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特別展「美を紡ぐ 日本美術の名品 ―雪舟、永徳から光琳、北斎まで―」開幕!

5月3日(金・祝)から特別展「美を紡ぐ 日本美術の名品 ―雪舟、永徳から光琳、北斎まで―」が開幕しました。


会場入り口

本館特別5・特別4・特別2・特別1室にて開催している本展はサブタイトルのとおり、雪舟、永徳、光琳、北斎をはじめとした日本美術のスーパースターの作品ばかりがずらりと勢ぞろいしています。
それでは、本展の展示作品を少しだけご紹介します。


その1
見よこの迫力! 泣く子も黙る唐獅子図屛風[からじしずびょうぶ]


唐獅子図屛風 右隻:狩野永徳筆 安土桃山時代・16世紀 左隻:狩野常信筆 江戸時代・17世紀 宮内庁三の丸尚蔵館蔵

会場に入るとまず、私達をお出迎えしてくれるのはこちらの唐獅子図屛風です。縦が約2.2メートル、横が約4.5メートルと破格なサイズです。どんな作品か知らずとも、この圧倒的なスケールにみな釘付けになること間違いないです。また、いきなりクライマックスを迎えるかのようなラスボス感がたまりません。右隻は狩野永徳、左隻は永徳の曾孫の常信が描きました。両者の異なる画風もお楽しみください。
ほかにも特別5室には、永徳の檜図屛風[ひのきずびょうぶ]、伝永徳の四季草花図屛風[しきそうかずびょうぶ]、下絵が永徳筆という伝承もある芦穂蒔絵鞍鐙[あしほまきえくらあぶみ]を展示しています。永徳の画業をしのばせる名品をぜひご覧ください。


その2
小画面に広がる強さ、秋冬山水図[しゅうとうさんすいず]


国宝 秋冬山水図 雪舟等楊筆 室町時代・15世紀末~16世紀初 東京国立博物館蔵

禅僧画家の中でも特に有名な雪舟の本作品を見たことのある方はいらっしゃるかと思います。垂直に降りてくる崖の線や山の岩肌からは何か硬さや強さが感じられ、ジグザグ模様にも見える筆の太さ、濃さからは、小さな画面ながらも強い作品として印象に残ります。


その3
西瓜の上に置かれた包丁の意味は? 西瓜図[すいかず]


西瓜図 葛飾北斎筆 江戸時代・天保10年(1839) 宮内庁三の丸尚蔵館蔵

こちらは葛飾北斎が80歳の年に描いた西瓜図です。縄からくるくると垂れ下がる西瓜の皮、西瓜の果汁を吸った和紙の上に置かれた包丁。何とも言えないこの組み合わせは何かを見立てたのでしょうか。謎めいたモチーフたちが魅力的で、ついつい惹きこまれてしまいます。


その4
新緑に癒されること間違いなし、新緑杜鵑図[しんりょくとけんず]


重要文化財 新緑杜鵑図 与謝蕪村筆 江戸時代・18世紀 文化庁蔵

この時期トーハクで見るのにぴったりの新緑杜鵑図は、俳人としても著名な与謝蕪村が、新緑の上をホトトギス(杜鵑)が飛んでいく一瞬をとらえた作品です。きれいな新緑のなか、ホトトギスの声が聞こえてくるかのようで、癒されること間違いありません。遠くに見える山も描かれていますが蕪村は何を思って、遠くを眺めていたのかとも思いを馳せます。蕪村は池大雅とともに日本文人画の大成者と言われますが、同じ部屋には池大雅の前後赤壁図屛風[ぜんごせきへきずびょうぶ]が展示されていますので、お見逃しなく。


その5
何度も描きなおし生まれた渾身の大作、龍蛟躍四溟[りゅうこうしめいにおどる]


龍蛟躍四溟 横山大観筆 昭和11年(1936) 宮内庁三の丸尚蔵館蔵

こちらは横山大観が昭和天皇に献上するために何度も描きなおして制作した龍蛟躍四溟です。龍と蛟[みずち](龍の一種)を描いた屛風で、作品名は四方の海に踊る龍という意味です。画面左下の黄色い渦などから、幻想の生き物である龍が持つオーラが見えるかのような迫力が感じられ、畏怖の念さえも覚えます。


まだまだ見応え充分な作品が展示されいている本展は、今回ご紹介した作品含め6月2日まで全作品を全期間展示します。6月2日まで平成館で開催中の東寺展とあわせてぜひお越しください。

カテゴリ:2019年度の特別展

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posted by 柳澤想(広報室) at 2019年05月15日 (水)

 

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