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特別展「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」

  • 『王像頭部 赤碧玉 エジプト 前1473~前1292年頃』の画像

    王像頭部 赤碧玉 エジプト 前1473~前1292年頃

    東洋館 3室
    2019年11月6日(水) ~ 2020年2月9日(日)

    古代の人々は、自分たち自身をどのように表現したのでしょうか。神々や死後の世界、自然界をどのように認識したのでしょうか。古代の美術工芸品には、当時の人々の意識や世界観が投影されています。
    本展覧会は、カタール国の王族であるシェイク・ハマド・ビン・アブドラ・アール・サーニ殿下が収集されたザ・アール・サーニ・コレクションの中から、世界各地の古代文化が生み出した工芸品117件を厳選してご紹介します。「人」「神」「自然」の3つの展示テーマに沿って古代世界を巡ってみましょう。

東京国立博物館資料館 特別展「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」関連図書コーナー設置

1089ブログ「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」展覧会の見どころなどを紹介しています。

展覧会のみどころ

ザ・アールサーニコレクションとは…
カタール王族のシェイク・ハマド・ビン・アブドラ・アール・サーニ殿下が収集されたザ・アール・サーニ・コレクションは、その豪華さと多様な地理的・文化的背景を特色としています。古代から近現代までを網羅する傑出した美術品の数々は、人類の創造性のひとつの到達点を示しています。2020年には、パリのコンコルド広場に面したオテル・ドゥ・ラ・マリーンに特設されるミュージアム・スペースでも公開を予定しております。

 

 第 1 章 : 人

1章では主に、各地の古代社会を統治していた王や有力者にまつわる工芸品をとりあげます。理想的な姿で表現された王像、煌びやかな装身具、葬送のために特別に作られた品々など、いずれも、貴重な素材を高い技術で加工したものです。
展示作品を比べてみると、それぞれの文化によって、嗜好やデザインが異なっていることが分かります。一方、古代の階層社会において支配者層は自らの権威を積極的に示す必要があったこと、古代のあらゆる社会が特有の死生観のもと、死者や来世との関わりをもっていたことなど、各地の古代文化に共通するふるまいも見えてきます。

理想化されたファラオの姿 理想化されたファラオの姿

王像頭部
赤碧玉 エジプト 前1473~前1292年頃
ザ・アール・サーニ・コレクション蔵

 

高貴な女性の立ち姿 高貴な女性の立ち姿

人物像「バクトリアの王女」
エレクトラム、石、貝 中央アジア 前2300~前1800年頃
ザ・アール・サーニ・コレクション蔵

冥界の太陽を表すギザギザ眉毛 冥界の太陽を表すギザギザ眉毛

仮面
翡翠、貝 グアテマラ 3~6 世紀
ザ・アール・サーニ・コレクション蔵

 

抱き合うふたり 抱き合うふたり

飾り板
金、カーネリアン、瑪瑙 中央アジア 前2千年紀中頃
ザ・アール・サーニ・コレクション蔵

王室工房が誇る金細工 王室工房が誇る金細工

ブレスレット
金、赤碧玉、ガラスほか エジプト 前1044~前994年
ザ・アール・サーニ・コレクション蔵

 

 

 第 2 章 : 神

人々は、神々を喜ばせるために儀式を執り行い、祈りを捧げてきました。2章では、各地の古代文化が生み出した神像や精霊像、聖なる儀式に関連する作品を紹介します。
古代の人々にとって、安定した社会を営むことは簡単ではありませんでした。ちょっとした天候不順が深刻な飢饉をもたらし、対立する都市や異民族との戦争が頻発する―このような世界で暮らした人々にとって、自然界や人間社会を超越した存在である神々の恩寵を得ることは極めて重要だったはずです。このことが、2章の展示作品が製作された背景です。古代世界には多様な宗教と信仰が存在しましたが、どの社会の人々も、神々との関係を問いながら、自分たちの生存と社会の安定に力を尽くしていたのです。

巨石からこんにちは 巨石からこんにちは

浮彫
アラバスタ―、金、貴石、青銅ほか アラビア半島南部 100年頃
ザ・アール・サーニ・コレクション蔵

 

星を見つめる女神? 星を見つめる女神?

