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140周年ありがとうブログ

ボランティア卒業生からありがとう

3月31日で卒業する生涯学習ボランティアから、「ありがとう」のコメントが届きました。感謝の思いの一部をご紹介します。

「お客様にありがとう」
楽しいひと時を過ごしていただけるようご案内する私のほうが、多くの方からたくさんパワーをいただいた3年間でした。

「ありがとう!仲間たち」
新しい仲間と出会い、安心して活動に励むことができました。あっという間の3年、楽しく有意義な時を刻みました。

「敷地内の自然にもありがとう」
法隆寺宝物館の心地よいソファで、梅、桜、新緑、紅葉と季節の移ろいを感じられたのも、極上の時間でした。


法隆寺宝物館中2階から眺めた四季折々の樹木。ゆっくりと休憩時間を過ごせました。

「作品を守り伝えた人にありがとう」
震災後に見た展示品のあでやかな色や繊細な表現は、不安や悲しみを癒してくれ、美の力を改めて実感しました。

「警備さんたちにありがとう」
ケースの周りでぶつぶつとガイド練習する怪しい姿を、遠くから見守っていただきました。

「想い出をありがとう」
表慶館、みどりのライオン、ユリノキをみる度、亡き父に連れられた中学入学の頃を思い出します。そこで活動できたことを嬉しく思います。


想い出のトーハクで、ボランティア活動。

「先輩や家族にもありがとう」
日本美術を理解し楽しむことを教えてくれ、お茶のおいしさ、奥深さを教えてくれた先輩と仲間に感謝です。家族にもありがとう。

「活動経験にありがとう」
仕事の面接での質問は「博物館でどんな活動をしていますか」でした。そして採用になりました。

「作品とお客様にありがとう」
「須恵器脚付長頸瓶」に呼び止められた私は、ガイドでその魅力をお客様に伝え、笑顔で共感していただきました。今度は貴女に会いに博物館に行きます。


「たんけんマップ」グループの仲間たちと、新ボランティア歓迎会で寸劇をしました。

ほかにも「あ・り・が・と・う」を頭文字にしたものや、「東博ボランティア殺人事件」という短編まで届きました。


3年間お疲れ様でした。

本当にありがとう。



カテゴリ:2013年3月

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posted by 鈴木みどり(ボランティア室長) at 2013年03月13日 (水)

 

ウェディングドレスの花嫁さんにありがとう

総務課・お客様担当の内(うち)と申します。
職員となって8年目です。現在の主な業務はお客様サービスにかかわること、テレビドラマやファッション雑誌などの撮影、お茶室や会議室・講堂のお客様への利用案内やイベント・パーティーの誘致などとなります。
今回は、私が担当した撮影の中でも特に印象に残っている撮影について、「ありがとう」の気持ちを添えて皆様にご紹介させていただきます。

通常は撮影といいますとドラマや映画のロケやプロモーションビデオ、ファッション撮影が主でして、制作会社のADの方からのお問い合わせがほとんどとなります。
そのような中、昨年の4月に横山久美子様(当時は小川久美子様)という方からトーハクで撮影をされたい、というお問い合わせをいただきました。
お話を伺いますと横山様ご本人がご結婚されるということで、そのウェディングドレス姿の記念写真を撮影されたい、とのご要望でした。

個人の方からのご要望は初めてでしたので少し戸惑いながらも、数ある候補からトーハクを選んでいただけたこと、結婚という横山様の一生の想い出になることにご協力させていただけることをありがたく思い、閉館日の貸切撮影をお受けさせていただきました。

撮影は7月に実施し、当日は本館と黒田記念館、庭園で撮影しました。
ウェディングドレス姿の横山様はすごく素敵で、旦那様と幸せそうな笑顔が印象的でした。


横山様ご夫妻にとりましてトーハクは特別な想い出の場所となっていただけたこと、そのことにご協力させていただけたことをすごく嬉しく思います。
ご夫妻の節目の年や記念日などに、また足を運んでいただけたらと思っております。
銀婚式・金婚式の記念撮影もぜひ、トーハクでと願っています。


右から2人目が筆者

横山様の撮影を通じて、お客様1人1人にとっての特別な場所・想い出の場所になれるように努めることが、お客様サービスにとって大切なことなのだと改めて気付かせていただけたことに「ありがとう」と心より申し上げます。

 

カテゴリ:2013年3月

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posted by 内誠(総務課) at 2013年03月10日 (日)

 

画像情報の多さにありがとう!

