トーハク新収品紹介
昨年度、新たにトーハクの所蔵となった作品をお披露目する展示「平成25年度新収品」(2014年5月20日(火)~6月1日(日)、本館特別2室)が始まりました。
文化財を収集、保存、研究し、展示公開することは博物館の使命です。
当館においても、収蔵品の充実を図るため、毎年、良質な文化財の収集に努めています。
今回は、彫刻、絵画、工芸、染織、書跡、歴史資料など、幅広い分野から34件の作品を展示しています。
その中から、いくつかご紹介いたします。
如意輪観音菩薩坐像 鎌倉時代・13世紀
像高 52.2cmと小ぶりながら、キリっと引き締まった表情が印象的な如意輪観音菩薩です。
X線撮影したところ、頭部内に2体の小仏像が納入されていることがわかりました(写真右、枠内)。
花 黒田清輝筆 大正9年(1920)
黒田と直接交友のあった家に伝えられ、このたび寄贈されたものです。
花を好んで描いた黒田の1920年8月22日~25日の日記には、グラジオラスを描いたとの記述があります。
振袖 鶸色縮緬地桜藤菊尾長鳥模様 江戸時代・19世紀 阿部美代子氏寄贈
四季の草花を折り枝状に表わし散らした模様は公家女性が着用した江戸時代後期の様式です。
公家の女の子が着たのでしょうか。かわいらしい振袖です。
書状 なほなほ不取敢云々 会津八一筆 昭和時代・20世紀 堀江きょう子氏寄贈(きょう=冫+恭)
会津八一に師事し、東京帝室博物館・東京国立博物館で書跡部門に属した堀江知彦(1907-88)宛に、
第二次世界大戦後、八一の郷里、新潟から送られた書状です。
このほか、屏風や色鮮やかな具足、平安時代の希少な鏡像、近現代の書画などをご覧いただけます。
これらの作品は、今後、さまざまな展示室でお目にかかることができるでしょう。
短い展示期間ではありますが、この機会に、当館の文化財収集事業の一端をご理解いただければ幸いです。
カテゴリ:特集・特別公開
| 記事URL |
posted by 奥田 緑(広報室) at 2014年05月22日 (木)