7月11日(土)、「クレオパトラとエジプトの王妃展」がついに開幕しました。
開幕に先立ち、7月10日(金)には開会式・内覧会を行い、大変多くのお客様にご出席いただきました。
さて、展示室に入ってすぐ、ひとりの美女がさっそくお客様の目線をくぎづけにしています。
クレオパトラ
ダニエル・デュコマン・ドゥ・ロクレ作
1852~53年
マルセイユ美術館蔵
この美女こそが、古代エジプト最後の女王にして本展のヒロイン、クレオパトラ(7世)です。
クレオパトラについては前回もご紹介しましたが、共同統治者として君臨し、弟との権力争いや、2人のローマの英雄との恋、そして彼女の死とともに古代エジプト王国も終焉を迎えるという大変ドラマチックな人生を歩みました。
さすがは、歴史に名を残す女王クレオパトラ。ローマの英雄どころか、お客様もすっかり虜です。
私たちのハートを奪い去る魅力を備えた女性は、クレオパトラだけではありません。
本展の注目作品として何度もご紹介してきたのが「アメンヘテプ3世の王妃ティイのレリーフ」(ブリュッセル、王立美術歴史博物館蔵)。
ついに本物に会えました! 日本初公開です!!
日本でこのレリーフをご覧になるのを楽しみにされていた近藤二郎教授(本展監修者)、内覧会時の作品解説はいつも以上にアツイ解説となりました。
日本を代表するエジプト学の研究者をも虜にしてしまう王妃ティイの魅力、恐るべし。
「小顔だねー」と、女性ならときめかずにはいられない言葉を一身に浴びていたのが、こちらの作品。
王妃の頭部
テル・アル=アマルナ出土
新王国・第18王朝時代 アクエンアテン王治世(前1351~前1334年頃)
ベルリン・エジプト博物館蔵
アメンヘテプ4世の王妃ネフェルトイティ(ネフェルティティ)の像とも、別の王妃の像とも考えられています。
ポスターやチラシにも登場している作品なので、目にされた方も多いのではないでしょうか。
こちらの像、写真で見るイメージよりも小顔なんです。そして美人なんです!!!
ぜひご自身の目で確かめてみてください。
本展は世界14ヵ国約180件もの作品が集結した展覧会です。
他にもご注目いただきたい作品や魅力的な王妃たちが多数!
そんななか、敢えてもうひとつ注目ポイントを挙げるならば、普段目にする機会の少ない個人コレクションの優品も多数出品されているということです。
西アジアの考古学が専門の、本展の担当研究員も「今まで本物を見たことがなかったけど、かなり良いもので驚いた!!」と興奮気味に語っていました。
青色彩文土器(魚)
新王国・第18王朝時代(前1550~前1292年頃)
アル・タニコレクション
今後、こちらのブログで展覧会の見どころを研究員が(そしてトーハクくんが)どんどん紹介していきます。
どうぞご期待ください。
平成館ラウンジには、撮影スポットを設けています。
ご来館の記念にどうぞ!
