東京国立博物館、教育普及室の藤田です。
夏休み恒例の展示、親と子のギャラリー「トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」の第一会場をご紹介した前回のブログに続き、今日は第二会場の様子をご覧いただきます。
こちらの展示は、NHK Eテレ「びじゅチューン!」とのコラボレーション企画として行っているものです。
ちなみに「びじゅチューン!」とは、アーティストの井上涼さんが世界の「びじゅつ」を歌とアニメーションで紹介する番組です。 トーハク所蔵の作品もいくつか取り上げられています。
そのうち5作品を選び、「なりきり」をキーワードにした体験型展示がこの「なりきり日本美術館」です。
本館にある第一会場・特別5室を抜けて、「洛中洛外シスターズ」に導かれながら第二会場・特別4室に入ります。
最初のコーナーは「見返らなくてもほぼ美人」
大きな掛軸がかかっています。本来なら絵が描かれている部分は映像のモニターになっており、そこにはこんな姿が。
おや、こんなところに見返り美人が
トーハクのパンフレットの表紙にもなっている菱川師宣の「見返り美人図」。どこかで見たことのある人は多いのではないでしょうか。
「見返りすぎてほぼドリル」の曲では、好きな男性を振り返っているうちに回りすぎてドリルになってしまった見返り美人。
彼女はなぜ、振り返っていたのかな? 美人になりきって、ポーズを決めて考えてみるのがこのコーナー。
掛軸の前に立った体験者の骨格をセンサーが検知し終わると、「見返り美人」へのなりきりが完了します。
自分のとるポーズと同じ格好を、画面の見返り美人がしてくれます。
いつも後ろ姿の「見返り美人」を前から見ることはなかなかできませんから、貴重なチャンスです。
見返り美人になりきって、はい、ポーズ!
最後は、美人と一緒に記念撮影ができます。
見返り美人になりきったぞー
第二会場、ふたつめのコーナーは「洛中洛外グルメチェック」。
「びじゅチューン!」では、「洛中洛外シスターズ」として、京の都のあちこちの美味しいものを紹介する曲になっていました。
会場でも、レプリカの「洛中洛外図屏風」を見て、おまんじゅうやしじみ汁、魚など、美味しいものを探す、という内容になっています。
レプリカの屏風の両脇にある画面に流れる映像を見ながら、次々に出されるお題を探していきます。
レプリカですが、実際の屏風をじっくり見るのは楽しい!
第二会場最後のコーナーは「顔パフォーマー麗子」。
「びじゅチューン!」の「夢パフューマー麗子」で井上涼さんが描く麗子は、人びとの悪夢にみかんを投げつけ、やっつけます。
本展の「顔パフォーマー麗子」では、みなさんに、麗子が何を考えているのか、彼女になりきって想像してもらいます。
この顔の表情なら、こんなセリフを言いそう…!
と、吹き出しの中にも言葉を書き込みます。
油絵ふうのタッチできちんと麗子になりきります。
彼女の気持ちを想像して「デジタル顔はめ」で麗子になりきってみてください。
展示はどれも大人気で、連日行列ができています。
第二会場を出たところは映像コーナー。
東京国立博物館の所蔵品に関連した「びじゅチューン!」の歌の映像を流しています。
これらの展示を体験したあとは、ぜひほんものの作品を見に行ってください。
本館18室の「麗子微笑」を始め、「びじゅチューン!」関連作品を館内のあちこちで楽しんでいただけるマップ入りワークシートも配布しています。
今回で、親と子のギャラリー「トーハク×びじゅチューン!なりきり日本美術館」の会場レポートは終了です。
8月5日(日)に行われた「トーハク キッズデー」のために博物館に遊びに来て、親と子のギャラリーの展示も見た私の5歳の息子がぽつりと言ってくれました。
「オレ、トーハクって、博物館ていうより、遊び場みたいな感じする。」と。
このセリフが一番聞きたかった!
トーハクでこんなに楽しく「びじゅつ」と遊べるのは9月9日(日)まで!
皆さんもぜひ、いらしてください。
親と子のギャラリー「トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」
2018年7月24日(火)~9月9日(日)
本館 特別4室・特別5室
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カテゴリ:教育普及
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posted by 藤田千織(教育普及室長) at 2018年08月13日 (月)
幼稚園や学校は夏休み。
絵をかいたり、何かを作ったりするのが大好きな子どもたち。
不思議なものや歴史に興味津々の子どもたち。
まだ博物館デビュー前の子どもたち。
子どもたちみんなのために、今年もトーハクキッズデーを開催します!
