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上野の江戸文化を味わう、特集「創建400年記念 寛永寺」(前編)

本館特別1室・特別2室では現在、特集「創建400年記念 寛永寺」を開催しています。
 
展示風景
展示風景
 
東京・上野の寛永寺は、天台宗の寺院です。寛永2年(1625)に、徳川幕府の安泰と万民の平安を祈願するため創建されました。当館が所在する上野公園一帯は、かつては寛永寺の敷地でした。
本特集では、寛永寺とその付属の寺院(子院)に伝わる絵画や工芸品、仏像彫刻、当館所蔵の寛永寺ゆかりの作品、構内から出土した考古遺物などを通して、寛永寺の歴史や当館との関係性をご紹介しています。
 
寛永寺 根本中堂
寛永寺 根本中堂
 
本特集は6章構成で、特別1室は第1~3章、特別2室は第4~6章をご覧いただけます。
今回の前編では、特別1室の展示を見てみましょう。
 
(注)会場は撮影不可となっております
 
第1章「江戸の護り 上野の山」

寛永寺の正式名称は「東叡山寛永寺(とうえいざんかんえいじ)」。「東の比叡山」の名のとおり、京の都の鬼門(北東)を封じる役割もある天台宗の総本山、比叡山延暦寺にならい、江戸城の鬼門に位置する江戸の護りとして上野の山に建てられました。
この章では、江戸時代の地図より、寛永寺が上野の山に建立された地理的な背景をご紹介します。
 
第1章展示風景
第1章展示風景
 
東叡山之図
東叡山之図(とうえいざんのず) 
江戸時代・17~18世紀 東京国立博物館蔵
 
上野台地の麓(ふもと)にある不忍池は、比叡山と琵琶湖の関係になぞらえられ、かつての寛永寺敷地内の建物も延暦寺内の配置にならって建てられていました。
 
第2章「江戸仏教の先導者 慈眼大師天海」
 
寛永寺を建立した慈眼大師天海(じげんだいしてんかい)は、徳川家康・秀忠・家光と、三代にわたる徳川将軍の帰依(きえ)を受け、幕府の宗教政策や朝廷との関係において影響力を持ち、信長焼き討ちで疲弊した比叡山延暦寺の復興にも尽力するなど、当時の仏教界において先導的な存在でした。
 
この章では、天海の肖像画や、彼が復興した法会に関する書、寛永寺内における天海に対する信仰を伺える仏画など、天海を理解する手がかりとなる作品をご紹介します。
 
第2章展示風景
第2章展示風景 
 
慈眼大師像(模本)
慈眼大師像(模本)(じげんだいしぞう もほん)
森田亀太郎模 大正~昭和時代・20世紀 東京国立博物館蔵 原本:江戸時代・17 世紀 埼玉・喜多院蔵
 
第3章「近世高僧伝絵の白眉 両大師縁起絵巻」
 
当館の東隣には寛永寺開山堂(両大師)があります。ここには、寛永寺を創建した慈眼大師天海と、比叡山延暦寺の中興の祖といわれる第18代天台座主(天台宗を統括する最高位の僧職)慈恵大師良源(じえだいしりょうげん)の2人がまつられています。良源は正月三日が命日であることから「元三大師(がんざんだいし)」とも呼ばれています。
 
この章では、住吉具慶(すみよしぐけい)がこの2人の生涯を描いた「元三大師縁起絵巻」と「慈眼大師縁起絵巻」を展示しています。具慶は後に徳川幕府の御用絵師となりますが、その背景にはこの絵巻の制作の功があったと考えられます。2つの絵巻はあわせて両大師縁起絵巻と呼ばれており、緻密な細部描写や活き活きとした人物描写、発色の良い質の高い絵具を用いた華やかな画面がみどころです。
 
また、元三大師縁起絵巻はもともと6巻一組で制作されましたが、現存しているのは3巻分だけです。しかし、当館では全巻分の稿本(下絵)を所蔵しており、今回の展示では、失われた巻を稿本によってご覧いただきます。寛永寺の作品と当館の稿本を一緒に展示するのは初めての機会になりますので、是非ご覧ください。
 
元三大師縁起絵巻 巻第二
 
元三大師縁起絵巻 巻第二
元三大師縁起絵巻 巻第二(がんざんだいしえんぎえまき) 
住吉具慶筆 江戸時代・延宝 7年(1679) 東京・寛永寺蔵
展示期間:8月3日(日)まで。巻第五は8月5日(火)~31日(日)で展示
 
