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140周年ありがとうブログ

特別展にありがとう

はじめまして。
特別展室の鈴木と申します。

私が初めてトーハクを訪れたのは、2008年の特別展「大琳派展-継承と変奏-」です。
来館者の一人として特別展を観ていた私が、数年後その特別展を創り出す一人になろうとは、夢にも思っていませんでした。

特別展室1年生の私ですが、私にとって特別展は、愛しい子供のような存在です。
(と、いっても実際の子供はおりませんが・・・)
紙一枚の企画書だった特別展babyは、多くの方々と出逢い、支えられながら少しずつ成長し、開幕を迎えます。
内覧会や会期初日は、特にソワソワして、ピカピカのランドセルを背負った子供を見守る親のような心境です。
そして、閉幕する頃には淋しくなります。
しかし、閉幕しても多くのお客様の心に残っていると思うと、嬉しくなります。

ありがとう、ありがとう、特別展。
まだ赤ちゃんな特別展も、中学生ぐらい(?)な特別展も、インターナショナルな特別展もいますが、
その一人ひとりに出会えたことは私にとって幸せです。

どの特別展もよりよいものとなるように、より多くの方々に観ていただけるように、
微力ではありますが特別展を育てる一人として、責任をもって頑張りたいと思っています。

今月は2つの特別展が開幕を迎えました。
1月12日(土)からは、本館 特別5室にて「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡―」が、
1月22日(火)からは、平成館にて「書聖 王羲之」が。


特別展「書聖 王羲之」会場です。蘭亭図巻の中の王羲之と。

愛情込めて育てている特別展、ぜひ観にいらして下さい!

カテゴリ:2013年1月

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posted by 鈴木理子(特別展室) at 2013年01月26日 (土)

 

ありがとう、という言葉にありがとう

教育普及室の川岸です。
私はワークショップやジュニアガイド、スクールプログラム、教員研修などを担当しています。
そのため多くのお客様と直接会う機会、出会いだけでなく再会にも恵まれています。

先日、夜間開館の展示室で高校生の女の子に突然声をかけられました。

「こんばんは、覚えてくれていますか?」

・・・誰だろう?

申し訳ないことにすぐに思い出すことができませんでしたが、話を聞き思い出しました。
数年前、小学生だった頃にワークショップに参加してくれた子でした。
いまは高校1年生になり、時々学校帰りに展示を見に来てくれるのだそうです。


色絵祥瑞文瓢形徳利 伊万里(祥瑞手) 江戸時代・17世紀
(2013年9月10日(火)~12月1日(日) 本館13室 陶磁にて展示予定)


その女の子とは、本館1階に展示されていたこの作品の前でばったり再会しました。

「この作品、ワークショップのときに見て、母と絵を描いたんですよ。」
と、ワークショップの思い出を笑顔で話してくれました。
こんなにありがたいことはありません。
こうした再会に、まだ幼い彼女をトーハクに連れてきてくれたご家族、彼女をひきつけた作品の数々やその魅力にも感謝です。


もうひとつ。

「ありがとうございました。」

別れ際の彼女の言葉は私にとって本当にうれしいものでした。

“ありがとう”という言葉は、日本語を話す、あるいは学ぶひとなら誰もが知っている日本語です。
縁を結びつける不思議な力を持ち、やすらぎや活力を与えてくれることもあります。
“ありがとう”という気持ちを他の言葉で表す方法が思い浮かびません。
そんなかけがえのないこの言葉にも感謝したいと思います。
そして、“ありがとう”と素直に思い、伝えられる自分でありたいと思っています。


私が学生の皆さんと接する機会のひとつ、スクールプログラムの風景です。

カテゴリ:2013年1月

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posted by 川岸瀬里(教育普及室) at 2013年01月23日 (水)

 

非常勤職員のみなさんにありがとう

東洋室の浅見です。
東京国立博物館に勤務して早いもので19年になります。

御礼を申し上げたい方々はとても多いのですが、この数年私が日々感謝しているのは一緒に仕事をしている非常勤職員の方々です。
雇用形態が多様になっていますので、非正規雇用という言い方のほうが適切でしょうか。
しかし「非正規」ということばはどこか差別的で抵抗があります。

当館ではそうした方々がとてもたくさん働いています。
私が入ったころはまだ事務補佐員という文字通り職員の補助的な仕事で、残業は滅多になかったと思います。
しかし最近は職員と変わらない仕事ぶりの方が多く、遅くまで残っていることも少なくありません。
給料は大分少ないようなので本当に申し訳なく思います。

私が出版企画室にいた時に図録や定期刊行物を刊行し、その後教育普及室でワークショップ、スクールプログラムなどの事業をなんとかこなせた(?)のは、常勤の同僚ももちろんですが、非常勤の方の力がとても大きかったのです。
本来補助的な仕事が任務のはずですが、実際は職員一人分の仕事に加え、私のサポートをしてくれました。
弁解をすれば、私は彫刻の研究員としての仕事もありますので、さぼっていたわけではないのでありまして・・・。

