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空海と密教美術展がオープン!

夏も本番です。今年の夏の計画はお決まりでしょうか。
トーハクでは、本日(2011年7月20日)から「空海と密教美術」展がオープンしました。


 本展のみどころのひとつに、東寺よりお出ましいただいた8体の仏像による「仏像曼荼羅」があり
仏像1体1体も、群像としても、じっくりとご覧いただける会場は必見です。

 

 曼荼羅の中に入りこんで、後ろから見る姿は圧巻です。

 

 ……が、本展は、空海自筆の書、請来の経典、仏像、仏具、図画など、
全てが見どころであるということを、このブログで声を大にしてお伝えします。
前日に行われた内覧会でもたくさんの方におこしいただき、
多くの方がすべての作品のまえで足を留めてご覧になる様子からも改めて実感しました。

 さて、秘密の教えと書く「密教」は、難解な教えであるといわれていますが、
それを習得して日本に伝え、真言宗の開祖となったのが弘法大師空海です。

エリート官僚の道から厳しい修行生活に転じて
唐で密教の奥義を極めて、官寺である東寺を密教の道場として賜るにいたった空海の人生、
そして空海にまつわる数々の伝説や、密教特有の加持祈祷などの神秘性は、
これまでの歴史でもたくさんの人を惹きつけてきました。

空海が唐からの請来品の品目や説明を著した「御請来目録(ごしょうらいもくろく)」には
「密教は奥深くて文章で表わすことは困難であるためかわりに図画を用いる」とあります。
現存する最高峰の密教美術が集まり、その世界観を堪能できるのが、今回の「空海と密教美術」展です。

 確かに、密教の真髄、その魅力は文章で表現するのは、とても難しいとこのブログでも実感。
でも、これからも本展で楽しめるような関連情報をお届けしますのでどうぞお楽しみに。
そして、ぜひ展示品を通じて空海の想いを感じるために、この夏トーハクにいらしてください。
「空海と密教美術」展は9月25日(日)まで平成館にて開催しております。

  最後に、本展にご協力いただいた皆様に感謝して。結

 

記念講演会(3)「心の中に息づく祈り-弘法大師空海-」申込受付中(応募者多数の場合は抽選)
記念講演会(4)「吉野・高野の道」「空海大師と讃岐-御誕生所善通寺の歴史と寺宝-」申込受付中(応募者多数の場合は抽選)
「仏像曼荼羅」人気投票受付中!
 

カテゴリ:news2011年度の特別展

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posted by 林もとこ(広報室) at 2011年07月20日 (水)

 

トーハクでイベント!

今回皆さんにはトーハクでイベントを開催することについてご紹介します。

トーハクでは、貸し会場としてイベント利用ができます。
企業様の新作発表会、VIP顧客を招いてのケータリングパーティー、コンサートイベント、
新車種などの展示イベント、ファッションショー等、様々な用途でご利用いただいています。
イベントができる時間帯は閉館後、休館日。
もちろん、完全貸し切りの状態です。
さらには、トーハクの展示室も貸し切りで観覧することもできます。


今回は、7月5日(火)にご利用いただきましたキョーリン製薬ホールディングス株式会社様のイベントをご紹介します。
キョーリン製薬ホールディングス株式会社様には、社内向けの説明会及び、懇親会会場としてトーハクをご利用いただきました。

当日は以下のような流れで進行しました。

まずは、社員の皆様はトーハクの総合文化展をご堪能していただきました。
やはりトーハクをご利用いただくならば、トーハクが誇る展示を楽しんでいただきたいです。
説明会開始時間のだいぶ前からお越しいただき、展示をご覧になられていた社員の方が多数いらっしゃいました。

 
その後、大講堂で社内説明会。
大講堂
普段はトーハクの講演会で使っている場所ですが、外部貸し出しも行っています。
収容人数は393人。
もちろん、プロジェクターなどの各種必要設備も備え付けています。
上はキョーリン製薬ホールディングス株式会社様の社内説明会の一幕です。
各部署のユニークなご紹介で会場内は笑い声に包まれていて、一体感、団結感が伝わってきました。


夜になりましたら、法隆寺宝物館エントランスでの立食パーティー。
乾杯の音頭とともに一斉に歓談が始まりました。
法隆寺宝物館エントランスホール
夜の法隆寺宝物館は数少ない照明で薄暗く照らされ、素敵な空間を作り出します。
普段はめったに見られない夜の法隆寺宝物館が、イベント時の特別なひと時を演出させていただきます。

 

さあ、懇親会が終わったら、皆様帰路へとつきます。
そこで、最後まで飽きさせないのが、トーハク。なんと…

黒門
この黒門からご退館です!

