5月17日(日)、上野動物園、国立科学博物館、東京国立博物館を1つのテーマでめぐるイベントを開催しました。
今年のテーマは「ゾウ」。
小学校5年生~高校生を対象に、それぞれの専門家3人が力を合わせたツアー形式のセミナーです。
まずは上野動物園からスタート。
動物解説委員の小泉祐里さんと一緒に「生きたゾウの観察」です。
歩く姿や、食べる様子だけでなく、足の裏や口の動き、耳の様子もじっくりと観察します。
しなやかに動く鼻、ゆったりとした足の動き…ゾウの姿に見入りつつ、その動きの秘密を知るために、次は科学博物館へ。
動物研究部の川田伸一郎さんに「ゾウの骨格」をテーマにお話を伺いました。
陸上で最大の体をもつゾウは、もちろん骨格も巨大です。
大きな耳、長い鼻の役割や、巨大な体を支える足のつくりの秘密を、骨格や標本を実際に触りながら確認していきます。
ゾウの動きの特徴、骨格の秘密を教わったあとは、最後のトーハクへ。
親と子のギャラリー「美術のくにの象めぐり」展示室(5月17日(日)で展示終了)で、ゾウは人々によってどのように表現されてきたのかを、教育講座室の神辺知加さんが紹介しました。
仏さまを乗せたゾウや、力強さ大きさの象徴としてのゾウ、日用品のモチーフとしてのゾウなど、ゾウはさまざまな姿で登場します。
なかでもインドの細密画に表わされたゾウの歩く姿は、動物園で見たゾウにそっくり。インドの人々にとってゾウがいかに身近な動物であったかが分かります。
作品の説明だけでなく小泉さんと川田さんも交えて作品の中のゾウも観察し、作品の見方がまた広がりました。
開催10回目を迎える来年はどんな動物をテーマにするか、鋭意計画中です。
どうぞ、お楽しみに。
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posted by 長谷川暢子(教育講座室) at 2015年05月22日 (金)
文化財の収集は博物館の重要な使命のひとつです。
平成26年度、新しくトーハクに収蔵された作品を紹介する特集「平成26年度新収品」が5月19日(火)より本館特別2室にて始まりました。
※トーハクにおける作品収集の方法については、過去の記事「トーハクの作品収集」(2013年7月)をご参照ください。
今回は、日本をはじめ、中国、韓国、インドネシア、イラン、エジプトまでのアジアのさまざまな地域からの文化財40件を展示します。
そのなかから、ここでは4件を紹介いたします。
良忍上人によって始められた融通念仏の功徳を描く「融通念仏縁起絵」の断簡。本図は、融通念仏の教えが畜類にも広まったという場面です。同縁起絵の古様を示すものとして貴重です。
重要美術品 融通念仏縁起絵断簡 橋本辰二郎旧蔵 南北朝時代・14世紀
しだれ桜の下、豪華な装いの若い娘と侍女。生彩な目、精緻な髪の生え際、眉、着物の文様の入念な描写が秀逸なこの作品は、円山応挙門下の奇才、長澤芦雪が描いた希少な日本美人画です。
桜下美人図 長澤芦雪筆 江戸時代・18世紀
愛知県の関戸家に伝わった「古今和歌集」古写本の一部。染紙を色変わりで配し、珍しいカタカナを交えた平安時代の優美な書です。
古今和歌集巻第一断簡(関戸本) 伝藤原行成筆 平安時代・11世紀
こちらの作品については、月例講演会「書の楽しみ―特集「新収品」の関戸本古今和歌集を中心に」(5月23日(土) 13:30~より平成館大講堂)にてご紹介いたします。
ササン朝ペルシア帝国で盛行したガラス器です。東大寺正倉院宝物の白瑠璃碗のように、このような器はシルクロードを経て東西の遠隔地にも伝えられました。
円形切子碗 イラン ササン朝時代・6世紀 百瀬治氏・富美子氏寄贈
このほか、平安・鎌倉時代の銅鏡や中国の帯鉤など、一括でご寄贈いただいた作品もご覧いただけます。
会期は5月31日(日)までと短いので、ぜひお見逃しなく!
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posted by 奥田 緑(広報室) at 2015年05月19日 (火)
特別展「鳥獣戯画ー京都 高山寺の至宝ー」(4月28日(火)~6月7日(日)、平成館)は、5月15日(金)に10万人目のお客様をお迎えしました。
ご来場いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。
10万人目のお客様は、東京都北区よりお越しの藤谷真利子さん。
福岡から上京されたお母様と一緒に、ご来館くださいました。
藤谷さんには、東京国立博物館長 銭谷眞美より、記念品として特別展図録と展覧会場限定オリジナルクッションなどを贈呈しました。
藤谷真利子さん(中央)と館長の銭谷眞美(右) 、左はお母様の三重子さん
東京国立博物館 展覧会会場前にて
平成館1階ラウンジの撮影スポットでも記念撮影
人気の作品「子犬」(レプリカ)と写真が撮れます
当館にはたびたびお越しくださっているという藤谷さん。
「有名な鳥獣戯画の絵巻が4巻とも見られるなかなか無い機会だから」と、お話くださいました。
特別展「鳥獣戯画ー京都 高山寺の至宝ー」もいよいよ中盤に差し掛かってきました。
5月19日(火)からの後期展示では、「鳥獣戯画」甲乙丙丁の4巻の後半部分が展示されます。
教科書などで誰もが見たことがある、兎と蛙が相撲を取るシーン(甲巻)など、後期も見どころが満載です!
