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140周年ありがとうブログ

出会いにありがとう

考古室の山田です。
トーハクには様々な出会いがあります。

膨大な数の考古資料を収蔵する東京国立博物館では、興味深い資料に触れ、調べ、考えることができます。
これは研究者にとって、とても刺激に満ちた出会いです。
そうした考古資料の中には、古いものでは明治時代に収蔵されたものもあります。
多くは畑の開墾などで偶然に発見されたものですが、資料を発見した人が誠意をもって対応し、また、当館に収蔵されて以後は何代にもわたる博物館員の先輩達が大事に伝えてきてくれました。
今、自分が手にし、目にしている全ての資料が、多くの人々の資料に対する愛情によって存在しているという事実は、暖かなものを感じる幸せな出会いでもあります。


先輩達から伝えられてきたものを、次は、来館者の方々へ伝えていく
これもまた、私には刺激に満ちた出会いです。

また、東京国立博物館では、全国各地の人たちが研究調査に訪れてくださったり、資料の貸与などを通じて一緒に仕事をする機会があります。
様々な資料や研究についてのお話、いろいろな工夫をしながら文化財の面白さを伝えようとしている姿は、研究者、博物館員としての自分を育んでくれる出会いです。

当館における出会いの中で最も糧になる出会いは、頼もしい先輩や個性的な同僚との出会いです。
先輩や同僚の日々の仕事ぶりや努力を見ることを通じて、未熟な自分に気づかせてもらっています。

トーハクでのいろいろな出会いにありがとう。


1月に産まれた娘を抱いて。
妻と娘にもありがとう。

カテゴリ:2012年11月

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posted by 山田俊輔(考古室) at 2012年11月30日 (金)

 

みんな みんな ありがとう

この「ありがとうブログ」を書くにあたり、なぜか井上陽水・奥田民生の「ありがとう」が頭をよぎった。
そして、♪ありがとう ありがとう♪といつしか口ずさんでいる自分に驚いている。
(詳しくはぜひ、実際に歌を聴いてみてください)

「トーハク」にお世話になって約30年。この歌詞は、いまの私の心境を代弁してくれているかのようだ。
諸先輩が築き上げてくれたこの博物館で、私は育てられた。
そして来館者も含め、博物館を取り巻く多くの方々に叱咤激励されながら、何とかここまで歩んでこられた。
ここでモノに出会い、人に出会い、多くのことを、モノに教わり、人に教わった。

トーハクは、「美」と「知」の宝庫。まだまだお宝はここに眠っている。
ここはまさに魅力ある発掘現場だ。
この現場にいることに感謝して、久々にスコップを振るおうか。この歌を口ずさみながら・・・。


私もいつか銅鐸を発掘してみたい!

カテゴリ:2012年11月

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posted by 井上洋一(企画課長) at 2012年11月26日 (月)

 

特別展をとおして出会う、すべてのひとにありがとう。

トーハクの特別展は、さながらオーケストラの演奏会のようです。
それに例えるなら特別展室の仕事はステージマネージャーといったところでしょうか。

特別展を担当する研究員たちをオーケストラの指揮者に見立てたとき、
広報や教育、国際交流、警備など、館内の関連部署をはじめ、
館外では共催するマスコミ各社や、図録、施工、輸送、会場監視などの
関連する専門業者の方々という、種類の違う多くの楽器群各パートが、
指揮者の考える音すなわち展示を目指し、おのおの持てる力を尽くして、
ひとつの演奏会ならぬ特別展を作り上げていきます。

特別展室では、これらの準備進行をすべて把握し、担当研究員をはじめとする内外の関係者と
打ち合わせを重ね、毎回異なる作品とテーマにあわせた展示環境を用意します。
この過程には、時に百人規模で特別展に関わる人たちの高い技術と経験が不可欠です。
特別展に関わるみなさま、いつもありがとうございます。


先日、しまねっこが特別展「出雲―聖地の至宝―」(本館特別5・4室、~11/25まで開催)を応援しにきてくれました。
しまねっこの背中のちょうちょ結びは島根とみんなを結ぶだにゃ!とのこと。


ちょうど去年の今頃、特別展「北京故宮博物院200選」の準備が佳境にさしかかる中、
困難を極める状況が続き、展示の準備も計画通りに運ばずにいました。
故宮展に関わった人たちは誰も、それぞれの抱える大変厳しい状況に眠れぬ日々を過ごしていたと思います。

そんなにっちもさっちもいかない状況に私自身も頭を抱えていたある時、
ふと通りかかった某部長が、ポンポンと肩を叩いて、笑顔で声をかけてくださいました。

“やまない雨と、開かない展覧会はない。”

本当にその通り!前のめりになりガチガチになったココロと身体では、
周りも全く見えずにフットワークが悪くなるばかり、当然物事もうまく運びません。

たとえ今は雨が降っていても、いずれは晴れるように
どんな困難に直面しても、笑顔で前を向いて歩みを進めていけばいい。
(という意味に受け取りましたが、主旨が違っていたらご指摘ください)


