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1089ブログ

今年も一年ありがほー!

今年はトーハク140周年ということで、私たちもいろいろお手伝いしました!
一年を振り返ってみましょう。


ぼくたちが登場した1月。
東京国立博物館140周年「ブンカのちからにありがとう」キャンペーンが始まったんだほ。


私たちもデザインされている東京国立博物館140周年パンフレットで、スタンプラリーもはじまったわね。
みなさんは、スタンプをいくつ集められましたか?


6個集めればオリジナルグッズがもらえるほ!チャンスはあと3ヶ月あるほー!



また、1月は特別展「北京故宮博物院200選」で、貴重な作品「清明上河図」をたくさんの方にご覧いただきました。



3月は毎年恒例の「博物館でお花見を」、特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」がはじまったほ。

 

東京国立博物館140周年記念グッズも発売されたわね。



ぼくの「はにわクッキー」もできたんだほー!



4月はJ-WAVE SPRING FESTIVAL@トーハクの開催や、Google Art Projectも公開されました!



夏は2つの特別展「中国山水画の20世紀 中国美術館名品選」と「青山杉雨の眼と書」があったほ。



そして秋は、「秋の特別公開」、夜22時まで開館した「スペシャルありがとうデー」もお楽しみいただけたでしょうか?



風神雷神図屏風のフィギュアも発売されたほー!



10月~12月は、特別展「出雲―聖地の至宝―」、「中国 王朝の至宝」が開催されました。
そしていよいよ、2013年1月…。


なんだほ?



東洋館がリニューアルオープンします!


楽しみだほー!


そして、東洋館リニューアルオープンを記念して、ショートムービーができたのよ。
主人公の名前は、ひろしとユリですって!

ぼくたちの本名といっしょだほ!このなかでは、なにやらぼくたちは恋人同士だそうだほ…。くーっ、たまらんほーー!

 



お正月はぜひ、このお話のように、まだトーハクに来たことがない人を誘ってきてくださいね。
きっと楽しんでもらえるはず!


お正月は1月2日(水)から開館するほ。「博物館に初もうで」もあるほー!



今年も一年、お世話になりました。
2013年も引き続き、トーハクをよろしくお願いいたします!

カテゴリ:news

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posted by トーハクくん&ユリノキちゃん at 2012年12月28日 (金)

 

生まれ変わった東洋館─世界に一つだけの東洋館

いよいよ新年の2日から、トーハクの東洋館がリニューアルオープンします。耐震工事のために2年近くも閉館を続け、スタッフ一同も、再開館を心待ちにしていたところです。東洋館の改修は、いま述べた耐震補強が眼目ですが、同時に、展示室内を全面的に刷新して、中央の吹き抜けには、新しく全階に通じるエレベーターを設け、さらに、ずっと閉じたままだった地下スペースも見違えるように改修して、展示室とVRシアターを設けています。

 
(左)地下スペースに新たに増設した「クメールの彫刻」の展示室
(右)3階5室「中国の青銅器は、弧を描くケースに展示


東洋館というと、なんだか堅苦しい印象があるかもしれませんが、その中は、中国・朝鮮から東南アジア、インドなどの南アジア、さらに中央アジアから西アジア、そしてアジアを越えてエジプトまで、じつに広大な地域のバラエティーに富んだ作品を一時に見ることができる、たいへん魅惑に満ちたギャラリーとなっています。あの有名なルーブル美術館や大英博物館、メトロポリタン美術館など、世界の名だたる博物館を眺めてみても、東洋のこれだけ広い地域の長い時代にわたる文化財を集約して展示しているところは、ちょっと見当たりません。東洋館は、まさに世界に一つだけのユニークな展示施設なのです。

 
(左)3階8室「中国の絵画中国の書跡」は、高さ5メートル5センチのケースで迫力の展示
(右)2階3室「インド・ガンダーラの彫刻」で、旅の気分を満喫

ここで「東洋の歴史と文化」とかいうと、いきなり堅苦しくなるばかりなので、今回のリニューアルを機に、東洋館全体のテーマを「アジアの旅」としました。ヴァーチャルの世界によって、国々の距離がぐっと縮まってきている今日ですが、ここでは、なにより本物の文化遺産を目の当たりにしながら、他ではまず味わうことができない「アジアの旅」を経験していただこうというものです。
新春の息吹にのって、皆さんも、東洋館の新たな魅力にぜひ触れてみてください。

カテゴリ:展示環境・たてもの

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posted by 松本伸之(学芸企画部長) at 2012年12月22日 (土)

 

