特別展「鳥獣戯画ー京都 高山寺の至宝ー」(4月28日(火)~6月7日(日)、平成館)は、5月15日(金)に10万人目のお客様をお迎えしました。
ご来場いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。
10万人目のお客様は、東京都北区よりお越しの藤谷真利子さん。
福岡から上京されたお母様と一緒に、ご来館くださいました。
藤谷さんには、東京国立博物館長 銭谷眞美より、記念品として特別展図録と展覧会場限定オリジナルクッションなどを贈呈しました。
藤谷真利子さん(中央)と館長の銭谷眞美(右) 、左はお母様の三重子さん
東京国立博物館 展覧会会場前にて
平成館1階ラウンジの撮影スポットでも記念撮影
人気の作品「子犬」(レプリカ)と写真が撮れます
当館にはたびたびお越しくださっているという藤谷さん。
「有名な鳥獣戯画の絵巻が4巻とも見られるなかなか無い機会だから」と、お話くださいました。
特別展「鳥獣戯画ー京都 高山寺の至宝ー」もいよいよ中盤に差し掛かってきました。
5月19日(火)からの後期展示では、「鳥獣戯画」甲乙丙丁の4巻の後半部分が展示されます。
教科書などで誰もが見たことがある、兎と蛙が相撲を取るシーン(甲巻)など、後期も見どころが満載です!
まずは、5月17日(日)までの前期展示をどうぞお見逃しのないように、皆様のご来館をお待ちしています。
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posted by 宮尾美奈子(広報室) at 2015年05月15日 (金)
いよいよ開幕2ヵ月前を迎え、5月11日(月)、「クレオパトラとエジプトの王妃展」の前売券が発売されました。
当日一般1,600円のところ、前売一般1,400円とお得なチケットです。
さらに、グッズがセットになった前売券も発売中です。
グッズは2種類。
ひとつは「マリアージュ フレール」の紅茶がセットになった、グッズセット券A 3,000円(一般のみ)。
マリアージュ フレールといえば、紅茶の超有名店です。
今回、本展をイメージしたフレーバード ティー「CLEOPATRA & Queens of Egypt」を、特別に作っていただきました。
(左)上品なデザインの缶入りです
(右)トーハクくんも味見をしました。「とってもいい香りがするほー!」
飲んでみると、さっぱりとした渋みの少ない味でした。香りも上品でフレーバードティーが苦手な方にもオススメです。
もうひとつは、アクセサリーブランド「ABISTE(アビステ)」のジュエリーがセットになったグッズセット券B 5,000円(一般のみ)。
展覧会で展示される作品をモチーフにして、ジュエリーをデザインしていただきました。
(左)ABISTEらしい華やかなジュエリーです ※デザインは変更になる場合があります
(右)参考:ウジャト眼(「ウジャト眼の胸飾」ウィーン美術史美術館蔵)
(C)Kunsthistorisches Museum Vienna
トップにあしらわれているのは「ウジャト眼」。古代エジプトにおける幸福と繁栄の象徴です。
グッズはどちらも、会期中に特設ショップでお引き換えいただけます。
グッズセット券の販売は7月10日(金)まで。
展示作品とグッズ、ダブルで特別展をお楽しみください。
さらに、お得な前売りペアチケット、クレオパトラ券も好評発売中。
2枚1組1,800円での販売です。つまり、おひとり様900円。
え、900円・・・? そうです! 900=クレオで「クレオパトラ券」なんです!!
こちらのチケットでは、7月11日(土)~7月18日(土)の開幕直後の1週間限定で展覧会をご覧いただけます。
前売一般券が1,400円なので、おひとり様500円もお得です。
有効期間中に展覧会に来られなかった・・・という場合でも大丈夫。
差額の500円をお支払いいただければ利用できます。
クレオパトラ券の販売は5月31日(日)まで。お求めは、どうぞお早めに。
チケットが手元にあると、ますます開幕が待ち遠しくなりますね!