トーハクには、たからものがいっぱい。
どれも昔の人が、つくったり、つかったりしたものです。
地面の中から発掘されたもの、あの歴史上の人物がつかっていたもの。
何につかうのか想像もつかないようなもの。なんだかとっても立派で豪華なもの。
こんなたからものを、みんなで一緒に楽しむのがキッズデー。
「これは何?」「いったいどこをみればいいの?」
ギャラリートークでは、みんなにたからもののことをお話しします。
去年のキッズデーのギャラリートーク
仏像のポーズにこめられたメッセージとは?
子どもたちが大好きな絵本。
たとえば「ぶんぶく茶釜」。かわいいたぬきが化けた「茶釜」ってみたことありますか?
トーハクでみることができますよ!
絵本に関連する作品の前で行う、トーハクならではの読み聞かせは新企画。
美術や歴史も楽しいけれど、音楽も楽しい!
楽器についても知ることができる、子どものためのコンサートです。
日本の楽器のコンサート
和太鼓の体験コーナーも大人気!
大人気勾玉つくり(当日先着順。詳細はこちら)、トーハクの名品をデザインした、団扇型のオリジナルぬりえや、アプリをつかった見学など、キッズ向けイベントが盛りだくさん。
ぬり絵はみんな大好き!
豪華な100色色鉛筆で集中して塗っています
最後に、お父さん、お母さん。保護者の皆さん。
子どもがぐずったら・・・と思うと、不安になってしまうかもしれません。
どこでご飯を食べよう、授乳はできるのかしら。いろんな心配をしますよね。
でも、キッズデーは子どものためのとくべつな一日。
キッズコーナーもあります。離乳食やミルクのためのレンジ、お湯と飲食可能スペース、授乳スペース、キッズマットの上で遊べるスペースもご用意しました。
大丈夫です。ぜひ来てください。
NHK Eテレ「びじゅチューン!」で歌になったトーハク所蔵作品の複製や映像を使った体験型展示「親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」も開催中!
キーワードは「なりきり」。絵の中の人物や、絵を描いた人になりきってびじゅつの中で遊ぼう!
お友達や家族でお出かけした博物館ってすてきなところ。
大人の方にも、子どもたちにも、そう思ってもらえたらうれしいです。
では、8月5日(日)、トーハクでお待ちしています!
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posted by 川岸瀬里(教育普及室) at 2018年07月31日 (火)
「まだかなー。まだかなー。」
あれ? 今日のトーハクくんはなにやら人(?)待ち顔。一体誰を待っているのでしょうか?
正解は・・・
ポケモンのイーブイ!
じつは、トーハクは「プロジェクトイーブイ」の人気企画「イーブイの会社見学」に応募していたのです!
応募後ご連絡があり、是非「親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」をいち早く体験していただこうと、一般公開前の7月23日(月)に来館いただくことになったのでした。
では、イーブイご来館の模様を、せっかくですので実況風にお楽しみいただきましょう。
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まずは、イーブイ、正門に到着。
容赦なく「月曜休館」というルールの洗礼を受けます。
休館日は開かなイーブイです
もちろん冗談(笑)。
衛士(警備の係員)が、すぐに門扉を開けてお出迎えしました。
「イーブイらっしゃいませ!!」
当日、東京都内は最高気温40℃を超える猛暑。
なにはともあれ、急いで建物の中へ向かっていただきます。
と言ってるのに、ユリノキの下でひと休みするイーブイ
おや?
本館に人だかりが! イーブイ突然の来訪に、館のスタッフも熱烈歓迎です。
さすが、人気者!
本館ではもちろん、東京国立博物館の広報大使・トーハクくんがお出迎え。
「いらっしゃいませ!」 トーハクくんのお辞儀は深い
続いて、本日の案内役、小林 文化財活用センター副センター長もご挨拶。
「いらっしゃいませ!」 やはり、トーハク側のお辞儀は深い
そして、「イーブイの会社見学」恒例の2ショット。
これまで数々の企業の代表者の方たちが頭をうずめてきたという、イーブイのもふもふを…
小林副センター長が堪能します。
うしろでトーハクくんが冷ややかに見つめます。
「・・・そろそろ離れてほしいほ!!」
あまりの堪能っぷりにトーハクくんの嫉妬心に火が付き始めましたが、
気を取り直して、せっかくの機会なのでみんなで記念撮影です。
ところがその時!
