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まわす!さぐる!デジタルでトーハクをいじりたおそう

本館19室の「みどりのライオン 体験コーナー」では3Dのデータを自由に動かしてみることのできる「トーハクをまわそう」と、大型タッチモニタで気軽に高精細画像を楽しめる「トーハクで国宝をさぐろう」を新たに設置しました。
これまでにも、3Dデータはコンピュータグラフィックス動画を館内のモニターで上映し、また高精細画像は「e国宝」ウェブサイトを閲覧できるパソコンを設置していました。今回のリニューアルではより親しみやすく、楽しくご覧いただけるよう、専用のシステムを開発しました。





トーハクをまわそう

展示ケースの中にある文化財、その「底」はどうなっているんだろう?上面は?裏側は?
普段、動かすことの出来ない文化財を自由に動かしてみませんか?

トーハクをまわそう

「トーハクをまわそう」では、マウスやキーボードを使わず、空中で手を動かすことでスクリーンに投影された三次元データを回転させたり、拡大・縮小させたり、移動させたりしながら、作品を立体的に把握することができます。
またモノクロ表示に切り替えることでカラーではわかりづらかった表面の凹凸、例えば鑿の跡や刻まれた銘文を鮮明に見て取ることができます。あるいは、ドット表示にすることで反対側を透かして見える形にして、よりはっきりと立体構造を認識することができます。
このように、実物や写真だけでは見えてこない様相を観察できるのは、デジタルならではの面白さです。

トーハクをまわそう イメージ画像 トーハクをまわそう イメージ画像

トーハクでは以前より文化財の三次元計測に取り組んでまいりました。
立体的な形状の精密な計測によって得られたデータは、文化財の「現時点での状態」を記録するアーカイブとしても有意義ですし、さまざまな調査研究にも活用できます。
しかし、これまで来館者の皆さまに向けては映像にして流すだけで、「自由に」ご覧いただくということができていませんでした。以前、スマートフォンアプリの「e国宝」をリリースしたときにも、「今度は彫刻や立体物を3Dでぐりぐり動かしてみたい!」というお声がありました。
「トーハクをまわそう」では、今回マウスやキーボードでもなく、タッチパネルでもない、新しい入力デバイスとして「Leap Motion」というモーションセンサー(手などの動きを読み取るセンサー)を使っています。空中で手を動かしてデータを操作するというのは、新しい感覚です。慣れるまで少しかかるかもしれませんが、コツは少し体をセンサーから離すことと、ポイントするときは指を一本にすることです。操作をつかめてきたら、思う存分「ぐりぐり動かして」みて下さい。

トーハクをまわそう イメージ画像



トーハクで国宝をさぐろう
2010年3月からウェブ版、iPhone版、Android版とリリースしてまいりました、「e国宝」。
東京・京都・奈良・九州の4つの国立博物館所蔵の国宝・重要文化財の高精細画像を多言語の解説と共にご覧いただけるデジタルコンテンツです。
今回のリニューアルでは、そのe国宝を大きなタッチパネルで操作・閲覧できる新型を開発しました。

トーハクで国宝をさぐろう トーハクで国宝をさぐろう

まずはとにかく触ってみてください。
そこには一日あっても見切れないほどたくさんの作品が皆様を待っています。
作品全体にピントの合った高精細画像を拡大していただければその綺麗さに驚いていただけるはず。
細かすぎて展示ケース越しではよく見えなかった部分もはっきり、くっきりご覧いただけます。
検索機能もウェブ版・アプリ版のe国宝同様ご利用いただけますので、気になった時代や地域、分野などでどんどん検索をかけてください。

トーハクで国宝をさぐろう トーハクで国宝をさぐろう

スマートフォン版「e国宝」は、美術や歴史がお好きな方ならもはや定番アプリにもなっています(よね?)。今回の取り組みは、今までそのどちらもご存知ではなかった皆さまや、利用できるツールをお持ちでなかった皆さまにも気軽に触って知っていただけるよう、視覚的にも楽しい工夫を盛り込んでおります。壁面のスクリーンにも映し出されますので、お気に入りのあの作品のディティールを大画面で見ることもできます。
「機械とか難しそうで苦手なのよね」という方も、リラックスして触れてみていただければと思います。
 

カテゴリ:研究員のイチオシ展示環境・たてもの

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posted by 村田良二(情報管理室長)/和久井遥(情報管理室) at 2014年04月29日 (火)