にわか雨に見舞われた夏草と、強風になびく秋草を描いた酒井抱一の最高傑作「夏秋草図屏風」。酒井抱一は、姫路城主酒井家の次男として江戸に生まれ、酒井家に縁のあった尾形光琳を慕って江戸琳派とよばれる画風を打ち立てました。文政4年(1821)に描かれ、トーハク館蔵品のなかでも特に人気の高いこの作品が、コロタイプ印刷と最新の印刷技術により、複製としてよみがえりました。
高精細6,000万画素のデジタルカメラにて撮影された画像データが、コロタイプの版にそのまま再現されています。
コロタイプとは、撮影された写真の情報をそのまま版に反映させる技法で、国宝や重要文化財などの文化財の複製に活用されています。
本複製は受注生産であり、多色刷コロタイプ技法を有する唯一の工房である便利堂が、職人の技と感性に支えられた昔と変わらぬ手作業で、一枚一枚丹精込めて仕上げていきます。
原寸大の複製ほか、原寸の50%の複製も制作しました。現代のライフスタイルにもなじむサイズで、夏秋草図屏風の美しさを存分にご堪能いただける大きさです。
ぜひ、夏秋草図屏風(複製)をお手元に置かれ、江戸琳派の雰囲気を間近にご鑑賞ください。

商品仕様
二曲一双屏風
技法: コロタイプ10色刷(背景の銀地はグリッター技法)
寸法: 原寸大複製 各 縦1,650㎜ 横1,820㎜
50%複製 各 縦825㎜ 横910㎜
本紙: 和紙(鳥の子紙)
仕立: 二曲一双屏風(縁はカシュー塗り)
販売価格: 原寸大複製 1,470,000円(税込)(2013年3月末迄の140周年限定価格)
50%複製 525,000円(税込)
製作: 株式会社便利堂
販売: 東京国立博物館協力会
監修: 東京国立博物館
2012年10月23日(火)より、東京国立博物館ミュージアムショップにて受注受付中
カテゴリ:news
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posted by 長澤由美子(総務課) at 2012年11月01日 (木)
本日、特別展「中国 王朝の至宝」(~12月24日(月・休))と、特別展「出雲―聖地の至宝―」(~11月25日(日))が開幕しました。
平成館特別展示室と本館特別5・4室で、2つの特別展が同日に開幕するのはトーハクでは初めてのことです。
まずは特別展「中国 王朝の至宝」の展示室内からご紹介します。
ポスターやチラシで見ていた文物ですが、ほんもののパワーは凄いです!
虎座鳳凰架鼓(こざほうおうかこ)は思っていたよりもずっと大きくて迫力があり、

一級文物 虎座鳳凰架鼓 戦国時代・前4世紀 湖北省・荊州博物館蔵
犠尊(ぎそん)は前側から見るとたまらなく愛らしく、

一級文物 犠尊
山東省淄博市臨淄区商王村出土 斉国故城遺址博物館蔵
跪射俑(きしゃよう)は存在感があり、りりしく彼方を見つめています。

一級文物 跪射俑
陝西省西安市臨潼区始皇帝陵兵馬俑2号坑出土 秦始皇帝陵博物院蔵
当たり前のことですが、百聞は一見にしかず。ほんものだけがもつ凄まじいパワーを、ぜひ体感してみてください!
そしてもうひとつの特別展「出雲―聖地の至宝―」。
こちらも出雲のパワーを感じられる作品がたくさんあります!
古代出雲大社の復元模型はライティングによって浮き上がって見え幻想的です。

出雲大社本殿復元模型
島根県・出雲市蔵
こちらの銅鐸は両面どちらからも見ることができ、シカ・トンボ・ウミガメ・人物の顔の表現がわかります。

国宝 銅鐸
弥生時代・前2~前1世紀
島根県・加茂岩倉遺跡出土 文化庁蔵
笑った口元・歯が見えてとても微笑ましい表情です。

島根県指定文化財 摩多羅神坐像
覚清作 鎌倉時代・嘉暦4年(1329)
島根県・清水寺蔵
この他にもおすすめの作品がたくさんあります。
1089ブログでは、作品のみどころや研究員のおすすめについてもご紹介していきますので、どうぞお楽しみに!
カテゴリ:news、2012年度の特別展
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posted by 広報室 at 2012年10月10日 (水)
トーハクでは、毎年日本で学ぶ外国人留学生の皆さんをご招待する「留学生の日」を設けています。
今年は10月6日(土)に開催します。
今年のデザインはこちら!

