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ザ・アール・サーニ・コレクションの名品を見るほ!(自然編)



東洋館3室で開催中の特別展「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」
本展は「人」、「神」、「自然」の3つの展示テーマで構成されています。
「人」編「神」編と紹介してきましたが、
今回は最後のテーマ「自然」の作品をトーハクくんとユリノキちゃんが紹介します。


最後のテーマ「自然」の作品を紹介するほ!
自然がテーマだから動物をモチーフとした作品がたくさんあるわ。

鹿がたくさんいるほ!

左から:
リュトン 銀 中央アジア 前7~前6世紀
碗 金 中央アジア 前2300~前1800年頃
碗 金、ラピスラズリ、カーネリアンほか メソポタミア 前3300~前3000年頃または前1200~前1000年頃
リュトン 銀鍍金、ガーネット 西アジア 前1~後1世紀
リュトン 銀鍍金 中央アジア 5~6世紀
杯 金 イラン北西部 前11~前10世紀頃
リュトン ガラス 西アジア 前5~前4世紀頃
リュトン 銀 西アジア 前2~前1世紀頃


リュトンはワインなどの飲み物を注ぐための容器なの。リュトンはギリシア語の動詞「流れる」(rhien)に由来するわ。このお碗も豪華な素材が使われていてとても綺麗ね。
お碗や杯には羊やヤギ、猫みたいな動物がいるほ!
動物を模した器は、エリート層の宴会で好まれて使われたのよ。



あっ、ユリちゃん、また鹿がいるほ。

リュトン 金、カーネリアン、石 アナトリア半島 前2千年紀前半

これもリュトンなの。口から出た管が内側にもつながっていて、それが底まで伸びているのよ。
ストローみたいだほ。
もしくは点滴のような機能をもっていたとも考えられるらしいわ。
それにしてもリュトンがたくさんだほ。「自然」ではなくて「リュトン」がテーマみたいだほ。
いいじゃない。ほらリュトン以外もあるわよ。

あっ、後ろに大きい鹿みたいな動物がいるほ!

アイベックス 青銅 アラビア半島南部 前1先年紀後半


鹿じゃないの、ヤギ科の動物アイベックスの銅像よ。大きさにびっくりるすけど、保存状態もとてもよいものなのよ。
なるほどほー。動物じゃない作品はないのかほ?
ほら、あの作品はどうかな?

お酒を飲んでいる人?

サテュロス像 銀、金 アナトリア半島または中央アジア 前2世紀頃
人じゃないわ。ワインを飲んでいる精霊サテュロス像よ。
なんで「自然」のテーマに展示しているほ?「神」のテーマで展示したほうがいいほ!
右手に持っているものをよく見て。ほら、リュトンよ。
また、リュトンだほ。
いいじゃない。ほら、あの作品を見てみましょうよ。

小さい動物がたくさんいるほ!

水差し 銀 西アジア 前7~前6世紀頃

そうね。それぞれの塔にアイベックスが立っていて、その塔の柱をライオンが支えているわ。
百獣の王のライオンが支える側になるなんて、とても面白い発想だほ!

この水差しも動物がたくさんいるわ。

水差し 銀、金 西アジア 前7~前6世紀頃

なんだかこれは船みたいに見えるほ。

こっちを見て、アクセサリーがあるわよ。

腕輪 金、瑪瑙 アナトリア半島 前5世紀

僕でもわかるほ、これは腕輪だほ。これは何の動物がいるんだほ?
ヤギだわ。2頭のヤギが頭突きをしようとしているように見えるわね。

ネコさんがいるほ!

ネコ 青銅、金 エジプト 前6~前5世紀頃

ネコの青銅像は古代エジプトの小規模な彫像の中で、最もよく見られたもの1つなのよ。
なんだか実際のネコよりもネコらしさを感じるほ、とても可愛いほ。

「自然」編の作品紹介はこれでおしまいよ。どうだったトーハクくん?
ぼくは、途中から「人」を見ているのか、「神」を見ているのか、「自然」を見ているのかわからなくなりそうだったほ。
どれも密接に関係しているから、見る人それぞれの解釈次第かもしれないわね。
なるほどだほ。それじゃー締めの挨拶するほ!

ぜひ、世界各地の様々な古代の豪華な工芸品を自由にご覧いただき楽しんでくださいほ!ね!

※作品は全て、ザ・アール・サーニ・コレクション所蔵
会期は2020年2月9日(日)まで

 

特別展「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」

東洋館 3室
2019年11月6日(水) ~ 2020年2月9日(日)

カテゴリ:トーハクくん&ユリノキちゃん2019年度の特別展

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posted by トーハクくん&ユリノキちゃん at 2020年01月10日 (金)