カテゴリ:news、2015年度の特別展
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posted by 高桑那々美(広報室) at 2015年07月13日 (月)
今や日本のアニメーション界を牽引しているといっても過言ではない、細田守監督作品と東京国立博物館は少なからぬ縁があります。細田監督の名を世に広く知らしめた珠玉の名作『時をかける少女』(『時をかける少女』製作委員会2006)では、主人公のおば(原作小説の筒井康隆・著「時をかける少女」の主人公)が、博物館に勤めていますが、まさに東京国立博物館が映画の舞台になっています。また重要な意味を持った「絵」も映画のなかで本館の展示室に展示されました。
『時をかける少女』 ©「時をかける少女」製作委員会2006
そして昨年10月10日、11日には「博物館で野外シネマ」で『時をかける少女』が上映され多くの方々がつめかけました。上映後には作中場面に登場した博物館のあちこちを、実際にご覧いただく時間があり、たくさんの方々に総合文化展をご覧いただくことになりました。
「博物館で野外シネマ」チラシと上映時の風景(2014年10月10日(金)、 11日(土) 開催)
そしてこの7月11日(土)には、スタジオ地図が贈る細田守監督の最新作である「バケモノの子」が封切りとなります。映画に登場するバケモノたちは、みな刀を持っていますが、実は主人公の熊徹(くまてつ)と九太(きゅうた)が持つ刀は、東京国立博物館の所蔵品を参考としています。当館の刀剣を専門とする研究員が、登場人物の力強さなど、人物設定に応じた刀剣を提案したのです。
『バケモノの子』 ©2015 B.B.F.P
参考にされた刀剣
朱漆打刀(しゅうるしうちかたな)(重要文化財「刀 無銘元重」の拵(こしらえ))
安土桃山時代~江戸時代・16~17世紀 東京国立博物館蔵
溜塗打刀(ためぬりうちがたな )(明智拵(あけちこしらえ))
室町時代・16世紀 東京国立博物館蔵
ともに本館5・6室で7月28日(火)から10月12日(月・祝)まで展示されます。
このように東京国立博物館と日本の美術の数々が、細田監督の作品にとりあげられているのです。日本を代表する細田作品を堪能されたら、その作品世界に取り上げられた東京国立博物館の文化財にもぜひ、ご興味を持っていただけましたら幸いです。
細田守監督作品に関わる参考情報
1. 日本テレビ系の「金曜ロード SHOW!」にて、7月17日(金)午後9時からは『時をかける少女』が放送されますので、ぜひアニメーション世界で登場する東京国立博物館をあらためてご覧ください。
なお本日7月10日(金)午後9時からは前作『おおかみこどもの雨と雪』が放送されます。
2.渋谷ヒカリエの9Fヒカリエホール・ホールA(7月24日(金)~8月30日(日))にて『バケモノの子』展が開催され、細田守監督の作品世界を体験できます。
3. 雑誌『SWITCH』(Vol.33 No.7)では「細田守 冒険するアニメーション」特集が組まれ、そこで本ブログ執筆者が細田監督作品と東京国立博物館の所蔵品をはじめとした日本絵画の関わりを解説しました。
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posted by 松嶋雅人(平常展調整室長) at 2015年07月10日 (金)
特別展「鳥獣戯画ー京都 高山寺の至宝ー」20万人達成&開館延長決定!
特別展「鳥獣戯画ー京都 高山寺の至宝ー」(4月28日(火)~6月7日(日)、平成館)は、6月2日(火)に20万人目のお客様をお迎えしました。
ご来場いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。
20万人目のお客様は、横浜市在住・中学3年生の伊藤聖さん。
本日、横浜は開港記念日で学校がお休みということで、お母様を誘ってご来館されたとのこと。
伊藤さんには、東京国立博物館・松本伸之副館長より、記念品として特別展図録と展覧会場限定オリジナルクッションなどを贈呈しました。
伊藤聖さん(中央)と松本副館長(右)、左はお母様のやよいさん
東京国立博物館 展覧会会場前にて
美術館が好きで普段からよく行かれているという伊藤さん。
「鳥獣戯画は教科書などでよく知っている絵。学校に貼られたポスターで展覧会のことを知って、開幕前からずっと見たいと思っていた。紙に印刷されたものと本物では違いがあると思うので楽しみ。」
とお話くださいました。
特別展「鳥獣戯画ー京都 高山寺の至宝ー」もいよいよ今週末6月7日(日)までとなりました。
連日大変たくさんのお客様にご来館をいただいており、
6月2日(火)~4日(木)の開館時間を1時間延長し、18時閉館とすることとなりました。
会期末までの開館時間は下記のとおりとなります。
6月2日(火)9:30~18:00 ※1時間延長(特別展のみ)
6月3日(水)9:30~18:00 ※1時間延長(特別展のみ)
6月4日(木)9:30~18:00 ※1時間延長(特別展のみ)
6月5日(金)9:30~20:00 ※通常通り
6月6日(土)9:30~18:00 ※通常通り
6月7日(日)9:30~18:00 ※通常通り ※最終日
*入館は閉館時間の30分前まで。
会場は大変混雑しており、観覧まで長時間お待ちいただく場合がございます。
ご来場の際は十分に時間の余裕を持っておこしください。
混雑の状況は、ツイッターアカウント@chojugiga_uenoやハローダイヤル(03-5777-8600)でもご案内しています。
皆様のご来館をお待ちしています。
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posted by 田村淳朗(広報室) at 2015年06月02日 (火)
ほいほいほほーい! ぼく、トーハクくん!