黒門とは江戸時代に築かれた鳥取藩池田家江戸屋敷の正門で重要文化財です。
モダンな法隆寺宝物館でパーティーをお楽しみいただき、最後は江戸時代の文化財の情緒を楽しみながらお帰りいただきました。
これもトーハク会場ならではの体験ではないでしょうか?


今後とも、イベントにご参加くださった皆様に満足していただくよう励むのはもとより、その中でトーハクの素晴らしさも伝えていけたらと思っています。
皆様も思い出づくりに、ぜひトーハクでのイベントのご利用をよろしくお願いいたします。

施設利用のお申し込み、お問い合わせについては施設有料貸出のページをご覧ください。
 

カテゴリ:news

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posted by 柳澤想(警備・お客様担当) at 2011年07月17日 (日)

 

特集陳列「運慶とその周辺の仏像」はじまりました!

7月12日(火)より特集陳列「運慶とその周辺の仏像」が本館14室ではじまりました。

ご存知の方も多いと思いますが、運慶とは平安時代末期から鎌倉時代にかけて活躍した仏師です。
今回の特集陳列では、運慶作の可能性が高い大日如来像二体と運慶周辺の仏師の作と見られる十二神将像ほかを展示しています。

11日は、研究員と美術専門のスタッフが作品を展示室に運び長時間にわたり展示を行いました。

こちらは大日如来坐像と阿弥陀如来坐像。大日如来坐像の小ささが目立ちます。

:重要文化財 大日如来坐像 平安~鎌倉時代・12世紀 東京・真如苑蔵
:阿弥陀如来坐像 鎌倉時代・12~13世紀 静岡・願生寺蔵


研究員が展示台で高さを調整しています。


こちらの展示台に決まりました。
2つの像のバランスがよくなりました。
展示台の有・無や高さで作品の見え方は一気に変わります。

次は、十二神将像。この迫力は圧巻です。
目の前にいるものを睨みつける表情はどれも精悍です。


十二神将立像 鎌倉時代・13世紀 (戌神、未神 、申神 、巳神 、辰神 を展示)

こちらの十二神将像はケースには入っていますが、 まだこれで完成ではありません。
次はライティングです。

左の画像は「蛍光灯」の照明のみ、真ん中の画像は「スポットライト」のみをつけています。
蛍光灯は全体に明るいのですが平面的、スポットライトは立体感がありますが影がきついです。

両方を調整して長所を引き出したのが右の画像です。
像全体に柔らかな雰囲気が出て、装飾がよりはっきり見えます。照明はこれで決まりです。

さらに、もう一つ重要なポイントがあります!
それぞれの向きです。

台座の向きで合わせると十二神将は直線状に並びます。でもそれでは個々が活きてこないと研究員は言います。

左の戌神はこの方向だと手で目が隠れてしまっています。 せっかくの凛々しい表情が全く見えません。
そこで右の画像のように台座の角度を調整すると表情がよくわかり、また腰のひねりも見え像に動きが出ました。

研究員曰く、像の持っている優しさや力強さを引き出したいと考え、
また、像にとってベストと思える並べ方を考えながら展示をしているとのことです。

このケースにはつけられませんが、顔にスポットライトを当てることができたら、
こんなにも表情がはっきりとわかります。(今回は特別に当てました)

いろんな思いで研究員が展示している作品をご覧になった皆様が、 さらに興味を持っていただけたらとても嬉しく思います。

全体の迫力も感じ取っていただきたいですが、ここでおすすめのポイントをご紹介!