今回ご紹介した前売券は、展覧会公式サイトほか各種プレイガイドでお取り扱いをしております。
ぜひチェックしてみてください。
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posted by 高桑那々美(広報室) at 2015年05月15日 (金)
東洋館8室で開催中の「中国・南北朝時代の書」も、残すところ1ヶ月を切りました。実はこの企画、上野の山の麓にある台東区立書道博物館と、共通テーマで開催している連携展示です。今回は両館の展示の見どころにふれつつ、本展についてご紹介いたします。
東京国立博物館 東洋館8室
「中国・南北朝時代の書」 2015年4月14日(火)~2015年6月7日(日)
台東区立書道博物館
「不折が愛した中国・南北朝時代の書―439年から589年、王朝の興亡を越えて―」
2015年3月24日(火)~2015年7月20日(月・祝)
〈前期〉3月24日(火)~5月17日(日) 〈後期〉5月19日(火)~7月20日(月・祝)
(左) 東洋館8室。壁付ケースには、石碑などの全体像がわかる拓本が並びます。
(右) 台東区立書道博物館。拓本のほか、肉筆の資料も展示されています。
本展の舞台となるのは、今から1500年ほど前の中国です。当時は、異なる民族が南北に王朝を分かち、対峙していました。華北地方を北魏が統一した439年から、隋が再び南北統一を果たす589年までの南北朝時代。その間、華南には宋・斉・梁・陳の4王朝が、華北には北魏・東魏・西魏・北斉・北周の5 王朝が興亡します。南北両朝とも覇権争いが繰り返されるなか、実は南北の交流もあり、文化は着実に育まれていきました。
(左) 5世紀半ばの中国。赤色のところ、華南を宋が、華北を北魏が領有しています。
(右) 南北朝の変遷。華北では、北魏が東魏・西魏に分裂し、各々、北斉・北周に交替します。
漢民族による南朝の4王朝は、三国・呉、東晋に続き建康(江蘇省南京)を都としました。資源豊かな江南の地に支えられた経済力を背景に、魏晋より形成されてきた南朝の貴族文化は栄華を極めます。書もまた、東晋・二王(王羲之、王献之父子)により高められた技法が継承されました。宋・斉の頃には、軽妙さに秀でた王献之の書が好まれたのに対して、梁・陳では、荘重な趣の王羲之の書が典型とされるように変化していきます。彼らの書は、後世に制作された模本や法帖(木や石の版をつくり拓本をとった書の名品集)に手紙等が残され、その一端を知ることができます。当館では、南朝貴族による当時最先端の筆写体を窺います。南朝の書の作例には、このほか敦煌文献に代表される貴重な肉筆資料や、北朝に比べて僅少な刻石資料の拓本があります。書道博物館では、これら肉筆と拓本から、南朝において通行した筆写体と公用体の双方に迫ります。
(左) 草書栢酒帖 王慈筆 中国 原跡=斉時代・6世紀(停雲館法帖 文徴明編) 高島菊次郎氏寄贈 東京国立博物館蔵(東洋館8室で6月7日(日)まで展示)
(右) 草書道増帖 阮研筆 中国 原跡=梁時代・6世紀(欽定重刻淳化閣帖 乾隆帝編) 高島菊次郎氏寄贈 東京国立博物館蔵(東洋館8室で6月7日(日)まで展示)
(左・中) 重要文化財 摩訶般若波羅蜜経巻第十四残巻(部分) 中国 梁時代・天監11年(512) 台東区立書道博物館蔵(台東区立書道博物館で5月19日(火)~7月20日(月・祝)まで展示)
(右) 劉懐民墓誌銘(部分) 中国 劉宋・大明8年(464) 台東区立書道博物館蔵(台東区立書道博物館で7月20日(月・祝)まで展示)
拓跋氏(モンゴル系の鮮卑族の一部、拓抜とも)による北魏をはじめとして、北朝の5王朝はいずれも北方民族によって建てられました。493年頃に北魏の孝文帝が大同(山西省)から洛陽(河南省)へと遷都し、大胆な漢化政策を実施して以後、北朝は、民族固有の精神を基調としつつ、優れた漢文化を摂取し、新たな文化を形成していきます。書もまた、はじめは魏晋の旧体に北方民族の鋭い気性を盛り込んだ野趣あるものでしたが、洛陽遷都と、東魏・西魏から北斉・北周への王朝交替を画期として、南朝新様式の書との融合が一層進み、構築性に富む洗練された書へと変化していきます。これら北朝の書の作例には、石碑や摩崖、造像記、墓誌等の刻石資料の拓本や前述の肉筆資料があります。両館では同一の刻石資料14種(台東区立書道博物館では展示替えあり)の拓本について、当館は整本(刻石の全形を拓本にとり、その状態のまま装丁したもの)を、書道博物館は剪装本(鑑賞の便をはかり、拓本を切り貼りして装丁したもの)を展示しており、装丁等の違いによる味わいも比較していただけます。また、書道博物館では肉筆も合わせて展示され、北朝において通行した公用体と筆写体をじっくりと比較鑑賞していただけます。
