特別展「古代ギリシャ-時空を超えた旅-」が本日、ついに開幕しました。
開幕に先立ち、前日に行った開会式と内覧会にも多くのお客様にご出席いただきました。
(左)開会式でのテープカット (右)開会式に登場したトーハクくん(エスカレーター付近にご注目)
この展覧会、ギリシャ国内の40ヶ所以上の国立博物館群から厳選された作品325件が集結、しかもそのうちの9割以上が日本初公開という、古代ギリシャの決定版ともいうべき、世紀の展覧会なんです!
注目作品ばかりの本展ですが、まずはポスターやチラシにも登場している「漁夫のフレスコ画」。こちらの作品はおよそ3600年前のものですが、この色彩の鮮やかさ!実はこの絵が描かれてからしばらく後、火山が大噴火し、灰に埋もれていたお陰でこのようにきれいな状態で残っていたという訳です。
漁師のフレスコ画 前17世紀 テラ先史博物館蔵 (C)The Hellenic Ministry of Culture and Sports- Archaeological Receipts Fund
また、古代ギリシャの彫刻と言えば大理石が真っ先に思い浮かびますが、実はブロンズ製の彫刻の方が多く作られていたそうです。しかしブロンズ像は後の時代に溶かしてコインや武器に再利用されることが多かったため、ほとんどが残っていません。こちらのヘレニズム時代の「君主頭部」は1997年に漁師たちが偶然に海中から発見したもの。
君主頭部 前3世紀 カリュムノス考古学博物館蔵
このように作品が現在まで伝わった歴史や経緯を知るとより深く感動を味わうことができます。
もちろんこの2件以外にもハインリッヒ・シュリーマンによって発見されたミュケナイの黄金製品、「アルカイック・スマイル」で知られる「コレー像」や「クーロス像」、アレクサンドロス大王の肖像のうち最もよく保存されているものの1つである「アレクサンドロス頭部」など、見所作品は目白押しです!
円形飾り板 前16世紀後半(後期ヘラディックⅠ期) アテネ国立考古学博物館蔵 (C)The Hellenic Ministry of Culture and Sports- Archaeological Receipts Fund
(左)コレー像 前530年頃 アテネ、アクロポリス博物館蔵
(右)クーロス像 前520年頃 アテネ国立考古学博物館蔵
アレクサンドロス頭部 前340年~前330年 アテネ、アクロポリス博物館蔵 (C)The Hellenic Ministry of Culture and Sports- Archaeological Receipts Fund
これだけの名品が揃う特別展「古代ギリシャ-時空を超えた旅-」、会期は6月21日(火)~9月19日(月・祝)です。今後、本展の見どころを、このブログでご紹介していきます。どうぞご期待ください!
カテゴリ:news、2016年度の特別展
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posted by 武田卓(広報室) at 2016年06月21日 (火)
ほほーい、ぼくトーハクくん!
6月5日(日)に、京都造形芸術大学で日本展示学会という学会の研究大会があったんだほ。それに参加しに2度目の出張に繰り出したんだほ。
展示学会入口にて
トーハクからは展示学会の理事でもある栗原総務部長と木下デザイン室長、和田環境保存室長が口頭発表をしたんだほ。
写真左:栗原総務部長(左)と木下デザイン室長(右)の口頭発表
写真右:和田環境保存室長の口頭発表
で、ぼくの出番も口頭発表…ではなく、表彰式!実は去年の10月にリニューアルした平成館考古展示室がこの学会の第5回学会賞(作品賞)というのを受賞したんだほ。考古展示室はぼくにとってもお馴染みの場所!このお部屋が受賞したとあっては行くしかない、と思って表彰式に押しかけたんだほ-。
リニューアルした平成館考古展示室の埴輪コーナー
表彰式には改修計画や展示室のデザインを監修したデザイン室の矢野主任研究員と一緒に登場したんだほ。
写真左:矢野主任研究員と一緒に受賞
写真右:受賞者の皆さんと記念撮影
2度目の出張も大成功!ということで、次はどこに行こうか早速検討するんだほ。
カテゴリ:news、トーハクくん&ユリノキちゃん
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posted by トーハクくん at 2016年06月06日 (月)
特別展「黄金のアフガニスタン-守りぬかれたシルクロードの秘宝-」(4月12日(火)~6月19日(日)、表慶館)は本日10万人目のお客様をお迎えしました。
ご来場いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。
10万人目のお客様は、神奈川県からお越しの石原草紀子(いしはら さきこ)さんと井戸陽子(いど ようこ)さんのお2人連れ。お2人は1ヶ月も前からこちらの展覧会に行こうとお約束されていたとのことでした。ありがたいことです。
お2人には10万人突破のお祝いに駆けつけた映画コメンテーターのLiLiCoさんと、東京国立博物館長 銭谷眞美より、特別展図録や純金箔入り羊羹などの記念品を贈呈しました。
石原さんは、「10万人目ということでびっくりしました。これだけの人が展覧会に興味を持っているということは、それだけ奇跡的な秘宝なのだなと感じました」と、井戸さんは「これから変わらぬ美しさの宝物を見るのが楽しみです。」とお話くださいました。
また、記念撮影には当館広報大使のトーハクくんも登場、LiLiCoさんとともにセレモニーに華を添えました。
「アフガニスタン展」10万人セレモニー
左から、トーハクくん、石原草紀子さん、井戸陽子さん、LiLiCoさん、館長の銭谷眞美
5月31日(火)東京国立博物館 表慶館前にて
本展は紀元前2100年頃から紀元後3世紀までに古代アフガニスタンで栄えた文化を、4つの遺跡から出土した名宝によって紹介しています。中でも、アフガニスタン北部のティリヤ・テペから出土したきらびやかな黄金製品の数々は日本初公開!