元三大師縁起絵巻稿本のうち巻第四
元三大師縁起絵巻稿本のうち巻第四(がんざんだいしえんぎえまきこうほん)
住吉具慶筆 江戸時代・延宝7年(1679) 東京国立博物館蔵
展示期間:8月3日(日)まで。巻第六、巻第七は8月5日(火)~31日(日)で展示
 
慈眼大師縁起絵巻 巻一
 
慈眼大師縁起絵巻 巻一
慈眼大師縁起絵巻 巻第一(じげんだいしえんぎえまき) 
住吉具慶筆 江戸時代・延宝7年(1679)  東京・寛永寺蔵
展示期間:8月3日(日)まで。巻第二、巻第三は8月5日(火)~31日(日)で展示
 
特別2室の様子は、後編ブログでご紹介します。
 
本特集は8月31日(日)まで開催しています。その期間、当館から寛永寺に一番近い西門から退出していただけるようにもしていますので、展示をご覧になったあと、寛永寺まで足を延ばしていただく際に、是非ご利用ください。
 
同時期に特別展「江戸☆大奥」も平成館特別展示室で開催しています。この夏は、本特集とあわせて上野で江戸文化をお楽しみください。
 
 

公式図録販売中


本特集の公式図録をミュージアムショップで販売しています。作品のカラー図版やコラムのほか、江戸時代の寛永寺の地図上に現在の上野公園の主な施設を記載した「重ね地図」も掲載。上野ファン必携の一冊です。


特集「創建400年記念 寛永寺」

編集・発行:東京国立博物館
定価:1,210円(税込)
全36ページ(オールカラー)

ミュージアムショップのウェブサイトに移動する
特集「創建400年記念 寛永寺」公式図録表紙

 

 

カテゴリ:研究員のイチオシnews特集・特別公開絵画

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posted by 沖松健次郎(列品管理課長)、長谷川悠(出版企画室) at 2025年07月29日 (火)

 

天窓の大掃除

皆さんは「東京国立博物館」と聞いて、まず何を思い浮かべますか? 

本館の大階段をイメージされる方も多いのではないでしょうか。


本館大階段
 
テレビドラマやミュージックビデオなどでも使われており、東博のフォトスポットとしても人気の場所です。
大理石の手すりや、アール・デコ調の照明に目を奪われますが、目線を上に向けると...
 

本館大階段から天井を見上げた風景
 
吹き抜けの天井は格子状の格天井(ごうてんじょう)で、その一部がガラスの天窓になっています。
 

天窓から入る自然光
 
実は今年に入ってこの天窓の大掃除を行いました。
その作業の様子をご紹介します。
 
まずは、本館の屋根から天窓の外側に行きます。
 
天窓の近くで作業をしている様子
 
こちらは掃除前の天窓です。
砂やほこりが積もっています。
 
汚れている天窓
 
ガラスを一枚ずつ掃き、その後汚れをふき取ります。
 
天窓の砂などをほうきで掃く様子
 
天窓の汚れをふき取る様子
 
作業後のガラスがこちらです。
輝きを取り戻しました!
 

きれいになった天窓
 
本館エントランス全体が、心なしか明るくなったようです!
 

光が入る大階段
 
ご来館の際には、作品はもちろんぜひ天窓にもご注目ください。
(足元にはご注意くださいね)
 
できれば梅雨の晴れ間がおすすめです。
 
 

カテゴリ:news展示環境・たてもの

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posted by 宮尾美奈子(広報室) at 2025年06月13日 (金)

 

43年ぶりの再会「婦人相学十躰 ポッピンを吹く娘」

特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」は5月20日(火)より後期展示がはじまっています。

前期展示から大幅な展示替えを行ない、新たな装いで皆さまをお迎えしています。
 
さて、ここでは後期展示の目玉作品のひとつをご紹介します。
特別出品「婦人相学十躰 ポッピンを吹く娘」です。
 
「婦人相学十躰 ポッピンを吹く娘」 喜多川歌麿筆 寛政4~5年(1792~93)頃
 
美人画の名手、喜多川歌麿の代表作として、教科書や切手で目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
ポッピンというビードロ(ガラス)細工のおもちゃで遊ぶ若い町娘が、ふいに声をかけられたのか、勢いよく身体を振り向けた瞬間が描かれています。
版元・蔦屋重三郎のプロデュースにより寛政4~5年(1792~93)頃に制作され、歌麿が一躍人気絵師となるきっかけともなった重要な作品です。
 
