板谷家豆発見
こんにちは、平常展調整室の瀬谷です。
今日は、特集陳列「板谷家の絵画とその下絵」(~2011年12月4日(日))をご紹介します。
10月25日(火)から始まっていますが、あっという間に3週間。
あともう3週間しかありませんが、まだ展示をご覧になっていない方に、
豆発見(?)を耳打ちいたしましょう。
会場は、本館2階の特別2室です。
エレベーターのすぐとなりですから、
1階インフォメーションや、地下のミュージアムショップからもアクセスしやすいのです。
会場を入ると、すぐ右手に展覧会概要のパネルがありますが、
その右下のテーブルには、パンフレットが置いてあります。
こちらのパンフレット、
会場内にはない解説なども盛り込んだ、豪華8ページオールカラー。
なんと無料です!
みなさん、ぜひお手にとってお持ち帰りください。
さて、
最初のケースには肖像画を展示しています。
右の3人の肖像画のうち、一番左の方の顔をみてみましょう。
(左)板谷広当像 住吉広尚筆 江戸時代・18世紀 清野長太郎氏寄贈、(右)(左)画像の拡大
板谷家初代、板谷広当(いたや・ひろまさ、1730~97)です。
大きく力強い目に、高い鼻、大きな耳。
当館所蔵の「住吉広守・住吉広行・板谷広当像」のうちのひとつです。
では、この左にある「板谷家伝来資料」の板谷広当像をクローズアップしてみましょう。
(左)板谷広当像 板谷家伝来 江戸時代・18~19世紀 板谷廣起氏寄贈、(右)(左)画像の拡大
やはり鋭い目に、高い鼻、大きな耳。
それと・・・?
左目の下にしみのようなものが・・・!?
どちらにもある!
着色像だけみていたときは、ただの汚れかと思っていましたが、
こうして比べてみますと、これは広当の顔にあったシミをわざわざ描きこんでいるのだとわかりました。
ひとつだけみていてもわからないことが、
いくつもの資料が出会うことによって、
新しい発見につながります。
先日、この「板谷家伝来資料」をご寄贈くださいました板谷廣起さん(8代目、1907-2008)の奥様がご来館されました。
いろいろお話をさせていただくなかで、こんなことをうかがいました。
「ほんとうに不思議なことですけれども、この顔は主人にそっくりなんです。
鼻が高くて、耳が大きくて。
目は、主人のほうがもう少し穏やかな目をしていましたけれども。
目の下にもシミがありました。
何代たっても、やはり血がつながっているというか。
この絵をみるとそのことを思い出します。」
200年の時を超えてつながる板谷家。
絵画と下絵とともに、ぜひこの機会にご覧ください。
カテゴリ:研究員のイチオシ
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posted by 瀬谷愛(平常展調整室) at 2011年11月16日 (水)