ほほーい! ぼくトーハクくん!
みんなー、ニュースだほー。
3月23日(水)から特別公開「国宝土偶 縄文の女神」が始まったほ。
山形県が生んだ縄文時代のアイドル、土偶「縄文の女神」せんぱいに会えるんだほー!
3月22日(火)には、山形県知事(写真右から2番目)出席のもとオープニングセレモニーを行いました
縄文の女神は、国宝に指定されている土偶で、背が高くてしゅっとしていて「削ぎ落とされた美しさ」の土偶なんだほ~(でれ)。
土偶好きの間では「八頭身美人」って呼ばれている、素敵なお姉さんなんだほ~(でれでれ)。
国宝 土偶 縄文の女神
山形県舟形町 西ノ前遺跡出土
縄文時代(中期)・前3000~2000年
山形県蔵(山形県立博物館保管)
全長45cm、現存する立像土偶では日本最大の土偶です
いまのところ、国宝の土偶はたった5体しかないんだほ。
国宝の土偶がトーハクに来たのは、5体ぜんぶが揃ったことでも話題になった2014年の「日本国宝展」以来なんだほ。
せんぱい、お久しぶりっす!
今回は、縄文の女神せんぱいが一緒に育った仲間たちを連れてやってきたほ。
国宝 土偶残欠
山形県舟形町 西ノ前遺跡出土
縄文時代(中期)・前3000~2000年
山形県蔵(山形県立博物館保管) 「縄文の女神」と一緒に出土した土偶の破片です
縄文の女神と仲間(残欠)が山形県外で揃って展示されるのは、国宝指定後、今回が初めてらしいほ。
ほー! なんて貴重な機会なんだほー!!
国宝の土偶はみんなほぼ完全な姿をしているけど、ほとんどの場合、土偶はバラバラの状態で見つかることが多いんだほ(って研究員さんが言ってたほ)。
考古学者さんたちにとっては、破片も情報が詰まった重要なものなんだほ(って研究員さんに聞いたほ)。
確かに、縄文の女神せんぱいと似ている破片もあれば似ていない破片もあって、見ているだけでおもしろいんだほー!
破片も見逃したらダメだほ。
そして、ぼくは気がついたんだほ。
縄文の女神せんぱいの展示ケース、トーハクでは見たことがないほ。
これは「すくーぷ」の予感・・・。
この展示ケースは、縄文の女神のふるさと、山形県の企業が協力して作った展示ケースなんだほ。
展示ケースもケースの中の照明も、ぜーんぶ山形県生まれなんだほ。
山形生まれの土偶せんぱいを山形生まれのケースで展示するなんて、粋なんだほ。
特別公開「国宝土偶 縄文の女神」は山形のはえぬきが集結したスペシャルな展示なんだほ。
土偶せんぱいとその仲間たちが待ってるほ。みんな、ぜひ会いに来てほー。
総合文化展の料金でご覧いただけます
土偶せんぱいとの久しぶりの再会とオール山形の展示に大興奮のトーハクくんなのでした。
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posted by トーハクくん at 2016年03月25日 (金)
特別展「生誕150年 黒田清輝─日本近代絵画の巨匠」 開幕!
特別展「生誕150年 黒田清輝─日本近代絵画の巨匠」が、桜の開花とともに3月23日(水)に開幕しました!
特別展会場の窓から見える桜です
開幕に先立ち、3月22日(火)には開会式・内覧会を行い、多くのお客様にご出席いただきました。
まず、第1章「フランスで画家になる―画業修学の時代」では、フランス留学時代の作品を展示。師匠のラファエル・コランら、黒田が学んだ同時代のフランス近代絵画も合わせてご覧いただけます。
会場を移り、第2章「日本洋画の模索―白馬会の時代」の入口では「舞妓」がお出迎え。この章では、代表作「湖畔」のほか、論争の的となった裸体画の作品なども展示されています。
(左)重要文化財 舞妓 黒田清輝 1893年(明治26) 東京国立博物館蔵
続いて、第3章「日本洋画のアカデミズム形成―文展・帝展の時代」の展示室は、華やかな桜色の空間になっています。日本にアカデミズムを確立しようと奮闘した黒田の、晩年までの作品をご覧いただけます。
このほかにも、黒田をとりまく近代洋画や、戦災で失われた「昔語り」の下絵やデッサンなど、充実の内容となっています。そして、最後に皆さまをお迎えするのは...せひ、その目で確かめてください!