生まれ変わった東洋館─新しい展示ケース

東洋館の展示ケースは耐震改修工事とともに新しくなりました。各分野の様々な作品がより魅力的に見えるよう大小様々なケースがあります。全てではありませんが今回導入した展示ケースについて共通する特徴は次の3つです。

・ 展示ケースの存在感を感じさせない金属フレームのない構造
・ うつり込みが少なく、まるで露出展示ではないかと思うくらい、ガラスの存在を感じさせない高透過低反射ラミネートガラス
・ ケース内の温湿度を一定に保つことの出来る高い気密性能


単純に比較するため改修前の展示ケースと改修後の展示ケースを1ヶ所だけ同一角度で撮影してみました。

展示ケース 改修前後
(左)改修前、(右)改修後

改修前はガラスを保持する金属枠があり、壁の中に展示ケースを埋め込んだようにつくられていました。改修後は展示台を単純にガラスで覆ったケースとすることで余分なものがそぎ落とされました。作品を間近でみると作品がケースに入っていない展示のようにも見えます。注意をしていないと本当に頭をぶつけそうになるくらい見えないガラスです。また、透明度が高く反射(うつり込み)の少ないガラスにより、従来よりも作品のディテールをはっきりと見ることができ、作品がせまってくるかのようにも感じられます。

導入した展示ケースは東洋美術コレクションにふさわしく、繊細で質の高い展示ケースに仕上がったと思います。どの作品も以前と違った魅力を来館される皆様にご覧いただけるのではと今から期待しています。

 

カテゴリ:展示環境・たてもの

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posted by 矢野賀一(デザイン室主任研究員) at 2012年12月20日 (木)

 

生まれ変わった東洋館─中国の書画と文人の書斎

美術史の研究室に入り立ての頃、中国には日本で言う“床の間”がないことを知り、「掛け軸はどこにかけるんですか」、と先輩に聞いたことがあります。そんなことも知らないのかと言う顔をされて、「中国では掛け軸は壁にそのまま掛けるんだよ」、と言われて、妙に納得した覚えがあります。

日本では掛け軸は床の間や茶室に掛けますから、小さくて瀟洒な画面が好まれます。しかし中国での書画は、庁堂(ちょうどう)とよばれる母屋(写真左)を入ると、正面の大きな壁があり、そこに直接掛けて鑑賞します(写真右)。前に置かれた机には美しい陶磁器や主人の人徳の高さを示す青銅器、玉器などが置かれ、主人と招き入れられた客人は椅子に座り、薫り高い茶を喫しながら、清雅なひとときを過ごしたのです。

个園
江蘇省揚州にある、清時代の代表的な文人の邸宅、个園(かえん)です。
文人たちがどのように書画を鑑賞していたのかがよくわかります。
  
个園

个園
まわりを庭園に囲まれ、四季折々の風光を楽しみながら書画を鑑賞できます。


時として鑑賞の場所は作品自体に大きな影響を与えます。中国で対聯(ついれん)と呼ばれる、おめでたい文句や古人の詩句を書いた二つの軸がたくさん作られたのも、中国の絵画が日本の絵画と較べて大きく遠目がきくものが多いのも、このような中国独自の「鑑賞の空間」と関係がありそうです。

      

(左右) 行書八言聯 包世臣(ほうせいしん)筆 清時代・18~19世紀 青山杉雨氏寄贈(展示未定)
(中) 包世臣肖像 呉熙載(ごきさい)筆 清時代・19世紀  高島菊次郎氏寄贈(展示未定)

先生(包世臣)と生徒(呉煕載)の作品をとりあわせることも可能です。

さらに御覧いただきたいのは、表具の型式です。日本の家屋は中国よりも背が低いですから、軸の高さもそこそこです。しかし中国では、「天」とよばれる表具の上の部分が非常に長いものが多く、これは高い天井から直接絵を掛けた時に、絵画部分がスッキリと眼に飛び込んでくる表具の仕掛けです。面白いことに、このような表具が日本に入ってくると、天井が低すぎて掛けることができなかったのでしょう、この「天」の部分を短くして再表具されている作品もあるくらいです。


(左) 墨竹図 呉宏筆 清時代・17世紀(展示未定)
(右) 松溪草堂図 王蒙筆(展示未定)

左図は日本の家屋にも掛けられるように、天の部分を短くしています。一方、中国の表具を残している右図は、天の部分がとても長いのがわかります。


このような中国書画の特性を十分に感じていただくために設計されたのが東洋館8室です。中国書画専門ギャラリーとして造られたこの空間のガラスの高さは5メートル5センチ、壁の高さは6メートル45センチ(!)。これで背の高い中国の書画作品を思う存分、その空間性をふくめて、ご鑑賞いただけます。


