こんにちは。研究員の高橋です。
特集「博物館に初もうで ウシにひかれてトーハクまいり」も、残すところあと数日。
展示はモーご覧になりましたでしょうか?
牛水滴 渡辺近江大掾正次作 江戸時代・17世紀
じつはこの特集、いたるところにさまざまな小ネタが仕込まれています。
例えば、次の章立てタイトルをよく見てみてください。何か気づきませんか?
第1章 牛にまつわる信仰史
第2章 牛と共同した暮らし
第3章 牛車と王朝の様式美
第4章 描写された牛の姿形
すべて平仮名にしてみるとわかりやすいかもしれませんね。
そう。よく見ると、4つの章立てタイトルすべてに、【ウシ】という言葉がまぎれ込んでいるのです。
信仰史【しんこウシ】
共同し【きょうどウシ】
様式美【よウシきび】
描写【びょウシゃ】
こんなかんじで、遊び心をふんだんにちりばめた展示ですが、出陳されている作品数もかなりのもの。
広くはない展示スペースに、60件もの牛にちなんだ作品たちが、ひしめきあっています。
(ちなみに「ひしめく」は「犇く」と書きます。牛×3!)
「第4章:描写された牛の姿形」展示風景
とくに、第4章の展示ケースはまさにギュウギュウ。ちょっと密ですね(笑)
なんと、本来はここに展示予定であった、第4章のメインの作品も並べるのが難しくなってしまいました。
そこで、ちょうど表具の「片輪車」が共通することから、お隣の牛車コーナー(第3章)に移したのでした。
重要文化財 駿牛図断簡 鎌倉時代・13世紀
そのメインの作品というのが、こちらの「駿牛図断簡」(すんぎゅうずだんかん)です。
牛車を引く優れた牛を描いた作品で、元は絵巻だったものが切り取られ、掛軸に表装されています。
後ろを振り返る美しい牛の姿から、名付けたニックネームは「見返り美牛図」!
絶妙な墨の濃淡によって牛の立体感を見事に表し、筆線を引き重ねた細部描写もたいへん緻密です。
数ある牛の絵のなかでも、その優美さはピカイチといってもよいのではないでしょうか。
駿牛図断簡 拡大図
さて、今回の特集は、すべてトーハクのコレクション(収蔵品)で構成されています。
トーハクには膨大な数の収蔵品がありますが、ふだん展示で使用されるのは、じつはそのほんの一部です。
そのなかで、今回のような「テーマ展示」は、収蔵品の新たな活用という面で、有効な切り口となります。
例えば「牛」というテーマであれば、ふだんの名品展とは違う角度から、作品に光を当てることができます。
とくに本展では、これまで一度も展示されていない作品や、出陳履歴の少ない作品を積極的に発掘しました。
そして発掘した作品はなるべく多く出したい!と思った結果、このようなギュウギュウ展示となったのです。
今回が初出陳となる屏風作品
右:四季耕作図屛風(模本) 江戸時代・19世紀 原本:伝狩野元信筆 室町時代・16世紀
左:四季耕作図屛風 江戸時代・17世紀
作品との思いがけない出会いにより、改めてトーハクと縁を結んでほしい、という想いを込めたこの特集。
「密」に対して過敏な昨今ですが、ケース内に密集した牛たちは、じつにほのぼのとした表情をしています。
人の営みを傍らで支え続けてくれた牛のように、本展をはじめとするトーハクのさまざまな試みが、今後の新たな日常を支える、ささやかなきっかけになれば幸いです。
博物館に初もうで ウシにひかれてトーハクまいり 本館 特別1室・特別2室 2021年1月2日(土)~2021年1月31日(日) |
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posted by 高橋真作(文化財活用センター) at 2021年01月22日 (金)
ひろがるネットワーク 米欧ミュージアム日本美術専門家交流事業(2020年開催の報告)
当館では毎年、米欧の研究者を招いて「北米・欧州ミュージアム日本美術専門家連携・交流事業」を行っております。
そのプログラムの中で、当館を会場にして国際シンポジウムを開催していますが、1月30日(土)の今年の国際シンポジウム「日本美術がつなぐ博物館コミュニティー:ウィズ/ポスト・コロナ時代の挑戦」はリモートで行い、その様子をライブ配信することにいたしました。
ライブ配信はどなたでもご視聴できます。
ミュージアム日本美術専門家連携・交流事業実行委員会2020のページに移動する