会期終了まで残り3週間を切りました。約250件の奇跡の秘宝が一堂に会する本展をどうぞお見逃しなく!
カテゴリ:news、2016年度の特別展
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posted by 武田卓(広報室) at 2016年05月31日 (火)
トーハクくんがゆく!「 トーハクのお客様にいっぱい会ったほ!」
ほほーい!ぼくトーハクくん!
5月18日は「国際博物館の日」、その日はトーハクの総合文化展がタダで見れたんだほ、トーハクは太っ腹だほー。
いっぱいお客さまがくると思って、ぼくとユリノキちゃんはみんなに会いにいったんだほ。
この前の黒田清輝展10万人セレモニーに出たり京都にトラりんに会いにいったりはしてたんだけど、トーハクのお客さまとはちゃんとご挨拶できてなかったんだほ。ユリノキちゃんと2人でお客さまに会うのも初めてだったんだほ。
その日は天気もとってもよくて気持ちよかったほ。たくさんのお客さまからも可愛いって言われたし、写真もいっぱい撮ってもらったんだほ。やっぱり直接お客さまと触れ合うのは楽しいほー。
実は「ゆるキャラ(R)グランプリ2016」にユリノキちゃんと一緒にエントリーしたんだほ。18日はけっこうチヤホヤされたしちょっと調子にのってきたほ、みんなも応援よろしくだほ!
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posted by トーハクくん at 2016年05月21日 (土)
国際博物館の日記念ツアー「上野の山でトラめぐり」が5月15日(日)に開催されました。
このツアーでは特定の動物をテーマにして、上野動物園・国立科学博物館・東京国立博物館を実際に「めぐり」ながら、新たな気付きを「発見」します。
2007年から行ってきたこのツアーも今年で10周年を迎えることができました。
記念すべき10回目のテーマは「トラ」!
小学校5年生~高校3年生を対象に、各施設の講師がトラの秘密を解説します。
まずは上野動物園からスタート。
動物解説員の小泉祐里さんと一緒に「生きたトラ」の観察を行いました。
なわばりをパトロールする姿や、普段は見ることができない食事の様子を目にすることができました。
トラの解説をする小泉さん
食事の様子を観察する参加者
上野動物園では生きたトラの観察を通して、食事の際は餌を丸呑みにしてしまうこと、普段は爪を隠していること、目や尻尾、縞模様の役割を発見しました。
トラのあの力強さはどこからくるのでしょうか?
新たな疑問を持ちながら、その秘密を知るために参加者一行は科学博物館に向かいます。
科学博物館では「トラの骨格」をテーマに、動物研究部の川田伸一郎さんにお話を伺いました。
骨格標本のほかにも剥製や毛皮標本もお持ちいただき、参加者は実際に触りながら最強のハンターであるトラの強さの秘密を発見していきます。
トラの強さの秘密を解説する川田さん
参加者全員で骨格標本を観察
トラの力強さの秘密を発見した参加者一行は最後にトーハクへ。
今度は作品に表現されたトラの秘密を発見します。
親と子のギャラリー「あつまれ!トラのなかまたち」(平成館企画展示室、5月22日(日)まで)の会場で、トラに纏わる作品を博物館教育課の小林牧課長が紹介しました。
参加者は絵画や工芸作品、染織や彫刻など、様々に表現されるトラを鑑賞し、トラをめぐる物語やリアルさを発見していきます。
作品の解説を行う小林課長
展示室での作品鑑賞後、参加者のみなさんに【かっこいいトラ】と思う作品、【リアルなトラ】と思う作品をそれぞれ選んでもらいました。
各作品に投票する参加者
その結果それぞれ以下の作品が選ばれました。
【かっこいいトラ】第1位!
陣羽織 白呉絽服連地虎模様 描絵 国重作 江戸時代・18世紀(アンリー夫人寄贈)
【リアルなトラ】第1位!
博物館写生図(虎皮)江戸~明治時代・19世紀
最後に、実は今回のトラめぐりを通して、図らずも3施設をつなげる物語を「発見」することができました。
物語の始まりは現在、トーハクで展示中のこの作品。
きわめてリアルに描かれています。
虎 岸竹堂筆 明治26年(1893)(シカゴ・コロンブス世界博覧会事務局寄贈)
この作品はイタリアから来日したチャリネサーカスのトラをモデルにして描かれたものです。
実は、チャリネサーカスが連れてきたトラは日本での興行中に3頭の子ども生みます。
そのうちの2頭は現在の上野動物園に引き取られ、日本ではじめて一般公開されました。
現在、科学博物館にはそのうちの1頭が剥製として収蔵されています。
3施設のスタッフを含め、参加者全員が身近に潜む発見に驚かされる物語でした。
10周年を迎える今年は様々なことを発見しました。
来年はどの動物をテーマに3施設をめぐるのか、鋭意計画中です。どうぞ、お楽しみに!
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posted by 臺浩亮(教育講座室) at 2016年05月18日 (水)