(左)リニューアル前の8室、(右)リニューアル後の8室
どこが違うかわかりますか?鑑賞の妨げになっていたガラスの枠がなくなったことで、あたかも作品と同じ空間にいるような感覚が味わえます。覗きケースもフラットになることで掛け軸の鑑賞の邪魔にならなくなり、天井もより高くなりました。




天井からかかる電動バトンによって、大きな作品も、より安全に展示することができ、快適にご鑑賞いただけるようになりました。
8室のガラスの厚みは東洋館最大の18ミリ。飛散防止フィルムが入っているため、地震があっても安全です。高透過低反射ラミネートガラスを使用し、実験を重ねることで、鑑賞に最適なこの厚みに到達したそうです。


国宝 紅白芙蓉図 李迪筆 南宋時代・慶元3年(1197) 
「コメ字」といわれる李迪の小さな落款もきれいにご覧いただけます。

一番近いケースは作品までわずか58センチ。まるで目の前にかかっているように、作品の細かい表現までご覧いただけます。最高の作品を最高の展示空間でご鑑賞ください。

また今回、新しい展示コーナーとして、「文人の書斎」が設けられました。今まで単独でしか展示できなかった文房具や対聯などを、これからは、文人たちが楽しんでいた本来の空間に近い形で体感いただけます。
絵画は約6週、書は約8週間に一回の展示替えがあります。きっと次に起こしになられたときは違う作品が、違う取り合わせで展示されているでしょう。季節やテーマにあわせて何度も足をお運びいただき、中国書画を心ゆくまで楽しんでいただきたい、そう願いながら、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。


文人の書斎では文房具や書画をとりあわせた、より多彩な展示が可能です。お楽しみに!


 

カテゴリ:展示環境・たてもの

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posted by 塚本麿充(東洋室研究員) at 2012年12月18日 (火)

 

書を楽しむ 第28回「年賀状」

書を見るのは楽しいです。

より多くのみなさんに書を見る楽しさを知ってもらいたい、という願いを込めて、この「書を楽しむ」シリーズ、第28回です。

みなさん、年賀状はもう書かれましたか?
私はまだです…。

年賀状は、裏は印刷、表もパソコンで印字、という昨今ですが、
この「書を楽しむ」を読んでいただいた方!
せっかくですから、少しでも自分で書いてみませんか?

いま展示中の作品から、文字を抜き出して
年賀状の手本をつくってみました。

巻子本古今和歌集切
(左)巻子本古今和歌集切 藤原定実筆 平安時代・12世紀 植村和堂氏寄贈(2012年12月24日(月)まで本館3室(宮廷の美術―平安~室町)にて展示中)
(中)巻子本古今和歌集切より「あけましておめてと」
(右)恵美が写したもの

「巻子本古今和歌集切」(藤原定実(ふじわらのさだざね)筆)に、
あけましておめてと、までありました。
「う」が無かったのは残念。
私は、エンピツ(左)とペン(右)で写してみました。
もう少し文字をつなげられると(連綿といいます)、
かっこいいですよね。

ほかに、
私が大好きな、国宝「白氏詩巻」(藤原行成(ふじわらのこうぜい)筆)の画像から、
「新春」を抜き出してみました。
(当館の主な作品は、ウェブサイトの画像検索や、e国宝から、画像で見られます。)

白氏詩巻
国宝 白氏詩巻 藤原行成筆 平安時代・寛仁2年(1018) (来年夏の特別展「和様の書」で展示予定)

新春
(左)白氏詩巻より「新春」
(右)恵美が写したもの(エンピツと筆)

三跡(さんせき)の一人・藤原行成の書いた「春」、
横三本線の間隔と、斜めの線の傾き。
そのバランスが好きなのですが、
真似するのは、むずかしい!
定信や行成の文字の上手さも
再確認できました。

でも、年賀状に毛筆で「新春」と
書いてみたいです。
今年はこの「春」を目指して、
練習したいと思います。

年賀状に手書きの部分があると、
「こんな字を書くんだな~」と
しみじみ見てしまいます。
私の中では、平安時代の書を見るのと同じように、
年賀状の中の書も楽しいものです。

平安時代や鎌倉時代の書の中から文字を集めて手本をつくって、
年賀状を書いてみませんか?
どこかでそれを楽しんでくれる人が
いると思いますよ。

カテゴリ:研究員のイチオシ書跡

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posted by 恵美千鶴子(書跡・歴史室) at 2012年12月17日 (月)