さて、ここでは昨年開催した「第6回 北米・欧州ミュージアム日本美術専門家連携・交流事業」の模様をご紹介させていただきます。
2020年2月1日~5日の間、アメリカやヨーロッパから日本美術の専門家および日本の文化財を扱う人を集めて行う恒例の「北米・欧州ミュージアム日本美術専門家連携・交流事業」を行いました。
6回目となる今回は、当館でのシンポジウム「展示室で語る『日本美術』」を皮切りに、専門家会議、作品取り扱いワークショップ、エクスカーション、フィードバックセッションを東京および京都で実施しました。米欧の11カ国から約30名が参加し、当館をはじめ国立文化財機構の各館や国内のミュージアムの学芸員らと交流しました。
シンポジウムは、当館銭谷館長の挨拶の後、国立民族学博物館の吉田憲司館長から基調講演をいただき、まず今の日本美術史が普及した経緯からミュージアムの種別とその役割、また欧米の日本展示の例などをわかりやすく整理してお話しいただきました。続いて、米欧および当館の4人の学芸員が自館での日本美術展示について事例を交えて発表があり、パネルディスカッションでは、それぞれの日本美術との関わり、各館の取り組み、若年層へのアプローチ等活発な討議が展開し、日本美術の多様性が示されました。
まずは、国立民族学博物館 吉田館長の基調講演から
フリーア美術館 フランク・フェルテンズ博士からは、米国ワシントンDCにある同館での日本美術展示についてお話しいただきました
浮世絵コレクションで有名なホノルル美術館から、スティーブン・サレル氏がハワイでの挑戦について語りました
スイスのチューリッヒ・リートベルグ美術館 カーン・トリン博士は、自身が手がけた「蘆雪」展「神坂雪佳」展を例に、一般へのアプローチの違いをお話しいただきました
当館 松嶋雅人からは、一昨年話題になった「マルセル・デュシャンと日本美術」での試みについて紹介しました
パネルディスカッションは、展示室でみせる日本美術について、和やかかつ活発に意見交換がなされました
シンポジウム後は参加者との交流会も
翌日の専門家会議では、シンポジウムへのコメントから、英国での日本美術活用事例、博物館や学芸員のサステイナビリティ、また実務について、博物館業務に即した議論が交わされました。
持続可能性や輸送実務の課題など、幅広く実務に則した議論が展開しました
きもののワークショップでは、折り紙風の紙を使って、子ども用のきものについて、模様の意味や仕立て方を学びました
書跡ワークショップでは、実際の作品を前に掛物や巻物の取り扱い講義
特別展「出雲と大和」見学
京都国立博物館での刀剣取り扱い講座
東福寺見学
京都での懇親会は、欧米の皆さんにはゆかりの深い山中商会の事務所跡を利用したレストランで開催されました
大徳寺龍光院和尚様による坐禅体験
空気が凛として清々しい体験でした
日本美術品の修理の様子を見学(岡墨光堂)
第16代大西清右衛門様より、茶釜の技法について実物を使って説明を受けました
千總美術館では、現代の京友禅を見ながら染織技法について学びました
最終日にはフィードバックセッションを開催。1週間のプログラムを振り返りました
これが行われたのは2月の初め、世界中がコロナ禍に見舞われる直前の出来事です。今の状況では、米欧からこれだけの人を集めて事業を行うことは夢のようで、この後このようなことをいつ行えるかもわかりません。しかし、この交流でつちかったネットワークを大切に生かし、日本美術で何ができるのか、またトーハクが世界に向けて何を発信していけるのか、探っていきたいと思います。
東福寺にて
永井和尚を囲んで
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posted by 鬼頭智美(広報室長) at 2021年01月18日 (月)
ミートパイがおいしい店なので期待して食べたら、牛の形をしているだけで肉が入っていなかった。
残念ではありますが、これは干支の縁起物にもかかわらず、あさましくもその肉が入っていることを期待した私の方に非があったのかも知れません。年賀状にかわいい牛の姿を描きつつ、「さあ、こいつの肉を食うか」という気分にはならないでしょう。
やはり干支の肉というのは、何となく禁忌に触れる感覚なのだろうか…。そんなことを思い悩む今年の正月でしたが、スーパーでは「丑年!お肉を食べよう!」みたいなコーナーができていて、どうもそんなに単純な話ではないようです。
