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ザ・アール・サーニ・コレクションの名品を見るほ!(神編)



東洋館3室で開催中の特別展「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」
本展は「人」、「神」、「自然」の3つの展示テーマで構成されています。
前回のブログでは「人」のテーマの作品を紹介しました。
今回は「神」のテーマの作品をトーハクくんとユリノキちゃんが紹介します。

皆様おまちかね「神」のテーマの作品を紹介するほ!
トーハクくんはどれを見るのが楽しみだった?
これだほ、入り口の看板にも使われているこの作品!

女性像「スターゲイザー」 大理石ほか アナトリア半島西部 前3300~前2500年頃

とても上品な小像だね。小さいけど存在感がすごいわ。
見上げているけど、何か見ているんだほ?
空を見上げるような姿から現代では「スターゲイザー(星を見る人)」の愛称が使われているのよ。
ほー。宇宙人みたいにも見えるほ。いったい何を表しているほ?
実は、人間を表現したのか、神を表現したのか、あるいは両者をあわせた何かを表現したのか、よくわかっていないの。
何を表現したのかわからないところも魅力の一つかもしれないほ、もしかしたら神様かもしれないほ。

続いてこちらの瓶よ。

瓶 瑪瑙 地中海地域 150年頃

ほー、なんだか硬そうな瓶だほ。
そうよ、硬いわ。古代ギリシアや古代ローマでは、浮彫の像が彫られた硬質石材製の容器は、最も貴重な製品の一つだったわ。
あっ、瓶の外側に人がいるほ!
これは英雄ヘラクレスが若いサテュロスに1杯のワインを勧められている様子なの。英雄ってなんだか神様に近い存在に感じるわね。

あっ、髭のおじさんがいるほ!

精霊像 銅合金、骨 ザクロス山脈または中央アジア 前3千年紀


よくみて!角もあるわ。呪術的な修行の準備として動物の一部を纏った人間、呪術師を表したのかもしれないらしいわよ。
呪術の修行?神様を呼ぼうとしたほ?
わからないわ。あるいは、呪術を修行することで神様に近づこうとしたのかもしれないわ。色々想像できるわね。

銀の容器があるほ!

容器 銀 アラビア半島南部 2~3世紀

この容器は、古代ギリシア・ローマでとても人気があった、オリンポスを責め立てた巨人族と神々との戦いの様子が装飾されているの。
銀自体もきれいだけど、装飾も豪華でとてもきれいな容器だほ。今度は小さくてかわいらしい像があるほ。

左:人形容器 金 コロンビア 5~6世紀
右:石斧 翡翠 メキシコ 前9~前5世紀


左の人はなんだほ?スクワットでもしているほ?
よく見てごらん、椅子の上に座っているのよ。
そうだっだほか。よく見ると穏やかな表情だほ。お祈りしているみたいだほ。
この作品と似ているものはほかにもあるの。その一部には、人間の遺灰が入っていたらしいわ。
なんで入れていたほ?
死者の力と権威を伝えるための儀式に使用されていたかららしいわ。

右のもなんだほ?石に人の顔が描かれているほ!
トウモロコシの神様らしいわ。
なんでトウモロコシの神様が描かれているほ?
まず、メキシコではかつてトウモロコシが食糧以上の存在で、人間はトウモロコシから創造されたと考えられていたらしいわ。
次に、斧だけど、材料に貴重な翡翠が使われいて、皮をむいていないトウモロコシの形に似ているのよ。やがて、翡翠製の斧が豊かさなどの象徴になっていったのよ。
トウモロコシと斧が密接に関係しているほか?
そうよ、神様みたいなトウモロコシと斧の関係は深かったのよ。だから、斧にトウモロコシの神様を描いたのかもしれないわね。

「神」のテーマの作品紹介はこれで終わりだほ!
最後の「自然」編に続くわよ!

※作品は全て、ザ・アール・サーニ・コレクション所蔵
会期は2020年2月9日(日)まで

 

特別展「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」

東洋館 3室
2019年11月6日(水) ~ 2020年2月9日(日)

カテゴリ:トーハクくん&ユリノキちゃん2019年度の特別展

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posted by トーハクくん&ユリノキちゃん at 2020年01月07日 (火)