今日はユリノキちゃんの 命令 アドバイスで、特別展「鳥獣戯画―京都 高山寺の至宝―」のグッズを紹介しにきたほ。
なんだかオモシロいものがそろっているらしいほ。 たーのしーみだほー!
さて…今回は平成館の1階に特設ショップができてると聞いて…
!!!
…すすす、すごい人出だほ。 鳥獣戯画グッズ大人気だほ! これは楽しみだほー!!
さて、今回は、まず、なにをおいてもコレ! 研究員さん渾身の公式図録なんだほ。
特別展「鳥獣戯画―京都 高山寺の至宝―」公式図録 2,700円(税込)
豪華!布張りのハードカバー。全作品の図版はフルカラー。
鳥獣戯画全4巻の全場面は、図録の中ほどに綴じ込み。
カラーページの巻頭には、鳥獣戯画の名場面を和紙調の紙に印刷した特別ページも収録。
ネット上でも話題の豪華版なんだほ。
さらに、持ち疲れたら肩から掛けられるバッグ(税込550円)も。
図録とバッグをセットで同時に買うと、なんと合計3,000円(税込)でおトクなんだほ!
待ち時間つぶし用のパズルや出品目録、買ったグッズもこの中に。
これはマストバイだほー!!
いやー、しょっぱなからテンション上がりすぎて疲れちゃったほー。
あ、こんなところにかわいいクッションが…ふー。
クッション 3,000円(税込)
鳥獣戯画に登場するウサギをかたどったクッション。
カエルバージョンもあります。
あ、じゃあ…今回の取材はこんなところで…
……ダメ?
…ほ?これは?
トランプ 1,500円(税込)
「鳥獣人物戯画 甲巻」が描かれたトランプ。
数字とマークを順番に並べると、絵巻が!
まさに7並べのためにあるようなトランプだほ。
楽しそうだけど…。ユリノキちゃん、続いてるとこ止めるとすぐ怒るしな…。
お、こっちにもいいものが!
iPhoneケース 2,500円(税込)
鳥獣戯画に登場するウサギをあしらったiPhoneケース。
こちらにもカエルバージョンがあります。
iPhoneをセットすると、
カエルはリンゴに噛み付いているように、ウサギはリンゴを蹴っているようになる…
…作った人は、○ップルさんとナニカあったほ?
えーっと、あったあった。コレがユリノキちゃんが言ってたコーヒーだほ。
マイセンオリジナルブレンド レギュラーコーヒー(粉) 125g入
缶パッケージ 1,944円(税込)
パッケージにウサギや猿、カエルをあしらった、
洋食器ブランド「マイセン」とのコラボ商品。
…んー、カエルのやつでいいのかほ?
(※トーハクくんは忘れているようですが、ユリノキちゃんはカエルNGです)
となると…
お菓子も買っていかないといけないんだほ。
じゃないと、あの腹ペコ樹木妖精は、
「あらー? お茶菓子はどうしたのかしら? これから買ってくるのかしらー?」って笑顔で聞いて…。
…ん?これは…っ!
(左から)クッキー 1,000円(税込)、八ッ橋(現在は入荷待ち)650円(税込)、ケーキ 920円(税込)、おたべ 540円(税込)
く、クッキィィィィ!!
