このページの本文へ移動

140周年ありがとうブログ

ボランティアからありがとう

今年のボランティアデーのテーマは「ボランティアからありがとう」でした。ご参加いただけましたか?

まずは来館者の皆様にありがとう。
お困りのことに対応し、展示作品をおすすめした際などに、ほっとした笑顔で感謝の言葉をいただくこともあります。
そんな時、私たちは大変嬉しい気持ちになります。さまざまなお客様とお話し、気持ちに寄り添った対応を工夫することが、私たちのやりがいになっています。

お客様の「ありがとう」の言葉が元気の源になります。
お客様の「ありがとう」の言葉が元気の源になります。

二つ目はボランティアの仲間たちにありがとう。
年齢や経験の異なる仲間と一緒に活動し、お互い学んだり刺激を受けています。

手にしたお客様の喜ぶ顔を思い浮かべて、パンフレットを作っています。
手にしたお客様の喜ぶ顔を思い浮かべて、パンフレットを作っています。

最後に、博物館の建物と作品にありがとう。
本館の建物はまるで「やあ、いらっしゃい」と、両手を広げて迎えてくれるようです。
大切に守り伝えられた作品からは、いつも新たな発見があります。
現在、平成25年度のボランティアを募集中です。トーハクでの一日が素晴らしい思い出になるように、私たちと一緒に活動してみませんか?

朝のミーティング。ボランティア仲間と会うのも楽しみのひとつ。
朝のミーティング。ボランティア仲間と会うのも楽しみのひとつ。

カテゴリ:2012年12月

| 記事URL |

posted by ボランティアさん(生涯学習ボランティア) at 2012年12月06日 (木)

 

たくさんの先生にありがとう

東洋工芸、おもに陶磁器の研究にたずさわっております三笠と申します。

教師だった祖母が、私のことを「先生に恵まれる子だ」とよく言っていたそうです。
本当に、大人になったいまもたくさんの「先生」に導いていただいています。
皆、私にはかけがえのない方々です。

博物館にも、「先生」がいっぱいいます。
研究員のほかに、作品をより良い環境で伝えるために奮闘する修理技術者。
博物館の未来のために駆け回る職員。
博物館の隅から隅まで、愛情込めて教えてくださる先輩方を「先生」と思い、私はたくさんの背中を追いかけています。

じつは収蔵庫のなかにもこっそり、偉大な先生がいます。
「横河民輔先生」(1864~1945)です。
建築家として知られる「横河先生」は、1100点余の陶磁器を博物館に寄贈されました。
なかでも中国陶磁は質量ともに世界屈指を誇ります。
第一級の名品から資料的価値の高いものまで、あらゆる種類がそろっているのです。

でもまだひよこの私は、毎日収蔵庫のなかで呆然と立ちつくすばかり。
そんなとき「横河先生」が「ほら、こっちにもあっちにも」と声をかけてくださっている気がします。
そしてゆっくりと耳を傾け、器に関わったであろう多くの人々の声を聞いてみる。
大事なことを教えてくださいました。


重要文化財 青磁輪花鉢 南宋官窯 中国 南宋時代・12~13世紀 横河民輔氏寄贈
(2013年1月2日(水)~5月6日(月) 東洋館 5室にて展示)

この官窯の器をようやく手に入れることができた時、「横河先生」は画竜点睛!と歓ばれたそうです。
東洋館の新しい展示ケースでは、まるで吸い込まれるような青の美しさと、細かいヒビによる光の反射を見ることができます。
この器を焼きあげた陶工の声、この器を手にした古人の声に耳を傾けてみてください。


生まれ変わった東洋館の展示作業は「横河先生」と一緒に・・・

 

カテゴリ:2012年12月

| 記事URL |

posted by 三笠景子(保存修復室) at 2012年12月03日 (月)

 

出会いにありがとう

考古室の山田です。
トーハクには様々な出会いがあります。

膨大な数の考古資料を収蔵する東京国立博物館では、興味深い資料に触れ、調べ、考えることができます。
これは研究者にとって、とても刺激に満ちた出会いです。
そうした考古資料の中には、古いものでは明治時代に収蔵されたものもあります。
多くは畑の開墾などで偶然に発見されたものですが、資料を発見した人が誠意をもって対応し、また、当館に収蔵されて以後は何代にもわたる博物館員の先輩達が大事に伝えてきてくれました。
今、自分が手にし、目にしている全ての資料が、多くの人々の資料に対する愛情によって存在しているという事実は、暖かなものを感じる幸せな出会いでもあります。


先輩達から伝えられてきたものを、次は、来館者の方々へ伝えていく
これもまた、私には刺激に満ちた出会いです。

また、東京国立博物館では、全国各地の人たちが研究調査に訪れてくださったり、資料の貸与などを通じて一緒に仕事をする機会があります。
様々な資料や研究についてのお話、いろいろな工夫をしながら文化財の面白さを伝えようとしている姿は、研究者、博物館員としての自分を育んでくれる出会いです。

