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生まれ変わった東洋館─新しい展示ケース

東洋館の展示ケースは耐震改修工事とともに新しくなりました。各分野の様々な作品がより魅力的に見えるよう大小様々なケースがあります。全てではありませんが今回導入した展示ケースについて共通する特徴は次の3つです。

・ 展示ケースの存在感を感じさせない金属フレームのない構造
・ うつり込みが少なく、まるで露出展示ではないかと思うくらい、ガラスの存在を感じさせない高透過低反射ラミネートガラス
・ ケース内の温湿度を一定に保つことの出来る高い気密性能


単純に比較するため改修前の展示ケースと改修後の展示ケースを1ヶ所だけ同一角度で撮影してみました。

展示ケース 改修前後
(左)改修前、(右)改修後

改修前はガラスを保持する金属枠があり、壁の中に展示ケースを埋め込んだようにつくられていました。改修後は展示台を単純にガラスで覆ったケースとすることで余分なものがそぎ落とされました。作品を間近でみると作品がケースに入っていない展示のようにも見えます。注意をしていないと本当に頭をぶつけそうになるくらい見えないガラスです。また、透明度が高く反射(うつり込み)の少ないガラスにより、従来よりも作品のディテールをはっきりと見ることができ、作品がせまってくるかのようにも感じられます。

導入した展示ケースは東洋美術コレクションにふさわしく、繊細で質の高い展示ケースに仕上がったと思います。どの作品も以前と違った魅力を来館される皆様にご覧いただけるのではと今から期待しています。

 

カテゴリ:展示環境・たてもの

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posted by 矢野賀一(デザイン室主任研究員) at 2012年12月20日 (木)