上野の山でクマめぐり
5月11日(日)、上野動物園、国立科学博物館、東京国立博物館を1つのテーマでめぐるイベントを開催しました。
今年のテーマは「クマ」。
小学5年生~高校生を対象に、それぞれの専門家3人が力を合わせたツアー形式のセミナーです。
上野動物園からスタート。
動物解説委員の小泉祐里さんと一緒に「生きたクマの観察」です。
上野動物園といえば、おなじみの「パンダ」。パンダもクマの仲間、クマ科の動物なのです。
座り方や、手を上手に使って食べている姿を観察します。
夢中で竹を食べてるパンダ、よく見ると頭がもりもり動いています。
これは頭の筋肉も使いながら食べている証拠。堅いものも食べられる強い筋肉が、パンダのかわいい丸顔を作っています。
ひとことで「クマ」といってもさまざま。それぞれにいろいろな特徴があります。
じっくりと観察したあとは、国立科学博物館へ。
動物研究部の川田伸一郎さんに「クマの骨格」をテーマにお話を伺いました。
動物園で見たクマの体のひみつについて、骨格を見ながら探っていきます。
もちろん実際に骨にも触ってみます。
骨格の特徴もさまざま、種類によってちがっています。
お昼ごはんのあとは、最後のトーハクへ。
教育講座室の神辺知加さんが、平成館企画展示室(「熊めぐり」 ~2014年6月1日(日))で「トーハクのクマたち」についてお話しました。
縄文人が土で作ったクマや牙のアクセサリー、江戸時代の浮世絵などから、クマの強さは人々にとって憧れの象徴だったことが分かります。
そして昔からとても身近な存在でした。
(左)重要美術品 縄文人が土で作った熊 青森県弘前市十腰内出土 縄文時代(後期)・前2000~前1000年
(右)鉞を担ぎ熊に乗る金太郎 鳥居清長筆 江戸時代・18世紀
冬眠から目覚めた熊の親子(雪中熊紅葉鹿図屏風のうち左隻) 山本桃谷(1833~90)筆 明治時代・19世紀
展示室内では、上野動物園と科学博物館からお借りしたクマの毛皮やツメ、冬眠の様子も。
冬眠中のクマの様子が見られます
作品の説明だけでなく小泉さんと川田さんも交えて作品の中のクマも観察し、作品の見方がまた広がりました。
来年のテーマは… どうぞ、お楽しみに。
関連展示
特集「熊めぐり」 平成館 企画展示室 2014年4月22日(火) ~ 2014年6月1日(日)
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posted by 長谷川暢子(教育講座室) at 2014年05月14日 (水)