イーブイのあまりの可愛さに取り乱した女性スタッフが、隠し持っていたモンスターボールを懐から取り出しました!
危うしイーブイ!
しかし、そこに割り込んだのはトーハクくん…!
一同「トーハクくん! お客様を、イーブイを守ったんだね!」
トーハクくん「・・・ボクを。」
一同「?」
トーハクくん「よそのコをつかまえるならボクを!! ボクに!! もっとボクにかまうほ!!」
イーブイ「・・・。」
一同「・・・。」
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スタッフ一同が落ち着きを取り戻したところで、とりあえずトーハクくんには通常業務に戻ってもらうことになりました。
トーハクくん「楽しんでいくといいほー。・・・でも! トーハクの人気者の座は! ぜったい! ゆずらないほ!!」
イーブイ「・・・。」
広報室員「・・・さ、行こうか、トーハクくん。」
・・・トーハクくんはまだ5歳だから。
・・・多少は・・・ね。
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さあ、いよいよ「親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」の会場へ向かいます。
この展示は、NHK Eテレ「びじゅチューン!」とのコラボレーション企画展示。
番組内で歌になったトーハク所蔵作品を、映像を使った体験型展示で楽しめます。
いざ体験!と思ったら・・・
入口にある「見返り美人」人形と一緒に回りだすイーブイ。
・・・ かわいい!
一同メロメロになりながらも、特別5室の『体感!ザパーンドプーン北斎』にご案内します。
このコンテンツでは、特大スクリーンに葛飾北斎の「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」を拡大して映像化!
絵のなかの舟に乗る人物になりきることができます。
声の大きさで変化する波の大きさ
はたしてイーブイは…
見事「大波」! ※イーブイはさけべなかったのでスタッフが代理でさけびました
拡大投影された波の迫力にイーブイも驚いている様子でした。
同じく特別5室には、歌川広重の「名所江戸百景・大はしあたけの夕立」を題材にした浮世絵体験、『雨は愛すがどう描く?』もあり、イーブイも浮世絵の世界に興味津々の様子。
続いて、特別4室へ。
『見返らなくてもほぼ美人』は、菱川師宣の「見返り美人図」をモチーフに、モニターの中の見返り美人を、カメラの前の人が動かすことができるコンテンツ。
・・・なのですが、どうやらポケモンは対象外だったようです。
カメラ、どうやっても反応せず。
できなイーブイです
嫌な予感を抱きつつ、同じく特別4室の『顔パフォーマー麗子』へ。
岸田劉生の「麗子微笑」に、なんとデジタル顔はめができるというコンテンツ!
ですが、やはり・・・
ここでもカメラはイーブイを認識できず・・・。
残念ながら、こちらもポケモンは対象外だったようです。
小林麗子、もとい小林副センター長にやさしく慰められるイーブイ
さいごは18室。
ここでは「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」や「麗子微笑」の実物を見ることができます。
いろいろな視点を学んだあとで見る、ホンモノの魅力。イーブイにも伝わったかな?
もふもふのイーブイに日本の夏は厳しそうですが、夏でも涼しい博物館の中で楽しげに過ごしている様
子を見て、この暑さの中に来てもらった私たちスタッフも、少し安心したのでした。
イーブイ、来てくれて本当にありがとう!!
イーブイも大満足の「親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」は、
7月24日(火)から9月9日(日)まで開催中。
この夏の思い出に、ぜひ皆様もご来館、ご体験ください!
【おまけ】
閉まっている展示室に入ろうとして挟まったイーブイ
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posted by 田村淳朗(総務課) at 2018年07月27日 (金)
くるくるくる、と回る見返り美人が入口の目印!
東京国立博物館、教育普及室の藤田です。
7月24日(火)、夏休み恒例の展示、親と子のギャラリーが始まりました!
NHK Eテレ「びじゅチューン!」とのコラボレーション企画として、「トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」が、トーハク本館にオープンしました。今日はまず、第一会場の様子をお伝えします。
ちなみに「びじゅチューン!」とは、アーティストの井上涼さんが世界の「びじゅつ」を歌とアニメーションで紹介する番組です。 トーハク所蔵の作品もいくつか取り上げられています。
トーハクの本館入口でお出迎えしてくれるのは、くるくる回る見返り美人のバルーンロボット。その横の画面からは軽快な歌声が聞こえてきます。歌っているのは、井上涼さんです。この展示のために作ってくださった曲「トーハクトラベル」のビデオが流れています。上野公園やトーハクの中を旅するように歩きながら、楽しく案内してくれる歌のビデオです。「トーハクトラベル」の映像をぜひご覧ください!