(左) 暉福寺碑(整本) 中国 北魏・太和12年(488) 東京国立博物館蔵(東洋館8室で6月7日(日)まで展示)
(右) 暉福寺碑(剪装本、部分) 中国 北魏・太和12年(488) 台東区立書道博物館蔵(台東区立書道博物館で7月20日(月・祝)まで展示)
(左) 張猛龍碑(整本) 中国 北魏・正光3年(522) 東京国立博物館蔵(東洋館8室で6月7日(日)まで展示)
(右) 張猛龍碑(明拓、剪装本、部分) 中国 北魏・正光3年(522) 台東区立書道博物館蔵(台東区立書道博物館で5月19日(火)~7月20日(月・祝)まで展示)
最後に、とっておきの(!?)見どころを1つご紹介したいと思います。それは南北朝時代の書をこよなく愛した2人の書です。1人は、昨年に両館連携で没後130年展を開催した、清時代の文人・趙之謙(1829~1884)。そして、もう1人は書道博物館の創設者で、明治から昭和にかけて画家・書家・収蔵家など多方面で活躍した中村不折(1866~1943)です。両者は、中国と日本の各々において、碑学派(書の拠り所を金石に求めた一派)の隆盛に寄与しました。ともに南北朝時代の書を学び、独特の書風を形成しましたが、その趣は大きく異なります。それは、各々が好んだ書、例えば趙之謙の「鄭魏下碑」(北魏・永平4年(511))と中村不折の「中嶽嵩高霊廟碑」(北魏・太安2年(456))を見比べれば、きっと納得されるように思います。(ともに台東区立書道博物館で7月20日(月・祝)まで展示)
皆さまも上野の山とその麓で、2人のように自分好みの書を見つけてみてはいかがでしょうか。
(上) 楷書「小黄香簃」横披 趙之謙筆 中国 清時代・同治5年(1866) 青山杉雨氏寄贈 東京国立博物館蔵(東洋館8室「中国文人の書斎」で6月7日(日)まで展示)
(下) 『楷書千字文』(部分) 中村不折筆 日本 大正8年(1919)刊 台東区立書道博物館蔵(台東区立書道博物館で7月20日(月・祝)まで展示)
*東洋館8室では、本展に続いて、碑学派が活躍した「清時代の書」(2015年6月9日(火)~2015年8月2日(日))を開催します。こちらも是非、お見逃しなく。
*台東区立書道博物館では、本展関連事業として、ギャラリートークとワークショップ(2015年7月10日(金))を開催します。詳しくは書道博物館ホームページへ。
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posted by 六人部克典(登録室アソシエイトフェロー) at 2015年05月14日 (木)
おかげさまで、開幕以降、連日、盛況となっている特別展「鳥獣戯画-京都 高山寺の至宝―」ですが、
「鳥獣戯画」だけではない本展覧会の魅力を知っていただきたい!という研究員の熱い想いから、
今回、トーハク初の試みとして「リレートーク」を開催中です。
各回45分。前半15分で当館の土屋研究員が「鳥獣戯画」のお話を、後半30分でもう一人の講師がそのほかの見どころを語る構成となっています。
リレートークの様子。
「お疲れになった方は、前半の私の部分で寝て、残りは起きて聞いてくださいね」と、冒頭から冗談を交えて解説をする土屋研究員。
もちろん、易しい解説なので眠気の心配は無用です。
当日参加で、無料(ただし本展覧会の観覧券が必要。半券でも可)と、
お気軽にご参加いただける企画ながら、様々な講師から展覧会の魅力を聞くことができる充実の内容となっています。
なんだか難しそう、と思っていた作品も解説を聞くと少し身近に見えるはずです。
聞いてから見るのか、見てから聞くのか、悩みどころですが、当日の金曜日の夜間開館日。
20時までは開館していますので、聞いた後でじっくりと時間をかけてみることもできます。
全4回のうち、残すは5月15日(金)と5月22日(金)の2回です。
貴重な機会を是非お聞き逃しなく!