重文の菩薩立像(左)と田舎源氏図(右)の二人をメインにしています
この日は、留学生の方は総合文化展観覧料金が無料です。
トーハクで展示をご覧いただいたり、イベントに参加していただくことにより、日本の文化や伝統に触れいっそうの理解を深めていただければと思っています。
昨年のイベントの様子をご紹介します。

ボランティアによる展示室のガイド
皆さん真剣に聞いています

庭園内にある応挙館で茶道体験をしていただけます
今年も展示室でのガイドやツアー、茶道体験を行います。
イベントは、やさしい日本語で行います。
また、「日本美術の流れ」英語ガイド(10:30~12:00、15:00~16:00)では、
本館2階1、3、4、5・6、7、8、10室でボランティアが待機しており、英語で展示作品のご紹介します。
お気軽にお声かけください。
当日のイベントの詳細は留学生の日のページをご覧ください。当日の館内案内マップもダウンロードできます。
留学生の方はもちろん、ご友人・お知り合いに留学生の方がいらしたらお声をかけお誘い合わせの上ぜひご来館ください。
お待ちしています。
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posted by 江原 香(広報室) at 2012年09月25日 (火)
皆さま、9月21日(金)のトーハクについてはチェックしていただいておりましたでしょうか?
今日は東京国立博物館140周年「秋の特別公開」の中でも、さらに特別な1日「スペシャルありがとうデー」なのです。
どのようにスペシャルなのか?当日の模様を速報いたします!
15:00、関係者が出席する記念式典が行われました。トーハクにゆかりの深い歴代館長や副館長などが出席、
140年の節目を迎え、改めてトーハクの使命である、日本を中心とした東洋の考古物、美術作品の収集、保護、修復、公開を通じて、世界のなかでもすばらしい博物館を目指すことが、館長より表明されました。

お昼過ぎからの激しい雨が、いつの間にかウソだったかのように止んで、青空が見える夕方、
トーハク140周年を音楽でお祝いするイベントが、始まりました。
リニューアル準備で休館中の東洋館の前は、ビアガーデンスペースに。

17:30からは、国際的に活躍する和太鼓集団「鼓童」のパフォーマンスです。

本館を背景に、勇壮で迫力のあるリズムが響き渡りました。

一方、法隆寺宝物館はキャンドルでライトアップ。キャンドルで書かれた「TNM140th」が見えますか?

とっぷり日も暮れてキャンドルの灯りがさらに美しくなる18:30に、「WASABI」の演奏がスタート。
WASABIは津軽三味線でメジャーデビューを果たした「吉田兄弟」の兄・吉田良一郎さんのソロプロジェクトで、
津軽三味線、尺八、箏、太鼓という和楽器ユニットです。
幻想的な雰囲気での美しい音色は多くのお客様を魅了しました。




最後を飾るのはジャズピアニストの小曽根真さんとシンガーソングライター植村花菜さんによるライブです。
普段は皆さまの休憩スペースの平成館ラウンジが、今日は贅沢なコラボレーションが実現するコンサートホールに!
そしてお二人がコラボレーションで選んだ曲は、カーペンターズの「Sometimes」は、
日ごろ言えないままだった「ありがとう」の気持ちを歌ったもの。
トーハク140周年のテーマ「ブンカのちからにありがとう」にぴったりだったのです!


本日、お越しいただけなかった皆さまに耳寄りな情報です。
9月23日(日)、22:00よりJ-WAVE(81.3 FM)にて特別番組
「J-WAVE PLUS 140th ANNIVERSARY OF TOKYO NATIONAL MUSEUM」でライブの模様などをオンエア。
また、トーハク「秋の特別公開」は9月30日(日)まで行っております。
ゆっくり名品の数々をご堪能いただいたり、記念撮影や庭園散策をお楽しみください。
もちろん2度3度とお越しいただけるなら、さらに大歓迎!
トーハク140周年を、皆さまの思い出にしていただけるとうれしいです。
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posted by 林素子(広報室) at 2012年09月22日 (土)
こんにちは、ぼくトーハクくんです。
こんにちは、ユリノキちゃんです。
ねえねえトーハクくん、知ってる?2009年から休館していた東洋館が、いよいよ2013年1月2日(水)にリニューアルオープンするのよ!
今日は、開館前の東洋館体験ツアー「東洋館をめぐる旅」に参加して、中の様子を皆さんにリポートしましょう!
りょうかいだほ!

でもリニューアルって言ってるわりには、外から見た感じはあんまり変わってない気がするほ…
そうよ。今回は耐震補強工事のために休館していたの。元々のデザインを尊重するために、壁や柱の中など見えないところで補強をして、できる限り建物イメージを変えないようにしたんですって。
さあそれでは建物の中へ、レッツゴー!