入口を通って第一会場の特別5室へ入ると、「ふーじさーん!!」と大きな声が聞こえてきます。部屋の奥へと進むと、こんな大きなスクリーンが!葛飾北斎の「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」の大きな波が動く映像が映し出されている「体感!ザパーンドプーン北斎」。映像の前にある船に乗っている人たちもいます。その脇では、マイクに向かって叫ぶこどもたち。そう、ここでは富士山への思いをマイクで叫ぶと、その声の大きさによって、映像の波が大きくなるのです。
びじゅチューン!では「ザパーンドプーンLOVE」という歌で、富士山に恋した波が大きく伸び上がって自分をアピールしていましたが、北斎の迫力ある波の表現をこんなふうに間近で体験してみるのも楽しい!
大きな声で「大波」、出せるかな?
次のコーナーは「雨は愛すがどう描く?」。歌川広重の「名所江戸百景・大はしあたけの夕立」では、たくさんの細い線が描かれ、雨を表現しています。びじゅチューン!の「雨は愛すが人逃げる」という曲でも、雨が主人公になっています。ここではスタンプコーナーで、その雨や雨雲をスタンプにして、絵の上から重ねて押すことで、絵に雨を降らせることができます。作者になったつもりで、小雨を降らすのか、大雨にするのか、スタンプを選んで重ねてみてください。
スタンプで雨を降らせる体験コーナー
このコーナーでは、版画の制作工程も展示されています。18の版を重ねていく過程をじっくりご覧ください。
こんなにたくさんの版が摺り重ねられています
以上、親と子のギャラリー「トーハク×びじゅチューン!なりきり日本美術館」の第一会場のレポートでした。ぜひ、「びじゅつ」と遊びにトーハクにいらしてください。
次回は第二会場の様子をお伝えします。
親と子のギャラリー「トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」
2018年7月24日(火)~9月9日(日)
本館 特別4室・特別5室
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親と子のギャラリー「トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」
2018年7月24日(火)~9月9日(日)
本館 特別4室・特別5室
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カテゴリ:教育普及
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posted by 藤田千織(教育普及室長) at 2018年07月26日 (木)
夏休み恒例の親と子のギャラリー、今年はNHK Eテレ「びじゅチューン!」とのコラボレーション企画です。びじゅつが大好きなみんなのために、「トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」(2018年7月24日(火)~9月9日(日))が、この夏、トーハクに期間限定でオープンします。
「びじゅチューン!」は、アーティストの井上涼さんが世界の「びじゅつ」を歌とアニメーションで紹介する番組。自由な想像力で美術の楽しみを広げてくれます。
今回の親と子のギャラリーは、「びじゅチューン!」に取り上げられているトーハク所蔵の作品をテーマに、複製や映像を使った体験型の展示です。キーワードは「なりきり」。絵に登場する人や、絵を描いた人になりきって、びじゅつの中で遊んでみましょう。
展示の始まる7月24日まで待てない人のために、今日はその中身をひとつだけご紹介します。
みなさんご存じの葛飾北斎による「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」。大きな波と富士山の、あの絵です。
冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏 葛飾北斎筆
舟に乗った人のサイズと比べて見ると、「この波、どれだけ大きいんだ?!」と思いませんか? 「びじゅチューン!」では、「ザパーンドプーンLOVE」という曲で、富士山に恋した波が、大きく伸びあがってアピールしています。この作品のポイントである大迫力の波を、船乗りになりきって、リアルなサイズの映像で体感してみましょう!富士山への思いをさけぶと、声のボリュームに合わせて大きな波が起こります。
「体感!ザパーンドプーン北斎」 会場イメージ
このほか、「見返りすぎてほぼドリル」の見返り美人になってみたり、「夢パフューマー麗子」の麗子になりきってみたり、楽しい企画が勢ぞろい。
本館18室の「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」(8月19日まで展示)、「麗子微笑」を始め、「びじゅチューン!」に関連したほんものの文化財も展示されます。
親と子のギャラリー「トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」
2018年7月24日(火)~9月9日(日)
本館 特別4室・特別5室
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親と子のギャラリー「トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」
2018年7月24日(火)~9月9日(日)
本館 特別4室・特別5室
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posted by 藤田千織(教育普及室長) at 2018年06月26日 (火)