何の話かというと、前回に引き続き特集「博物館に初もうで ウシにひかれてトーハクまいり」に関して、牛に対する視点のお話。
多くの現代人にとって、「ウシ」という言葉を聞いた時に思い浮かべるのは牛丼や焼き肉ではないかと思いますが(違いますか? 私はそうですが)、前近代から続く牛の霊力への信仰を完全に捨ててしまったわけではありません。スキヤキの名店で舌鼓を打ったあと、神社で撫牛像を撫でて病気平癒を願うなんてコースは観光の定番だったりします。牛は人にとって身近であるだけに、神様のような存在だったり、逆に神に捧げる犠牲だったり、あるいは労働力だったり、都合よくさまざまな役割を与えられてきました。
なかでもちょっと特殊な立場にあったのが、平安時代の牛です。というのは、ただの労働力ではなく、牛の姿形が人々の品評対象となり、その良し悪しが所有者の社会的身分を示す指標にもなったからです。その理由として挙げられるのが、貴族の乗り物「牛車」の流行でした。
平治物語絵巻(模本)院中焼討ノ巻(部分) 狩野栄信・中山養福模
江戸時代・19世紀 原本=鎌倉時代・13世紀
「平治物語絵巻」では、平治の乱発端の場面で、馳せ参じた牛車の行き交うなかに、ひときわ目立つ白い車体が見られます。これは檳榔樹の葉から糸を作り、白く晒したもので屋形(牛車の人が乗る部分)の全体を葺いた「檳榔毛車(びろうげのくるま)」です。上皇や親王、摂関など一部の人々にしか乗用が許されないため、まさに憧れの高級車でした。そんな貴紳を乗せた車を引くのですから、動力である牛も普通であってはいけません。ここでは上等な牛とされた黄褐色の「黄牛(あめうじ)」が引いているところもポイントです。
国宝 片輪車蒔絵螺鈿手箱 平安時代・12世紀
さて、牛車の文化があったからこそ生まれた意匠に「片輪車」があります。
平安時代に描かれた料紙装飾や経巻見返絵などの中には、牛車の車輪だけが地面に横たわっていたり、水流に半ば浸かっていたりする図像が見られます。これが後に「片輪車」と呼ばれる意匠の原型で、いずれも車輪の半分ほどが見えている状態にあり、楕円に歪んで描かれるのが約束事です。水流に浸かっているものについては、木製の車輪が干割れしないように水に漬けておくという習慣に伴う日常的な景観と説明されますが、水流が描かれない図像の場合はその説明が成り立ちません。
これに関しては実際の景観を表したというよりも、車輪を「わ」の音として読む「字音絵」として解釈したり、釈尊の説法を意味する転法輪と見たり、浄土の宝池に咲く蓮華の寓意と捉えたりする考え方があります。
ある図像というものは、見る側の文化的背景によって全く意味が違ってくるものです。
たとえば、ちょっと前までは市松模様を見ても何の関心も持たなかったのに、今では某炭焼きの少年を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。一様の解釈を当てはめるのではなく、成立時期や受容層により「片輪車」の意味するところも変わってくると考えた方が良いでしょう。
陣羽織 淡黄羅紗地片輪車模様 江戸時代・18世紀
中世以降、多額の維持費がかかる牛車の文化は次第に廃れてしまいます。それだけに牛車は失われた王朝文化の象徴として、憧れとともに記憶の中へ留まり続けることになります。
「片輪車」も形式化し、仏教的な寓意はすでに失われ、文様としては一種の吉祥モチーフとして扱われるようになっていきました。
ではただの「おめでたい文様」になってしまったのかというと、そうも言いきれない。近世には傾奇者に好まれた意匠であったとする指摘もあります。何より、この赤くズバッと背中に片輪車を配した陣羽織を見ると、その文様に託した強い主張を実感せざるを得ません。着用者は、この歪んだ車輪に何を見ていたのでしょうか。
博物館に初もうで ウシにひかれてトーハクまいり 本館 特別1室・特別2室 2021年1月2日(土)~2021年1月31日(日) |
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posted by 福島修(工芸室) at 2021年01月15日 (金)
あけましておめでとうございます。研究員の増田です。