今は東洋館リニューアルオープン、円空展でまたたくさんの「非正規雇用」の方々にお世話になっています。
IPS細胞でノーベル賞を受賞された山中教授のような方が要望すれば望みはありますが、なかなか待遇の改善が難しいとすれば、少なくともそれぞれの能力が発揮され、楽しく、達成感を得られる仕事をご一緒できれば、と思います。

東洋館が無事開館し、円空展とともに大変な賑わいになった暁には、美酒で喜びを分かち合いたいと思います。
お名前をあげることはしませんが、いつもお世話になりありがとうございます。
その才能に見合った活躍の場がみつかりますように。


東洋館題箋(だいせん)・パネルなどで感謝、の二人と筆者。


特別展「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡―」開幕間近。
チーム円空大忙し。

カテゴリ:2013年1月

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posted by 浅見龍介(東洋室長) at 2013年01月20日 (日)

 

図書整理室から、ありがとう

資料館図書整理室の加藤と申します。
同室の二人と新着資料の受入業務を担当しています。
図書・雑誌などが到着したら利用できる状態、すなわちコンピュータでの
資料データ作成から始まり、背にラベルを添付し書架に配架するまでの一連の作業を行っています。

資料館には日々日本全国そして海外からたくさんの図書・雑誌などが交換・寄贈で届きます。
美術館・博物館の展覧会カタログや所蔵品図録、あるいは大学・研究機関の
逐次刊行物や報告書、地方自治体からは地誌や埋蔵文化財報告書など。
海外からも博物館・美術館の展覧会カタログなどを頂きます。
これらは資料館の蔵書として大変重要な割合を占めています。
この場をお借りして、貴重な資料をご寄贈頂いている皆様、誠にありがとうございます。

送付量が一番多いのは何と言っても春、3月から4月です。
積み重なった段ボールの山に毎日圧倒されながらも、「年度末に合わせた」という
皆さまの気概と安堵を感じます。
展覧会カタログは季節がら10月にもピークがあります。
レイアウトや装丁に凝った美しい図版、
豊かな歴史・文化・風土が誇らしげな各地の博物館等の興味深いテーマ、
夏は子供たち向けの楽しそうな企画展に微笑みを誘われました。
また昨年は埴輪・土偶関係のカタログが多数届き、最近人気の様子が窺えました。
いずれにしても企画担当の方々で練りに練られたに違いない、そのお知恵に
感心します。


すべて埋蔵文化財報告書です。県別に配架しています。
こんなにたくさんの調査活動が日本で行われています。


トーハクに勤務するようになってから、これらの出版物を通じ
研究調査・出版に携わる方々の熱心なお気持ちを身近に感じるようになりました。
(…「伝えていくもの」として守られてきた素晴らしい文化財の数々を、
東京国立博物館で直に目にしているからでしょうか)
調査研究の成果を記録に残すという事は、すなわち未来への道しるべとなり、
アーカイブとして博物館の収蔵品を側面から支えているのだよと、教えていただいたようです。
そんな調査・研究、出版にかかわる方々の努力、信念に「ありがとう」と資料館で働く者から感謝を申し上げます。
アーカイブを必要な時に必要な方にご用意するのが資料館の役割ですから
その基本となる正確で丁寧なデータ作成を心がけようと改めて思います。
そして広く関心を持ち、いつでも新たな視点のある事を忘れずにいたいと思います。

トーハクに足をお運び頂いた一般のお客様には、博物館で出会った「感動」を、
資料館で見つけた「プラスα」の知識・思索で、深めて頂けましたら幸いです。
それが「伝えていくもの」をみんなで「支える事」になると思うからです。
どうぞ資料館をご利用ください。


宝物館側からも資料館へおいでいただけます。右側オリーブの小道を通ります。

カテゴリ:2013年1月

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posted by 加藤晴美(図書整理室) at 2013年01月17日 (木)

 

“ホンモノ”との出会いに、ありがとう

こんにちは。列品管理課貸与特別観覧室の柳です。
私は主に特別観覧(他の美術館・博物館、大学や研究機関に所属する研究者の調査研究依頼の受付をし、手続きを行う)業務を担当しております。
日々「実物を拝見したい」という情熱的なお問い合わせをいただくので、“ホンモノ”を間近で見る価値の大きさを、誰よりも感じている気がします。

かつて図版(写真)で見たことのある作品も、実際に“ホンモノ”を見ないとわからない、新しい発見があったりします。
私にとって特に発見が大きかった作品は、狩野永徳筆の「檜図屏風」!
写真だと、屏風を全て広げた状態で撮影されているため、1枚の板に描かれた平面的な作品に見えますが、「屏風」として展示されている状態のもの見ると、檜の大木が本当にそこに存在しているかのような立体感が生まれるんです!
屏風の特性を活かした、永徳ならではの技が光る1点だと私は思います。


国宝 檜図屏風 狩野永徳筆 安土桃山時代・16世紀 (展示の予定はありません)

「檜図屏風」は現在修復中のため、一般公開の予定は未定ですが、生まれ変わった“ホンモノの檜図屏風”を、いずれ皆さんにも体感してほしいです。

質の高い“ホンモノ”の名品に出会える場所・トーハクに、心から「ありがとう!」

カテゴリ:2013年1月

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posted by 柳 世莉(貸与特別観覧室) at 2013年01月14日 (月)