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皆金色の極楽浄土! 建立900年 特別展「中尊寺金色堂」が開幕します

明日1月23日(火)から、本館特別5室で、建立900年 特別展「中尊寺金色堂」が始まります。
 
建立900年 特別展「中尊寺金色堂」会場入口
 
今年2024年に上棟(じょうとう)から900年を迎える中尊寺金色堂。
これを記念して開催する本展では、中央の須弥壇(しゅみだん)に安置された11体の国宝の仏像や、きらびやかな荘厳具(しょうごんぐ)の数々を通じて、金色堂の魅力をお伝えします。
 
音声ガイド案内
 
音声ガイド・ナビゲーターを務めるのは、「進撃の巨人」エレン・イェーガー役や、「僕のヒーローアカデミア」轟焦凍(とどろきしょうと)役などを担当された声優の梶裕貴(かじゆうき)さん。
アニメ「平家物語」では、奥州藤原氏と縁の深い源義経役も演じられています。
展示作品とあわせ、音声ガイドによる解説もお楽しみください。
 
それでは、会場をご覧いただきましょう。
 
8KCGにより再現された中尊寺金色堂 ©NHK/東京国立博物館/文化財活用センター/中尊寺 
 
最初にみなさんをお迎えするのは、こちらの巨大なスクリーン。
幅7m、高さ約4mのディスプレイ上に、8KCGで再現された金色堂が原寸大で映し出されます。
実際の金色堂は、劣化を最小限にするために建物全体をガラスで仕切っており、参拝者はガラスの外から拝観します。
一方この映像では、仮想的に金色堂の内部にはいりこみ、須弥壇上の仏像や内陣の装飾を、間近に見るという体験ができます。
 
特別5室 展示風景
 
続いて、本展最大の注目作品である国宝の仏像11体をご覧いただきましょう。
金色堂内には3つの須弥壇(中央壇、西北壇、西南壇)が設けられており、各壇上に11体(計33体)の仏像が安置されています。
本展では中央壇上の仏像すべてを展示。阿弥陀三尊像、地蔵菩薩像(六地蔵)、二天像という構成です。
なお、本展図録では他壇上22体の仏像の写真も掲載しています。33体すべて見たい!という方はぜひお買い求めください。
 
国宝 阿弥陀三尊像(左から:勢至菩薩立像、阿弥陀如来坐像、観音菩薩立像) 平安時代・12世紀 岩手県・中尊寺金色院蔵
ふっくらと穏やかで優美な姿が特徴。金色堂建立当初から安置されていた可能性が高いとされます。
 
国宝 地蔵菩薩立像 平安時代・12世紀 岩手県・中尊寺金色院蔵
阿弥陀三尊の両脇に3体ずつ安置される地蔵菩薩立像。阿弥陀三尊と六地蔵のセットは六道輪廻からの救済を願う往生思想を体現しています。
 
金色堂の仏像1体1体を全方位からつぶさにご覧いただける大変貴重なこの機会。
京(みやこ)の仏像と比較しても遜色のない優れた造形を、ぜひご堪能ください。
 
金色堂を装飾していた荘厳具も見逃せません。
 
国宝 金銅迦陵頻伽文華鬘 平安時代・12世紀 岩手県・中尊寺金色院蔵
 
金色堂の柱の上部を横にわたる長押(なげし)にかかってたものです。
左右には、人の顔をした鳥が描かれているのがわかるでしょうか。
迦陵頻伽(かりょうびんが)と呼ばれる、極楽に住んで美声で鳴く空想上の鳥です。
たいへん愛らしい姿をしていますね。
 
国宝 紺紙金銀字一切経(中尊寺経) 平安時代・12世紀 岩手県・中尊寺大長寿院蔵
 
金字と銀字で交互に書写された、大変珍しいお経です。
一切経は5400巻近くにも及ぶ経典で、金色堂を建立した藤原清衡(きよひら)が8年もの歳月をかけてこの書写事業を完成させました。
大部分は高野山に移管されており、国宝指定のもので中尊寺に残るのは十五巻のみとなりますが、まさに奥州藤原氏のもつ莫大な富を象徴する作品です。
 
最後には金色堂の模型展示も。本品のみ撮影OKです!
 
豪華絢爛な金色堂の至宝を東京でご覧いただける、大変貴重な機会となっています。
ぜひ足を運んでいただき、清衡が目指した極楽浄土の世界を体感してください。
 
会期は4月14日(日)まで。事前予約は不要ですが、事前にチケットをお買い求めいただくと入館はスムーズです。
チケット情報は展覧会公式サイトから。
 
お見逃しなく!
 

カテゴリ:仏像「中尊寺金色堂」

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posted by 天野史郎(広報室) at 2024年01月22日 (月)