丑年の本年は、牛を表わした作品や牛にまつわる作品を展示した特集「博物館に初もうで ウシにひかれてトーハクまいり」が本館特別1・2室で開催中です(2021年1月31日まで)。
本特集のタイトルは「牛に引かれて善光寺参り」という諺(ことわざ)をもとにしたもの。「身近に起こった出来事に導かれて、思いがけない縁が結ばれること」のたとえです。
このブログでは、皆様と当館とを結ぶ展示作品を紹介します。
今回は、宗教における牛についてお話ししていきます。
まず、牛は古代インドの神々の強大な力のシンボルとされました。
チューギェル立像 中国 清時代・18~19世紀
チューギェルとは古代インドの神ヤマが仏教に取り込まれた姿です。ヤマの象徴である牛の頭をしていて、大きな鼻や二本の立派な角が表わされています。手足を大きく広げて牛の上に乗る軽快な姿ですが、実は死者を厳しく処罰する強大な力を持ちます。
次に、中国の宋時代には、牛が仏教における悟りの象徴とみなされるようになります。
十牛図(模本) 陶山雅純摸 江戸時代・嘉永3年(1850) 原本=狩野探幽筆 江戸時代・17世紀
十牛図とは、人が牛を飼いならすまでの過程を禅の修行になぞらえ、悟りの境地に至るまでの十段階のプロセスを絵で示したものです。ここで牛は「悟り」や「真の自己」を表わすといいます。
最後に、日本の仏教説話では、人を仏のもとへ導く存在として牛が登場します。
本特集のタイトルのもとになった諺の善光寺に関する作品を紹介します。
善光寺如来絵詞伝一 釈卍空著 江戸時代・安政5年(1858) 徳川宗敬氏寄贈
お話のあらすじは次の通りです。
昔、ある老婆が布を干していると、どこからか牛が現われ、角に布を引っかけて走り去ってしまいます。老婆は牛を追いかけ、気づくと善光寺にたどり着き、そこで仏を信じる心を起こしました。
江戸時代には、このストーリーを記したさまざまな書物が制作・刊行されました。
ところで、善光寺の本尊である阿弥陀如来三尊像はインド伝来とされる秘仏ですが、鎌倉時代以降にはその姿を模した、いわゆる善光寺式の阿弥陀三尊像が数多く作られました。
重要文化財 阿弥陀如来および両脇侍立像(善光寺式) 鎌倉時代・建長6年(1254)
本像もその一つです。
阿弥陀如来が左手の人差し指と中指を伸ばす手のしぐさ、左右の脇侍が両手を胸前で重ね合わせる手のしぐさ、などが特徴です。さらに銅でつくられていることも他の模刻像と共通します。
古代インド、中国、そして日本における信仰の歴史のなかで、牛がどのような存在とされてきたかをギュウっとまとめて紹介しました。
これらの作品を通じて、ぜひトーハクと縁を結んでいただきたいと思います。
博物館に初もうで ウシにひかれてトーハクまいり 本館 特別1室・特別2室 2021年1月2日(土)~2021年1月31日(日) |
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posted by 増田政史(絵画・彫刻室) at 2021年01月08日 (金)
特別展「日本のたてもの―自然素材を活かす伝統の技と知恵」を紹介するほ!
2020年12月24日(木)から特別展「日本のたてもの―自然素材を活かす伝統の技と知恵」を開催しています。
トーハクくんとユリノキちゃんが会場の様子を紹介します。
ほほーい、ぼくトーハクくん! 早速だけど今から特別展「日本のたてもの―自然素材を活かす伝統の技と知恵」を見にいくほ。事前予約も済ませてあるからバッチリだほ!
トーハクくん、どんな展覧会か知っているかな?
模型が展示してあることは知っているけど、あまり知らないほ。
この展覧会は国立科学博物館と国立近現代建築資料館とトーハクの3会場で開催しているのよ。
ほー。3会場に分かれているってことは、それぞれ違う模型を展示しているほ?
そうよ、国立科学博物館は「近代の日本、様式と技術の多様化」、国立近現代建築資料館は「工匠と近代化―大工技術の継承と展開」、そしてトーハクは「古代から近世、日本建築の成り立ち」、それぞれのテーマに沿ってそれぞれ模型を展示しているわ。
どの会場でもいろんな模型が見れそうだほ。
トーハクでは、国宝や重要文化財などの木造建造物の模型を展示してるわ。自然素材を駆使する伝統的な技と知恵を、模型を通じて鑑賞することができるのよ。
なんだか、日本のたてものならではの造形を見ることができそうだほ。
それじゃー、見に行きましょうか!