実はこの作品、当初の展示予定には入っていませんでした。
現在の所蔵者のご厚意により情報提供いただき、急遽、後期展示から特別出品できる運びとなったのです。
 
展覧会を準備していると、思いがけないところから作品や資料の情報が寄せられ、研究が進むことがある…などと言われることがありますが、今回はまさにそれを体感した出来事でした。
 
では、この作品の注目ポイントを3つご紹介しましょう。
 
(1)タイトルに注目!世界的にも稀少な一枚
 
「あれ、この作品、前期にも展示されていたのでは?」とお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに前期にも「ポッピンを吹く娘」が展示されていましたが、それはこちらの作品です。
 
 
「婦女人相十品 ポッピンを吹く娘」 喜多川歌麿筆 寛政4~5年(1792~93)頃 東京国立博物館蔵
(注)現在は展示されておりません 
 
右上のタイトルにご注目いただくと、こちらには「婦女人相十品」とあります。
 
実は、このシリーズには不思議な出版の経緯があり、タイトルの意味からして本来は10人の女性の姿を描いた10図揃を目指していたと考えられています。
しかし、「婦人相学十躰」という名称で「浮気之相」「面白キ相」「団扇を持つ娘」「指折り数える女」「ポッピンを吹く娘」の5図が出版された段階で、何らかの事情により、シリーズ名が「婦女人相十品」へと変更されたとみなされています。
 
 
「婦人相学十躰 面白キ相」 喜多川歌麿筆 寛政4~5年(1792~93)頃 東京国立博物館蔵
 
そして、「婦女人相十品」として4図(「ポッピンを吹く娘」「文読む女」「煙草の煙を吹く女」「日傘をさす娘」)が刊行された時点で制作が中断されたようです。
 
つまり、「ポッピンを吹く娘」は、両方のシリーズ名で出版されたことが確認されている非常に珍しい作品なのです。
 
浮世絵は版画のため、制作当時には何百枚、何千枚と摺られたものもありますが、現代にまで残っているのはごく一部です。
なかでも、「婦人相学十躰」のタイトルをもつ「ポッピンを吹く娘」は、世界的にもきわめて稀で、今回出品されたものが確認されるまでは、ホノルル美術館が所蔵する1点のみが知られていました。
一方、「婦女人相十品」は、東京国立博物館やメトロポリタン美術館などに所蔵されていますが、それでも確認されているのは数点程度に過ぎません。
 
つまり本展は、前期で「婦女人相十品」、後期で「婦人相学十躰」の「ポッピンを吹く娘」がご覧いただける、またとない貴重な機会となりました。
 
(2)色彩の美しさに注目
 
浮世絵版画に使われている色材は光にとても弱く、現在に伝わる過程でどうしても退色は免れません。
しかし本作品は、当時の色彩がしっかりと残っている点が見どころです。
とくに、女性の着物や髷に使われている紫色などは非常に美しく、鮮やかに残っています。
おそらく代々、大切に保管され、日光などに当たらないよう丁寧に扱われてきたのでしょう。
200年以上前の制作当時、蔦重と歌麿が力を合わせて作り上げた当時の色彩を、今に伝えてくれる一枚です。
 
(3)約43年ぶりに確認された作品
 
作品の裏面にある印から、本作品がエルンスト・ル・ヴェールの旧蔵品であることがわかりました。
エルンスト・ル・ヴェールは、1895年にパリのセーヌ通りに画廊を開いた人物で、当時ヨーロッパで広がったジャポニスムの影響のもと、浮世絵を愛好していました。
明治時代には何度か日本を訪れたとされ、数百枚にのぼる浮世絵を収集したと伝えられています。
今回、本作が再び確認されたのは、1981年に展示されて以来、およそ43年ぶりのことです。
 
どうぞこの貴重な機会に、「ポッピンを吹く娘」の魅力をじっくりとお楽しみください。
特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」は2025年6月15日(日)まで開催しております。
 

カテゴリ:研究員のイチオシ絵画「蔦屋重三郎」

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posted by 村瀬 可奈(日本絵画) at 2025年05月29日 (木)

 