また、「体力万全!見て、聞いて、もう一度見る!」という方、是非、観覧までの待ち時間に鳥獣戯画展特別版の漢字パズルをご利用ください。
難易度は3段階!会場で配布しているほか、公式サイトでも公開しています。
もちろんどなたでもご利用可能です。
また、公式サイトでは会場配置図の付いた展覧会の出品目録も公開中。
お目当ての作品がどこにあるか、事前に確認しておくと観覧がスムーズになるかもしれません。
来週19日からはいよいよ後期展示も始まります。
前期限定公開となっている作品もありますので、展示替え情報にもご注目ください!
皆様のご来場をお待ちいたしております。
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posted by 田村淳朗(広報室) at 2015年05月13日 (水)
「インドの仏」の見どころ(2)~日本側からみたインドの仏の魅力~
ほほーい! ぼくトーハクくん!
今日は特別展「コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏 仏教美術の源流」を担当している研究員の三田さんと待ち合わせなんだほ。
今日はわたしも一緒です。どんなお話が聞けるのか、楽しみだわ。
今回はふたりで表慶館に行ってきました
こんにちは、トーハクくん。
(※写真はイメージです)
トーハクくん、ユリノキちゃん、はじめまして。
(※写真はイメージです)
あれ? 三田さんと・・・となりの人は、誰なんだほ???
こんにちは。奈良国立博物館で研究員をしている山口隆介です。
山口くんとは、大学のゼミが一緒だったんだよ。普段日本の仏像を研究してる山口くんの目に「インドの仏」はどう見えるのかな、と思って、登場してもらいました。
ふたりの話が聞けるなんてラッキーなんだほ! うれしさ2倍だほ!!
三田さん、山口さん、今日はよろしくお願いします。
法隆寺宝物館にもインド風の顔をした菩薩像があるけど、7世紀の日本にインド風の彫刻様式がどのようにして入ってきたのか最近興味があるんだよね。
重要文化財 観音菩薩立像
飛鳥時代・7世紀
東京国立博物館蔵
展示期間:~5月19日(火) 法隆寺宝物館第2室
日本における「インド風」というは、あくまで中国というフィルターを通して見たインドなのかな? 実際にインドの仏像を日本人が目にする機会はなかったんだろうか。うーん・・・。
さ、さっそく濃い内容ね。
展覧会のサブタイトルは「仏教美術の源流」なんだけど、日本側の目からインドの仏像を見ていくと面白そうだね。
わくわくするほ!
仏立像
サールナート出土 グプタ朝・5世紀
コルカタ・インド博物館蔵
会場に入って最初の仏像がこれだね。素晴らしい仏像だね~!
グプタ朝に造られた仏像だよ。
丸いお顔にピンポン玉を割ったような肉髻(にっけい)、たっぷりした唇なんか、奈良・法隆寺の金堂壁画の阿弥陀さまにも通じる造形だよね。
グプタ朝はインドの仏像彫刻が最も完成した時期で、後の時代にも大きな影響を与えているんでしょ?
確かに完璧な彫刻だね! しなやかな身のこなしなんかは、天平彫刻にも通じるなぁ。
それにしても、薄い衣を通して均整のとれた身体が感じられるっていう繊細な表現だけど、身体はわりと抽象的で、裸を感じさせながらも卑俗じゃないよね。何が人体と違うんだろう?
ぼくも考えてみたんだけど、結局、鎖骨とかお腹とか関節のくぼみがなくて、各パーツが丸く円満な形なんだよね。関節のくぼみとか、リアルな人体を感じさせちゃうでしょ? そういうところが違うんじゃないかな。
あー確かに! おヘソのヘコミは表現してるけど、実際の肉体に基づくのなら、先に乳首の部分が盛り上がらないのは変だね。
極限まで衣は薄く表現する一方で、身体に抽象性を持たせてる。それが卑俗な肉体を脱して理想的な仏の姿を完成させてるんじゃないかなぁ!!
山口さんの正体がわかったほ。山口さんは、仏像マニアなんだほ。
仏像に関しては、昔からマニアックだったもんなー。
やっぱり!
仏坐像
ロリアン・タンガイ出土 クシャーン朝・2世紀頃
コルカタ・インド博物館蔵
Photo(c)Indian Museum, Kolkata
この仏坐像は肉体の充実感が素晴らしい!!
