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特別企画「手わざ -琉球王国の文化-」開催中

1月15日(土)より平成館1階の企画展示室にて、特別企画 沖縄県立博物館・美術館 琉球王国文化遺産集積・再興事業 巡回展 「手わざ -琉球王国の文化-」が開幕しました。

展示室の様子

沖縄県立博物館・美術館が平成27年度より行ってきた、琉球王国文化遺産集積・再興事業では、明治以降の近代化や先の戦争で失われた琉球王国の文化財とその製作技術の復元に努めてきました。
本展は、この事業で製作した選りすぐりの模造復元品をご紹介します。

模造復元とは、手本となるオリジナルの作品(原資料)について調査・研究を重ね、製作当時の姿を忠実に復元し、新たに製作することを指します。製作には、可能な限り製作当時と同じ材料と技術を使用しています。

この事業で完成した作品は、絵画、木彫、石彫、漆芸、染織、陶芸、金工、三線に至る8分野と多岐にわたります。本展では、各分野の作品を展示しています。


四季翎毛花卉図巻(しきれいもうかきずかん)
令和元年度(原資料:康煕51年(1712)) 沖縄県立博物館・美術館蔵 通期展示
(注)会期中、巻替えあり


三御飾(美御前御揃)御酒器(金盃・銀製流台・托付銀鋺・八角銀鋺)(みつおかざり ぬーめーうすりー おんしゅき きんぱい ぎんせいながしだい たくつきぎんわん はっかくぎんわん) 
平成28~30年度(原資料:琉球王国時代(第二尚氏時代)) 
朱漆巴紋牡丹沈金透彫足付盆(しゅうるしともえもんぼたんちんきんすかしぼりあしつきぼん) 
令和2年度(原資料:16世紀) 
両作品ともに、沖縄県立博物館・美術館蔵 通期展示


玉陵勾欄羽目(たまうどぅんこうらんはめ) 
令和元年度(原資料:16世紀) 沖縄県立博物館・美術館蔵 展示期間:2022年1月15日(土)~2月6日(日)


蛇皮線(じゃびせん) 
令和2年度(原資料:19世紀後半) 沖縄県立博物館・美術館蔵 通期展示

一部の資料は原資料も展示しており、比較しながらご覧いただけます。


(右)模造復元 擬宝珠形丁子風炉(ぎぼしがたちょうじぶろ) 平成30年度
(左)原資料 擬宝珠形丁子風炉 琉球王国時代・19世紀
両作品ともに、沖縄県立博物館・美術館蔵 展示期間:1月15日(土)~2月20日(日)

製作工程をパネルにて詳しく解説しています。


黒漆雲龍螺鈿東道盆(くろうるしうんりゅうらでんとぅんだーぶん) 
令和2年度(原資料:19世紀) 沖縄県立博物館・美術館蔵 展示期間:2022年1月15日(土)~2月20日(日)

製作に使用する材料や道具などの資料もあわせて展示しています。


(右)御玉貫(うたまぬち) 平成30年度(原資料:16~19世紀) 沖縄県立博物館・美術館蔵 通期展示
(左)御玉貫の製作道具と材料 (公財) 美術院蔵 通期展示


白地流水菖蒲蝶燕文様紅型苧麻衣裳(しろじりゅうすいしょうぶちょうつばめもんようびんがたちょまいしょう) 令和元年度(原資料:18~19世紀) 沖縄県立博物館・美術館蔵 
展示期間:2022年1月15日(土)~2月20日(日)


(右)白地流水菖蒲蝶文様紅型型紙(しろじりゅうすいしょうぶちょうもんようびんがたかたがみ) 平成28年度(原資料:18~19世紀) 展示期間:2022年1月15日(土)~2月20日(日)
(左)紅型の製作道具と材料 通期展示
両作品ともに、沖縄県立博物館・美術館蔵



復元事業に携わった専門家、技術者は県内外100人以上にものぼります。 
琉球王国の文化を守り伝えてきた人々の努力に、思いを馳せてご覧ください。


今後も本ブログで展覧会についてご紹介していきます。
どうぞお楽しみに。

カテゴリ:「手わざ -琉球王国の文化-」

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posted by 長谷川悠(広報室) at 2022年01月24日 (月)

 

特別展「ポンペイ」開幕したほ(後編)



ほほーい、ぼくトーハクくん! 特別展「ポンペイ」の開幕ブログ後編だほ!