日本美術の近代化に尽力した黒田の軌跡をたどる本展、会期は3月23日(水)~5月15日(日)です。
今後、黒田展の見どころを、このブログでご紹介していきます。
どうぞ、ご期待ください!
カテゴリ:絵画、2016年度の特別展
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posted by 宮尾美奈子(広報室) at 2016年03月24日 (木)
3月に入り北へ旅立ったのでしょうか、庭園の池で遊ぶ鴨の姿の減ってきました。
それと入れ替わるように、桜が芽吹きはじめ、春への準備が整い始めたようです。
トーハクでは来週3月15日(火)より、春の恒例企画「博物館でお花見を」(~4月10日(日))、「春の庭園開放」(~4月17日(日))が始まります。
今年の東京の桜の開花予想は、3月23日(水)、満開は3月29日(火)と少々早めのようです。
会期中の3月28日(月)、4月4日(月)は開館し、3月25日(金)、4月1日(金)、4月8日(金)は庭園ライトアップ(19時30分まで)を行います。
昨年のライトアップの様子
「博物館でお花見を」では、桜をモチーフにした作品の展示のほか、鑑賞ガイド(ギャラリートーク)や、ワークショップ、コンサートなどイベントももりだくさん。
本館7室では、満開の桜の下での宴や行事が描かれた華やかな屏風が並びます。
館内や庭園でこんなポストをみつけたら、ぜひ「花見で一句」を投じてみてください。
無料のミニコンサートも開催します。
桜の街の音楽会
Vive! サクソフォーン・クヮルテット (サクソフォーン四重奏団)
2016年3月16日(水)、3月18日(金) 11:00~11:20 正門内池前
ヴァイオリン・コンサート 佐藤恵梨奈(ヴァイオリン)&林はるか(チェロ)
2016年3月24日(木) 13:00~13:20 法隆寺宝物館エントランス
ヴァイオリンコンサート 加藤えりな(ヴァイオリン無伴奏)
2016年3月30日(水) 13:00~13:20 本館大階段
Vive! サクソフォーン・クヮルテット(昨年のコンサートより)
そして、こちらも恒例のスタンプラリー(チラシ見開きページの右端がスタンプラリーの台紙)。
スタンプをすべて集めてもらえるバッジに、2016年限定デザインが登場!
お好きな方をお選びいただけますが、限定デザインバッジがなくなり次第、「花よりだんご」バージョンのみになります。
そのほかにも桜セミナー(講演会)やぬりえワークショップなど「博物館でお花見を」を一層楽しめるイベントをご用意しています。
華やかな作品と庭園の桜を愛でるちょっと優雅なお花見へ、ぜひお越しください。
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posted by 奥田 緑(広報室) at 2016年03月11日 (金)
東洋館8室では「中国の書跡 さまざまな臨書」(~2016年4月10日(日))を開催しています。
本展では、中国の明時代から民国期、17~20世紀にわたる諸名家の臨書を展示します。
また前回展「顔真卿と唐時代の書」に続き、本展も台東区立書道博物館「書のスケッチ「臨書」の世界―手習いのあとさき、王羲之から不折まで―」(~2016年5月29日(日)、展示替えあり)と共通テーマの企画です。
臨書というと馴染みのない方も多いかもしれません。しかし、小中学校の書写などで、教科書に載っているお手本とにらめっこをしながら、文字の形がソックリになるように何度も何度も書いた経験なら、誰しも一度はあると思います。
「臨書」は、このお手本を傍らに置いてそれを見ながら書を書くことです。伝統的な手習いの方法として、また鑑賞の補助として、あるいは書跡の複製方法として古来より行われてきました。例えば、王羲之の「蘭亭序」も唐の太宗が虞世南や欧陽詢といった能書の臣下、あるいは宮廷内の技術者に命じて臨書や摸本を作らせ、それを下賜したことはあまりにも有名です。
臨蘭亭序巻 永瑢筆 清時代・乾隆52年(1787) 東京国立博物館蔵(林宗毅氏寄贈)