会場は表慶館だほ、さっそく大きな模型がお出迎えしてくれてるほ。
画像左:一乗寺三重塔 1/10模型 昭和50年(1975) 国立歴史民俗博物館蔵
画像中:法隆寺五重塔 1/10模型 昭和7年(1932) 東京国立博物館蔵
画像右:石山寺多宝塔 1/10模型 昭和38年(1963) 東京国立博物館蔵
これらはお寺の搭の模型だわ。法隆寺五重搭の模型には、製作した工匠の、法隆寺に伝わる飛鳥時代の木匠の技を継承する「最後の宮大工」と言われた西岡常一さん(1908~1995)の名前が記されているのよ。
まさに日本の伝統的な技の粋だほ! 一番下の階の扉が開いていて、中も見れるほ!
法隆寺五重塔の内部に作り込まれている塔本塑像も見ることができるわ!
模型の内部も見どころよ。この機会にしっかり見ましょうね。
ユリノキちゃん、見て見て! 真っ二つだほ。
唐招提寺金堂 1/10模型 昭和38年(1963) 東京国立博物館蔵
唐招提寺は鑑真が開基して、金堂は8世紀末頃に建立されたのよ。もちろん、模型も奈良後期の建築様式を正確に表しているわ。
模型内部の様子がよーく見えるほ
お、これは今にも鐘が鳴りそうな模型だほ。
東大寺鐘楼 1/10模型 昭和41年(1966) 東京国立博物館蔵
本物の鐘も大きいけど、模型でも大きいわね。がっしりとした構造と、軒下と柱の間の装飾はそれぞれ異なる建築様式が取り入れられていて、珍しい建築らしいわよ。
2階にいくほ。お、なんだか雰囲気が少し変わったほ。
春日大社本社本殿 1/10模型 昭和62年(1987) 国立歴史民俗博物館蔵
仏塔から神社のコーナーにきたからだね。これは奈良の春日大社本殿の模型よ。
日本のたてものでよく見る屋根の形しているほ。
切妻【きりつま】造っていうのよ。正面に庇【ひさし】がついているのも神社でよく見るわね。
これは昔のうちだほ?
登呂遺跡復元住居 模型 東京国立博物館蔵
昭和18年に発見された弥生時代の登呂遺跡の住居を復元した模型だわ。
何か教科書で見たことがある気がするほ。
弥生時代の暮らしの様子が思い浮かぶわね!
これはお茶室みたいに見えるほ。
如庵 1/5模型 昭和46年(1971) 国立歴史民俗博物館蔵
織田有楽斎が元和4年(1618)に建てたお茶室よ。国宝のお茶室は少ないから、代表例として製作された模型なの。間取りも特徴的だから内部もよく見てみましょうね。
2階建てだほ。これも家とかを二つにわけた模型ほ?
東福寺三門 1/10模型 昭和54年(1979) 国立歴史民俗博物館蔵
門の模型よ。1階にも2階にも屋根がある二重門と呼ばれる造りよ。本物の高さ22メートルが伝わるような、とてもスケールの大きい模型だわ。
これはぼくでもわかるほ。お城の模型だほ。
松本城天守 1/20模型 昭和38年(1963) 東京国立博物館蔵
姫路城天守とともに五重天守の代表的な建築よ。ここでは、交易によって城下町が栄えた城郭を紹介しているわ。
これだけほ?
平成館ガイダンスルームにあるよ。
首里城正殿 1/10模型 昭和28年(1953) 沖縄県立博物館・美術館蔵
沖縄県外に初出品の首里城正殿の模型よ。2019年10月に首里城正殿は焼失したけど、この展示を通して、首里城復興に思いを馳せていただきたいわ。
松山城とは同じお城でも雰囲気が全然違うほ!
琉球建築として独特の手法が使われているのよ。
説明してほ。
もう時間もないからここで終わりよ。特別展「日本のたてもの―自然素材を活かす伝統の技と知恵」は2021年2月21日(日)まで開催しています、ご観覧には事前予約が必要なので、展覧会公式サイトをご確認ください。
(逃げたほ・・・)
※国立科学博物館会場は1月11日(月・祝)で閉幕、国立近現代建築資料館会場は2月21日(日)で閉幕いたします。
カテゴリ:トーハクくん&ユリノキちゃん、2020年度の特別展
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posted by トーハクくん&ユリノキちゃん at 2021年01月06日 (水)