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インドネシア バティックの旅

日本で「ジャワ更紗」の名称で親しまれている「バティック」は、ジャワ島で染められている木綿のロウケツ染めです。
18世紀頃から、それぞれの地域で特色のあるバティックを製作してきました。
今回は、「海の道 ジャランジャラン」が開催中の東洋館12室、13室に展示されている作品の中から、制作地の特色を紹介しながらバティックをめぐる旅をしましょう。


インドネシアの首都、ジャカルタから車で海岸添いに3時間ほど東へ行ったところに、チルボンという町があります。
チルボン王宮のもとで制作されるようになったバティックの特徴は、

 
サロン(腰衣) 白地ウダン・リリス文様印金バティック
インドネシア・ジャワ島・チルボン 20世紀初頭 [2018年9月30日まで東洋館13室にて展示]
展示室で近寄って見て! 驚異的な細かさです


このように、細い線のみを残して周囲を蜜蝋で埋めて細密な模様を染める点です。
細い斜めの線は「ウダン・リリス(小雨・霧雨の意味)」と呼ばれていて、線と線の間にも、それぞれが異なる連続文様が染められています。
少し黄色味がかった茶色のソガ染料と、黒に近い藍の2色が特色です。
さらに文様をなぞるように金で装飾がされていて、とってもきらびやか。
インドネシアでは華やかな文様を染めた布を巻きスカートのように腰に巻いて着用していました。

 
小さなひしゃくのついたチャンティンと呼ばれる道具で、ひしゃくに熱い蜜蝋を汲みながら描いていきます

蜜蝋で文様を描くのは、女性の仕事。
少女から老人まで、得意な文様をひたすら布に描く作業が続きます。


チルボンからさらに車で東へ2時間ほど行くと、プカロガンに到着。
茜の赤色と藍色のコントラストが美しいバティックを製作しています。

 
カイン・パンジャン(腰衣) 白地唐草花禽獣文様バティック
インドネシア ジャワ島北岸 プカロガン 20世紀前半 [2018年11月4日まで東洋館12室にて展示]
さまざまな陸や海の動物の文様がかわいい! プカロガンのバティックが愛されるわけです

プカロガンのバティックはとにかく細かいロウ描きにあります。
才能を見込まれた大勢の女性たちが、フリーハンドで地文様を埋めていきます。

 

型染と染色は力仕事。
男の人の仕事です。

 


プカロガンから南へ山を越えてジョクジャカルタ、ソロなどジャワ中部へ向かいます。
ボロブドゥール寺院遺跡群やプランバナン寺院群など、世界文化遺産でも知られる、古い都のあった地域です。ここでもバティックが盛んに作られていました。
ジャワ中部のバティックの特徴は、藍と茶褐色のソガ染料によって染められたカイン・ソガと呼ばれる布です。
男性も女性も着用するバティックの巻スカートですが、「ドドット」はひときわ大きく、王族だけが着用を許されたものです。

 
ドドット 茶地ガルーダ文様バティック
インドネシア ジャワ島中部 19世紀 [2018年9月30日まで東洋館13室にて展示]
霊山、ガルーダ、生命の樹、動物といった文様を組み合わせ、ジャワの世界観を象徴した文様をスメンといいます


地域によってバラエティーあふれる色と文様のバティック。
それぞれの地域を旅しながら、展示室であなたのお気に入りを見つけてみませんか。

 

特集「岡野繁蔵コレクション―インドネシア由来の染織と陶磁器」
東洋館 12室 2018年9月4日(火)~12月25日(火)

アジアの染織 インドネシアの染織
東洋館 13室 2018年7月3日(火)~2018年9月30日(日)

博物館でアジアの旅 海の道 ジャランジャラン
東洋館 2018年9月4日(火)~9月30日(日)

 

カテゴリ:研究員のイチオシ博物館でアジアの旅

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posted by 小山弓弦葉(登録室長・貸与特別観覧室長) at 2018年09月11日 (火)

 

 

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