やっほー!東洋館のエントランスに潜入だほー!冒険だふぉー!
トーハクくん、はしゃぐと危ないわよ!まだ工事中のところもあるから足元に気をつけてね。
わかったほ。ちぇ、おこられたほ。
まずは1室「中国の仏像」から見てみましょう。

1室の様子。
うほー!こりゃキレイだほ。
ここには中国・宝慶寺(ほうけいじ)の仏龕(ぶつがん)がずらりと並んでいます。これだけ並ぶと見ごたえがあるわね。

ぶつがんってなんだほ?
仏像や経文を安置するための容器のことよ。
これらの作品は、元々は宝慶寺っていう中国の石窟寺院の壁に埋め込んであったの。そのイメージに近づけるために、壁に固定して展示したですって。
なるほー。
次はオアシス2(教育普及スペース)を通過して、3室「西アジア・エジプトの美術」へ移動します。

セクメト女神像(新王国時代・第18王朝・前16世紀~前14世紀 エジプト、テーベ出土)といっしょに。
わー!お顔はライオン、からだは人間でお馴染みのセクメトさんだほー!会いたかったほー!
3室では、エジプト神話の女神、セクメトさんがお出迎えしてくれます。
ところでトーハクくん、この横長の展示ケースには何が展示されると思う?

ヒントは、エジプト出土品の中で最も人気の、あの方!
ぼくをもしのぐ人気の作品…?だれかなあ。はっ!もしかして…ミイラさん?
正解!このケースの中には、窒素を発生させる装置がついているから、環境が安定するんですって。
これならミイラさんも安心して眠れるわね。
えー、いいなあー。ぼくもこの展示ケースの中で眠りたいほー。うらやましいほ。
次は4室「中国文明のはじまり」を通過して、5室「中国の青銅器」へ移動します。

うわーすごい、作品が浮いてるみたいでかっこいいほ!
そうね、ガラスが透明で、展示台もすっきりしているから、作品がより見やすくなったわね。
みてみて!まるでガラスが無いみたいに見えるでしょ?

「中国の陶磁」では、作品を横側からも見られるようにケースが配置されています。
陶磁の魅力を余すところなく見られるなんて素敵!

しかも東洋館の展示ケースは、2枚のガラスの間に飛散防止フィルムが挟まれているから、万一ガラスが割れてしまったとしても飛び散る心配がありません。
さてさて、お次はオアシス6(教育普及スペース)と7室「中国の石刻画芸術」を通過して…
8室「中国の絵画」にやってきたほー!広いほー!
天井高は6mもあるの。長い掛軸もゆったり展示できるわね。

人気の国宝「紅白芙蓉図」(李迪筆 南宋時代・慶元3年(1197))発見だほ!
展示ケース内の照明は、すべてLEDなの。色温度を変えることも出来るのよ。
いろおんど?
ハロゲン電球のような黄味がかった温かい色や、蛍光灯のような青味の強い色など、光の色にも種類があるでしょ?このLEDは、作品によって光の色を変えることができるの。
ほぉ~、それは感心だほ。
それでは、9室「中国工芸」、10室「朝鮮半島」を通過して、地下1階の11室「クメールの彫刻」を見に行きましょう。

あっ、みてみて!あそこにも作品があるほ!重そうな作品だほ!
「あれは作品ではなくて、等身大のパネルなんです。」
わっ、東洋室長の浅見さん!
え~これパネルなの~?!だまされたわ…

「こうやってパネルをつくると、ケースの高さや、周りとの間隔など、展示のイメージを具体的にすることができるんです。」
よくできたパネルだほ。しかし早くガネーシャさんご本人に会いたいほ。
「以前の東洋館では、クメールの彫刻を出すスペースがなくて、なかなか展示できる機会が無かったんだけど、新たに専用の展示室ができたから、来年1月からはいつでも会えるよ。」
やっほー!たのしみだほ!
浅見さん、どうも有難うございました!さあ次は、12室「東南アジア」を抜けて13室へ向かいます。
これはアジアの染織のケースなの。
あれ?ケースの中の壁がすこし斜めになってるほ。
よく気付いたわねトーハクくん。大きな布の作品を吊って展示すると、作品の重みに引っ張られて一番上の部分がダメージを受けてしまうでしょ?だから壁と接する部分を多くして広い面積で支えられるように、壁が斜めになっているのよ。
少しでも作品が傷むのを防ぐためなんだね、これはナイスな工夫だほ。
最後の展示はこれ!「インドの細密画」よ。

こーんなに近寄って見られるほ!
とっても細かくて、色も模様もキレイだから、近寄って見たくなっちゃうわよね!
ここでは常時9点の細密画をご覧いただけます。
ということで、駆け足でしたが、東洋館を一周して戻ってきました。
トーハクくん、館内はいかがでしたか?
アジアのいろんな国を旅して、トクした気分だほ。開館がまちどおしいほー!
リニューアルオープンは2013年1月2日(水)です。楽しみに待っててね!
以上、トーハクくんとユリノキちゃんでした!またねー!
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posted by ユリノキちゃん at 2012年09月21日 (金)