特別展「仁和寺と御室派のみほとけ―天平と真言密教の名宝―」(1月16日〈火〉~3月11日〈日〉、平成館)は、2月27日(火)、20万人目のお客様をお迎えしました。
2月16日(金)の10万人達成からなんと9日目での20万人達成となりました。ご来場いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。
20万人目のお客様は、東京都町田市からお越しの堀井礼さん。本日は、双子の妹の白石陽さんとご一緒に来館されました。
礼さんには、当館学芸企画部長 富田淳より、記念品として特別展図録と展覧会ポスターを2セット贈呈。贈呈式には10万人セレモニーに引き続き、当館広報大使トーハクくんも登場、セレモニーを盛り上げました!
左からトーハクくん、陽さん、礼さん、当館学芸企画部長 富田淳
礼さんは大学で文化財コースを学ばれていて、特に仏像が大好きとお話しくださいました。今回の仁和寺展も2回目とのこと。ありがとうございます。
特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」は、本日も多くのお客様にお越しいただいており、3月4日(日)・6日(火)・7日(水)の3日間は17時閉館のところ、21時まで開館時間を延長することになりました。
会期末までの開館時間は下記のとおりとなります。
3月 4日(日)9:30~21:00 ※通常17:00閉館のところ4時間延長
3月 6日(火)9:30~21:00 ※通常17:00閉館のところ4時間延長
3月 7日(水)9:30~21:00 ※通常17:00閉館のところ4時間延長
3月 8日(木)9:30~17:00 ※通常通り
3月 9日(金)9:30~21:00 ※通常通り
3月10日(土)9:30~21:00 ※通常通り
3月11日(日)9:30~17:00 ※通常通り ※最終日
*入館は閉館時間の30分前まで。
特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」、残すところ2週間を切りました。皆様のご来館を心よりお待ちいたしております。
カテゴリ:news、2017年度の特別展
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posted by 武田卓(広報室) at 2018年02月28日 (水)
トーハクくん、特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」特設ショップに行く!
ほほーい!ぼく、トーハクくん。
今日は特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」のグッズをチェックしにきたほ。
どんなものがあるのか楽しみだほー。
まずは特別展に来たらこれを買わなければ。
特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」公式図録 2,800円(税込)
ふむふむ、今回もとっても充実の内容だほ!めったに見られない秘仏がたくさん展示されているこの展覧会、これを買えばずっと見られるほ!
天平の秘仏、国宝 千手観音菩薩坐像(葛井寺蔵)も新撮画像でしっかり紹介
図録を買うとそれを入れるトートバックも買いたくなるほ!お、なんだかおしゃれな絵が描いてあるほ!
日本仏教の要、最澄と空海の人間ドラマを描いた漫画『阿・吽』の作家、おかざき真里さんが、本展覧会のためだけに描きおろしたスペシャルトートバック 4,800円(税込)
そして『阿・吽』1~7巻セットも販売中 4,900円(税込)
本展では仁和寺の宗祖、空海直筆の書、国宝「三十帖冊子」(仁和寺蔵)も展示。『阿・吽』では7巻でそのエピソードが描かれています。
食べ物も充実しているほ。これは目にいいと評判のブルーベリーの飴だほ!ぼくは黒目がとっても大きいので目はよく見えるけど、最近はみんなスマホ使用で目が疲れやすいからおすすめだほ。
秘仏 重要文化財 千手観音菩薩坐像(徳島・雲辺寺)の像内には眼の絵とともに「目アヘ(キ)ラカニナシタマエ」と記され、眼病平癒の願いが込められていた
こちらはそれに基づいてつくられた商品 ブルーベリー飴 540円(税込)
こちらはお菓子。はにわクッキーもいいけど、たまにはこういうおしゃれなものも食べてみたいほ…。
「noake tokyo」の人気商品「ポルトボヌール(幸福のお守りサブレ)」の桜型サブレを、いちごを御室桜に、うぐいす味を御衣黄に見立てた限定商品! 648円(税込)
三筆の一人、空海さんのグッズも充実しているほ!書道好きのユリノキちゃんに買ってあげたいものがいっぱいだほ!
ぎんざ空也・五代目山口彦之氏監修、空海直筆の国宝「三十帖冊子」からの「空」と「海」の文字が入った最中 2個入り 648円(税込)
こちらも「三十帖冊子」の中から空海の字を新撮した字のお手本張 空海の四十八文字御手本カードセット 4,536円(税込)
定番のマスキングテープ 350円(税込)
それから前回の運慶展でも大好評だった「フェリシモおてらぶ」さんとのコラボレーション商品もあるほ!