山口くん、ますますのってきたね。
第2室では、仏像が誕生したガンダーラとマトゥラーの仏像を中心に据えて、いろいろな如来像を集めてるんだけど、この仏坐像はガンダーラ彫刻の中でも名品中の名品だよね。
ところでこのお像、上半身は正面からの視点で彫られているけど、脚の部分は斜め上から見たように造られてるのが面白いよね。
脚部だけ俯瞰表現というのは、東大寺大仏の蓮弁に表わされた如来像にもあるけど、どうしてこういう風につくるんだろう。
造られた当時は、どのくらいの高さに安置されていたんだろうね。
普通に脚を造ると下から見えなくなるから、このお像は視点を低く設定してるんじゃないのかな。
あと、横からみると平たい形をしてるから、材料の制約もあるんじゃないかな。
限られた奥ゆきのなかで、正面から見た時に最も立体的に感じられる工夫として脚を俯瞰で表わすんだろうね。
そうした表現法が絵画にも通じているのは、彫刻と絵画の関係を考える上でも面白いよね。
なるほどー!! 勉強になりますっ(汗)。
三田さんもたじたじね。
口をはさむ隙がまったくなかったほ。
次は2階の展示室の作品を見てみようか。
きれいな階段だねー。表慶館に来るのは特別展「スリランカ‐輝く島の美に出会う」以来かな?
表慶館のこの雰囲気は、今回の展覧会にぴったり、というお客様のお声も聞くわ。
表慶館は奈良国立博物館のなら仏像館と同じ片山東熊(かたやまとうくま)の設計で、当時皇太子でいらっしゃった大正天皇のご成婚を記念して計画された建物なんだよ。
階段の曲線とか、内装も美しいよね。
三田さんの表慶館愛もなかなかのものなんだほ。
2階の第3室には菩薩の像を集めてあるんだけど、なかでもイチ押しなのがこの菩薩頭部!!
菩薩頭部
ペシャワール周辺出土 クシャーン朝・2世紀頃
コルカタ・インド博物館蔵
Photo(c)Indian Museum, Kolkata
漆喰でつくられた作品で、うっとり微睡むようなお顔が美しすぎて感動しました!!
今度は三田さんが興奮しているわ。
三田くん、こういう作品好きだよね。イチ押しするのもよくわかる(笑)。
もとは斜め横を向いていたのかなー。正面からみるとお顔が左右で不均衡だけど、そこに特有の魅力があるよね。
なんだか奈良・興福寺の仏頭に通じる美しさを感じるなー。
髪の毛が「8」の字形に束ねられているのは弥勒菩薩とも共通するから、もとは如来像の脇侍として、向かって左側に立っていた可能性があると思うよ。
1階にあった仏三尊像も脇侍が弥勒と観音だしね。
仏三尊像
ロリアン・タンガイ出土 クシャーン朝・2世紀頃
コルカタ・インド博物館蔵
Photo(c)Indian Museum, Kolkata
髪の毛が生クリームみたいだほ。おいしそうだほ。
トーハクくん、わかってるねー。ほんと、やわらかな髪の表現だよね。
ガンダーラ美術っていうと石のイメージだけど、石とは違った、やわらかな質感がよく表れてるよね。
今は正面向きに展示してあるけど、いろいろ角度を変えながら見て、自分なりに美しいと思うアングルを発見するのも楽しいと思うよ。
本物を実際に見ることでしかわからないってことね。
日本でも法隆寺の塔本塑像とか、やわらかな表現の仏像があるよね。
そう思うと、グプタ朝の仏立像から見始めたけど、7世紀の日本とインドの仏像には造形の深いつながりを感じたなー。
何だか「仏」欲に火がついた! 今日はこのあと法隆寺宝物館に行って、片っ端から金銅仏を見るぞ!!
「インドの仏」を観た後に法隆寺宝物館に行く、この贅沢。
ふたつを見比べることで、より仏像への理解が深まると思うよ。日本における「インド風」も気にしながらね。
それはイイね! 宝物館は、5月20日(水)以降は、2016年3月14日(月)までメンテナンスのため休館しちゃうから、いまが見納めだよ。
それは行かなくちゃだほ!
特別展「インドの仏」もいよいよラストスパートね。
「インドの仏」と法隆寺宝物館、ふたつを見られる貴重な機会です。皆様、お見逃しなく。
三田さん、山口さん、今日はありがほーございました。
カテゴリ:研究員のイチオシ、2015年度の特別展
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posted by 三田覚之(教育普及室研究員) at 2015年05月11日 (月)