千住博先生と和紙をもんで作品を作ってみよう

東京国立博物館の魅力を幅広い世代の方に伝えていただく東博アンバサダーの皆さまに、当館のイベントやさまざまな事業に携わっていただいています。2025年5月17日(土)、東博アンバサダーのお一人である日本画家の千住博さんを講師にお迎えして、小学生向けのワークショップを開催しました。今回はその様子をお伝えします。
 
 
千住先生の説明を真剣に聞く参加者の皆さん 
 
日本画家。1958年生まれ。東京藝術大学卒業。同大学院修了。95年ヴェネチア・ビエンナーレ名誉賞。イサム・ノグチ賞、恩賜賞、日本芸術院賞受賞。メトロポリタン美術館、英国国立ヴィクトリア&アルバート博物館等に常設、高野山金剛峯寺等に収蔵。2022年日本藝術院会員。
 
  撮影:十文字美信
 
会場は、本館地下 みどりのライオン。ワークショップには、小学5~6年生の31名が参加しました。 
ワークショップの説明文には、このように書いてあります。
「和紙を手でもんで、もんだ和紙が何に見えるかイメージをふくらませます。もんだ和紙の上に動物や植物などの絵を貼り付けて、想像の世界を作ってみましょう。
(注)水彩絵の具、絵筆、パレットを持参してください。絵の具や接着剤を使用するため、汚れてもよい服でご参加ください。」
いま分かっている情報は、これだけ。これから千住先生と、一体どんなことをするのかと、皆さんドキドキしている様子でした。
 
 
会場には、ブルーシートの上に、このセットが準備されていました。
 
ワークショップで使うもの
 
右上から、木工用ボンド、油性マジック、はさみ、筆洗い用のコップ。
用紙は3種類あり、一番下から、厚紙、画用紙、そして本日の主役、和紙(45センチ平方の白麻紙)です。
 
いよいよ、ワークショップ開始!
はじめに、千住先生の自己紹介と、日本の無形文化遺産である和紙の特徴について説明がありました。
そしてさっそく、「さあ、和紙にさわってみよう!」と、先生から声かけ。
初めて和紙にさわる参加者もいるので、少し緊張気味に手に取ります。いつも使う紙とは、手触りや質感が違うようです。
 

和紙の特性について説明を熱心に聞いています。
 
「それでは、和紙をもんでみよう!ぐしゃぐしゃー!」
躊躇なく和紙をもみ始める千住先生!いきなりの展開に、「えっ、いいの…?!」と少し困惑している方もいれば、迷いなく思いきりもみ始める方もいて、初めての作業に会場は大盛り上がり。和紙をもんでは、少し開いて、またもんで。それぞれ作りたい作品のイメージをふくらませながら、思い思いにもみます。ここでのもみ方によって、和紙の表情が変わってきます。
 
 
これで何を作ろうかな…
 
もんだ和紙のかたまり。そのかたちやしわから想像をふくらませて、これをどのように使って、何を作るかを決めていきます。もちろん、上下左右、表裏のどちらの面を使うかなど、和紙の使い方は自由。少し手でちぎったり、はさみをつかって切ったり、何をしてもOK。
「やっていけないことは、何も無いんだよ。」
先生の言葉が、心に力強く響きます。
 
作品のテーマが決まったら、台紙となる厚紙に、もんだ和紙をボンドではりつけていきます。
 
 
 
ですが、テーマを決めるのはとても難しいことです。なにを作ればいいか迷って、手が止まってしまう…。
千住先生は、そんな一人ひとりに寄り添って、対話しながら、それぞれのテーマを引き出すお手伝いをしてくださいます。
 
 
千住先生は、参加者全員とじっくり向き合って、やさしく楽しく、丁寧に導いてくれます。
 
和紙を厚紙にはりつけたら、水彩絵の具で色をつけていきます。皆さん、いつも描いている画用紙とは違う、凹凸を感じる塗り心地を楽しんでいるようです。
 

 
絵の具の乗り方も、画用紙とは違う感覚。塗る方法も、人それぞれです。

 
「和紙をたくさん使っていいよ!」と先生からアドバイス。和紙は1枚だけではなく、複数枚使ってみると、作品の世界がまた広がっていきます。
 

たくさんの和紙を使うと、作品のイメージが一層ふくらみます。
 
余裕のある人は、作品のテーマに沿うモチーフを画用紙に描いて、ハサミで切り取り、それを和紙の画面に貼って、作品の世界をさらに深めていきます。
 
 
画用紙に描いたモチーフを切っているところ。
 
想像力をふくらませながら、いろいろな表現を試すうちに、あっという間に90分が過ぎてしまいました。ここで、お時間は終了。皆さん、とても集中して作品づくりに励みました。まだまだ描きたりない、作り足りない人と言う方が多かったので、
「お家に帰って、もし時間があったら、続きを作ろうよ。そしたら、作品がどんどん良くなってくるよ!」と先生から声かけ。
 

たくさんの色を使って、素敵な作品が出来上がりました!
 