写真資料整理室の奥村と申します。
私は職員の皆様が利用されている画像管理システムに画像を登録し、貸し出す作業を行っています。

トーハクの所蔵するフィルムをデジタル化してきた今までの作業の蓄積によって、多くの画像がデジタルでご利用できるようになっています。
保存方法は変化していますが、昔からのデータの積み重ねがトーハクの検索システムを支えています。


フィルム庫で保存されているフィルム。ほとんどがデジタル化されている。

私たちが眼にする美術品の画像ひとつをとってみても、画像から、形体、時代、状態など、多くの情報が読み取れることがわかるでしょう。
そういう意味で画像情報というのは作品のデータとして、大変重要な意味をもっていると思います。
撮影された画像は時に肉眼以上の力をもつことがあり、新たな発見もあるかもしれません。

私たちは記念撮影等、記憶にとどめたいものをカメラにおさめます。
物も人も時代とともに変化していきますから、写真という一瞬にとどめた情報は大変貴重な記録ではないでしょうか。


トーハクくん&ユリノキちゃんと。

画像の量の多さがトーハクのひとつの財産であると思いますが、保存されてきた画像に感謝したいと思います。
トーハクの所蔵する画像がこれからも皆さんの役に立つよう願っています。
 

カテゴリ:2013年3月

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posted by 奥村菜子(情報課・写真資料整理室) at 2013年03月07日 (木)

 

ミステリーにありがとう!

子供のころからミステリー好きで、小学校の図書室にあった江戸川乱歩、コナン・ドイル、モーリス・ルブランのたぐいは全部読みました。ポプラ社の子供向け乱歩シリーズの表紙の絵が不気味で、最初は大嫌いだったけれど、思い切って『怪人二十面相』を読んでから、すっかりミステリーにはまりました。
そして、まさにこの『怪人二十面相』のクライマックスの舞台として東京国立博物館(トーハク)を知ったのでした。

なので、大学生になってはじめてトーハクを訪れたときは、上野公園をぬけて正門をくぐり、館内にはいって展示室をめぐるにつれて、「ああ、ここで明智探偵が二十面相の変装を見やぶって、あそこで小林団長ひきいる少年探偵団が・・・」
などと少年時代の読書の記憶がよみがえりました。
そのときは二十面相が変装した人物には会えませんでしたが、やがてトーハクに勤めることとなり、はじめてお目にかかったときも、つい、そのエピソードを思い出しました。
ミステリーの世界のおきてとして、どのような人物かは秘密にしておきましょう。

ミステリー作家にもなりたかったですが、いろいろ別な興味もあり、けっきょく美術や工芸の歴史を研究する道にすすみ、
幸いにも博物館の研究員となることができました。
現在では文化財を守り伝え、歴史を解き明かす仕事をしています。
その興味のきっかけも、明智小五郎が『黄金仮面』において日本の国宝を守りぬき、アルセーヌ・ルパンが『奇岩城』や『カリオストロ伯爵夫人』において歴史の暗号に挑戦した物語のなかにあったように思われます。
とすれば、
ミステリーに「ありがとう!」と言わざるをえません。


ロンドンのベーカー街221Bにあるシャーロック・ホームズ博物館にて(右 筆者)。

カテゴリ:2013年3月

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posted by 猪熊兼樹(列品管理課) at 2013年03月04日 (月)

 

千年の重さと千年の夢

日本では千年の昔につくられたたくさんの品々が多くの人々の手によって大切に伝えられてきました。
その千年の重さが重なるなかで、創立140年となりました。
先輩職員の方々の積み重ねをひしひしと感じます。ほんとうに身の引き締まる思いです。

よく知られているように、日本で作られた品々は、そのまま放っておけば、何年か経つと、痛んでぼろぼろになってしまいます。
数百年前に描かれた絵が今も美しい色を発しているのは、これまで何世代もの人々が大切に扱ってきたからに他なりません。
そして、時代時代に品々を手に取った人々が、愛おしく扱ってきたからなのです。
千年の昔に作られたたくさんの品々が、今ここに存在することは正に奇跡的なことで、世界でも稀なことなのです。
しかし、今まで大切に伝えられてきた品々を私たちは、この日本という国が続く限り、さらに千年後も伝えていかなくてはなりません。


国宝 普賢菩薩像 平安時代・12世紀
800年前に描かれた仏画。人々が絵の前で深く祈り、大切に伝えてきたもの。


私が尊敬する竜崎麗香という人物に次のような言葉があります。

あたくしはここで得た全てをあなたに伝えたわ。
それをより高めて後輩に伝えなさい。それが伝統を受け継ぐ者のつとめよ。

この言葉を噛み締めながら、日本の悠久の歴史のなかでこの場所で働くことのできる僥倖に感謝し、
この職場に関わることのできるあと十数年の限られた時間のなかで、
私が消えてしまった後にも、この愛おしい品々を伝えていってくれるだろう人々に、
ほんの少しでも伝えられるものを遺すために、愛おしい品々のことをいつも考えていきたいと思います。


国宝 納涼図屏風(部分) 久隅守景筆 江戸時代・17世紀
今も400年前も変わらない家族像。
汚れや傷みがみえる画面は弱弱しいかも知れませんが、日本の人々はこの絵に変わらぬ憧憬を抱き続けるでしょう。

カテゴリ:2013年3月

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posted by 松嶋雅人(特別展室長) at 2013年03月01日 (金)