展示している十二神将像の頭に十二支の動物が一つついています (中にはとれてしまっているものもあります)。
下の画像は、その中の一体、辰神 の頭部です。名前のとおり龍が乗っています。


ご覧頂く際は、ぜひ頭上にもご注目下さい。

皆さんはどの十二神将立像が好みでしょうか? きっとお気に入りの一点が見つかると思います。

これら運慶周辺の仏師が制作した作品はどれも細部まで入念で見所満載です。
展示室内は広くないですが、ゆっくりじっくり見ることができます。

こちらは10月2日(日)まで開催しております。ぜひお越し下さい。

カテゴリ:news彫刻

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posted by 江原 香(広報室) at 2011年07月15日 (金)

 

博物館でコンサート

トーハクでは、定期的にイベントを開催してます。

6月19日(日)に行われたのがそのひとつ
「生田流・箏とトランペットとピアノコンサート」です。
トランペットとピアノの演奏

今回はトランペットのアレクセイ・トカレフさんを中心に、ピアノとの協奏、そして箏の独奏と、とても素敵なコンサートでした。
平成館ラウンジを貸切って、200名近いお客様がその音色に酔いしれました。

平成館ラウンジは石造りの壁と床なので、とても響きが良いのです!

実はこのコンサート企画、歴史は長く、平成15年から実施しているんです。
主催は当館とサロン・ド・ソネットです。
年に約3回開催しておりますが、毎回大盛況です。
特に主催のサロン・ド・ソネット代表の齋藤京子さんの音楽解説がとてもおもしろいのです。

曲の旋律の特徴から時代背景、そしてその曲が作られるに至った逸話などを披露してくださるのですが、時間が過ぎるのを忘れるくらいです。
そして、そのお話を聞いた後の楽曲鑑賞は、一味も二味も違って感じるのです。

次回は「亀淵友香とVOJAによるコンサート~「愛と平和」をゴスペルにこめて~」(2011年10月2日(日))です。
皆様もぜひお出かけください。

乞うご期待!

カテゴリ:news催し物

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posted by 樋口理央(総務課長) at 2011年06月28日 (火)

 

盲学校のためのスクールプログラム始まりました

新年度に入り、小・中・高校からのグループ見学も増えてきました。

東京国立博物館では、通常行っている「スクールプログラム」に加えて、
視覚に障がいをもつ児童・生徒のための「盲学校のためのスクールプログラム」を今年度から本格実施しました。

5月20日には、記念すべき第一校目、都立久我山青光学園の小学5~6年生が来館しました。
来館時の画像

午前中は、本館の模型とミニチュア作品を使って、博物館や展示室について理解したり、
模型の画像

ボランティアと一緒に「貝合せ」のゲームを楽しみながら、日本の伝統模様を学んだり、
貝あわせ

展示室にどんなものがあるのか、先生と対話をしながら展示見学を楽しんだり。

また、午後からは、博物館の職員の仕事について、積極的にインタビューするなど、丸一日、博物館での体験を楽しんでいかれました。
ちなみにここでは、なぜかお掃除のお仕事についての質問が多発。
広い博物館、どうやってきれいに保っているのか、小学生たちには素朴な疑問がわいたようです。

プログラムのあいだ、生徒たちは、さわれる教材に手をふれたり、貝合せゲームに歓声をあげたり。
ボランティアスタッフや研究員との対話に積極的に参加してくれました。
最後に一人の女の子に、「今日は楽しかった?」と声をかけると、ぱっと笑顔が弾けて、「楽しかった!」と手をたたきながら言ってくれて、心の中が暖かくなりました。


「盲学校のためのスクールプログラム」は、一人ひとりの児童生徒の興味やペースに合わせた、対話やハンズオン体験を通した、コミュニケーションを大切にする、きめ細かい対応が特徴のプログラムです。


詳細は、こちら


お申し込みは、学校の先生からお願いします。
盲学校、あるいは弱視学級の先生方、ぜひ、ご活用ください。

カテゴリ:news教育普及

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posted by 藤田千織(教育普及室) at 2011年06月23日 (木)