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1089ブログ

ワークショップ「考古学者に挑戦!」が開催されました

2011年10月15日(土)と16日(日)、トーハクでは
考古学者に挑戦!」というファミリーワークショップが行われました。
「考古学っていったい何?考古学者って、何をする人?」
というのがそのテーマ。
参加者は、各日10組、小学1年生から5年生までの子どもたちとそのご家族でした。

はじめに、考古学を専門としている当館の研究員、
品川さんからお話をうかがいます。


考古学者の使う道具に、興味しんしん


「考古学とは、『古』い時代の人びとがくらしたあとや
出土(しゅつど:土の中から出てくること)したモノから
そのころの生活や社会・文化について『考』え、
今の社会に生かすことを『学』ぶこと」

そんなお話を聞いたあと、展示室に行って
「考古学者が発掘されたモノを見る時のポイント」を品川さんに教えてもらいました。
モノの形、色、材質、どんな状態か、もようはついているか、
そこから何が分かるか…など、ワークシートを使って、
自分の選んだ縄文土器をじっくりと観察。

次は粘土板の上にいろいろな材料でもようをつけてみます。
貝がら、竹、木、縄など、縄文時代の人たちも
粘土で土器をつくるときに、
実際に使ったのではないかと思われる道具を使いました。

ひっかいたり、押し付けたり、転がしたり。
ひとつの道具でも、使い方は何通りも考えられます。
さきほど展示室で観察した土器のもようは
どんなふうにつけられたのかを考えて、粘土板の上で再現してみました。


土器とそっくりのもようができました


さて、ここでもう一度展示室に戻ります。
ふたたび同じ縄文土器をじっくり観察し、スケッチしてみます。
新しい発見は、あったかな?


真剣なまなざしで、土器を観察中


最後に、各家族の発表の時間です。
ワークシートにしたスケッチを皆に見せながら、
「どうしてこの土器を選んだの?」
「もようのつけ方について、新しい発見はあった?」など、
私からのインタビュー形式で発表をしてもらいました。


マイクを向けられて緊張しながら、がんばって発表してくれました


粘土板のもようつけ作業をやったからこそ、
2回目のスケッチでわかったことがたくさんありました。
縄を転がしてつけるもようが
全部同じ向きではなく、いくつかの方向に転がされていること。
細くひかれた線を観察してみたら、
ただの棒でなく、半分に割った竹で描かれていると気がついたこと。
スケッチからも、発見したことが、きちんと伝わってきました。

3時間のワークショップを終えて、
参加した小学生の皆さんは、すっかり考古学者らしいモノの見方が身についたようです。

さて、この中から将来の考古学者が何人誕生するでしょうか?

カテゴリ:教育普及催し物考古

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posted by 藤田千織(教育普及室) at 2011年10月21日 (金)