千手アームクッション 左手、右手ともに1,069円(税込)
大好評につき売切れ間近です!
千手観音の脇手をイメージしているそうだほ。触るとふわふわもちもちでとっても気持ちいいほ…。
パソコン作業に疲れたとき、ちょっとした休憩のとき、千手クッションで一息ついて、リラックス
最後にこちらも大充実のお酒コーナーだほ!京都、兵庫に福井などなど、選りすぐりの名酒が集まっているほ!
本展にご出陳いただいている御室派寺院の地元から名酒が勢ぞろい
空海さんの字入りのぐい飲みでぐいっと行きたいほ!大人になったら…。
空海の字が入ったぐい飲みとともにずらりと並んだ日本酒
ぐい飲みは350円(税込)
まだまだ紹介しきれなかったグッズもたくさんあったほ!みんなも特別展を見た後はぜひグッズショップへ行ってほしいほ!きっとお気に入りの品が見つかるほ!
さて、最後に重大発表だほ!
なんとなんと!金曜・土曜に加えて3月4日(日)・6日(火)・7日(水)の3日間は17時閉館のところ21時まで開館時間を延長するほ!
お仕事、学校終わりのみんなにもどんどん来てほしいほ!
特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」は3月11日(日)まで、お見逃しなくだほー!
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posted by トーハクくん at 2018年02月26日 (月)
特別展「仁和寺と御室派のみほとけー天平と真言密教の名宝」(1月16日(火)~3月11日(日)、平成館)は、2月16日(金)、10万人目のお客様をお迎えしました。
ご来場いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。
10万人目のお客様は、高崎市からお越しの佐藤明生さん。
本日は、奥さんの亜紀子さんと息子さんの徳くんと一緒に、ご来館されました。
明生さんには、当館館長 銭谷眞美より、記念品として特別展図録と展覧会グッズの「千手観音菩薩坐像 御尊影」を贈呈しました。
贈呈式には当館広報大使トーハクくんも登場!息子さんの徳くんも大喜びでした。
左から当館館長 銭谷眞美、亜紀子さん、息子さんの徳くん、佐藤明生さん、当館広報大使 トーハクくん
明生さんによると、息子さんの徳くんは本展チラシの千手観音菩薩坐像(葛井寺蔵)を毎日のように見ていたとのこと。徳くんに本物を見せられることが楽しみ、とお話しくださいました。
特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」も、残すところ3週間あまり、3月11日(日)までです。
後期(2月14日~)からは2体の秘仏も登場し、さらに充実した展示内容に。
国宝「薬師如来坐像」 円勢・長円作 平安時代・康和5年(1103) (京都・仁和寺蔵)
国宝のなかで最小の仏像。像高はわずか11.8センチ!目を凝らしてご覧ください。
国宝「千手観音菩薩坐像」 奈良時代・8世紀 (大阪・葛井寺蔵)
千本以上の手を備えた現存最古の千手観音像。天平彫刻の傑作をぜひ360度からご覧ください。
まだご覧になっていない方はもちろん、前期(~2月12日)にもう見たという方も、ぜひ会場へ足をお運びください!
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posted by 武田卓(広報室) at 2018年02月16日 (金)
葛井寺は近鉄の藤井寺駅から徒歩で数分のところにあります。商店街に接していて、抜け道になっているようですが、足早に歩く人も本堂の前では立ち止まって合掌します。
本堂に置かれた大きな厨子は、毎月18日に扉が開かれ、多くの参拝者でにぎわいます。中には秘仏の千手観音菩薩坐像が安置されます。天平彫刻を代表する名品です。
特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」には、その千手観音像が出品されます。関東にお出ましになるのは江戸時代初期に品川に出開帳して以来のことです。
等身よりも大きい体に、1041本の腕を持つ姿には迫力があります。千手観音であっても、実際に千本の腕を作った像はごく稀です。
国宝 千手観音菩薩坐像 奈良時代・8世紀 大阪・葛井寺蔵 (撮影:藤瀬雄輔)
均整の取れた美しい姿!
