵

こっちはシンプルな形だほ。
器の肌にできる影で、色々な表情が見られるみたい。


流紋―2018 本間秀昭作 平成30年(2018) 個人蔵

えーと、魚のヒレみたいにも見えるほ。
波のうねりと波しぶきが表現された作品よ。


海から天空へ 奥田小由女作 平成30年(2018) 個人蔵

お母さんから子どもへの想いが感じられほ。
それに、生命の尊さに対する想いも感じられるわね。

作品を会場で見るのが楽しみになってきたほ。
ちょっと待ってトーハクくん! 見どころは作品だけじゃないわ。
え? ユリノキちゃん、ほかに何があるほ。
今回の展示室は、建築家の伊東豊雄氏がデザインするのよ。大地から湧き上がるエネルギーを表している展示台など、展示空間そのものも見どころなのよ。


展示イメージ図 ©伊東豊雄建築設計事務所

ほー! 表慶館がどんな展示室になるのか楽しみだほ。クッキー食べて、開幕まつほ。
みなさん! お越しになるときは、インターネットでの事前予約(日時指定券)を忘れないでくださいね。観覧料金は今後発表されますので、あわせてご確認ください。
 

カテゴリ:トーハクくん&ユリノキちゃん2020年度の特別展

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posted by トーハクくん&ユリノキちゃん at 2020年08月17日 (月)