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140周年ありがとうブログ

魅力ある建物たちにありがとう

環境整備室の大江と申します。
私の主な仕事は、トーハクの建物の維持管理や改修工事の発注などを担当しております。

トーハクには昨年の4月に赴任してまいりましたが、それまでのトーハクのイメージは「埴輪とか仏像とか屏風などの文化財を展示している所」という程度で、関西在住だった建築担当の私にはあまり関心のない所でした。
ところが赴任してきて、驚きました!!

トーハクには、重要文化財が5棟、登録文化財が1棟、日本建築学会賞受賞が1棟、江戸時代以前の茶室が5棟もあるのです。
しかも、建物の中に入れば壮大な空間があり、そこには豪華な材料が使われ、華美な装飾がいたるところに施されていて、建築屋にとってもトーハクは魅力たっぷりな所であることをはじめて知りました。

上空から見た東京国立博物館
上空から見た東京国立博物館

細部も見どころが満載で、仕上げやおさまり、照明器具や金物などの目に触れるところだけでなく、屋根裏や地下ピットなどの隠れたところまで、建物のいたるところにこだわりがあり、建設当時の苦労や思いを見てとることができます。

トーハクに来られる多くの方は展示物の鑑賞が目的だと思いますが、少し立ち止まって建物に目を向けてください。
きっと素晴らしい発見があると思います。

表慶館の中央ドームの屋根裏
表慶館の中央ドームの屋根裏

カテゴリ:2012年8月

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posted by 大江信浩(環境整備室) at 2012年08月11日 (土)

 

三星堆の青銅器にありがとう

私はトーハクでおもに中国考古の展示を担当しています。
中国の考古学を研究したいと思うようになったのは、学部1年生の夏休みに中国の四川省博物館を訪ねたことがきっかけでした。
そこにはこれまで見たこともない青銅製の仮面が展示されていました。

突目仮面 殷時代・前13-前11世紀 高82.5 幅77.4cm
突目仮面 殷時代・前13~前11世紀 高82.5 幅77.4cm

飛び出した目、耳元まで裂けた大きな口、額から突出した扁平な形の飾り。
それは四川省にある三星堆(さんせいたい)遺跡から出土した突目仮面(とつもくかめん)という青銅器でした(※)。

中国の青銅器といえば壺などの容器しか見たことのなかった私にとって、突目仮面の奇抜な造形はあまりにも大きな衝撃でした。
同時に、中国とは思っていたよりはるかに多様な世界であるということを思い知りました。
もしもこの青銅器に出会わなければ、中国考古学に関心をもつことも、トーハクで中国考古の展示を担当することもきっとなかったことでしょう。
私を中国考古学の世界に導いてくれた突目仮面に感謝です。

そして、今秋トーハクでこの恩人(?)と18年ぶりに再会できることになりました。
日中国交正常化40周年・東京国立博物館140周年を記念して開催される特別展「中国 王朝の至宝」で展示されることが決まったのです。
会場を訪れるみなさまがそれぞれの「未知なる中国」に出会い、目からウロコを落としていただければ幸いです。

来年1月2日にリニューアルオープンする東洋館にもたくさんの中国の作品を展示しますので、こちらにも足を運んでいただければいっそうの幸いです。

特別展「中国 王朝の至宝」のポスターと筆者
特別展「中国 王朝の至宝」のポスターと筆者

※突目仮面は1994年8月当時、四川省博物館に展示されていましたが、現在は三星堆博物館の所蔵品となっています。

 

カテゴリ:2012年8月

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posted by 川村佳男(保存修復室) at 2012年08月07日 (火)

 

140年間支え続けてくれた全ての方へありがとう

企画・評価担当の石坪と申します。
昨年9月からトーハクに勤務し始め、もうすぐ1年が経とうとしています。

採用となる前にもトーハクには何度か訪れたことはあったのですが、いざ採用となった時は「まさか自分が見に来ていたところで働くことになるとは。」という驚きの気持ちでいっぱいだったことを、今も鮮明に覚えています。
そんなトーハクで働き始めて最も驚いたことは、多くの人が関わることによって博物館が運営されているということでした。
お客様はもちろんですが、収蔵品を管理、調査する研究・学芸系の職員や彼らをサポートする事務系の職員だけでなく、施設を管理、運営する職員をはじめ多くの方々の支えがあってはじめて博物館が成り立っているということを、働き始めてすぐに実感しました。

モナ・リザ展の様子
一人一人の支えがあって、今のトーハクがあります。
(写真は歴代最多の入場者数を記録したモナ・リザ展の様子)


多くの方々による140年間の支えがあって、今回トーハクはこのような節目を迎えられたのだと思います。
長年支え続けてくださった皆様がいなければ今のトーハクはなかったかもしれませんし、もしかしたら私もトーハクで働くことはできなかったのかもしれません。

今回このような記念すべき年を迎えるときにトーハクに関わることができたことには、何かの縁を感じています。
次の140年をトーハクが迎えたときに、私と同じようにトーハクで働きはじめた誰かから「支え続けてくれてありがとう。」と言ってもらえるよう、私もトーハクを支えていきたいと思います。

本館第18室で。
本館第18室で。
作品だけでなく天井の高さにも いつも圧倒されてしまいます。

 

カテゴリ:2012年8月

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posted by 石坪直紀(総務企画課) at 2012年08月03日 (金)

 