1041本の腕のうち40本は大きな手で、さまざまなものを持ちます。それらは後世につくり替えられたものですが、それぞれ意味があります。例えば髑髏は、あらゆる神々を使役できます。
大手で持った髑髏
さて、像は月に一度、拝することができますが、厨子に納められているので横や後ろ姿を拝することはできません。そこで今回の展覧会では360度ご覧いただけるようにしました。柔らかな背中や、頭上背面の大きく口を開けて笑う大笑面は、この機会を逃せば見ることはできないでしょう。
頭上背面、口を大きく開けて大きく笑う大笑面(撮影:藤瀬雄輔)
ぜひ後ろからもじっくりご覧ください
展覧会に合わせて、CTの調査も実施しました。像内に小さな塔が納入されていることが知られていましたが、今回その姿を鮮明にとらえることができました。データの分析には時間がかかりますが、新たな発見があるはずです。
合掌する手のCT(撮影:荒木臣紀、宮田将寛)
掌は木で、指は銅芯でつくって、その上に木屎漆で塑形
お像全体のCT(撮影:荒木臣紀、宮田将寛)
像内に小さな塔が見えます
天平彫刻の名品を360度からご覧いただける大変貴重な機会です。皆様どうぞお見逃しなく。
カテゴリ:研究員のイチオシ、彫刻、2017年度の特別展
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posted by 丸山士郎 at 2018年02月14日 (水)
現在開催中の特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」(3月11日(日)まで)では、普段は非公開の仁和寺観音堂の堂内を再現したコーナーがあります。まるで本物のお堂のなかにいるかのような臨場感があり、仁和寺のお坊さんも驚きのクオリティー。たしかに、見れば、本物か?と、思わず柱に触りたくなってしまいます。触ってはいけません。でも、写真撮り放題の大判ぶるまいです。
観音堂内部の再現(第四章 仁和寺の江戸再興と観音堂)
観音堂は、もともと観音院といい、創建は平安時代にさかのぼりますが、現在のお堂は江戸時代初期に再興されたものです。現在、修行道場として用いられています。
観音堂外観
ご本尊は千手観音菩薩立像。観音さまは、33通りの姿かたちに変身(三十三応現身)して、地獄に落ちた人々までも救うミラクルなパワーをもっており、古くより人々に絶大な人気を誇ってきました。ご本尊のまわりに脇侍として不動明王立像と降三世明王立像、そして千手観音立像に付き従う二十八部衆像と風神・雷神像が並ぶ様は、まさに圧巻です。
お像には鮮やかに彩色が残っていることから、レプリカ!?と思われる方もいらっしゃるようですが、正真正銘の本物です。観音堂の完成と同時期の作とみられます。彩色をしたのは、観音堂の壁画を描いた木村徳応という絵仏師でした。徳応については、以下にふれます。
壁画は高精細デジタルスキャナで取得した画像です。照明の明るさと照合させて、描かれた尊像が映える紙に印刷されています。壁画の正面に描かれるのは、観音の聖地で説法をする観音とその33の応現身。
須弥壇正面の壁画 部分。補陀落山で説法をする観音菩薩を中心に、そのまわりに観音の三十三応現身の一部が見えます
裏側の下段には、六道という、人が生前の行いによっておもむく6種の世界が描かれており(地獄道・餓鬼道・畜生道・阿修羅道・人間道・天上道)、その上には、それぞれの道に堕ちた人の救済を担当してくれる観音菩薩が描かれています。
六道のうち畜生道
亡者の生前の行いを映し出す浄玻璃の鏡。獄卒に鏡の前に引き立てられた亡者は、鏡のなかに、殺生をする自分自身の姿を見ることになってしまいます
六道のうちの地獄道。紅蓮の炎に包まれる地獄の大釜とそこに落とされようとしている人々
内陣を取り巻く板壁にも、『法華経』という日本でもっともポピュラーな経典にもとづいて、観音の救済場面が細かに描き出されています。
観音堂内陣の壁画
これらの壁画を描いたのは、近年注目を集めている木村徳応という絵仏師です。生年は文禄2年(1593)と考えられており、少なくとも75歳ごろまで活動していたことが知られています。当時の記録にも「仏画をよくし、諸宗の祖師像をよく写す。諸山に多く蔵せり。仏画師中の健筆たり」と評されており、江戸時代前期、京都を中心に、宗派を問わずさまざまな寺院で活躍していました。
徳応は、京都の黄檗宗万福寺に所蔵される涅槃図や寺を開いた隠元禅師の肖像画、万福寺にほど近い浄土宗平等院の十一面観音厨子扉絵など、仏画や肖像画を多く描いていたことが知られています。仁和寺の観音堂の大画面壁画は、徳応50代前半ごろの大作です。現在知られるなかでは徳応の画業のなかでも特筆すべき大作ですが、観音堂が非公開ということもあり、これまであまり知られていませんでした。
観音堂壁画に見る徳応の描線は、筆の入りに打ち込みがあって力強く、非常に明快な印象を受けます。彼の若い時期の作品に共通するものと言えるようです。
この知られざる江戸仏画にも、ぜひご注目ください。
カテゴリ:研究員のイチオシ、2017年度の特別展
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posted by 皿井舞(絵画・彫刻室主任研究員) at 2018年02月01日 (木)