当館における出会いの中で最も糧になる出会いは、頼もしい先輩や個性的な同僚との出会いです。
先輩や同僚の日々の仕事ぶりや努力を見ることを通じて、未熟な自分に気づかせてもらっています。

トーハクでのいろいろな出会いにありがとう。


1月に産まれた娘を抱いて。
妻と娘にもありがとう。

カテゴリ:2012年11月

| 記事URL |

posted by 山田俊輔(考古室) at 2012年11月30日 (金)

 

みんな みんな ありがとう

この「ありがとうブログ」を書くにあたり、なぜか井上陽水・奥田民生の「ありがとう」が頭をよぎった。
そして、♪ありがとう ありがとう♪といつしか口ずさんでいる自分に驚いている。
(詳しくはぜひ、実際に歌を聴いてみてください)

「トーハク」にお世話になって約30年。この歌詞は、いまの私の心境を代弁してくれているかのようだ。
諸先輩が築き上げてくれたこの博物館で、私は育てられた。
そして来館者も含め、博物館を取り巻く多くの方々に叱咤激励されながら、何とかここまで歩んでこられた。
ここでモノに出会い、人に出会い、多くのことを、モノに教わり、人に教わった。

トーハクは、「美」と「知」の宝庫。まだまだお宝はここに眠っている。
ここはまさに魅力ある発掘現場だ。
この現場にいることに感謝して、久々にスコップを振るおうか。この歌を口ずさみながら・・・。


私もいつか銅鐸を発掘してみたい!

カテゴリ:2012年11月

| 記事URL |

posted by 井上洋一(企画課長) at 2012年11月26日 (月)

 

特別展をとおして出会う、すべてのひとにありがとう。

トーハクの特別展は、さながらオーケストラの演奏会のようです。
それに例えるなら特別展室の仕事はステージマネージャーといったところでしょうか。

特別展を担当する研究員たちをオーケストラの指揮者に見立てたとき、
広報や教育、国際交流、警備など、館内の関連部署をはじめ、
館外では共催するマスコミ各社や、図録、施工、輸送、会場監視などの
関連する専門業者の方々という、種類の違う多くの楽器群各パートが、
指揮者の考える音すなわち展示を目指し、おのおの持てる力を尽くして、
ひとつの演奏会ならぬ特別展を作り上げていきます。

特別展室では、これらの準備進行をすべて把握し、担当研究員をはじめとする内外の関係者と
打ち合わせを重ね、毎回異なる作品とテーマにあわせた展示環境を用意します。
この過程には、時に百人規模で特別展に関わる人たちの高い技術と経験が不可欠です。
特別展に関わるみなさま、いつもありがとうございます。


先日、しまねっこが特別展「出雲―聖地の至宝―」(本館特別5・4室、~11/25まで開催)を応援しにきてくれました。
しまねっこの背中のちょうちょ結びは島根とみんなを結ぶだにゃ!とのこと。


ちょうど去年の今頃、特別展「北京故宮博物院200選」の準備が佳境にさしかかる中、
困難を極める状況が続き、展示の準備も計画通りに運ばずにいました。
故宮展に関わった人たちは誰も、それぞれの抱える大変厳しい状況に眠れぬ日々を過ごしていたと思います。

そんなにっちもさっちもいかない状況に私自身も頭を抱えていたある時、
ふと通りかかった某部長が、ポンポンと肩を叩いて、笑顔で声をかけてくださいました。

“やまない雨と、開かない展覧会はない。”

本当にその通り!前のめりになりガチガチになったココロと身体では、
周りも全く見えずにフットワークが悪くなるばかり、当然物事もうまく運びません。

たとえ今は雨が降っていても、いずれは晴れるように
どんな困難に直面しても、笑顔で前を向いて歩みを進めていけばいい。
(という意味に受け取りましたが、主旨が違っていたらご指摘ください)


特別展「北京故宮博物院200選」(平成館)思い出の会場入り口グラフィックと会場。
初来日となった「清明上河図」が話題となりました。


そしてその言葉のとおり、よく晴れた今年の1月2日、
平成館は入りきらないほどのたくさんのお客様でにぎやかな年明けを迎えました。

人の手によって生み出された作品は、他でもない、人の手に拠って代々守られ大切に受け継がれてきました。
その歴史を含めた価値を、今を生きる多くの人に伝える機会が特別展だと思います。

特別展と作品をとおして出会う、過去・現在・未来のひとにありがとう。

カテゴリ:2012年11月

| 記事URL |

posted by 高木結美(特別展室) at 2012年11月22日 (木)