前編はこちらです。じゃあ、続きの第4章「ポンペイ繁栄の歴史」にいきましょう。まずはこちら、ファウヌスの家の3DCGの大画面がお迎えしてくれます。



どんな家なのか説明してほ。

ポンペイでも古くて最大規模の家なのよ。とても有名なモザイク装飾が残っていたの。

この映像のことほ?



そう「アレクサンドロス大王のモザイク」よ。実物は展示していないけど高精細映像で細部を見ることができるの。実際のファウヌスの家の部屋の一部を再現して、「アレクサンドロス大王のモザイク」と、その手前のモザイク画「ナイル川風景」をシートにして、床の本来あった位置に貼ってあるの。

ポンペイの繁栄を象徴しているような家の雰囲気がわかるほ。

この章では、この「ファウヌスの家」と「竪琴奏者の家」、「悲劇詩人の家」の出土品と家の一部の再現展示でポンペイ繁栄の歴史を紹介しています。

この像がもしかして名前の由来になったほ?


踊るファウヌス 前2世紀

そう、この像が「ファウヌスの家」から発見されたのよ。これはオリジナルの作品で、今回日本初公開なのよ。髭の乱れ具合とかポーズとか今にも踊りだしそうで躍動感がすごいね。ほかにもこの家由来の作品を紹介するよ。


ナイル川風景 前2世紀末

コブラの左にいるのはマングースらしいよ。昔からコブラの天敵だったのかな?


ネコとカモ 前1世紀

食糧庫に忍び込んだネコがいるね。

今見てもきれいで、描かれているものがよくわかって、とても埋まっていたなんて思えないほ。おっ、次の家が見えてきたほ。


「竪琴奏者の家」再現展示

ポンペイでもとても大きい「竪琴奏者の家」の再現展示ね。真ん中にブロンズのイノシシと犬がいるね。ヘビの像の内部には水道管があって、口から水を噴き出すようなつくりになっているのよ。ほかにもこんな動物もいるよ。


【右】ライオン 1世紀
【左】シカ 1世紀

ライオンが飾ってあるってことはすごい家だった気がするほ。次は三つ目の家だほ。


「悲劇詩人の家」再現展示
【右】プリセイスの引き渡し 50~79年
【左】ヘレネの略奪(あるいはクリュセイヌの帰還) 50~79年

「ファウヌスの家」や「竪琴奏者の家」よりもかなり小さいけど、数多くの神話画が飾られていたらしいわ。真ん中にプールみたいなものがあるけど、実際の家では上に天窓があって、落ちた雨水を貯めていたみたいよ。

いよいよ次で最後の章、第5章「発掘のいま、むかし」だほ。

ヴェスヴィオ山の噴火ではポンペイ以外にも、エルコラーノ、ソンマ・ヴェスヴィアーナが埋没したの。これらポンペイも含めて3遺跡の発掘の、18世紀から今までの歴史を振り返る章よ。

これはポンペイ以外から出土したほ?


へプロスを着た女性(通称「踊り子」) アウグストゥス時代(前27~後14年)

エルコラーノから出土したんだけど、エルコラーノはポンペイと違って硬い溶岩に覆われていたから、作品の保存状態も違うのかしらね。

これはどこから出土したほ?


ヒョウを抱くバックス(ディオニュソス) 前27~後14年頃 ノーラ歴史考古学博物館蔵

これは、ソンマ・ヴェスヴィアーナから出土したんだけど、472年の噴火で埋没したから、ポンペイとは埋没した時期が違うのよ。

ほー、すごい作品がたくさんあったほ。最後の部屋にも映像があるほ。

発掘の歴史や現在進行中の文化財の修復作業などを紹介しているね。そろそろ終わりにしましょうかトーハクくん。

ぼくのおすすめのお犬さんを紹介するの忘れていたほ。


猛犬注意 1世紀

今のお家にも「猛犬注意!」って看板が出ているお家もあると思うけど、それと同じ感じで出ていたらしいほ。でもこれは可愛いから、注意しないでお家に入っちゃうかもしれないほ。これをモチーフにしたオリジナルグッズも特別展ショップで販売しているからおすすめだほ!

※所蔵表記のない作品は、全てナポリ国立考古学博物館蔵。
※入館は事前予約(日時指定券)を推奨します。詳細は展覧会公式サイトをご覧ください。

カテゴリ:トーハクくん&ユリノキちゃん「ポンペイ」

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posted by トーハクくん&ユリノキちゃん at 2022年01月24日 (月)

 

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