特別展「北京故宮博物院200選」(平成館)思い出の会場入り口グラフィックと会場。
初来日となった「清明上河図」が話題となりました。


そしてその言葉のとおり、よく晴れた今年の1月2日、
平成館は入りきらないほどのたくさんのお客様でにぎやかな年明けを迎えました。

人の手によって生み出された作品は、他でもない、人の手に拠って代々守られ大切に受け継がれてきました。
その歴史を含めた価値を、今を生きる多くの人に伝える機会が特別展だと思います。

特別展と作品をとおして出会う、過去・現在・未来のひとにありがとう。

カテゴリ:2012年11月

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posted by 高木結美(特別展室) at 2012年11月22日 (木)

 

探し物…その機会と出会いの場にありがとう

資料館で閲覧受付を担当しております図書館司書の家入と申します。
利用者のみなさんへの対応やレファレンスサービス、
簡単に言えば、探し物・調べ物のお手伝いや図書資料、画像の紹介が主なお仕事です。

どのような方がどのように利用されているか、ちょっとご紹介しましょう。

先ずは博覧会や博物館、芸術や歴史に関する資料の収集が目的の、研究者や卒論を抱えた学生さん。
博物館の資料館という、専門図書館ならではの利用者のみなさんです。

仏像の写真をお探しなのは、仏像彫刻をされる方。
ガイドブックや写真集にはない側面や背面写真が多い当館は、仏像を彫るみなさんの間ではちょっと知られた場所のようです。


様々な角度から撮影された仏像の写真カード。
現在開催中の「トーハク仏像選手権」のように、資料館版「あなたが彫りたい!仏像選手権」もできるかしら?


「観るつもりが行けなかった!」「以前、観て忘れられない!」そんな展覧会はありませんか?
資料館ではトーハク開催はもちろんのこと、他館で開催された展覧会カタログも数多く所蔵していますので、
展覧会カタログをご覧になり、作品に再会されては如何でしょう?

「土蔵を開けたら、こんな壺や掛軸が…」と、写真を片手に画集や作品集、落款辞典をご覧になる方。
当館では鑑定はしておりませんので、ご自身で図書や写真資料からお調べいただきますが、夏休みや年末年始の休暇明けに多いお問い合わせです。

「子どもの頃、おじいさまに連れられて来た博物館がよい思い出。あの頃、どんなものが展示されていたのかしら?」と、
素敵なエピソードとともに昔を偲ぶ探し物をされる方。
その当時の記録が残っているケースでは、博物館ニュース等から遥か昔にタイムスリップしていただくこともあります。

昨年9月からは博物館の展示をご覧になった後に直接、東口から資料館へお越しいただけるようになりました。
本館等で展示されている作品についてのお問い合わせも多くなり、図書や写真資料を基に、そして時には学芸員の方々の
ご協力も得、対応させていただいております。

このような利用者のみなさんと接し、探し物への情熱や作品に対する熱い思いに触れながら、資料を検索、紹介するうち、
今まで目にとめなかったものが意味を持ち、遠い歴史上の出来事が身近に感じられるように。
そして、私自身の世界が広がっていることにふと気づく時、

ありがとう。
この機会、出会いの場にありがとう。

と思うのです。

あなたの探し物は何ですか?資料館でお待ちしています。


博物館構内からは、こちらよりお立ち寄りください。
正門から平成館へ向かう途中、左手にある小道です。

カテゴリ:2012年11月

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posted by 家入美希(閲覧受付) at 2012年11月18日 (日)

 

たくさんの展示をありがとう!

はじめまして。総務課の増田と申します。
大学職員から縁あってトーハク職員となり、2年目を迎えました。

時々、昼休みに本館の展示室に出かける私ですが、ある日展示作品が変わっていることに気づきました。
トーハクでは11万件を超える収蔵品があり、その中から年間約300回もの展示品の入れ替えが行われているのです。

現在、本館11室では館蔵仏像名品選として重要文化財「菩薩立像」が展示されているのですが、
均整がとれた美しいシルエットと優しさに満ちたその姿にはパワーを感じずに入られません。
昼休みのわずかな時間でもこの一瞬は思考がクリアになります。


重要文化財 菩薩立像 鎌倉時代・13世紀
(2012年9月25日(火)~2012年12月2日(日) 本館 11室で展示)


これからもトーハクは、ため息のでるような作品の数々が展示されます。
この膨大な作品の数々をこれまで大切に受け継いでこられた方々、これからも技術と心で後世へ伝え続ける職員の方々、
そしてトーハクが東京国立博物館であり続けるために様々な形で支えている多くの方にありがとう。
私もこのプロ集団の中で少しでも何かのお役に立てるよう「トーハク愛」を心に頑張ろうと思います。


ベンチから秋の庭園をお楽しみください

トーハクは今年、140周年を迎えました。
平成25年1月2日には、いよいよ東洋館のオープンと「博物館に初もうで」の新年特別公開など見どころ満載のトーハクです。
都会の喧騒の中で疲れた心を、ぜひトーハクで癒してください。


今年の「博物館に初もうで」で催された獅子舞(東都葛西囃子睦会)

カテゴリ:2012年11月

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posted by 増田佳代子(総務課) at 2012年11月14日 (水)