これは乾隆帝が作らせた『蘭亭八柱帖』第一本(張金界奴本蘭亭序の刻本)を、子の永瑢(1743~1790)が臨書したもの。原本よりもゆったりと安定した字姿で、宗室の気品が漂います。
字形を写す精密さという点では、原本の上に紙をのせて敷き写しをする「摸」や、その際に文字の輪郭を写して籠字をとり、その中を墨でうめる「双鉤塡墨(そうこうてんぼく)」という技法のほうが、臨書よりも分があると言えます。
一方、臨書は墨のカスレやニジミ、線の質感など書がもつ形以外の要素を写すことにも長け、筆者の眼と腕、そして臨書において何に重きを置くのかという考え方がより強く反映されるものとも言えるでしょう。よって同じ書跡をもとにした臨書でも千差万別、十人十色の書きぶりが見られます。加えて、何をどのような形式で臨書するのかということ自体に各自の志向やその時代の特色が表れます。
例えば、明末清初の動乱期に生きた王鐸(おうたく、1592~1652)はどうでしょうか。
本展では、王鐸が得意とした長条幅(とりわけ縦に長い大画面の形式)による連綿草(一筆で複数の文字を続けて書く連綿を多用した草書)を2件展示しています。
左:臨柳公権尺牘軸 王鐸筆 明時代・永暦元年(1647) 東京国立博物館蔵(高島菊次郎氏寄贈)
唐・柳公権が書いた手紙「奉栄帖」を臨書したもの。本帖は『淳化閣帖』巻4に収録されます。
右:臨大令帖軸 王鐸筆 明時代・永暦3年(1649) 東京国立博物館蔵
東晋・王献之の3種の手紙(「節過歳終帖」(一節)、「願余々帖」、「適奉帖」)を臨書したもので、同郷の緑雪という老人に書き贈った作品。3帖は『淳化閣帖』巻9に続けて収録されます。
両作品もそうであるように、王鐸は法帖、とりわけ『淳化閣帖』の臨書を数多く残しており、造形など原本に忠実なものから、「本当に臨書?」と思うくらいかけ離れたものまで実に様々です。
王鐸が実際に見た『淳化閣帖』については、王鐸の内題簽をもつ「淳化閣帖(最善本)」(上海博物館蔵、2006年に当館で開催の特別展「書の至宝 日本と中国」に出陳)など数本が指摘されていますが、ここでは明・呉廷旧蔵の「淳化閣帖」(王著編 北宋時代・淳化3年(992)編 東京国立博物館蔵(高島菊次郎氏寄贈) ※現在は展示されておりません)を参考に、両作品の冒頭数字と対照させてみることにします。
「奉栄示。承已上訖。」 左:奉栄帖(淳化閣帖 所収) 右:臨柳公権尺牘軸
まずは「臨柳公権尺牘軸」です。書き出しの「奉」の字から、造形は原本と全く異なっています。そして、「奉栄」「示承」「已上訖」と原本にはない連綿線が用いられ、2字3字と一筆で書かれています。実は本作品、行書主体の原本から草書主体の臨書へと極端な変貌を遂げています。
王鐸は原本の書きぶりに縛られず、筆画が簡略化された草書を用いて、文字の造形や大小、傾き、そして連綿線や余白を巧みに操り書き進めています。その結果、各字の造形は変化に富み、各行は自然と揺れながら、下へ下へと流れていきます。縦の流れを強く感じさせるこの書きぶりは、長条幅の形式に非常にはまっているものと言えます。
「不審尊体復何如。」 左:節過歳終帖(淳化閣帖 所収) 右:臨大令帖軸
次に「臨大令帖軸」はどうでしょうか。「臨柳公権尺牘軸」ほど極端ではありませんが、本作品でも、原本では一字一字独立している部分を連綿させて一筆で流れるように書き進めたり(尊体復何如)、草書の崩し方・造形を変えたり(復)、あるいは文字の大小や傾き、筆画の太細、余白など、様々な変化を加えています。それはあたかも、原本から着想を得た多様な表現を試みているかのようです。
一日は法帖を臨書し、一日は人からの求めに応じて筆を執り、それを交互に繰り返す生活を生涯貫いたと伝えられる王鐸。その臨書に対する考え方は、一面で、表現方法を開拓する場のようなものであったことが想像されます。
臨書のあり方は実に多様で、「手習い」などの言葉だけでは言い尽くせないものがあります。
筆者の書に対する思いを想像しながら、臨書の世界をごゆっくりお楽しみ下さい。
*台東区立書道博物館では、中国と日本の書跡により臨書から創作への過程が紹介されています。こちらも是非お見逃しなく!