最後に、千住先生から今日の感想とご挨拶がありました。
「最初に和紙をもんだ時には、みんなが同じようなしわになっていたよね。そのしわから、みんなそれぞれ違う世界がうまれたね。自分が今作ったものに誇りを持ってほしいと思います。でも、お友達の作品も見てごらん。ああ、こんなことを思いついたんだって思うでしょう。どれをとっても本当に素晴らしい。美術っていうのは、他の人と比べてどうということではなくて、みんなが全員違うっていうこと、多様性を感じることが出来るものだと思います。お互いに尊敬し合うことができるんじゃないかな。違うって、なんて素晴らしいんだろうって思いました。
1時間半、わき目もふらずに制作に集中している姿が、本当にアーティストの姿だったと思います。将来何になろうかなと思った時に、この時間、みんなと多様な世界を一緒に作った、こんな大切な仲間たちがいたということを思い出して、忘れないようにしてほしいと思います。僕は今日、ここに来られて本当によかった。皆さん、どうもありがとう!またどこかで会おうね!」
 
大きな拍手で、ワークショップ終了!
 
参加者の方からは、こんな感想をいただきました。
「初めて和紙を使いました。立体感が出るんですね。千住先生からは『考えることも大切。だけど、作るものをひとつ決めたほうが良いよね』というアドバイスをもらって、テーマを道に決めて、作品を作りました。」
「和紙をくしゃくしゃにして使うと、描き心地がいつもと違うと感じました。千住先生に『きれいな色だね』と言っていただけて嬉しかったです。」
「日本の伝統的な和紙を、身近に感じました。」
「和紙は、いつも使う紙と違って面白かったです。あじさいの花びらを作る時に、和紙のしわを使って表すことができました。」
「和紙は繊維がかたいんだなと感じました。千住先生から『いいね、豊かだね』と言っていただけました。」
「習字を習っているので、普段から半紙を使います。いつもは字を書くものなのに、それをもむという作業がとても楽しかったです。和紙にもこんな一面があるのだなと知ることが出来ました。」
 
このように、千住先生から一人ひとりに向けて細やかなご指導があり、参加者の皆さんも先生の本気に応えようとしている、その熱が見ている筆者にも伝わってくるほどでした。日本を代表する世界的アーティストである千住先生に全力でぶつかっていく、参加者の皆さんの真剣なまなざしが忘れられません。千住先生、そして参加者の皆さん、本当に有難うございました!
 

 

カテゴリ:news催し物

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posted by 東京国立博物館広報室 at 2025年05月27日 (火)

 

特別展「蔦屋重三郎」10万人達成!

平成館特別展示室で開催中の、特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」(6月15日(日)まで)は、来場者10万人を達成しました。

これを記念し、東京都からお越しの須貝さんご夫婦に、当館館長藤原誠より記念品と図録を贈呈いたしました。

 

記念品贈呈の様子。須貝さんご夫妻(左)と藤原館長(右)

 

お二人とも大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK)を毎週ご覧になっていて、上野公園のポスターを見て本展覧会を知り、ご来館いただいたとのことです。

また、特別展をきっかけに初めて東博にお越しくださったとのことで、あわせて東博コレクション展も楽しんでいただけたようです。

江戸の街の様相とともに、蔦重こと蔦屋重三郎の出版活動を約250作品を通して紹介する本展。今週からは後期展示もはじまりました。
後期展示では、蔦重がプロデュースした喜多川歌麿作品の中でも、大変貴重な初期のシリーズ作品「婦人相学十躰 ポッピンを吹く娘」が特別公開されています。
この機会をどうぞお見逃しなく!

 

カテゴリ:news絵画「蔦屋重三郎」

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posted by 田中 未来(広報室) at 2025年05月23日 (金)

 

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