トーハクの庭園・茶室にありがとう

こんにちは、台東区シルバー人材センターから派遣されている國島です。
私は、10年ほど前からトーハクの庭園・茶室の管理をしております。

仕事の内容は、まさに百聞は一見に如かず。
当初は、都心とは思えぬ天を衝くような大樹、下を向けば枯枝、落ち葉が山積しており、茶室は雨戸など建付けが悪く倒壊しそうな状態でした。
 
庭園の大樹たち
庭園の大樹たち


お客様に少しでも気持ちよく過ごしていただけるよう日頃心掛け、建物屋内外の手入れを加えてきておりますが、なかなか解消には至りません。
借りる側と貸す側との立場の違いはこの世の付きものです。
作業道具を購入していただき前向きに仕事をさせていただいておりますが、ある日トーハクの庭園をテレビ放映で見た時、旅先で訪れたある庭園を思い出しました。
トーハクには山があり、鳥が残した置きみやげの龍の髭が芽生えております。
旅先の庭園をヒントに、それを集積して植替え、通路サイドに繁殖させる作業を5年の歳月を掛け完了させたところ、グリーンのラインが元気に芽生えてきました。
その後、テレビ撮影等の画像を見た時はとても庭園らしく、自分でも満足しております。

応挙館と九条館の間グリーンのライン
応挙館と九条館の間グリーンのライン


春秋の庭園開放では、雨になると足元が悪く危険な為、閉鎖せざる得ない状況でしたが、砂利バラス等を敷いて、春草廬、六窓庵の通路の改修を行い、多少の雨でも閉鎖しないで済むようになりました。

春は誰でもが心身ともに働きだし、桜の開花を望みます。庭園にはファンも多く、何度も来る方がいらっしゃいます。
燈籠が無いとか、あの桜が無いとか、茶室の部屋を見学できないのかと色々なお問い合わせをいただきますが、お客様の心が丸く納まるよう、丁寧に対応することを心掛けております。

桜の開花より早く紫ピンク色の諸葛草が春草廬、九条館の横に咲き乱れ、足を止めてカメラを向けて満足そうに記念撮影されている方が多く、皆様魅了されて帰られます。
諸葛草の種を毎年収穫して撒き散らし、ピンクの絨毯に仕立ててきました。
初めて見る方も多く、会話中にトーハクの花咲かじいさんですねと笑わせてくれます。

 
庭園に咲く諸葛草
庭園に咲く諸葛草


桜は何本か老木で伐採され、その後に次の世代へと変りの苗を植樹しました。
三春の紅しだれ2本、八重桃1本を地元で仕入れ、何年後か次の世代へとお客様に楽しんでいただければ幸いに思っています。
秋は春に比べると見物が少ないため、思案件です。

庭園はトーハクの中の軽井沢です。四季を通じていろいろな鳥が飛来してきます。
池の周囲の豊富な餌を食べ満足して里帰りする姿は、仕事の苦労に安らぎを与えてくれます。


私の好きな場所、転合庵本館裏からの眺めは絶景です。
私の好きな場所、転合庵本館裏からの眺めは絶景です。
 

ここで一句。

茶会かな、晴れ着が似合う転合庵

カテゴリ:2012年7月

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posted by 國島勇(庭園・茶室管理委託) at 2012年07月30日 (月)

 

特別展とユリノキに、ありがとう!

ホテルオークラエンタープライズの海老原と申します。
現在、東洋館別棟のレストラン「ゆりの木」に勤務しております。

私がトーハクのレストランに配属されたのは、2008年秋の特別展「大琳派展-継承と変奏-」が開催される頃でした。
当時勤務していたのは法隆寺宝物館内にある、レストラン「ガーデンテラス」でした。
博物館のレストラン勤務は初めての事でした。

前任者からは、特別展が始まると「たくさんのお客様がいらっしゃいますよ」と、おおよその人数は聞いていましたが、実際想像が付きませんでした。
いざ特別展が始まると、やはりたくさんのお客様にご来店いただきました。
そして全てが話題になった阿修羅展、このときはお客様、博物館の職員の方、レストランのスタッフ等、博物館に係わった全員で阿修羅展を盛り上げられたと思っています。
すべてのみなさま、ありがとう!

いくつかの特別展を経て、昨年春にレストラン「ゆりの木」勤務になりました。
レストラン「ゆりの木」は、昨年3月29日にオープンした新しいレストランです。

ここで少し、「ゆりの木」を説明させてください。
席数はテラス席を含め約140席(全席禁煙)、メニューは和・洋・中と取り揃えております。
お肉・刺身・天ぷらが入った「三食弁当」が、おすすめです。
写楽展から始まり、開催中の青山杉雨展に至るすべての特別展で、たくさんのお客様にご来店いただており、ありがとうございます。
時にはお叱りのお言葉、お褒めのお言葉をいただき、反省と喜びを感じながらスタッフ一同、ありがとうの気持ちを持って従事しております。


ご観覧のあとの休憩にもお立ち寄りください。

そして最後になりましたが、レストランの名前にさせていただいている、本館前にそびえ立つ博物館のシンボルツリー「ユリノキ」。
その圧倒的な存在感、そんなユリノキをレストランから眺めると、心を落ち着かせてくれます。
私達「ゆりの木」は、まだ生まれたばかりです。
ユリノキに少しでも近づけるよう、これからも宜しくお願いしますという気持ちも込めて、
ユリノキ、ありがとうございます。


この大きなユリノキにあやかって、がんばっていきたいと思います。

カテゴリ:2012年7月

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posted by 海老原健(ホテルオークラレストラン ゆりの木) at 2012年07月26日 (木)