「書のスケッチ「臨書」の世界―手習いのあとさき、王羲之から不折まで―」
2016年2月16日(火)~2016年5月29日(日)
前期:2月16日(土)~4月10日(日) 後期:4月12日(火)~5月29日(日)
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posted by 六人部克典(登録室アソシエイトフェロー) at 2016年03月01日 (火)
あかりをつけましょ ぼんぼりに~
お花をあげましょ 桃の花~♪
去る2月20日(土)、トーハクではファミリーワークショップ「ひいな遊び―立雛を作ろう!―」が開かれました。雛祭りを前にして、自分オリジナルの立雛を作ってみようという企画です。午前中は親子を対象に、午後は大人だけを対象にして2回開催致しました。
おひなさまというと、初節句にお店で買ってくるイメージですが、江戸から明治にかけては紙や織物で立雛を作ることが女の子の間で行われていました。自分より年少の子供に遊び道具としてお人形を作り与えることは、お裁縫の稽古にもなったことでしょう。
そもそも雛祭りの源流のひとつは、平安貴族の子どもたちが行った「ひいな遊び」に遡ります。これはミニチュアの建物や家具、そして人形を使ったオママゴトであったと考えられます。やがて時代はくだり、江戸時代の初期になると男雛・女雛のおひなさまを女の子のため3月3日に飾る風習が生まれます。
初期のおひなさまは立雛とよばれる男女一対の紙人形で、今回モデルとした「古式立雛」(江戸時代・17~18世紀)もその一つです。ペラペラの薄い作りで立たせることが難しく、手に持って遊ぶ「ひいな遊び」の流れを受けたものでした。素朴な人形であるだけに、遊びを通じた人形と子どもの本来的なありかたを伝えています。
古式立雛 江戸時代・17~18世紀
特集「おひなさまと日本の人形」(2016年3月1日(火)~4月10日(日)、本館14室)にて展示
ワークショップは好きな色の厚紙を選んでもらうところから始まりました。この厚紙に3種類の版をつかって模様を摺り、切ったり折ったりして胴体を作っていきます。
教育普及室の室員とボランティアさんをスタッフとして、立雛製作を事前練習した成果をアドバイスに活かしつつ、みなさんおしゃべりも楽しみながらワイワイ製作しました。
胴体製作で特に難しいのが男雛の袴作り。スーツにビシッと入った折目はカッコイイものですが、同じように袴にも折目を入れ、男らしさを演出します。袴の折り方は言葉で説明しづらく、みなさん見本をみながら悪戦苦闘でした。
そして何といっても一番の難関は頭(かしら)作りです。今回のワークショップでは120度の熱で焼き固める粘土を使ったのですが、焼くのに30分かかるため、頭の形は10分ほどで仕上げて頂きました。講師の私に急き立てられながら、大焦りでの製作です。
そして頭の色塗り。あらかじめ白色で下地を塗った上から、髪や目鼻を描いていきます。お顔を描くのは一発勝負であるなか、「お人形は顔が命!」とプレッシャーをかけられ、これも10分ほどで仕上げていただきました。なにせ2時間のワークショップで模様の刷りから胴体の組み立て、頭作りまでするから大変です。
最後に完成した立雛を緋毛氈のうえに一同に並べて鑑賞会。同じ方法で作ったお人形ですが、色の組み合わせや表情に強く個性があらわれ、世界にひとつの可愛らしい立雛が生まれました。みなさんとても楽しそうに製作を進められ、企画した側としても大満足のワークショップでした。
後片付けも終わり、早速できあがった立雛を小さな自宅に持って帰って、神棚の前に飾ってみました。気の強そうな女雛は妻に似ているような・・・、といって怒られた私です。もうすぐ雛祭りですね~♪
*東京国立博物館本館14室では3月1日(火)ら4月10日(日)の会期で特集「おひなさまと日本の人形」が開かれます。また今回、展示に合わせ『東京国立博物館セレクション おひなさまと日本の人形』が出版されました。みなさまのご来場を心よりお待ち申し上げます。
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posted by 三田覚之(教育普及室・工芸室研究員) at 2016年02月24日 (水)