毎年恒例のお正月企画「博物館に初もうで」は、干支にちなんだ動物と美術作品とのかかわりについてご紹介しています。
今年は虎です。(特集「博物館に初もうで 今年はトーハク150周年!めでタイガー!!」)どのように描かれているのか、さっそく展示作品からご紹介しましょう。
最初の展示室に入ると目に飛び込んでくるのが、「龍虎図屏風」です。
安土桃山~江戸時代に活躍した曽我直庵(16世紀後半~17世紀初頭)の作品です。屏風という大画面から飛び出んばかりの大迫力!虎は前脚に力を込めて屈み、龍が起こした嵐にジッと耐えている様子が描かれます。
龍虎図屏風(部分) 曽我直庵筆 安土桃山~江戸時代・17世紀
この仕草、どことなく猫を想起させます。目的を定めて今からジャンプ!そんな動きですね。生きた虎を目にする機会がなかった日本では、中国から伝わった虎の絵をもとに、猫のような虎が長らく描かれました。顔が小さく、首が長いですね。十二神将を描いた平安・鎌倉時代の密教図像や「鳥獣戯画」の虎も猫に似ています。ただ、『日本書紀』にはすでに虎皮の記述がありますので、どのような形か、模様がどのようなものであるかは、知られていたと思われます。
カテゴリ:博物館に初もうで
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posted by 古川攝一(平常展調整室) at 2022年01月12日 (水)