ややや、八つ橋もォォォォ!
な、なんなんだほ!? この、まるでボクをねらいすましたようなお菓子ラインナッッッープ!
…さてはワナか? …ボクをおとしいれるためのワナか!?
…くっ。
…教えるんだほ! 在庫は! 在庫は何箱あるんだほーーー!?
……。
………。
…………。
ふう。あぶなかったほ。まとめ買いしてしまうところだったほ。
ほ?
ここはうわさの記念撮影コーナーだほ。
…そして……そばには休憩をとっている、おねいさんたち…。
んふふふふ…。これは、チャンス!
ヘイ!そこのステキなおねいさん! 僕と一緒に記念撮影しなーい?
……もちろんだほ。
おねいさんみたいなステキなひとと一緒に記念撮影できるなんてむしろボクがコーエイなんだほ。
さ、おねいさん。ボクをしっかりと、抱いて。
???「あ~ら。じゃあわたしも一緒に写らせてもらおうかしら?」
…え?
人気の撮影コーナーでラウンジでご休憩されていたお客様と一緒に、記念撮影!
皆さんも是非、ご利用ください。
「ご満悦のようね?」
ユリノキちゃん!? いつの間に…? あ、いや、ボ、ボク、頑張ったから、ちょっとゴホウビがほしくて、その…。
「ふーん。鼻の下がのびてるわよ? …あ、そうだトーハクくん。このあとちょっと、東洋館裏に来てくれる?」
…ほほほ。ユリノキちゃんのお説教はちょっと長引きそうだけど…大丈夫!
特設ショップは閉館時間までちゃんと営業してるほ…。
特別展「鳥獣戯画―京都 高山寺の至宝―」は6月7日(日)まで。
今回紹介した商品以外にも、まだまだ魅力的な商品はいっぱい。
みんなもご来館の思い出をぜひゲットしてほしいほー!
しーゆー!
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posted by トーハクくん at 2015年05月26日 (火)
5月17日(日)、上野動物園、国立科学博物館、東京国立博物館を1つのテーマでめぐるイベントを開催しました。
今年のテーマは「ゾウ」。
小学校5年生~高校生を対象に、それぞれの専門家3人が力を合わせたツアー形式のセミナーです。
まずは上野動物園からスタート。
動物解説委員の小泉祐里さんと一緒に「生きたゾウの観察」です。
歩く姿や、食べる様子だけでなく、足の裏や口の動き、耳の様子もじっくりと観察します。
しなやかに動く鼻、ゆったりとした足の動き…ゾウの姿に見入りつつ、その動きの秘密を知るために、次は科学博物館へ。
動物研究部の川田伸一郎さんに「ゾウの骨格」をテーマにお話を伺いました。
陸上で最大の体をもつゾウは、もちろん骨格も巨大です。
大きな耳、長い鼻の役割や、巨大な体を支える足のつくりの秘密を、骨格や標本を実際に触りながら確認していきます。
ゾウの動きの特徴、骨格の秘密を教わったあとは、最後のトーハクへ。
親と子のギャラリー「美術のくにの象めぐり」展示室(5月17日(日)で展示終了)で、ゾウは人々によってどのように表現されてきたのかを、教育講座室の神辺知加さんが紹介しました。
仏さまを乗せたゾウや、力強さ大きさの象徴としてのゾウ、日用品のモチーフとしてのゾウなど、ゾウはさまざまな姿で登場します。
なかでもインドの細密画に表わされたゾウの歩く姿は、動物園で見たゾウにそっくり。インドの人々にとってゾウがいかに身近な動物であったかが分かります。
作品の説明だけでなく小泉さんと川田さんも交えて作品の中のゾウも観察し、作品の見方がまた広がりました。
開催10回目を迎える来年はどんな動物をテーマにするか、鋭意計画中です。
どうぞ、お楽しみに。
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posted by 長谷川暢子(教育講座室) at 2015年05月22日 (金)