このページの本文へ移動

1089ブログ

2022年 新年のご挨拶

新年、あけましておめでとうございます。
新しい年のはじまりをお祝い申し上げます。一方、一昨年から続いている新型感染症の感染による健康被害や感染拡大の悪影響をうけておられる方々に心よりお見舞い申し上げます。

さて、東京国立博物館はいよいよ今年創立150周年の節目を迎えます。
当館は明治5年(1872)に東京の湯島聖堂大成殿で開催された当時の文部省博覧会の開幕をきっかけに、文部省博物館として発足しました。その後宮内省、文部省と所管が移り、それに伴い博物館としての役割も少しずつ変わってきました。戦後「国民の博物館」となって以来現在まで、幅広く多くの方々に楽しんでいただける学びあるいは憩いの場となるよう活動を続けております。

今年は創立150年記念ということで、展示やイベントなどさまざまな企画を用意しています。

普段「国宝室」として親しまれている本館2室では「未来の国宝」と題した特集展示をいたします。当館の所蔵品には国宝に指定されていなくても優れた作品が数多くございます。こうした書画の作品の中から担当研究員が選んだ自分の「一押し」をご紹介します。立体作品の「未来の国宝」は秋に1階14室(予定)で特集展示を行います。

この他、普段はまとまって出すことが難しい、あるいは機会を設けにくい分野の作品をご紹介する「知られざる」コレクションを紹介する特集もいくつか開催します。
そして、秋には「国宝 東京国立博物館のすべて」と題した記念特別展を行います。

お正月は今年も2日から開館いたします。今年もコロナの影響でイベントはできませんが、正月恒例の干支の特集「博物館に初もうで 今年はトーハク150周年!めでタイガー‼」で、迫力ある虎をあらわした作品をご覧いただき、感染症に負けない力強さと勢いをつけていただければと思います。

1月は、特別展や企画が次々に開幕いたします。
2日からは今年で19回目となる台東区書道博物館との連携企画「没後700年 趙孟頫(ちょうもうふ)とその時代」、7日からは特別展「体感! 日本の伝統芸能―歌舞伎・文楽・能楽・雅楽・組踊の世界―」そして14日からは特別展「ポンペイ」展が開幕します。ナポリ国立考古学博物館の全面協力をいただき、壁画、彫像、工芸品の傑作から、食器、調理具といった日用品にいたる発掘品まで多彩な文化財で古代ローマの都市の繁栄と、市民の豊かな生活をよみがえらせます。同館が誇る名品がかつてない規模で出品される「ポンペイ展の決定版」ともいえる展覧会となります。

春は、特別展「空也上人と六波羅蜜寺」を開催、重要文化財「空也上人立像」を上野にお迎えします。空也上人が念仏を唱える姿をあらわした木彫像は、教科書などでおなじみと思いますが、東京にお出ましになるのは実に50年ぶりとなります。5月からは沖縄復帰50年記念特別展「琉球」を開催いたします。
秋はいよいよ東京国立博物館創立150年記念特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」を開催します。当館所蔵の国宝全89件を、展示替えをしながら会期中にすべてご覧いただきます。当館が誇る刀剣コレクションの国宝19件の刀身を集めた「刀剣の間」や現在は国立科学博物館に収蔵されているキリンのはく製を含めた当館草創期の再現展示など、多くの方にとって魅力的な空間を創出します。総合文化展での創立150年記念特集と併せてご覧いただき、博物館の「すべて」を存分にご堪能いただければと思います。

ここでお知らせした特別展を含め、さまざまな行事を計画していますが、感染拡大状況に合わせて、臨機応変に開催等を検討し、皆さまに安心して博物館をお楽しみいただけるよう万全を尽くして参ります。

一方、実際に博物館にお越しになれない皆さまのための施策も充実してまいります。ウェブサイト、YouTubeでの各種動画の配信、またSNSでの150周年記念の特別企画も立ち上げて、さまざまなチャンネルで当館をお楽しみ・ご活用いただけるよう準備いたします。メモリアル・イヤーにふさわしい展示・催し物、あるいはグッズなどで博物館が皆さまに少しでも近しい存在となり、心豊かな暮らしに貢献できるよう努めてまいります。

150年を迎えた新たな一歩を皆さまとともに―
今年もさまざまにトライする東京国立博物館をどうぞよろしくお願いいたします。

 東京国立博物館長 銭谷眞美
 
 

カテゴリ:news

| 記事URL |

posted by 銭谷眞美(館長) at 2022年01月01日 (土)

 

1