女性像「スターゲイザー」
大理石ほか アナトリア半島西部 前3300~前2500年頃
ザ・アール・サーニ・コレクション蔵

英雄神ヘラクレスとキューピッドたち 英雄神ヘラクレスとキューピッドたち


瑪瑙 地中海地域 150年頃
ザ・アール・サーニ・コレクション蔵

 

遺灰を入れた? 遺灰を入れた?

人形容器
金 コロンビア 5~6 世紀
ザ・アール・サーニ・コレクション蔵

宗教儀礼にのぞむミュージシャン 宗教儀礼にのぞむミュージシャン

タンバリン奏者像
アラバスタ―、カーネリアン、凍石 メソポタミア 前2500年頃
ザ・アール・サーニ・コレクション蔵

 

 

 第 3 章 : 自然

人々は自然界をどのように認識してきたのでしょうか。3章ではこのテーマに着目し、主に動物の形を模した工芸品を展示します。どの古代社会の人々も、動物を模した器や装身具を用いることで、自然界や神々の力にあやかっていました。例えば、ヤギなどの大きな角をもつ野生動物は、自然界の力強さを象徴したとされます。神々と関連づけられた聖動物の小像は、神聖な力が宿っていると信じられました。
展示作品を比べてみると、作品ごとに、動物の様々な佇まい、表情が切りとられています。多様な作品は、各地に異なる自然環境が存在していたこと、人々の興味の対象が文化によって異なっていたことを物語っています。

自然界の力強さを体現 自然界の力強さを体現

アイベックス
青銅 アラビア半島南部 前1千年紀後半
ザ・アール・サーニ・コレクション蔵

 

戦場で威嚇! 戦場で威嚇!

鼻飾り
金、ラピスラズリまたはソーダ石ほか ペルー 2~4世紀
ザ・アール・サーニ・コレクション蔵

液体が口から出るユニークな器 液体が口から出るユニークな器

リュトン
金、カーネリアン、石 アナトリア半島 前2千年紀前半
ザ・アール・サーニ・コレクション蔵

 

一味違ったゆるい熊 一味違ったゆるい熊

クマ
金銅 中国 前206~後25年
ザ・アール・サーニ・コレクション蔵

セレブが好んだサルのモティーフ セレブが好んだサルのモティーフ

化粧用壺
水晶 エジプト 前15~前13世紀頃
ザ・アール・サーニ・コレクション蔵

 

画像提供 : ザ・アール・サーニ・コレクション

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開催概要

会  期 2019年11月6日(水)~2020年2月9日(日)
会  場 東京国立博物館 東洋館3室(上野公園)
開館時間 9:30~17:00
(入館は閉館の30分前まで、会期中の金曜・土曜は21:00まで開館)
休館日 月曜日、12月26日(木)~2020年1月1日(水・祝)、1月14日(火)
(ただし、2020年1月13日(月・祝)は開館)
観覧料金

一般620円(520円)、大学生410円(310円)

※総合文化展観覧料および開催中の特別展観覧券「正倉院の世界」(2019年10月14日(月・祝)~11月24日(日))、特別展「出雲と大和」(2020年1月15日(水)~3月8日(日))でご覧いただけます。(観覧当日に限る)

( )内は20名以上の団体料金

子ども(高校生以下および満18歳未満)と一緒に来館した方(子ども1名につき同伴者2名まで)は、団体料金で総合文化展を観覧できます。

障がい者とその介護者一名は無料です。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。

高校生以下および満18歳未満,満70歳以上の方は無料です。入館の際に年齢のわかるもの(生徒手帳,健康保険証,運転免許証など)をご提示ください。

特別展「正倉院の世界」(2019年10月14日(月・祝)~11月24日(日))、特別展「出雲と大和」(2020年1月15日(水)~3月8日(日))は別途観覧料が必要。

交  通 JR上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分
主  催 東京国立博物館、ザ・アール・サーニ・コレクション財団、NHK
カタログ 展覧会カタログ(2,500円)はミュージアムショップにて販売しています。
お問合せ 03-5777-8600(ハローダイヤル)