まずは、5月17日(日)までの前期展示をどうぞお見逃しのないように、皆様のご来館をお待ちしています。
カテゴリ:news、2015年度の特別展
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posted by 宮尾美奈子(広報室) at 2015年05月15日 (金)
おかげさまで、開幕以降、連日、盛況となっている特別展「鳥獣戯画-京都 高山寺の至宝―」ですが、
「鳥獣戯画」だけではない本展覧会の魅力を知っていただきたい!という研究員の熱い想いから、
今回、トーハク初の試みとして「リレートーク」を開催中です。
各回45分。前半15分で当館の土屋研究員が「鳥獣戯画」のお話を、後半30分でもう一人の講師がそのほかの見どころを語る構成となっています。
リレートークの様子。
「お疲れになった方は、前半の私の部分で寝て、残りは起きて聞いてくださいね」と、冒頭から冗談を交えて解説をする土屋研究員。
もちろん、易しい解説なので眠気の心配は無用です。
当日参加で、無料(ただし本展覧会の観覧券が必要。半券でも可)と、
お気軽にご参加いただける企画ながら、様々な講師から展覧会の魅力を聞くことができる充実の内容となっています。
なんだか難しそう、と思っていた作品も解説を聞くと少し身近に見えるはずです。
聞いてから見るのか、見てから聞くのか、悩みどころですが、当日の金曜日の夜間開館日。
20時までは開館していますので、聞いた後でじっくりと時間をかけてみることもできます。
全4回のうち、残すは5月15日(金)と5月22日(金)の2回です。
貴重な機会を是非お聞き逃しなく!
また、「体力万全!見て、聞いて、もう一度見る!」という方、是非、観覧までの待ち時間に鳥獣戯画展特別版の漢字パズルをご利用ください。
難易度は3段階!会場で配布しているほか、公式サイトでも公開しています。
もちろんどなたでもご利用可能です。
また、公式サイトでは会場配置図の付いた展覧会の出品目録も公開中。
お目当ての作品がどこにあるか、事前に確認しておくと観覧がスムーズになるかもしれません。
来週19日からはいよいよ後期展示も始まります。
前期限定公開となっている作品もありますので、展示替え情報にもご注目ください!
皆様のご来場をお待ちいたしております。
カテゴリ:news、2015年度の特別展
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posted by 田村淳朗(広報室) at 2015年05月13日 (水)
特別展「鳥獣戯画-京都 高山寺の至宝-」がいよいよ開幕!
一般公開に先立って、27日には報道内覧会・開会式が行われました。
修理後の「鳥獣戯画」が、東京では初披露となる本展覧会。
300人を超す報道関係者が集まり、その注目度の高さが伺えました。
同じく初公開となったリニューアル後の平成館企画展示室。
キャッチコピーである「鳥も 獣も 人間も ますますいきいき」どおり、
照明や展示ケースなどが改装された展示室内では、作品の魅力をよりいっそういきいきと感じとることができます。
報道内覧時に行われたギャラリートークでは、
国宝の「明恵上人坐像(樹上坐禅像)」や「華厳宗祖師絵伝 義湘絵」など、
「鳥獣戯画」だけではない本展覧会のもうひとつの魅力を
展覧会を担当した土屋研究員からご紹介しました。
「明恵上人坐像(樹上坐禅像)」には、明恵を樹上から見つめるリスが描かれています。
アナタは見つけられますか?
また、平成館前庭では、池を利用してパネルで再現された「鳥獣戯画 甲巻」の名場面がお客様をお迎えします。
通称「池ポチャ」。愛らしい姿に胸がキュンとします。
さらに、ラウンジ内には明恵が手元に置いて愛玩したとも言われる「子犬」のレプリカと記念撮影ができるコーナーも!
展覧会の記念に1枚!
さて、これだけ注目の展覧会ともなると、GW中も混雑は必至。
「行きたいけど、どのくらい待つのかしら?」と不安視される方も多いかもしれません。
来場前にどのくらい混んでいるか知りたい方は、ツイッターアカウント@chojugiga_uenoをチェック!
情報はリアルタイムで更新していますので、おでかけ前にご確認ください。
まだまだ見どころ満載!
「鳥獣戯画」だけを見に来ては非常にもったいない、そんな本展覧会をまるごと味わうポイントは、今後随時、1089ブログご紹介していきますのでどうぞお楽しみに!
カテゴリ:news、2015年度の特別展
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posted by 田村淳朗(広報室) at 2015年04月28日 (火)